2017年10月29日
策士 策に溺れた(前編)
「冗長化(じょうちょうか)」とか「冗長性」ということばがあります。
いくつかの分野で遣われる言葉です。
PCなどコンピュータシステムでは万一の障害が起こることに備えて、普段からデータのバックアップを用意しておくことです。
通常の使い方だと、一台のPCはハードディスクも1台で、容量が足りなくなると外付けでハードディスクを追加することでしょう。
ここで冗長化するとは、初めからハードディスクを2台使います。
バックアップが目的ですから、例えば映画Aと映画BのDVDデータを書き込む場合、映画Aのデータをハードディスク(1)とハードディスク(2)両方に書き込みます。映画Bのデータもハードディスク(1)、(2)の両方に書き込みます。
決して映画Aはハードディスク(1)、映画Bはハードディスク(2)という使い方はしません。
映画AとBを書き込んだハードディスク(1)と(2)は、まったく同じ内容になっています。
2Tバイトのハードディスク2台を用意しても全体の容量は2Tバイトです。
もし、ハードディスク(1)に障害が起きて読み書きできなくなっても、ハードディスク(2)には同じ内容が書かれていますから、ハードディスク(2)を使えば良いのです。
ハードディスク(1)と(2)が同時に壊れるのは、火事か爆発以外まずないでしょう。
障害が起きたときは、壊れたハードディスクを新しいものに替え、ハードディスク(2)の内容をコピーします。そしてまた、同じ内容のまま運用していきます。
2つのハードディスクは常に同じ内容で鏡写しのようであることから、これを「ミラーリング」と呼びます。
冗長化ということからすると、ハードディスクは3つ以上あっても良いのです。
これらは個人のPCではなく、一般にサーバで用いられる手法です。
RAID ---
Redundant Arrays of Independent Disks(レイド)
複数のハードディスクを組み合わせ、仮想的な1台のハードディスクとして運用する手法です。
ディスクアレイとも呼びます。
RAIDは0、1、2、そして6まであり、進化するにつれ、数字が大きくなりました。
中には0と1を組み合わせた、RAID 01(0+1)、RAID10(1+0)といったものも存在します。さらにRAID Zというものもあります。
ここではRAID 0とRAID 1、RAID 01にだけ触れます。
上で説明したミラーリングは、RAID 1です。
耐障害という、冗長性からすれば、基本的な方式であるミラーリングはRAID 1と呼ばれています。
このディスクを複数台使う、ディスクアレイは本来なら耐障害性が主な目的です。
しかし、ハードディスクを複数台使って実現できる技術には、冗長性以外のものもあります。
それが
RAID 0、「ストライピング」です。
ストライピングは冗長性を持ちません。
目的はアクセス速度の向上です。
冗長性を持たない = 耐障害性「0」だからRAID 0です。
ストライピングとは ---
これもハードディスクを2台以上使うことで実現する技術です。
ハードディスクの読み書きが遅いと感じたことはありませんか?
きっと誰もがあると思います。
ハードディスクのアクセスランプが点きっぱなしで、なんら処理が進まなくなることは誰しもが経験されていると思います。
実際に、コンピュータの中心である、CPU(中央処理装置)からすると、ハードディスクの読み書きというのは、私たち以上にイライラして待っているのだと思います。
ひと言で読み書きといっても、ハードディスクでは、シーク時間、サーチ時間、転送時間とそれぞれかかります。
ハードディスクの仕組みは、とても大雑把にいえば昔からのレコードプレイヤーのようだと思ってください。
回転テーブルにレコード盤があり、そこに針を落とします。
欲しいデータは必ずしも最初にあるとは限りません。
レコード盤に例えると3曲目とか、n曲目から聞きたいということがほとんどだと思います。
そのときはレコード盤の途中まで針(アーム)を動かさなければなりません。
これがシーク時間です。
また、3曲目の始まりはレコード盤1周の途中から始まるでしょう。
その始まりが回ってくるまで、待たなくてはなりません。
これがサーチ時間です。
そして曲が始まってから終わるまで、聞いている時間が転送時間です。
それぞれ、人間からすると大したことはない時間かも知れません。
しかしCPUからすると、とんでもなく待たされる長い長い時間なのです。
(つづく)
いくつかの分野で遣われる言葉です。
PCなどコンピュータシステムでは万一の障害が起こることに備えて、普段からデータのバックアップを用意しておくことです。
通常の使い方だと、一台のPCはハードディスクも1台で、容量が足りなくなると外付けでハードディスクを追加することでしょう。
ここで冗長化するとは、初めからハードディスクを2台使います。
バックアップが目的ですから、例えば映画Aと映画BのDVDデータを書き込む場合、映画Aのデータをハードディスク(1)とハードディスク(2)両方に書き込みます。映画Bのデータもハードディスク(1)、(2)の両方に書き込みます。
決して映画Aはハードディスク(1)、映画Bはハードディスク(2)という使い方はしません。
映画AとBを書き込んだハードディスク(1)と(2)は、まったく同じ内容になっています。
2Tバイトのハードディスク2台を用意しても全体の容量は2Tバイトです。
もし、ハードディスク(1)に障害が起きて読み書きできなくなっても、ハードディスク(2)には同じ内容が書かれていますから、ハードディスク(2)を使えば良いのです。
ハードディスク(1)と(2)が同時に壊れるのは、火事か爆発以外まずないでしょう。
障害が起きたときは、壊れたハードディスクを新しいものに替え、ハードディスク(2)の内容をコピーします。そしてまた、同じ内容のまま運用していきます。
2つのハードディスクは常に同じ内容で鏡写しのようであることから、これを「ミラーリング」と呼びます。
冗長化ということからすると、ハードディスクは3つ以上あっても良いのです。
これらは個人のPCではなく、一般にサーバで用いられる手法です。
RAID ---
Redundant Arrays of Independent Disks(レイド)
複数のハードディスクを組み合わせ、仮想的な1台のハードディスクとして運用する手法です。
ディスクアレイとも呼びます。
RAIDは0、1、2、そして6まであり、進化するにつれ、数字が大きくなりました。
中には0と1を組み合わせた、RAID 01(0+1)、RAID10(1+0)といったものも存在します。さらにRAID Zというものもあります。
ここではRAID 0とRAID 1、RAID 01にだけ触れます。
上で説明したミラーリングは、RAID 1です。
耐障害という、冗長性からすれば、基本的な方式であるミラーリングはRAID 1と呼ばれています。
このディスクを複数台使う、ディスクアレイは本来なら耐障害性が主な目的です。
しかし、ハードディスクを複数台使って実現できる技術には、冗長性以外のものもあります。
それが
RAID 0、「ストライピング」です。
ストライピングは冗長性を持ちません。
目的はアクセス速度の向上です。
冗長性を持たない = 耐障害性「0」だからRAID 0です。
ストライピングとは ---
これもハードディスクを2台以上使うことで実現する技術です。
ハードディスクの読み書きが遅いと感じたことはありませんか?
きっと誰もがあると思います。
ハードディスクのアクセスランプが点きっぱなしで、なんら処理が進まなくなることは誰しもが経験されていると思います。
実際に、コンピュータの中心である、CPU(中央処理装置)からすると、ハードディスクの読み書きというのは、私たち以上にイライラして待っているのだと思います。
ひと言で読み書きといっても、ハードディスクでは、シーク時間、サーチ時間、転送時間とそれぞれかかります。
ハードディスクの仕組みは、とても大雑把にいえば昔からのレコードプレイヤーのようだと思ってください。
回転テーブルにレコード盤があり、そこに針を落とします。
欲しいデータは必ずしも最初にあるとは限りません。
レコード盤に例えると3曲目とか、n曲目から聞きたいということがほとんどだと思います。
そのときはレコード盤の途中まで針(アーム)を動かさなければなりません。
これがシーク時間です。
また、3曲目の始まりはレコード盤1周の途中から始まるでしょう。
その始まりが回ってくるまで、待たなくてはなりません。
これがサーチ時間です。
そして曲が始まってから終わるまで、聞いている時間が転送時間です。
それぞれ、人間からすると大したことはない時間かも知れません。
しかしCPUからすると、とんでもなく待たされる長い長い時間なのです。
(つづく)
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