2016年12月28日
来年の抱負的なマネジャー日記
年末という事もあり、どうせまた散らかってしまうデスクの片づけをしたくなる今日この頃ですが、「来年こそは!」と意気込んで、こんなことを考えてみました。
「マネジメントシステムの運用で、組織内における標準化を図る」というもの。難しくいってみましたが、この散らかったデスクを見て、ひとそれぞれのやり方があるから散らかる人、そうでない人と別れるのだろう・・・何事もシンプルにすればスムースに事が運ぶのでは?・・・
この「標準化」について考えてみました。
実は、自社ではISOというマネジメントシステムを導入していますが、そこでの狙いの一つに「標準化」がありました。
ここで言う「標準化」とは、「現状の業務においてバラツキがあるので、このバラツキを解消するために手順を定め、『誰がいつ行っても同じ成果が達成される』システムを構築したい」このような所でしょうか。
社員の力量だけに任される業務では会社としての成長も限界があるでしょう。
バラツキという懸念、つまり属人性に依存することの不完全性から発生するリスクに対する解決策として、「標準化」がでてきました。
ISOの審査の現場においても、過去から現在に至る組織の状態がいかに管理され、マネジメントシステムが運用されているかをチェックすることになるわけで、ISOの認証制度上もその目的を達成していると言えます。
ただし、過去はさておき(なぜなら過去に対して直接的な関与を行うことは不可能なので)、現状におけるシステムの完全性を「標準化」としてとらえた場合に、本当にこれだけでよいのかと感じることがあります。
もちろん、現在という「点」を基準とした水平展開(「横軸」)の「標準化」に寄与していることは間違いありませんが、時間を考慮した垂直方向の「縦軸」で考えた場合、はたして将来に向かった未来形の「標準化」は実現できているのだろうか?
この問題が顕在化する事例としては経営層の交代が挙げられるのかもしれません。「事業継承」なんて言葉とも関連してくる問題なのかもしれません。現場における管理責任者の交代や人事異動などによる人的資源の変化時にも、顕在化することが大いに想定される問題といえるでしょう。
それでは、具体的にどんな問題点が顕在化するのだろう?
例えば経営層の交代において水平展開された「標準化」を効果的に「事業継承」できるか、また管理責任者や人事異動が発生した場合に新任の担当者が同様に「標準化」を継承できるか、といった課題が見えてくるかもしれません。
これはもしかしたら客観的に判断することは困難な事象なのかもしれません。各組織においてそのリスクを常に念頭に置いておくことが必要なんでしょうね。
国内においてISOが本格的に広まって10数年が立つのですが、もしこのようなリスクについて考えた事がなかった方はそう言った時期がきているのかもしれません。
お読みになっているみなさま方においても、そろそろこれらのリスクが顕在化する時期が到来しているのではありませんか?
ひょっとして、もうその問題が顕在化して悩んでおられるのではないでしょうか?
そうはいっても構築したマネジメントシステムにおいて気になっているのがシステムの「複雑さ」です。これって国民性もあるのかもしれませんが、日本では非常に緻密かつ網羅性のあるシステムを構築したくなってしまいます。というか、自社もそうでした。
具体的な事象として大量の文書・記録類。ISOの審査員にも言われたのですが、確実に整合性が確認できる体制で、客観的かつ速やかに確認できるというプラスの要素はありますが、実はこの文書や記録類の多さやその内容の緻密さが「引き継ぎ」つまり「継承」においては厄介なポイントとなるのだそうです。
そこでの対策としてのヒントとして教えて頂いたのが「シンプル」にするという事。
「シンプル化を考慮する」こと意識して構築するのだそうです。ただし、シンプル化においては、「どこをシンプルにするか?」を最も注意しなければなりません。従って、想定されるリスクにおいてマネジメントシステムのメリハリをつけることが肝になるのでしょうね。
もうひとつが、活動の目的を担当者が理解・認識することにより「日常の業務行動」を通じて自然と継承できる体制を確立すること、何だそうです。これは文書や記録のスリム化が再検討されるのではないでしょうか。
話を大きく「継承」にまで広げてしまいましたが、現状の運用における悩みでもあります。自社も引き続き、地道ではありますが、組織全体でも「標準化」を進めていこうと思います。
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