留置官がら呼ばれた日のお話しです。
判決がどうなるか？？？
そろそろ拘置所へ移送か？？？
いろいろ心配や不安がよぎる中
『１７番！！』
と、呼ばれ・・・
私が返事をしたのですが・・・
次の言葉はまさかの一言でした。
『釈放や！！』
ますます意味が理解出来ませんでした
留置官の中でも、まだ比較的若く、
私とは仲の良かった職員でしたが
冗談を言ってる様子はなく、一言だけ
「よかったな！！早く出る準備を・・・」
と、次の瞬間、重い扉が開かれました。
どうやら、以前から申請していた
保釈が認められたようでした。
正直、拘留されてから４ヶ月以上、
何度も保釈申請を却下されていた私は
もうこの頃には諦めていました。
判決が下され、執行猶予が付くまでは
もうシャバには戻れないだろうと・・・
しかし、判決まで３週間と迫った
このタイミングで保釈が認められ
外には嫁が迎えに来ているとの事。
あまりのも突然の事でしたが、
同室の『A』と最後の言葉を交わし、
その他の拘留者達と一瞬の間に
別れの挨拶をすませました。
拘留される前に入れられた別室へ移動し、
没収されていた所持品等の確認作業と
逮捕された日に着ていたスーツに着替え、
職員に言われるまま誘導された私は
留置所の外にあるエレベーター前で
「長い間お世話になりました。」
と、そこに居た職員達に挨拶をしました。
すると一番奥に座っていた留置課長が
私に近づいてきて・・・
「もう二度と帰ってくるなよ！！」
その一言で混乱していた頭が整理され
拘留生活が終わる事を実感し、ようやく
現実に引き戻された気がしました。
そして別の階へ降りた私を迎えてくれたのは
担当刑事さんと嫁でした。
嫁の姿を見た瞬間、涙が溢れてきました
警察署内で初めて手錠や縄の無いの状態！！
最後まで付き添ってくれた担当刑事から
保釈中の注意事項や判決までの生活など、
嫁と一緒に話を聞きながら出口へ向かい
ここでも担当刑事に最後の挨拶をしました。
いよいよ警察署を後にする時が来ました。
拘留中の取り調べや現場検証等・・・
署外へと出る際は裏口や地下駐車でしたが、
この日は警察署の正面玄関からでした。
自動ドアが開き、ようやく外へ出た私は
ここへ来た日の事を思い出しながら
没収されていた煙草を取り出しました・・・
つまらない自叙伝ですが、
お付き合いいただければ幸いです。
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