紺野エリカの結末と、たまちゃん(夏林花火)の成長!
弱キャラ友崎くん 5巻 / 屋久 ユウキ
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<1 ステータスが高くても素手だと冒険はなかなか大変>
現在、友崎のクラスでは紺野エリカによる、たまちゃんのいじめが発生しています。
前巻(4巻)で、たまちゃんは自分のためにではなく、現状を悲しんでいるみみみのために自分を変えたいと言ってきました。(たまちゃんは紺野エリカと事ある毎に衝突し、それがクラス内で鬱陶しがられてきている)
友崎先生による、たまちゃんの訓練が始まりました。
・友崎は以前日南にやられたことを応用して、たまちゃんとの会話を録音。たまちゃんは自分の声を聞き、「私、口悪いね?」と自分の喋り方の問題を自覚。
・友崎が言葉のトーンの作り方を教えると、たまちゃんはすぐに習得。
・たまちゃんはどうしてクラス内でうまくやれていないのか、原因が分からないまま、とりあえず紺野エリカに反発するのを止めることにした。
尚、このたまちゃん改造計画に日南は賛成してくれませんでした。
日南は、
「――花火(たまちゃんの本名)が変わったら、なにも意味がない」
と、何やら彼女なりの強い信念を持っている様子でした。
放課後。
友崎とたまちゃんが今後の方針に悩んでいると、「やあやあ、お二人さん」と言いながら水沢が登場!
水沢:「――なにやら、お困りの様子かな?」
<2 得意技が真逆のキャラクターがいたほうが戦闘は安定する>
たまちゃんのまっすぐで言いたい事をそのまま言ってしまう性格上、中村たちのグループ(中村、水沢、竹井など。最近は友崎も中村グループの一員)と仲が良くありませんでした。
そんな関係の良くない中村グループの一人、水沢が作戦会議の場に入ってきたのでたまちゃんは困惑しましたが、そのまま水沢と会話する練習をすることになりました。
――そしてみみみの部活終了後。
「今日も来てくれたんだね愛しのたまーっ! ってあれ? 今日は友崎と……タカヒロも?」
「なにそれ? っていうかこれ、めちゃくちゃレアな組み合わせじゃない!?」
――みみみは驚きました。
日南は日南で何か行動しているようで、中村と付き合っている優鈴に、あまり中村と会わないで欲しいとお願いしていました。
友崎のクラスには竹井という、自分の思った事をストレートに言ってしまう愛されキャラの男子がいます。一方、たまちゃんは自分の思った事をそのまま言って、クラスの雰囲気を悪くします。
その違いは『可愛げがあるかどうか』『その人一貫した隙があるか』という違いだと水沢が指摘。
放課後の作戦会議で竹井を呼び、そのバカっぽい喋り方、一貫した隙などを参考にしました。
<3 村人たちにもきっと村人たちなりの生活がある>
友崎は、たまちゃんがクラスの皆とうまく行かない理由に気づきました。
「たまちゃんって、クラスのみんなに、興味ないよね?」
友崎自身も以前はリアルを捨てていて、クラスメイト達に興味を持っていませんでした。しかし友崎は変わりました。
――――――
「――だんだん、『この人がなにを考えてるか知りたいから』とか、そういうことを理由に、人と話すようになって」
「そうやって自分以外の人に興味が湧いてきたら、その人のこの部分が知りたいなあってことも生まれてきて、それをそのまま口に出してみたら、自然と会話になることにも気がついて……その人に自分のなにを伝えたいか、その人と一緒になにを話したいか、っていうのも、自然と出てくるようになってさ」
――――――
友崎はたまちゃんに、自分から興味を持って、みんなを受け入れることが大事だと伝えました。
放課後。みみみの部活終了後。
水沢に続き、今度は竹井も追加されていて「さらに人が増えてるーっ!?」とみみみは驚愕。
その後、たまちゃんの方針として『変にならない程度に竹井のマネをする』、『背が低いことを自分からネタにすることで、一貫した隙を作り可愛げを出す』ことが決まりました。
恒例の放課後作戦会議。
たまちゃんの会話の練習相手として、友崎はクラス内で派閥に属さない菊池さんを呼びました。
菊池さんははじめ恥ずかしがっていましたが、それでもしっかり変わろうとしているたまちゃんと向き合い、会話しました。
部活後のみみみ:「また人が増えてるし……しかも、菊池さん!?」
その後、たまはクラスメイトたちとうまく話せるようになっていき、友崎、竹井、水沢、たまちゃんの4人でファミレスで打ち上げをしました!(部活終了後にみみみも合流予定)
たまちゃんはうまくやっていけそうです!
<4 成功フラグと失敗フラグは紙一重だったりする>
「てかまじ悲劇のヒロイン気取りできめー」
「男たぶらかして、まじビッチじゃん」
――友崎、竹井、水沢、たまちゃんの4人がファミレスにいたところを、誰かに目撃されていたようです。
紺野エリカはそれを知り、これまで『空気読めない』『自己中』『暴力女』などの陰口だったのが、男子たちに囲まれていたことを僻むような内容に変わっていました。
現在、紺野エリカの機嫌は最悪です。
紺野エリカは中村のことが好きで、その中村が優鈴と付き合い始めたことで機嫌が悪くなっています。
そしてたまちゃんと一緒にファミレスにいた友崎、水沢、竹井の3人は中村グループのメンバーで、当然紺野エリカはこれを良く思いません。
放課後。
みみみから貰ったたまちゃんのはにわストラップが背中から引き裂かれていました。
まず間違いなく紺野エリカの仕業で、たまちゃんは泣いていました。
――――――
「みんみから貰ったのに……。ごめんね……」(たまちゃんはみみみのことをみんみと言う)
「なに言ってんの。たまは悪くない! また同じの買お? ね?」
――――――
そしてその日の放課後、今度は紺野エリカのシャーペンの芯のケースが壊されていました。
怒った紺野エリカを発端として言い合いになりました。その際、エリカグループの女子である秋山さんがエリカのファッションについて悪口を言い、怒ったエリカは秋山さんを突き飛ばしてしまいました。
ここから日南の、紺野エリカへの仕返しが始まりました。
すぐにエリカは謝ろうとしましたが、日南が先に「あやまりなよ」と言い、エリカはついとっさにはあ? と声を上げてしまいました。(紺野エリカは日南にライバル心を持っていて反発する) 引っ込みがつかなくなったエリカは、
「(秋山さんが)調子に乗ってんのが悪いんだけど!」と言って、教室内の空気を悪くしてしまいます。
さらには紺野エリカが好きだった中村もエリカを責めるように日南が仕向け、紺野エリカは泣いてしまいました。
友崎はもう十分だと思っていましたが、日南の攻撃はまだ続きました。
エリカに涙を拭かせるため、中村からティッシュを借りますが、エリカはそのティッシュをとっさに払いのけてしまい、この最悪の態度によって紺野エリカは完全に教室内で悪者になってしまいました。
この時渡された中村のティッシュは、優鈴お手製のティッシュカバーに入っていて、それを見たエリカは今の中村と優鈴の関係を見せつけられた形となり、エリカはとっさにそれを払いのけてしまったのでした。
(そもそもエリカがイジメを始めたのも、好きだった中村と優鈴が付き合い始めた憂さ晴らしのため)
やがて教室内のみんなが紺野エリカを悪者として責めましたが、それを止めて彼女を助けたのはいじめをうけていた当人、たまちゃんでした。
――――――
「こら! そーやって、一人をみんなで攻撃するのはやめる!」
「紺野がやってたからって、それをそのまま紺野にやり返してたら、同じくらい悪いことになっちゃうでしょ!」
――――――
自分を苦しめていた相手を助けるたまちゃんの言葉に、クラス中は驚き、やがて笑いが起こり、嫌な空気は払しょくされました!
<5 初期装備を鍛え続けたらだいたい最強の剣になる>
その後紺野エリカは教室内での自分のポジションを取り戻していき、たまちゃんはクラスの皆から愛される人気者になりました!
たまの、背中が引き裂かれたストラップは泉優鈴(いずみ ゆず)が縫ってくれました。
みみみはたまの物も含めて8つのはにわストラップを用意して、その全ての背中を引き裂き、縫い合わせました。(優鈴が縫ってくれた)これで皆たまちゃんのストラップとお揃いです。
もともと持っていたたまちゃん、日南、みみみ、友崎に加えて、新たに水沢、中村、竹井、優鈴もはにわストラップをもらい、8人がお揃いになりました。
(『弱キャラ友崎くん』5巻のネタバレ・あらすじ)