2017年09月30日
[ネタバレあり]シュガー・ラッシュ(2012)〜「悪役はヒーローになれるのか?」
『シュガー・ラッシュ』 Wreck-It Ralph (2012・米)
監督/リッチ・ムーア
脚本/フィル・ジョンストン、ジェニファー・リー
製作/クラーク・スペンサー
指揮/ジョン・ラセター
出演/ジョン・C・ライリー、ジャック・マクブレイヤー
ジェーン・リンチ、サラ・シルバーマン
音楽/ヘンリー・ジャックマン
主題歌/アウル・シティー「When Can I See You Again?」
AKB48「Sugar Rush」
製作/ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
<ネタバレあり! 結末まで掲載しています!>
舞台は2012年の、国道83号線沿いにあるゲームセンター。このお店はもう30年以上も営業している。店員も客も気付いてはいないが、ゲーム内のキャラクターたちはお店が閉店すると好き勝手に動き出し、それぞれ交流を深めていた。
古いアーケードゲーム「フィックス・イット・フェリックス」は、悪役ラルフがアパートを壊し、ヒーロー役のフェリックスが魔法のハンマーで直していくゲームだ。プレイヤーがこのゲームをクリアするとフェリックスにメダルが与えられ、ラルフはアパートの屋上から落とされてしまう。そんな役割を30年こなしてきたラルフはすっかり嫌われ者。ゲームの30周年記念パーティーにも招待してもらえず、怒ったラルフは仲間に入れてもらうため、アパートの住人の前でヒーローメダルを手に入れてみせると宣言する。
ラルフは悪役でもメダルを獲得出来るというシューティングゲーム「ヒーローズ・デューティ」にこっそり紛れ込むが、重要なキャラであるラルフがいなくなった「フィックス・イット・フェリックス」はゲームが成立しなくなり、ゲームセンターの店長に「故障シール」を貼られてしまう。慌てるフェリックスたちは、別の古いゲームのキャラクターであるQバートに、ラルフが「ターボした」ことを聞かされる。
「ヒーローズ・デューティ」では、ラルフが現場を仕切る女軍人カルホーン軍曹の制止も聞かずメダルを入手していた。ラルフは嬉しさのあまり、ゲーム内の敵キャラクターである、昆虫型機械生命体サイ・バグの卵をうっかり割って孵化させてしまう。揉み合う内にラルフはサイ・バグと一緒に脱出用のシャトルに入ってしまい、めちゃくちゃに飛んで別のゲームに迷い込む。そこはお菓子の国で行われるレースゲーム「シュガー・ラッシュ」だった。
ラルフはシャトルから放り出された衝撃でメダルを落としてしまう。そこへ「シュガー・ラッシュ」のキャラクターである小さな女の子ヴァネロペが現れ、メダルを横取りしていった。彼女はメダルを参加費にしてレースにエントリーするが、プログラムの不具合を抱えているヴァネロペは皆に嫌われレースから締め出される。
不審者として逮捕されたラルフは「シュガー・ラッシュ」の支配者キャンディ大王にメダルの返還を求めるが、メダルは既にプログラムに組み込まれてしまい、誰かがレースで優勝しないと取り戻せなくなっていた。ラルフはヴァネロペと相談し、メダル奪還とレース優勝のために手を組むことにした。
その頃、ラルフとサイ・バグを追ってフェリックスとカルホーン軍曹も「シュガー・ラッシュ」へやって来た。フェリックスは「ターボする」という言葉の意味を説明する。昔、ターボという目立ちたがり屋なレースゲームのキャラクターが、自分のゲームを抜け出し他の人気ゲームを乗っ取ろうとしたことがあった。結局ターボはそのゲームを故障に追い込んでしまう。それからゲームの住人たちは自分の役割を変えたり他のゲームを乗っ取ったりすることを「ターボする」と言うようになったのだ。
一方、お菓子工場に忍び込んだラルフとヴァネロペは、自分だけのカートを作り、レースに向けて練習を重ねる。いよいよ予選レースという時、ヴァネロペは忘れ物をしたと言って自分の家に取りに戻る。そこへこっそりキャンディ大王がやって来て、プログラムから再現したメダルを差し出し、ヴァネロペのレース参加を阻止するよう頼む。ヴァネロペの不具合が露見すれば「シュガー・ラッシュ」は故障と判断されてしまう。ゲーム内の住人は逃げ出すこともできるが、不具合の元であるヴァネロペはこのゲームから出られない。コンセントが抜かれれば彼女はゲームと一緒に消滅してしまう、と。大王が立ち去ると、ちょうどそこへ戻って来たヴァネロペはラルフにお菓子で作ったメダルを渡す。そこには「私のヒーロー」と書かれていた。ラルフは苦悩しながらもヴァネロペを守るため、ふたりで作った大切なカートを破壊する。ヴァネロペは泣きながら走り去ってしまう。
自分のゲームである「フィックス・イット・フェリックス」に帰ったラルフだが、そこに他のキャラクターはいなかった。ゲームに「故障シール」を貼られ、皆、不安と恐怖から逃げ出してしまったのだ。1人きりになったラルフはうなだれ、ゲームのウィンドウから外側を見渡す。すると、「シュガー・ラッシュ」のゲーム筐体が見え、そこには大きくヴァネロペの姿が描かれていた。ヴァネロペは不具合のあるキャラクターと聞いたはずなのにと、不審に思ったラルフはもう一度「シュガー・ラッシュ」に入り、キャンディ大王の側近から真相を聞き出す。ヴァネロペは元々正規のレーサーだったが、大王がプログラムを改竄して不具合にしたこと。住人の記憶は閉じ込められ詳細は誰も思い出せないこと。ヴァネロペがレースのゴールラインを通過すると全てがリセットされること。さらに、ヴァネロペとフェリックスが城で捕まっていると聞き、ラルフはまずフェリックスを救出してカートを直してもらい、それを持ってヴァネロペの元へに向かい、カートを壊してしまったことを謝り、和解した。
遅れて予選レースに参加したヴァネロペは順位をぐんぐん上げていく。喜ぶラルフのところへ突然激怒したカルホーン軍曹が登場。ラルフが持ち込んだサイ・バグが大量繁殖し、今にも「シュガー・ラッシュ」を乗っ取ろうとしていたのだ。その頃レースはヴァネロペと大王の一騎打ちになっていた。すると、突然大王の体にノイズが走り、彼の正体が明らかになる。彼は消滅したと思われていたターボだったのだ。
ヴァネロペは不具合を利用した瞬間移動でピンチを脱し、ターボは待ち受けていたサイ・バグに食われてしまう。ゲーム内はサイ・バグに埋め尽くされ、ラルフはヴァネロペを連れて逃げようとするが透明の壁に阻まれ彼女はゲームから出られない。サイ・バグが強い光に引き寄せられると知ったラルフは、火山を噴火させようと走る。そこへサイ・バグと融合したターボが現れる。ターボの攻撃を受けながら、ラルフは消滅を覚悟して噴火を起こす。そこへ、間一髪でカートに乗ったヴァネロペがラルフを救出。ターボはサイ・バグの本能に逆らえず、他のサイ・バグと一緒に噴火に巻き込まれて消滅してしまった。
ボロボロになったゴールラインをヴァネロペが通過すると「シュガー・ラッシュ」の世界がリセットされゲームが正常に戻る。そしてヴァネロペの体は光り輝き、豪華なドレスに包まれていく。ヴァネロペは「シュガー・ラッシュ」の真の支配者たる王女だったのだ。他のレーサーたちは記憶が戻り、あわてて謝罪し、ヴァネロペはそれを許す。そして、ゲームセンターの開店時間が迫り、ラルフとヴァネロペには別れの時が。
その後、ラルフは「フィックス・イット・フェリックス」で相変わらず悪役を続けている。仕事は変わらないが、ラルフの心情を理解した共演者たちはラルフに優しく接するようになっていた。ヴァネロペは最高のレーサーとしてプレイヤーに愛されている。「あの子が俺を好きでいてくれるなら、悪役も悪くない」と思えるようになったラルフ。ゲームの窓越しにラルフに気づいたヴァネロペが手を振って、この物語は終わりを迎える。
<END>
様々な実在のキャラクターが登場することでも評判だった3DCGアニメですね!めちゃくちゃ好きです!面白かった!!
ゲームセンターの筐体に繋がっているコンセントと電源タップを「中継基地」にして、ゲームのキャラたちがゲーム間を行き来しているという設定がまず面白い。人間に目に見えない場所で実はこっそりと・・・こういうのは「トイ・ストーリー」とか「ナイトミュージアム」とか、ありますね。既存作に幾度となく使われてきたアイディアですけれど、きちんとそこにオリジナリティを組み込んで、昇華されているんですよね。ヒーローに憧れる悪役とバグ扱いされる少女との友情物語を軸に、恋愛、バトル、冒険、悲哀とディズニーらしいエンタメ要素をぎゅうぎゅうに詰め込んだ夢いっぱいの映画でした。
大人が見ても、子供が見ても楽しめる作品であると思います。老若男女問わずお勧めできますね。
そして、この作品は2018年に続編が公開されると発表されました。原題は「Ralph Breaks The Internet: Wreck-It Ralph 2」だそうです。かなり楽しみです。
■ブルーレイ+DVD | ■サウンドトラック | ||||
|
|
■シュガーラッシュフィギュア6点セット | ■ドールフィギュア | ||||
|
|
サササッ 三|ノシ・з・|┐ それではまた!