2012年09月23日
暮らしの中の自然 ヨードチンキ
暮らしの中の自然 ヨードチンキ
ヨードチンキ(蘭語 Joodtinctuur・独語 Iodtinktur)は、ヨウ素(ヨード)の殺菌作用を
利用した殺菌薬・消毒薬のことである。
知られざる地下資源
日本は自前のエネルギーのない輸入依存国だとおしえられてきた。
石炭も石油もないわけではない。
だが、産業として栄えるほどでもない。しかし、こと、天然ガスに関してはそうでもない。
立派に産業として成り立つのだ。
メタンガスを大量に含む地層水、つまり古代の化石海水を(かんすい)という。
この中に含まれているのが原子番号53番のヨードである。
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組成と特性
赤褐色の液体で劇薬である。通常、消毒に用いられるのは2倍に希釈した希ヨードチンキ
(こちらは劇薬ではない)であるが、一般にはこれもヨードチンキと呼ばれている。
ヨウ素は水にはほとんど溶けないが、有機溶媒の一種であるアルコールに対しては比較的
溶ける。ヨードチンキもヨウ素をエタノールに溶かしたもので、添加物として
ヨウ化カリウム (KI) が含まれる。
歴史
1970年代以前、ヨードチンキはマーキュロクロム液とともに家庭用消毒剤として広く
流布していた。
特に学童を中心に一般家庭でも、マーキュロクロム液が赤色なので「赤チン」、
ヨードチンキを「ヨーチン」と呼び表した。
現在では、ヨードチンキよりも高分子ポリビニルピロリドンにヨウ素を吸着させた
ポビドンヨード液(商品名イソジン)の方が多用される。
またヨウ素は局所刺激性があるので、1970年代以降は商品名マキロンで代表される、
「色がつかず、しみない消毒薬」である塩化ベンザルコニウム系消毒薬や
グルクロン酸クロルヘキシジン系消毒薬に取って代わられた。
病院の主な使用先であった手術野の消毒に使われたヨードチンキはポビドンヨード液に
取って代わられた。
1990年代になると、のど飴ブームが去り、商品名「のどぬーるスプレー」など携帯式の
ポビドンヨード液噴霧器が一般医薬品として爆発的に普及した
(ヨウ素の過剰摂取で甲状腺障害がでたほどである)。現在ではルゴール液をベースにした
携帯式噴霧器も発売されており、違った意味で復興している。
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