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軌道選士ガンダム 地球温暖化の時計(書き換えました)

ガンダムの格納庫(制御室)
 窓からガンダムマーク2とダブルゼータが見渡せる。
 パソコンを操作しているカイ、傍らにカミーユ。
 画面にジェリドが出る。
カイ「ありゃ繋がったよ。イアさん。ガンダム、地球へ行っちまったんですけど、おたく、預言の方は大丈夫ぅ」
ジェリド(通信音)「俺にも確信は無い。これで地球からの脱出者が増えれば、ますます全人類への責任は重くなっちまう」
カイ「そうだよね」
カミーユ「預言が出来るなら、成就した後の事も考えていますよね」
カイ「(カミーユに)お前、何を」
ジェリド(通信音)「質問は断る。それが預言者の持つべき自分の時間というものだ」
カイ「イアさん、今回そこまで先の時間を読みたい経緯なんすけどねえ、こっちだって生きたいんだから、具体的に、詳しく、ねえ」
ジェリド(通信音)「俺のように問題を起こした遺伝子を先祖としている男に、結婚願望者どもの人気が集まるわけでもあるまい」
カミーユ「先祖のした事で僕たちの生き方は難しい。それなのに住む場所を選ぶ事で人の運命を人為的に決めたいとしているのです」
ジェリド(通信音)「子供を産めとでも言っときゃあ、短命な奴は、地球が帰って来るまでの時間を稼げた気になっただろうからさ」
カイ「あのね今回の事でね、宇宙に住まなきゃならないのなら、今後は子供の出産を自粛すべきという人も、いるんです」
ジェリド(通信音)「今更、自然の法則に従えない奴は最初から生きている資格も無いと言うのが、どうした」
カイ「うひょー!オンライン通っちゃったよ、あのねぇ、それで、宇宙に住む事を人類の宿命として方向付けたいですけどねえ」
ジェリド(通信音)「地球の終末を見届けてから考えても良いだろう」
カミーユ「自然の為すがままだな。僕だって生きたい気持ちに変わりは無いんだ、宇宙に住む方が良いなら宇宙に住むさ!」
カイ「(カミーユに)ひとりでかい。それだって、生きていけないんだぜ。お前ら二人とも帰って来る自信あるの」
カミーユ「(カイに)金融はゲームでしかないと論じるんです」
ジェリド(通信音)「知るべきその最後も、大事な時計だ」
カイ「そこまであるんなら、おたくら苦労人である事は信用してやるけど、宇宙世紀を考えた時代にも、売買制度は否定できなかったぜぇ」
カミーユ「だから僕みたいなのが苦労したんです、戦争だって止まらなかった。みんな時代遅れとなった売買制度が悪いんです」
ジェリド(通信音)「じゃあ地球に住むのは、溶岩だ難しいぞ!と最初から説得の方法を何か考えておけば良かったんじゃないのか。昔の宇宙戦争の文法は一切使わ無い積もりだぞ」
カイ「(カミーユに)親っさんかい」
カミーユ「僕に働く気は無い訳じゃないです、生殖の方法も、今いる全ての人も、知らないままで人数を増やさ無いでほしいのです」
ジェリド(通信音)「すべき仕事でも無い限り人数を産んで増やして育てるのは不可能だろう。聞かせてくれ。俺は、そいつの敵だったのか」
カイ「死んだよ。今あるものを否定しても、それで生きてきた人は地球に行きたい気持ちがあるだろ、俺なら使わせてやっても良いぜ」
ジェリド(通信音)「地球に住むのはマグマの膨脹熱」
カイ「さようなら山と」
ジェリド(通信音)「溶岩だ無理!」
カイ「地球に明日も住むとは、とね」

宇宙
 エンジンを止めた状態で飛ぶガンダム。

ニュース映像
アナウンサー「具体的な人間の行動を以って地球の最後の時を告げる時計は、夢の理解と共に今ここで刻々と成就しています」

スペース・コロニーの原子力発電所(太陽の反対側)の部屋
 窓の外のような宇宙空間を見ているジュドーとシロッコ。
シロッコ「いつまでも人間が増えているとは思わない方が地球に長く住めた」
ジュドー「早く宇宙に行きたい気持ちと、宇宙人が居るとは思わなかった間違いだった」
シロッコ「今在るスペース・コロニーの原子力発電は宇宙空間の日陰の冷却が問題だった」
ジュドー「やがて石油も石炭も人間は使う燃料を全て使い尽くし天然ガスだけになる」
シロッコ「そう信じてれば良かった」

【マ・クベ財団の】観測用宇宙ステーション
監視員「ガンダムです」
マクベ「来たか」
監視員「警告信号を発しましょうか」
マクベ「裁判で決まったことだ、地球へ行っても良いと。私が出てみる」
 稼動準備中のギャン(ギャンダム)。

コロニーの軌道監制室
 ハヤトが来る。
ブライト「心配になったのか」
ハヤト「古い時代の中央管理制御システムですから」
ブライト「太陽系の中心を軸に、衝撃波の予想を計算している。この程度で防げるのか」
カイ「さぁな。あの時イアに言われて解ったのは自分が地球に行くってとこ迄だったみたいだよ召されてさ」
ブライト「なるのか、それで地球の水を全て運び出せたメサイアの地球温暖化の時計に」
カイ「分かんねぇ。その、時ってもんが来て見んとな」
ブライト「かつてのニュータイプ部隊も、このザマか」
ハヤト「僕達は、自分それぞれの勘で生き残ったんです。正確な理解が合っても良いと思います」
カイ「わかる時は、もっと以前だった筈だよねぇー最早都会までね」
ブライト「それよりも、予告。してしまった事に対して、なった後の事まで予定を立てる。出来てるのか」
カイ「その計算、今やって後あるのかいって事よね」
ブライト「宇宙の戦争を考えたとしか思わない芸術とか、都市生活者の夢でいる人は農業の義務も果たすのかとかだ」
カイ「こんな事に未来があるとは思っては、いけなかったんだ」
ブライト「自分が生き残る為には自分と一緒にコロニーまるごと移動させてしまう方が都合の良い事、ただ、それだけの任務だ」
カイ「夢を超越した幻。まるごと計算。これで何とか全人類の安全が出来ているのかい?って」
ブライト「出産禁止法と夢在る男女常時同居法でマグマの地球温暖化の後の宇宙での暮らしも安全を保って下さいと」
 何やら延々と計算しているモニター。

ガンダムのコクピット
 アムロはパンを食べている。

コロニーの軌道監制室
 モニターを見ているハヤト。
ハヤト「今、観測の結果があるんですけど」
ブライト「(来て)どこに」
ハヤト「これです。まるで太陽のような熱量を発する恒星としての物質が燃え尽きて、周回軌道を巡る惑星が恒星から離れて行ってます」
ブライト「ここまで離れれば今後その惑星も恒星の周回軌道圏から離れ続けると見て良いという訳だな」
ハヤト「地球が太陽に落ちるという時計は間違いである確率も無い訳じゃないんです」
ブライト「太陽の熱には寒冷化と温暖化が在る、周期も在るのと無いのが在る。今我々が懸念しているのと全く逆の事態という訳か。もう水を全て地球から宇宙へ運び出せるのは、いつまでなのかになった」
ハヤト「こうなったら、マグマの熱温暖化で地球から逃げる預言を信じるか、金融を信じて其々に好きな生き方を選ぶか、二つに一つです!」
ブライト「(ハヤトに笑む)俺たちの先祖は好きな生き方を選んで戦争に明け暮れた。預言を信じるチャンス到来というのは、どうだろう」
ハヤト「今だって好きな生き方に迎合しないとは限りません。それに、地球は太陽に成るとしたら、火星だって」

【マ・クベ財団の】観測用宇宙ステーション
マクベ「地球に戻ろうと思っても溶岩だ蒸し暑い!地球へなど行かせない!見ていろ、あの壺は、いいものだ!」

部屋
 壷がある。
シロッコ「石油を無駄には使えないと分かり焼き物の食器を見直した」
ジュドー「それは暖炉の間へくべた壷といって、ある人はそれで宇宙への移住に真の理由を発見した。それはだなぁー、必要以上に人口を増やし過ぎず、っんっ!」


地球
 太陽。

宇宙
 ガンダムが地球へ飛んで行く。

ガンダムのコクピット
 パンを食べ終えたアムロ。

宇宙
 地球へ行くガンダム。
 雲の多い地球。

ガンダムの格納庫
ジュドー「昔、農業用の噴霧器を使った時は、地球の温暖化は溶岩だ虫の駆除は効率的な農業だがと考えたのかな」
シロッコ「昔、住宅街の密集化と市街地の都市化と高層化で、防災用の消火器を、地球の温暖化は溶岩だ無用の物と成ると思ったのかな」
ジュドー「地球の平和は子供を産ま無い事と信じたら、そう成ると思ったはず」

コロニーの軌道監制室
ブライト「宇宙に住み始めた人間が人間を増やさないのか問題だった」
カイ「ところが地球があの溶岩だ、難しいこと言っても地球にも終わりが有ると見ていい証拠かもよ」
ブライト「推論的な仮説でいい、か」
ハヤト「コロニーまるごと太陽から避難させましょう、太陽に地球が沈んだ時の宇宙衝撃波なんて」
カイ「あのね早まらないで、おたく苦労人なのか知りませんけど、惑星間戦争なんて無秩序な人口増加説を未来に支持してる連中の事を忘れてやしませんか」
ハヤト「僕だって、宇宙に」
カイ「ハイ、ハイ、住みたかった気持ちは解りますよ。けどね、他の人が戦争の為の軍備を維持してまで、人類は宇宙に拡大して住むって事を提唱していましたよ。おたくの、人類皆一つの群れとなって穏やかに増えていくって論法、あのアホどもに通じますかね」
ハヤト「僕は、自分自身として、永遠に、生きたい。ただ、それだけです」
ブライト「木星の影、で、足りるか」
展望室
 窓の外に大きく木星。
 モニターで地球の映像を見ている裁判長。
 ギレンが来る。続けてドズル、ガルマ。
裁判長「ここで地球を見るのが、お気に入りの様で」
ギレン「木星が近く成ったな」
ガルマ「いつもコロニーがメンテナンスの時期になると重力が軽くなるので、ここに来て休んでいるのです」
裁判長「お亡くなりに成った魂の若かった時の顔そっくりですね」
ドズル「わたくし達は前世であるとかクローン技術で産み出されたなどと伝えられていましたが、現実は犯罪者の死後に犯罪者が年齢が若く罪人で無い醜く無い時に苦労した人が苦労から解放された証しで、こんな顔になったのです」
裁判長「クローン。日本語の、苦労、苦しい労働という言語ですな。私も地球の水を最後の一滴まで宇宙へ運び出すかについて責任を感じています。これが、死んだ先祖の人生を否定しながら生きていく事なのでしょう」

宇宙
 コロニーから飛び出すガンダムマーク2、木星の裏側へ行く。
(声)シロッコ「よぉー!ガンダムー!」
 ダブルゼータが追う。
(声)ジュドー「月に行こうか思ってたがエウロパに!ここは木星!」

展望室
 窓の外に小さく、大きな木星へ飛んで行くガンダムマーク2とダブルゼータ。
ギレン「行ったか。人間が地球の最後を分からないで苦労した時の私ですが管理能力故の人類の人数への限界を懸念した。そして今、地球そのものの限界が懸念されてる」
裁判長「そのような認識ですが、ここがコロニーの中から映像を使わないで外を見る事の出来る数少ない場所で在る事から、例えば」
ドズル「昔の俺が太ってダイエットに成功した事は人類全体の相互管理能力が欠如した事の現れと言われたのです」
ガルマ「明日の不安が無いことが人間の幸せで在るからダイエットした。それを懸念しながら生きてらっしゃるとは太る必要は無いという意味で気持ちの助かる事です」
裁判長「痩せ気味の人々には何とか太らないで生きて欲しいと願う事で全ての人の生命の永遠を祈っておきたいと」
ギレン「苦労した前提で考えると、今私達の人生があるのは、先祖が人類に罪を及ぼさなかった夫婦が私達の親である」
裁判長「人によっては、クローンは復活と同じであると考えたでしょうが、似ているのは家柄、家系と以前の報道による認識の度合いでしょう」
ドズル「だまされなかった人は、クローンは姦淫・重婚など罪の俗語であると知っているでしょう」

ガンダムの格納庫
カイ「どーしたの」
カミーユ「持って行っちゃったんですよ」
カイ「2機とも」
カミーユ「隠れるのか。木星の影に」
カイ「おたく、預言者って御存知?」
カミーユ「クローンで再生した遺伝子が預言者になってるらしい、とか。だましが多かったですね」
カイ「おたくも、そーだよね。苦労したから」
カミーユ「知りません、自分の事は。夢を見るまで次のことなんて」
カイ「世の中に不安が多いと預言者が必要。しかし本来、預言者は不必要」
カミーユ「平和の世界では夫婦で夢を見て自然に助かっているでしょ。だからみんな、子供を産ま無く成るのを待っていました」

展望室
ギレン「こうまで歴史上の人物に似ている人間が揃っていると、その似ている当人としては自分が苦労したことを隠さないですな」
ドズル「人間を増やすにも限界がある。それを信じなかったから健全な人間が何故か、あんなことに」
ガルマ「しかし人々は企業団体運営資金で珍しい人の生き方も嫌々ながら管理していました」
裁判長「慈善団体の運営ではコロニーは成り立たない懸念があります。あれは金融を生活の軸としていますから」
ギレン「成る程。そこで私の如き、独裁者的な遺伝子を少なからず持ち合わせた者に、こんな場所からコロニーの軌道を見張らせたいのですな」
裁判長「既にコロニー軌道管制センターの所長は、人類を一つのコロニーに纏め住ませないと生き残りさえ危ういとの説を通そうとしています」
ガルマ「知識人に人生を諭されてこその私達です」
ドズル「宇宙人、俺達の知らなかった宇宙の果て宇宙の彼方の宇宙人間について、知識のある人さえ良かったら、俺達はコロニーの軌道を人類の生きていく最も良い方向へ向かわせる様に説得しても良い」
裁判長「預言者だった人。ここに画面を接続し時々宇宙を眺める事を趣味としているそうです」
ギレン「私より宇宙の環境予知と人類の生存能力の保護に対して勘の鋭い人かも知れませんな」
 展望室から裁判長、ギレン、ドズル、ガルマ、窓の外の木星の方を見ながら。

【マ・クベ財団の】観測用宇宙ステーション
 帰って来たマクベ。
監視員「地球の溶岩だ。無視しますか」
マクベ「うん。地球の温暖化が温熱化となる時の覚悟だった。地球の水は全て集めるという事は」
監視員「ほとんどの地球の水を宇宙へ運び終える状況という事ですが。地球を拡大監視、続けますか」
マクベ「生きているのだ私が。もう、いい。いつ現実のなるのか分からない幻の中で生きていると思った。我々の知る中でなのが残念だが最も一番先を読んでいるのは、あいつだ。予想が当たるならばの話だが我々の判断さえ当たれば全員助かる。そこまで自分の人生を設計しているとは思わなかったが。知識さえ伝えれば後は自分自身の問題だ」
監視員「再び溶岩だ。向こう側に」
マクベ「もう、いい。そこまで地球の温熱化が拡大を制御不能な溶岩だ。無意味なマグマを冷やす仕事となるなら、地球を忘れてもな」

宇宙
 ミラーをいっぱいに広げた木星近辺のコロニー。

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