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2023年10月20日

公共事業では設計と施工は別会社のなぜ


建物など建築分野では設計と工事会社が一緒であるが、公共事業は設計会社と施工会社は別である。

公共工事は民間工事と違い、設計を行う会社と工事を行う施工会社は同一であってはいけないという原則がある。

一体なぜ、そのような原則があるのかといえば、工事での目的物が不特定多数の人に使われ

その工事費は国民の税金によって賄われているため、なるべく税金を使わずに利用者目線で

最大の目的性能を達成させるためだ。高速道路や幹線道路になると物流を通じた国民経済、地域経済にも

100年単位で利用されるために大きくかかわる。

よって、外部からの利害関係などの影響力を排除して中立、公正な立場での設計が必要であるのだ。

設計者は例えば道路や橋などを設計する際に、施工のしやすさを第一に考えるのではなく

道路の目的に応じて、利用者が便利に、冬場を含め交通安全を考え、大地震が来ても安全に利用できるように、
大雨が降っても雨水が路面からスムーズに排出されるように、生態系の影響を少なくしたりなど

その中でみなさんの税金を使って作る関係で、最も工事費がかからない方法を数案考えて検討して

最適な案に絞り提案するのだ。

その過程で発注者である役所の方々から地元説明での要望を聞いたり、合意形成が可能な案をまた考える設計を行うのが一般的である。

もし、ゼネコンに設計をさせたらどうなるだろう。

自分たちが工事がしやすいように、儲けられるように道路や橋の構造を考える可能性がある。

その前に全体のバランスを考えた設計や計画のノウハウはゼネコンには乏しいと感じる。

だから、公共事業では建設コンサルタントが設計を行って、中立公正な観点で設計を受注し、

その設計図面や材料ボリウムの計算書、現場条件に基づいて発注者が工事金額を算定して

工事業者が入札で工事を受注する仕組みとなっているのだ。

公共施設の目的はゼネコンを設けさえて雇用を確保することが目的ではなく、

地域住民や高速道路なら物流ドライバーなどの利用者が便利に快適に何十年も利用することで

国民生活や国民経済に役立つことが目的であるのだ。

ただ、現場で実際に工事を行う施工計画、施工手順、工程管理、使用機械の使用計画、材料、品質管理などのノウハウはゼネコンにはかなわない。

やはり、工事のノウハウを習得するにも20年単位の長い実務経験が必要ではと考えられる。

現場経験者しか体得できない技術ノウハウがあると思う。

設計では設計者技術者しか体得できない技術ノウハウがある。

設計屋と施工屋では技術ノウハウが違っており、どちらも専門性が高いのだ。



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