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2017年04月06日

[ネタバレあり]サウンド・オブ・サンダー(2005)〜「1.3グラムの何か」

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『サウンド・オブ・サンダー』A Sound of Thunder(2005・米)

監督/ピーター・ハイアムズ
脚本/トーマス・ディーン・ドネリー
   ジョシュア・オッペンハイマー、グレッグ・ポイリアー
原作/レイ・ブラッドベリ「いかずちの音」
製作/ハワード・ボールドウィン、カレン・ボールドウィン
   モシュ・ディアマント、アンドリュー・スティーヴンス
指揮/エリー・サマハ、ロマーナ・シサローヴァ
音楽/ニック・グレニー=スミス
配給/ワーナー・ブラザース、松竹



<ネタバレあり! 結末まで掲載しています!>

西暦2055年、科学技術の発達により人類はタイムトラベルの実現に成功する。チャールズ・ハットンの運営するシカゴの旅行代理店タイムサファリ社は、独自に開発したタイムマシン「TAMI」を使って、6500万年前の白亜紀に赴き、その時代の恐竜を狩るという「ハンティング・ツアーサービス」を企画し、金持ちの間では一大ブームとなっていた。しかし、この旅行は過去との干渉で歴史を改変してしまう可能性のある、危険性の高いツアーでもあった。

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■規則1「過去にはどんな些細な変化を起こしてはならない」
少しの変化が過去に影響を及ぼし、現代も変えてしまう。

■規則2「過去に何も残さない」
恐竜狩りには凍らせた液体窒素の弾丸を使用する。

■規則3「過去から何も持ち去らない」
過去に存在していた物を一つ持ち帰るだけで全ての生態系が狂ってしまう。

トラヴィス・ライヤー博士を含む添乗メンバーはツアーのトラブルを引き起こさない為に、旅行者に同行し行動監視を行っていた。しかし、ある日のツアーの最中にトラヴィスの所持していた液体窒素銃がトラブルを起こし、眼前で暴れまわる恐竜を前に旅行者たちがパニックに陥るという事態が起きた。

なんとか事態の収拾を終えてツアーから戻るも、その日を境に異変が起き始める。真冬だというのに真夏並みの暑さや湿度が90%という異常気象に加え、魚が大量に打ち上げられたというニュースが報道される。

トラヴィスらは最初はただの偶然と思い込んでいたが、次のツアーでTAMIが着地時刻の計算ミスを犯した事をきっかけに、先日起きたツアーのトラブルで何らかの形で歴史を改変してしまった事を知る。しかし、その問題も解決策も見つからないまま、政府はタイムサファリ社の閉鎖を決定してしまった。

トラヴィスらツアーのメンバーは、TAMIの生みの親でツアーの根幹となっていたソニア・ランド博士を迎え入れて事態の解明を開始した。その結果、白亜紀から「1.3グラムの何か」を持ち帰っていたという重大な事実が判明する。

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しかし、歴史を改変してしまったことで発生したタイムウェイブと呼ばれる「時間の津波」が起こり、街は一気に変貌する。博士たちが外へ出ると街中が木や植物に覆われていた。ソニア博士は「タイムウェイブは次から次へと押し寄せてくる」と言い、最初は小石を池に投げた時の様に小さく、そして段々と大きくなり、6500万年分もの生物の進化がうねりとなって押し寄せてくると言うのだ。まずは気候の変化、次にもっとも原始的な植物、それから次第に複雑な生物へとアップしていくと。トラヴィスは大きなため息をつき「最後の波で何が変わる?」と問うと、ソニアは「人類が変わる、それでおしまい」と言った。

一体、「誰が」「何を」持ち帰ってしまったのかを調べ、ツアーで起きたトラブルの時間にタイムトラベルを行い、この時間の津波を未然に防ごうと動き出すも、急激に進化した植物や凶暴化した動物たちに行く手を阻まれる。

危険な状況の中、何とかツアー客の元を訪ねてひとりずつ調べていく。そしてツアーメンバーだったミドルトンの荷物を調べていると、靴の裏に蝶が一匹踏み潰されへばり付いているのを見つけた。「たった一匹の蝶のせい?ただの虫なのに」と言うメンバーに、トラヴィスは「虫は卵を産む。虫を殺したんじゃない、進化を壊したんだ」と説明する。

過去を正せば全て元に戻り、死んだ者たちも生きかえるというトラヴィスに、ソニアは「その先はどうする?過去を直せても変化の無かった状態に戻ってまた一から同じことを繰り返すだけ。タイムサファリ社のツアーそのものを止めなければ」と警告する。時の流れを正した後、戻って来たらこの事実そのものも忘れてしまうからだと。

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タイムサファリ社は獣たちに占拠されて危険な状況になっていたため、博士たちはTAMIの機材を持ち出し、必要な施設を求めて3キロ先にある大学まで向かう。その間にもメンバー達は凶暴化、巨大化した鳥や魚に襲われ次々と命を落としていく。

大学にたどり着いたソニアは急いでTAMIを作動させ、タイムトラベルスーツに着替えたライアンを過去へと送る。トラヴィスを送り出した直後、最後のタイムウェイブが発生し、ソニアは半魚人の様な奇妙な生き物へと変化してしまった。ソニア自身が「最後に人類が変わる」と予告していた通りだった。

6500万年のタイムトラベルに成功したトラヴィスは、事故が起きたまさにその真っ只中にいた。トラヴィスはビデオカメラを持っているツアーメンバーのジェニーに、「僕を撮影しろ」と言う。ツアーに参加しているはずのトラヴィスが二人居る事に混乱するジェニーだったが、トラヴィスの言うとおり撮り続けた。

トラヴィスは、このツアーでのトラブルや未来で起きた事を言い、そして戻ったら誰にも言わずにディスクを自分に渡す様に指示した。そして、ミドルトンが蝶を踏みそうな所を防ぐとトラヴィスは消えてしまう。

現代へと戻ると、そこは何もなかったかの様な日常が戻っていた。何も覚えていないトラヴィスに、ジェニーはもう一人のトラヴィスに言われた通りに撮影したディスクを渡した。ディスクを見たトラヴィスは何が起こったのか理解し、ソニアの元へと向かうと、「サファリ社は辞めた」と告げた。そして、ソニアが予告し、恐れていた現実がこのディスクに詰まっていると言い渡した。ソニアは訳が分からないといった様子で「ディスクは誰に貰った?」と聞くと、トラヴィスは「僕自身だ」と言った。


<END>


この作品はレイ・ブラッドベリの原作小説『雷のような音』という短編を映画化した作品です。原作はけっこう短く、古典的なSFなんですが、要所要所を現代風に置き換えるなどしていて、展開はいい感じに仕上がっています。

過去で起こした些細なミスが5つの「時間の津波」となって現代に押し寄せ、世界が変貌してしまうというのが面白い解釈でした。映画は面白かったのですが、映像がちょっとレベル低い印象がありますね。特にCGがお金かかっていないですね。調べてみるとどうやら撮影中に制作会社が倒産してしまい資金が少なくなったための影響だそうです。きっと、過去にやってしまったことのしわ寄せがきたんでしょうね。

面白かったシーンなんですが、トラヴィス博士たちが化け物たちから逃げる場面、仲間のひとりが巨大コウモリにさらわれた瞬間、「大丈夫、過去を戻せば、あいつも助かったことになる」とか言うんですよ。悟空の「ドラゴンボールがあるから気にすんな」っていうくらい安心できないセリフですね。今この瞬間の彼の痛みはどうすればいいんだ・・・ッ!

日本の映画のポスターって本当にセンスありますよね。この映画は「過去がかわってしまった原因を突き止め、元に戻さなければ」というお話なんですが、ポスターでその「何か」を書いちゃってるんですよね。ご丁寧に「靴の裏」と「蝶」ですよ。なんとクールな事か。

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あと、さらに言えば「人類絶滅」ではないですね。歴史がかわったので、人類が別のものに置き換えられる、ですね。本当に原作は良いのに・・・なんと不遇な・・・!!

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サササッ 三|ノシ・з・|┐ それではまた!

グーペ グーペ

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