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2017年09月18日

宝島 第15話感想 「シルバー式降伏のすすめ」

初回放映:1979年1月14日

日本テレビ系

(ストーリー:ネタバレ)

井戸に海賊が何かを投げ込んだことを見たのはスモレット船長だけだったので、船長が重症で意識不明
となった今は気づくものがまだ誰もいなかった。

医者であるリブシーが船長が受けた弾を摘出する手術をするため、ジムは井戸に水を汲みに行った。そ
こで井戸に兎や蛇の動物の死骸が投げ込まれていたことが分かった。汚染された井戸は使用することが
出来ない。ジムはトンネルを掘ることで海賊に知られずに砦から川へ水を汲みに行く作戦をたてた。

シルバーは砦の動きがないことを部下から報告を受けると、ジム達の意図を察知し見張りの半分を連れ
て川に向かった。待ち伏せしていたシルバーは川の対岸でジムが水を汲んだ甕を狙撃して割ってしまっ
た。

泣く泣く帰ったジムの話を聞いて一行は宝の地図をシルバーに渡そうとするが、グレーがそれを止めた。
消毒用の湯を沸かす水が無くても弾を抜く手術を戦場で見たことがあるという。それは、火で焼き鏝を
熱して患部を焼きながら弾を抜くということであった。リブシーはその方法で手術することを決心する。

手術は成功した。しかし水を手に入れられない状況は変わらなかった。渇きにだんだんと弱っていく砦
の一行だったがにわかに雨雲がわき、降り出した雨をありったけの器に貯めることで1週間分は水の心
配がない状態になった。

海賊側では熱病にかかった2人が死んだ。ほかにも数人熱を出しているものが増えていた。焦ったシル
バーは、雨の中、次の作戦を実行に移した。沖に停泊しているヒスパニオラ号を島に近づけて大砲の威
力を増そうというのだ。座礁を気にして渋る部下達だったが、複数のボートでゆっくりとコースを選び
なが船を曳くことで作戦は成功した。

朝、シルバーの号令と共に大砲が火を噴いた。






「正しい方、悪い方というのは最初から決まっているものではない、生き残った方が正しい。」シルバー
が川でジムに言い放つ言葉です。真理を付いていますが、まだ正義感溢れる少年のジムには辛い言葉でし
た。


手術前、まだ見張り交代時間前なのに小屋の外に出てきてしまうグレーと見張り中のハンターとの会話が
怖いです。

 グレー「俺はどうも肉の焼ける臭いを嗅ぐと気持ちが悪くなるんだよ。」
 ハンター「へー今日の晩飯は焼肉か?えらく張り込んだなぁ。」
 グレー「いや、ちょっと意味がちがうんだがな。」

手術によるスモレット船長の叫び声が聞こえないよう耳をふさぐグレーがかわいいです。

宝の地図はトレローニが持ってました。あっさりとわかってちょっと拍子抜けでした。

次回予告でナレーションのジムが鮫のことをジョーズと表現していました。鮫が襲ってくるパニック映画で
あるスティーブン・スピルバーグ監督のヒット作「ジョーズ」の日本公開が1975年、続編のジュノー・
シュウォーク監督の「ジョーズ2」が1978年公開だったのでその影響が見て取れます。

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posted by Akio at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 宝島

2017年05月14日

宝島 第14話感想 「これも人生!敵・味方」

初回放映:1979年1月7日

日本テレビ系


(ストーリー:ネタバレ)

シルバーは砦に立てこもるジムたちをどう攻略するか考えていた。屋根の在る砦に比べシルバー達は、
テントを張った野宿の状態で、熱病患者が増える懸念もあった。シルバーは一計を案じる。


シルバーは砦にカモメのパピーのみを連れて白旗をあげ交渉にやって来た。宝の地図を渡さないと砦の
裏山に装備した大砲で砦を破壊する。地図を渡せば命は保証すると。期限は夕方まで。

地図を渡そうというトレローニに対しスモレット船長は頑として首を縦に振らない。船長は、かつてフ
リント船長から島流しにされて長年この島に住んでいるベン・ガンにこの島で7人が立てこもれる場所
がないか聞いてきてほしいとジムに依頼した。

グレーが囮となって砦を見張る海賊を引き付けている間にジムは砦を出ることに成功した。しかしグレ
ーが砦に戻る手助けをしたジョイスは海賊に狙撃され息を引き取った。

まもなく日が沈む。ジムはまだベン・ガンに会うことができないでいた。スモレット船長は砦から打っ
て出る事を皆に提案する。ジムはグレーから夕方までにベン・ガンと会えなかったら戻らなくても良いと
言われていたにもかかわらず砦に戻る決心をした。

砦に戻る途中、ジムは偶然裏山の海賊が大砲を設置した場所の裏手に出た。大砲の側には海賊はいなか
った。実は大砲は丸太で作られた偽物だった。いよいよ砦を出ようとしていたスモレット船長はジムが
大砲を崖から落としているのに気づき、砦を出ないで済んだ。しかし、すぐさまシルバーは次の作戦を
実行した。大きな音を立てて襲撃と思わせてそちらに砦の守りを集中させ、その間に忍び込んだ二人の
海賊が井戸に何かを投げ込んだ。スモレット船長は二人を攻撃しようとするが、後ろから撃たれ負傷し
てしまった。ジムは砦に帰ってきて倒れているスモレット船長に気付く。






砦が堅牢な為、いろいろな作戦を考えるシルバー。部下の中には作戦参謀になれるような頭の良いものは
いないみたいです。籠城する敵に対しての兵糧攻めの演出が良かったです。最初にシルバーが砦に交渉に
来た時には自分の食事だといってサンドイッチとコーヒーを持参して、海賊側には食料が豊富にあること
をさりげなくアピールし、夜には生命線と言える砦の井戸に何かを投げ込みました。水を絶たれたジム達
はどうするのでしょうか。


海賊側は病気で20人中3人の戦力減に対してジム側は既に8人中2人死亡、1人負傷と大きな戦力減に
なってしまいました。

宝島は今回が初視聴なのですが、毎回引き込まれる面白さです。シルバーが男前すぎて、なんで敵側にいる
のか不思議な感じがします。

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posted by Akio at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 宝島

2017年05月13日

宝島 第13話感想 「じいさまのちっちゃな鈴」

初回放映:1978年12月31日

日本テレビ系

杉野、出崎コンビ

町田義人

スティーブンスン原作の小説「宝島」を大胆に翻案した作品。演出:出崎統、作画監督:杉野昭夫
の出崎・杉野コンビが作る作品は本作に限らず、当時のアニメファンに支持されていた。

主題歌を歌う町田よしとは高倉健主演、ヒロイン薬師丸ひろ子で制作された角川映画「野生の証明」
の主題歌(町田義人名義)でブレイク。このほか劇場版「サイボーグ009 超銀河伝説」の主題歌
も歌っている。



(ストーリー:ネタバレ)

宝島に到着するとシルバーを首領とするヒスパニオラ号の乗組員20名が反乱を起こした。逃げる主
人公ジム・ホーキンズ側はスモレット船長、ジョイス、グレー、リプシー、トレローニ、ハンター、
レッドルース爺さん、そしてジムのぺットである豹の子供ベンボーの8人+一匹。

崖から石を落とされたり銃撃に遭いながらもジムたちは砦にたどり着くことが出来た。シルバー達は作
戦の立て直しのため船に戻っていった。

一方、船に戻ったシルバーは自分のことをシルバー船長と名乗った。そして海賊フリントの後を継ぐと
宣言し、乗っ取ったヒスパニオラ号に骸骨旗を揚げた。対抗するように砦ではユニオンジャックを掲げ
たが、シルバーはその旗をめがけて船から砲撃をかける。しかしスモレット船長は毅然として旗を降ろ
すのを拒否するのであった。

その夜、ジム、ベンボーとレッドルース爺さんが見張りの中、爺さんは鈴を鳴らして音色を楽しんでい
た。そしてジムに「鈴の音を聞くのも人間、戦をするのも人を殺すのも人間、そして友を裏切るのもお
んなじ人間じゃ。」と語りかける。ジムはシルバーと仲が良かった頃を思い出す。

船ではシルバーが今後の作戦について話していた。当初の目論見では、宝を掘り出した後に裏切って奪
うはずだったが、その前に正体がばれてしまった。そのため宝の地図を奪うことに作戦を変更した。し
かしまだ誰が宝の地図を持っているのかわからない。

舵取りハンズが頭となって赤帽子、痩せ犬、片腕サムが船の留守番組となり、シルバー達主力は島に本
拠地を築くべく上陸することとなった。

爺さんとジムがそれぞれの宝物について話している時、シルバー率いる海賊が夜襲をかけてきた。銃撃
戦の後、海賊は撃退出来たが、レッドルース爺さんは狙撃されて命を失った。シルバー側は負傷者二名
と被害は軽微だったが、三人が蚊に刺されて熱病にかかってしまった。

今後の作戦を考えるため散歩に出たシルバーは、爺さんが死んだことで逆上して砦を飛び出したジムと
鉢合わせする。武装していないシルバーにジムは至近距離から銃を向けるが、撃つことはできなかった。
去って行くシルバーと泣き叫ぶジム。


1978年(昭和53年)大晦日の放映でした。

トレローニが赤ん坊のころから世話をして来た執事のレッドルース爺さんの宝物は、トレローニをあや
してきたきれいな音色の鈴でした。爺さんの埋葬の時、トレローニはジムが持っている鈴を見ましたが、
生前爺さんが言っていた通り、自分があやされていた鈴とは思い出しませんでした。自分の宝物が他の
人にとっても宝物ではないというそれぞれの価値観が良く描かれていると思いました。ジムはたくさん
持っている宝物の中に幼馴染のリリーもちゃっかり入れていました。名前を挙げてもらえなかったベン
ボーは不満そうです。

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posted by Akio at 12:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 宝島
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はじめまして。 映画が大好きで、現在も続いている午前十時の映画祭の第一回と第二回では上映作品100本全ての映画を鑑賞しました。 映画やテレビはたとえ架空設定のSFであっても、制作当時の時代を映しています。50歳を超えた今、特に邦画と日本のドラマは、過去の世相と風俗を振り返りながら観ていきたいと思っています。
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