2016年10月17日
[ネタバレあり]禁断の惑星(1956)~SF映画界に斬新なアイディアと高尚なプロットで挑んだ作品
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『禁断の惑星』 Forbidden Planet(1956・米)
監督/フレッド・マクロード・ウィルコックス
製作/ニコラス・ネイファック
原案/アーヴィング・ブロック、アレン・アドラー
脚本/シリル・ヒューム
音楽/ルイス&ベベ・バロン
撮影/ジョージ・J・フォルシー
メイク/ウィリアム・タトル
美術/セドリック・ギボンズ、アーサー・ロナーガン
編集/フェリス・ウェブスター
出演/ウォルター・ピジョン、アン・フランシス、レスリー・ニールセン、ウォーレン・スティーヴンス、ジャック・ケリー、リチャード・アンダーソン、アール・ホリマン、ジョージ・ウォレス、ボブ・ディックス
当時のSF映画界に斬新なアイディアと高尚なプロットで挑んだ作品『禁断の惑星』
【映画ネタバレ】禁断の惑星(1956)
<ネタバレあり! 結末まで掲載しています!>
それは宇宙移民がはじまった2200年代。アダムス機長(レスリー・ニールセン)が率いる宇宙船C-57-Dは、20年前に移住しその後連絡を絶った移民団の捜索のために、惑星第4アルテアへ着陸する。アルテア移民団の生き残りは、モービアス博士(ウォルター・ピジョン)と、アルテアで誕生した彼の娘であるアルティラ(アン・フランシス)のわずか2名と、モービアスが作り上げたロボット・ロビーだけだった。
モービアスは捜索団に対して、アルテアにはかつて強大なクレール人が住み2万年以上前の全宇宙を支配、アルテアを不可侵の星“禁断の惑星”としていた。調査団はその怒りにふれ皆殺し。しかし人類より数百万年も進化したクレール人は、精神内部の完成直前、一夜にして滅亡してしまった、と説明した。
博士は一同をクレールの遺跡、原子物理研究所へ案内する。アダムスは感嘆の末、その設備を地球に持ち帰りたいと申し出たが、博士は反対しアダムスらに、早く地球へ戻れという。そして移民団は正体不明の怪物に襲われて自分たち2名以外は死んでしまったという。
残ったモービアスは、クレール人の遺跡に残っていた巨大なエネルギーを生成する設備を分析・使用し、モービアス自身の能力を飛躍的に増進させていた。ロビーもその結果出来たものだ。さらに彼は、おそらくC-57-Dも怪物に襲われるだろうと予告し、一刻も早くこの星を離れるよう求める。そしてモービアスの言葉通りにふたたび現れた怪物はC-57-Dを襲撃、乗組員を殺害し始めた。しかしアダムスは、アルティラと恋仲となったこともあり、即時の離陸を拒否。モービアスとアルティアを、あるいはせめてアルティラだけでも、地球に連れ帰ろうとする。
いよいよ怪物の猛威が彼らに迫ったとき、クレール人の遺跡のエネルギーが最大出力に達していた事に気付いたアダムスは博士を問い詰める。そして彼は、怪物の正体が「イドの怪物」とでも呼ぶべき、モービアスの潜在意識、自我そのものだということを見破る。
移民団やC-57-Dの乗組員を襲った怪物も、実は遺跡の装置によって増幅され具現化したモービアスの潜在意識(憎しみ)のなせるわざであった。そしてクレール人も、自分たちの潜在意識を制御しきれず、巨大なエネルギーでお互いに殺し合い、自滅したのだ。
怪物はアダムスや博士達に襲いかかる。博士はロビーに攻撃するよう命じるが、元が主人である怪物を撃つことが出来ない。自らの心の暗黒面を正視したモービアスは、怪物の前に立ち塞がる。怪物は消滅したが、モービアスは瀕死の状態だった。彼は遺跡の自爆装置を作動させ、アルテアもろとも滅びる道を選ぶ。アダムス機長はアルティラとロビーを伴ってC-57-Dに戻り、アルテアが爆発する寸前に辛うじて惑星から脱出したのだった。
<END>
映画界に新しい流れを吹き込む作品って、いくつかありますよね!!この作品も人気ロボット・ロビーが登場したことで有名です。この基本的な人形ロボットな見た目のロボットは様々な亜種が生まれ、今なお活躍していますね。近いものでは「フォールアウト」シリーズの「プロテクトロン」。シリーズ最新作ではダイヤモンドシティでラーメンを作っていました。
それにしても、電子光線銃にバリア、光速飛行にロボットに先史宇宙文明と、懐かしSFガジェットがこれでもかと詰め込まれた作品ですねぇ。モンスターの設定も深く、人間の心の闇をも描いており、時代なりのキチンと考証を徹底した、今見ても面白い映画です。現代SFのガチャガチャしたジェットコースターよりも、ゆったりとしたテンポに安心できますね。
ちなみに主人公のアダムス機長は若きレスリー・ニールセン!この頃は二枚目で売っていましたが、当時でも素顔は後年の『裸の銃を持つ男』のドレビン警部のような大のオフザケ好きで、ギャグ俳優になってからの方が素に近かったとか。
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サササッ 三|ノシ・з・|┐ それではまた!
タグ:アメリカ映画