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2017年05月22日

西遊記 第12話感想 「御三家妖怪 追放作戦」

初回放映:1978年12月17日


日本テレビ系

(ストーリー:ネタバレ)

きん斗雲に乗って次に一行が訪れる「車遅国(しゃちこく)」の偵察をしに来た悟空は、貧しさを知ら
ない豊かな国と三蔵から聞いていた話とは裏腹に、元気なのは兵隊ばかりでたくさんの死体が道に転が
っている貧しい国であることに驚く。悟空は見て来たことを報告するが三蔵は信じない。

八戒は空腹でこれ以上歩くことをごねて三蔵達から離れた所で座り込んでいた。悟空の報告を聞いたら
益々動こうとしないと見た悟浄は、食べ物があり綺麗な女がいると嘘をついて八戒のやる気を出すこと
に成功した。

三蔵の所へ戻ろうとする八戒と悟浄は、車遅国から出て来た老人とその孫娘と出会う。老人は老奇(ろ
うき)孫娘は桃麗(とうれい)といった。悟浄は孫娘のほうは妖怪だと言うが、八戒は信じない。桃麗
への下心から動けなくなった老人を三蔵の元に運び介抱した。悟空と悟浄に食べ物を探しに行かせた三
蔵に老奇は、この国では三年前から穀物の種をまくことを止めているので、食べ物は見つからないだろ
うと告げる。畑で働く人がこの国ではいなくなっていた。

老奇が持っていた黄瑞香(おうずいこう)の苗を小屋の横に植えて水をやる桃麗と八戒。この国でしか
採れない種で、蛍のように光る紙が作れるという。泣き始めた桃麗に八戒が訳を聞く。悟空と悟浄も戻
ってきた。桃麗の父が御三家の大仙に弓を引いたために仲間の三人と一緒に処刑されるという。

御三家とは、三年前にこの国を食いつぶしにやってきた虎力大仙、鹿力大仙、羊力大仙の三匹の妖怪の
事であった。八戒は桃麗の為に御三家を倒しに一人で乗り込むが、御三家が組んだ腕から放たれる熱線
にやられ逃げ帰ってきた。

さっさとこの国を去ろうという悟浄に三蔵は処刑される四人を助けるように命じる。悟空は熱線を防ぐ
ために鉄のテーブルを悟浄に鏡のように磨かせた。

四人の処刑前、悟空は虻に変身して兵士を襲い、兵士がひるんだ隙にテーブルを持った八戒と悟浄が突
入した。熱線を跳ね返している内に四人を助けてテーブルが全部溶けてしまう前になんとか逃げること
が出来た。御三家は四人を奪ったのが話に聞いた天竺に向かう三蔵一行だと目星を付けきっと探し出す
と決意した。

三蔵たちが隠れている小屋まで四人はたどり着く。再開を喜ぶ四人と老奇、桃麗であったが、後をつけて
来た兵士の矢に当たり老奇が死んでしまう。兵士は悟空が始末した。兵士は一人だけだったため小屋はま
だ御三家に知られていない。四人は身を隠し、三蔵一行はこの国を後にすることにした。

八戒は小屋の横に植えた黄瑞香の苗を持って桃麗と一緒に旅に出ようとする。しかし、黄瑞香はこの国で
しか育たないと桃麗は八戒と一緒に行くことを拒んだ。旅立とうとする三蔵一行だったが、悟空が四人は
自分らに気をつかって身を隠すといったが、きっとまた御三家を倒そうとする。それを手助けしに戻ろう
と三蔵に訴える。三蔵は快く承諾し、八戒も喜んだ。

四人は御三家の命の元を断とうと作戦を立てていた。虎力大仙は酒、鹿力大仙は金銀宝石、羊力大仙は黄
瑞香で作られた蛍のように光る紙が命の元で、それが貯蔵されている秘密の倉からすべてを盗んでしまお
うとしていたのだ。

悟空はその秘密の倉と罪人が捕らわれている石牢の地図を書くように四人に指示する。倉と牢は屋敷の裏
山の洞窟の中にあった。山の全面は屈強な兵士が守り、裏側は絶壁で登るのが困難。しかし四人の中の一
人、金は自称ヤモリのような男で断崖絶壁を登るのが得意ということで、裏側のルートから侵入、八戒と
悟浄は倉まで侵入出来たら中のものをガラクタとすり替える。悟空はみんなにも秘密の行動をとることに
なった。

作戦会議を終え小屋から出発した一同を見送った三蔵と桃麗の元に突如、御三家が現れ二人を誘拐した。

金は裏山の絶壁を簡単に登り綱を降ろした。他の三人と八戒、悟浄はその綱を使って絶壁を登っていった。
しかし、八戒が背負っている鏡のように磨いた鉄のテーブルの重さで綱が切れかけてしまう。やむおえず
捨てたテーブルが岩にぶつかり大きな音を立ててしまったため、兵士達に侵入を気付かれてしまった。
山を登り切ったものの兵士の襲撃を受け、桃麗の父と金以外の二人が殺されてしまう。自分のミスで二人
を死なせてしまったと八戒は悔い、悟浄と一緒に兵士との乱闘を繰り広げる。


悟空は桃麗に化けて贈り物を御三家に届けに来たと正面から乗り込むが、桃麗は既に捕らえられていたため
御三家には見破られていた。二人を人質にとられ抵抗できない悟空。そこに秘密の蔵が襲われていると兵士
からの報告が御三家の元に入ってきた。驚く御三家の隙をついて悟空は分身を作り出し、御三家の相手をさ
せている内に三蔵と桃麗を逃がした。逃げる三蔵と桃麗を追ってくる兵士に、最初の四人以外にも蜂起した
住人達が襲い掛かる。

悟空は虻となって熱戦を発する中心となる虎力大仙の腕を刺し、羊力大仙を気絶させて入れ替わった。

洞窟では悟浄が兵士を抑えている間に八戒と桃麗の父、金が倉庫に入る事に成功。酒甕をたたき割り、宝石
紙を盗み、石牢に捕らわれていた住民も解放した。御三家が倉庫の惨状にパニックになっている中、悟空は
正体を現し、そこに八戒と悟浄も参戦した。戦闘不能になった二匹。気を失っていた羊力大仙も倉に連れて
来て揃った御三家を叩き殺そうとする悟空たちを三蔵が止める。憤る悟空、八戒、悟浄であったが三蔵のい
うことをきき、熱線を発する腕輪を取り上げただけで車遅国から追放とすることにした。

桃麗と金は恋人同士であった。二人は黄瑞香を育ててこの国をまた豊かにしていくことを三蔵に約束した。
傷心の八戒は倉からくすねていた宝石を桃麗にプレゼントする。しかし三蔵は、仏に使える身が盗みをした
ことに怒り八戒に破門を告げた。天竺に向かう一行の後を、悟空や悟浄に三蔵に詫びを入れてくれるよう頼
みながら追いかけていく八戒の姿があった。





鹿力大仙は仮面ライダーの地獄大使を演じた潮建志でした。

御三家の熱戦を浴びた兵士は黒焦げの骨になって炭化したのに妖怪の八戒は尻を痛めただけでした。さすが
妖怪。

四人を処刑の前に助けて悟空達が逃げた時点で御三家はエネルギー切れだったので、逃げずに倒すことがで
きたのにそれを見極められなかったのは残念でした。

撮影時は冬だったのかロケ撮影の場面ではみんなの吐く息が白いです。

冒頭、老奇と桃麗に出会った際、悟浄は桃麗は妖怪だといってましたが、普通の人間でした。実は黄瑞香の
精なのかなとおもっていましたが、単なる悟浄の間違いだったのか八戒が何度も女妖怪に騙されてきたので
戒めのために嘘をついたのか謎です。

車遅国の住民が畑で種を撒かなくなった理由が分かりませんでした。御三家は酒、金銀宝石、紙以外は食べ
ないので、食物を食べつくされたわけでもないし羊力大仙が食べる蛍のように光る紙は黄瑞香からしかでき
ないので、作り続けなくては食料が無くなってしまうのにと思いました。しかし、御三家はそろそろこの国
を捨てて別のところへ行こうかというようなことも話していたので、住民を苦しめて楽しむ為だけに作物を
作らせなかったのか住民のほとんどを牢に入れてしまったために作る人がいなくなってしまったのではない
かと思いました。

八戒は破門されましたが、一話完結の話なので、きっと次回までには許されてもう一行の中に戻っているはず。

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はじめまして。 映画が大好きで、現在も続いている午前十時の映画祭の第一回と第二回では上映作品100本全ての映画を鑑賞しました。 映画やテレビはたとえ架空設定のSFであっても、制作当時の時代を映しています。50歳を超えた今、特に邦画と日本のドラマは、過去の世相と風俗を振り返りながら観ていきたいと思っています。
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