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2015年08月26日

「マタンゴ」感想

1963年08月11公開

東宝の円谷英二が特技監督をする変身人間シリーズ

 透明人間
 美女と液体人間
 電送人間 
 ガス人間第一号
 マタンゴ
 
の最終作


原作:ウィリアム・H・ホジスン「夜の声」
監督:本多猪四朗
出演:
 村井研二(大学の心理学助教授):久保明
 相馬明子(大学生、村井の助手):八代美紀
 関口麻美(ナイトクラブの歌手):水野久美
 笠井雅文(実業家):土屋嘉男
 作田直之(笠井の部下、ヨットの艇長):小泉博
 小山仙造(艇長の助手):佐原健二
 吉田悦郎(作家):太刀川寛
 マタンゴ(変身途中):天本英世
 
ストーリー(ネタバレ)

ナイトクラブで知り合った七人は、実業家笠井のヨットでのクルージングを楽しんでい
たが、嵐に巻き込まれ、遭難してしまう。

無人島に付いた七人は島を探索。人の手が加えられた水場や難破した帆船を発見した。
帆船の中はカビだらけであったが、掃除をして住みかとすることにした。

帆船は、国籍を示すものがなかったが航海日誌と保存されていた標本から、核実験の放
射能の影響を調査するスパイ船と思われた。標本の中にはマタンゴと名付けられた巨大
なキノコもあり、幻覚症状を引き起こすため食用には適さないという記録があった。

七人は、手分けして食料さがし、水汲み、ヨットの修理、救助を求めるための狼煙焚き
を行ったが、日を追うにつれて自分のことしか考えられなくなっていった。見つけた食
料を分けずに隠匿・売買・盗む者。女と密会する者。

雨の日、外から船内に入ってきたものがあった、全身がキノコに覆われた水夫の服を着
た男だった。

ある日、理性的だと思われていた作田が食料を盗み一人でヨットで出ていってしまった。
また、争いが起き吉田は小山を殺してしまう。吉田は手助けをした麻美と共に森へ追放
された。

笠井は、村井と明子が出かけている隙に麻美に森に連れ出され、キノコを食べされられる。
そこには既にマタンゴとなった水夫と、マタンゴになりかけの吉田がいた。

村井は、ヨットが海辺に戻ってきているのを発見するが、中には誰もおらず、壁には食料
が尽き海に身を投げるという作田の遺文が書かれていた。

村井と明子二人だけになった船に水夫が襲って来た。応戦するも、明子が攫われてしまう。
森でやっと明子を見つけた時にはもう明子もキノコを食べていた。マタンゴになりかけの
吉田、麻子、そしてマタンゴの大群に襲われるも、村井は何とか逃げ出し、ヨットで海へ
と漕ぎ出した。

村井は救出された。村井の体験した話は信じてもらえず、精神異常者として鉄格子のつい
た病室へ収監されていた、今日も体験談を語り終え、医者に背を向け窓の外のネオン煌め
くビル街を見ていた村井が振り向くと、その顔はキノコに覆われていた。




社会的地位のある人達が極限状態に陥った時、エゴをむき出しにして自分の欲望を最優先に
していく。最後まで理性的だった村井はキノコは食べていないと主張するが、顔はキノコに
変化していた。今までの主張も含めてウソを語っているのか。それともマタンゴに襲われた
時の胞子にやられたのか。話は本当だったのか。謎を残す最後でした。

小山は隠していた亀の卵を高値で笠井に売りつけ、島では全く役に立たない札束をつかんで、
「俺は絶対これを生き金にしてみせる」と意気込んでいましたが、七人のうち一番最初に殺
されてしまったのは哀れでした。

この映画の同時上映は若大将シリーズの第4作「ハワイの若大将」でした。当時の雰囲気を
味わうため、二本連続でDVD観賞しました。昔はこのような2本立てが普通だったのですが、
青春ものとホラーの同時上映はギャップが凄いです。

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はじめまして。 映画が大好きで、現在も続いている午前十時の映画祭の第一回と第二回では上映作品100本全ての映画を鑑賞しました。 映画やテレビはたとえ架空設定のSFであっても、制作当時の時代を映しています。50歳を超えた今、特に邦画と日本のドラマは、過去の世相と風俗を振り返りながら観ていきたいと思っています。
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