スバル、レム、ルイ・アルネブの3人が未知の地へワープ!
Re:ゼロから始める異世界生活 26巻 / 長月 達平
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<プロローグ 監視塔の人々>
「ビックリ仰天でしょ? 一層に上がってみたら、ボルカニカが待ってたの。私、すごーく驚いちゃって……」
「まま、待つのよ、待つかしら。お、驚いたで済ませていい話じゃないのよ!?」
エミリア達がボルガニカを目の当たりにして驚いていると、塔の東から黒い巨大な影の侵略がやってきました!
しかしその黒い影は、ボルカニカの強大な青い光の息吹によって相殺され、エミリア達は助かります。
しかし別所にいたスバルとレム、そしてルイ・アルネブはその黒い影の影響を受けてしまい、どこかへ飛ばされてしまいました。スバルの契約精霊であるベアトリス、そしてレムと共感覚で繋がっているレムの言で、スバルたちはまだ生きている、そして塔から南の方角に飛ばされたことが分かりました。
<第一章 洗礼>
スバル、レム、ルイ・アルネブの3人は見知らぬ草原に飛ばされました。
レムは記憶を失っていて、自分が誰かも分からずスバルに襲い掛かってきます。一方、魔女教の大罪司教だったルイ・アルネブは幼児退行していて、「あー、うー、」などしか喋れなくなっていました。
レムは、スバルがルイに冷たく接しているのを見て、信用できない男だと判断し、スバルの首を絞めて気絶させ、ルイを連れて逃げてしまいました。
スバルは意識を取り戻し、レムが向かったと思われる跡のある方へ向かい、森の中に入りました。そしてその森の中で、大きな弓矢に体を貫かれてスバルは死亡しました。
スバルが『死に戻り』すると、気絶させられてレムとルイが逃げてしまった後からのスタートになっていました。
もう一度、今度は慎重に森を探索していると、野営の跡を発見。近づいていくといきなり何者かに後ろから剣を突き付けられました。
許可をもらって振り返ると、そこには顔面にボロを巻いていて顔が分からない、謎の男がいました。体格はほそめで、すらりと手足が長いです。
この男は自分の姿を消すことができて、その能力でスバルの後ろをとったようです。
顔にボロをまとった男は意外にもしっかりとスバルの話を聞き、相談に乗ってくれました。
レムはわざと痕跡を残して、本当は逆方向に逃げていたのではと、顔の分からない男は推測。この男は別れ際にスバルにナイフを1本プレゼントしてくれて、これがなかなかの切れ味で重宝しました。(良い人だった!)
スバルは自分が気絶させられた地点に戻り、今度こそ本物のレム・ルイの行き先の跡を発見。言葉が通じず暴れるルイと、足が不自由なレムはどうしても移動した跡を残してしまうようです。
レムたちが逃げた先にはトラップが仕掛けられていて、スバルは強く警戒されていることが分かりました。
<第二章 勇気ある選択>
スバルがレムたちの痕跡を追いかけます。その先では足を縛ってスバルを宙づりにするような仕掛けなど、多様な罠が仕掛けられていました。
罠作りの技術が上がっているのか、罠の危険性と威力はどんどん上がっていきます。
レムは明らかにスバルが追いかけてきてることに気づいていました。
スバルが追跡を続けていると、レムが痺れを切らして襲ってきました!
――――――
「どこまでもどこまでも、しつこい人!」
「鼻が曲がりそうなんですよ! あなたが近付いてくると、すぐにわかります。それも、さっきの草原のときよりも、それが増して……」
――――――
スバルの放つ『魔女の残り香』は、感知できる人に嫌われたり、魔獣を呼び寄せたりする。『死に戻り』すると匂いは強くなります。
それがレムの警戒心を煽っていました。
レムとスバルがケンカしていると、前にスバルを殺害したのと同じ強弓が飛んできました。(スバルは、先ほどとは別方向に進んだのに)
レムはスバルに対処するため、ルイを気絶させて隠していました。レムの意向でスバルはしびしぶルイを救出し、謎の弓使いから逃げることになりました。
弓を放ってくる謎の狩人からの逃走中、スバルの『魔女の残り香』に釣られたのか、大きなヘビの魔獣も出現!
絶体絶命かと思いきや、何故かスバルたちを襲っていた狩人はヘビの魔獣を攻撃し始め、その隙にスバル、レム、気絶しているルイは逃げていきました。
レムが言った「水の音が聞こえます」という言葉を信じて向かうと、崖の下に大河が広がっている場所に出てきてしまい、逃げ場が無くなってしまいました。
レムは責任を感じて「――私を、置いていってください」と、囮になることを宣言しましたが、スバルはそんなことを許容できません。
3人で崖から大きな川に飛び込み、スバルはレムとルイを抱えながら水中で足掻き、そして意識を失いました。
スバルが意識を取り戻すと、スバルの体は拘束されていて、軍隊に捕まり、捕虜にされていました。
トッドという名の兵士:「ちょうど、水汲みにいったところで見つかってなぁ。悪いが、お前さんは俺たちの捕虜になったんだよ」
<第三章 男はつらかったよ>
二人の兵士、ジャマルとトッドに話を聞くと、レムもルイも無事のようです。スバルたちはジャマルが率いる隊に発見されました。
トッド:「そこでおまえさんの連れの子にだいぶ抵抗されたらしくてな。(ジャマルが率いる)部隊は半壊、隊長のあいつは面目丸潰れってわけだ」
トッド達は『シュドラクの民』という部族を探してこの森に来ているようです。
トッドから、スバルの持っていたナイフについて聞かれましたが、このナイフを持っていた男の素性がバレては迷惑かもしれません。(彼がシュドラクの民かもしれない)
なので嘘をつきました。
――――――
スバル:「――。あのナイフは俺の家のもんだよ。家宝だ」
トッド:「そうなのか? おいおい、それじゃお前さんちょっとしたもんじゃないか」
「剣狼の国紋が入ったナイフだ。聞いた話だと、ああいうのは皇帝から臣下が直接賜るもんだって。ってことは、お前さんも名誉の家系ってことだろ?」
――――――
兵士との会話から、スバルは自分が現在いる場所を知ることができました。スバルたちが今いるのは、ルグニカ王国と敵対関係である、神聖ヴォラキア帝国でした。
スバルは今のところ兵士たちにそれなりの待遇で迎えられていますが、ルグニカの人間だと知られる訳にはいきません。スバルはうかつに素性を明かせなくなってしまいました。
幸い、兵士のトッドは「心配しなくても、数日後に補給部隊が近くの町に向かう。それと一緒に陣地を出ればいいさ」と言ってくれました。
スバルがトッドに、「森に魔獣がいた」と言うと、トッドの態度が急変。そして翌日、シュドラクの民の探索は危険だと判断され、シュドラクの民は森ごとヴォラキア帝国の兵士たちに燃やされてしまいました。
呆然としていたスバルの背中に矢が刺さりました。どうやら毒が塗られていたようで、スバルは死亡。
スバルを毒矢で撃ち殺したのは、シュドラクの民だと思われる少女でした。
<第四章 帝国の流儀>
スバルが『死に戻り』すると、ヴォラキア軍に川で拾われ、捕虜にされたところからのスタートでした。
スバルは、『森に魔獣がいる』と伝えたら森を焼き払われてしまったのを見て、ヴォラキア帝国の兵士の恐ろしさを知りました。
スバルは、今度はトッドをうまく利用してやろうと考えていると、表情からトッドが何かを察し、いきなりスバルの右肩にナイフを突き刺しました!(トッドは優しい兵士だと思いきや……)
いきなりトッドに疑われて怪我を負うという始まり方でしたが、スバルは自分がシュドラクの民だと言い、シュドラクの住処に案内すると言いました。
スバルの案内で兵士たちが森へ入ると、『死に戻り』して強くなった魔女の残り香につられてヘビの魔獣が出現。
帝国の兵士たちが戦っているうちに逃げました。(でもレムは捕虜として捕まったままなので、助けにいかなくてはいけない)
スバルが帝国の兵士から逃げていると、不意に足場が失われて落下。そのままスバルは意識を失いました。
――――――
「――いつまで眠っているつもりだ、たわけものが」
「ちょこびっ!?」
――――――
スバルが目を覚ますと、そこにはナイフをくれた、顔にボロをまとった男がいました。
<第五章 ヴォラキア帝国>
気がつくとスバルは、ボロを顔に巻いた男と一緒にシュドラクの民に捕まっていました。
シュドラクの民は女しかいない、アマゾネスのような一族でした。
シュドラクの民の中には、『死に戻り』前に森が燃やされた時、スバルを毒矢で射殺した少女もいました。(ウタカタという名前の、好奇心旺盛な女の子だった)
スバルが「ヴォラキア軍がシュドラクを襲って来る」と言っても、族長のミランダは「ヴォラキアの兵隊がきているのは知っていル。だが、奴らと我らとの間には古き約定があるのダ。争いになどならなイ」と言って聞きません。
そこで、ボロを顔にまとった男の提案で、シュドラクの民に伝わる行事、『血命の儀』を行い、シュドラクの民たちに認めてもらうことになりました。
『血命の儀』の内容は毎度変わるようですが、スバルとアベル(ボロを顔に巻いた男。名前が発覚)は、例のヘビの魔獣と戦わされることになりました!
ヘビの魔獣はシュドラクに『エルギーナ』と呼ばれていました。
スバルは左手の指をレムに折られ、右肩はトッドに刺されて既に重傷です。しかしアベル(ボロ巻き顔の男)からもらった魔道具の指輪を使って炎でエルギーナ(ヘビの魔獣)を攻撃!
エルギーナは、アベルの姿を消す能力を使っても、ピット器官(温度を感じ取るヘビの感覚器)で察知してしまいます。
スバルは周りに火を放ってこの体温感知を封じ、アベルの一撃に託しましたが、アベルは失敗してしまいます。しかしスバルは諦めず、指輪をはめた自分の手ごと爆破させて魔獣を攻撃!エルギーナを倒しました。
エルギーナを倒したスバルの奮闘がシュドラクの民に認められました。
スバルはエルギーナを倒して重傷を負い、意識が消えそうになりながらも「れむ、を……」「た、すけて……」と言い残しました。
スバルが目を覚ますと、シュドラクの民の少女、ウタカタがそばにいました。
そして爆発したハズのスバルの右手は復活していて、指先から肘まで、手袋をはめたように真っ黒に染まっていました!
――――――
「――。あの、ウタカタさん? 俺のその、右手ってなんかなってます?」
「スーの右手? ア、すごかっタ! ぐしゅぐしゅってしテ、ブワーってなっタ」
「ぐしゅぐしゅってして、ぶわー!?」
――――――
幸い、左手で爪を立てて擦ると、右手の黒い物は表面に付いていただけだったようで、新品にスバルの右手が出て来ました。
ウタカタ:「スーの右手、ボロボロ剥がれタ! 気持ち悪イ!」
スバルが気を失っている間に、シュドラクの民の奇襲により、ヴォルキア帝国の陣地は壊滅。帝国兵たちは抵抗する術を失い、シュドラクの民に次々と討たれていきました。
――――――
「こんな……っ」
「何を呆けている、ナツキ・スバル。貴様が望み、貴様がもたらした情報で以て、貴様の同胞たちが成し遂げた戦果だ。これを笑わず、何を笑う」
「俺が望んだだと? こんな、こんな光景をか!? 馬鹿を言うんじゃ……」
「――ならば、流血なく願いが叶うとでも思ったのか?」
「――っ」
――――――
ホーミィ:「暴れちゃダメなノ〜。ぶっ飛ばされたクーナがまだ起きなくて可哀想なノ〜」
レム:「勝手なことを……っ! 離してください! 何をするつもりなんですか!」
ニコニコと微笑んだふくよかなシュドラクの女性、ホーミィに抱かれて、レムがスバルのところに連れて来られました。
しかし、一時は意識を取り戻したスバルはレムの無事を確認して気が緩み、そのまま力が抜けて動かなくなってしまいます。
エルギーナとの戦闘でボロボロになったスバルは、もう助かりそうにありません。シュドラクの民は死にゆくスバルのために鎮魂の歌を歌い始めました。
そんな折、スバルの体を支えていたレムに、何かを察したのかルイが手を添え、レムは無意識のうちに回復魔法を発動させました。
レムが偶然発動させた回復魔法のおかげで、なんとかスバルの命は助かりそうです!
(ヴォルキアでは回復魔法の使い手はかなり希少。そしてレムはもともと回復魔法を使えたが、記憶を失って魔法を使えなくなっていた)
レムはまだスバルのことを信用した訳ではありません。しかし死にそうになっている状態でスバルは『どうしてレムにここまでするのか』と聞かれ、
「――君に、幸せになってほしいんだよ」 「笑って、ほしい」
と言い残していました。レムは、この言葉は嘘ではないように感じました。
レムの回復魔法が発動し、スバルの傷が癒えている最中、アベル、もとい正式な名前をヴィンセント・アベルクスというらしい男は、スバルが生き残りそうだと分かると何かを言いました。
――――――
「落命する男への手向けのつもりだったが……生き残るなら、それはそれでいい」
「宰相ベルステツ、寝返った九神将、そして頂を知らぬ愚かなる帝国兵共よ」
「――俺の帰還を震えて待つがいい」
「せっかく生き延びたのだ。付き合ってもらうぞ、ナツキ・スバル。――我が手に、ヴォラキア帝国を取り戻すために」
――――――
(『Re:ゼロから始める異世界生活』26巻のネタバレ・あらすじ)