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2019年12月31日

【免疫力の基礎知識①】自然治癒力の自己防衛機能を支える免疫細胞の種類と役割とは?

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私たちの健康は、

ウイルスや病原菌などと戦う“自己防衛機能”としての「免疫力」によって

守られています。

この免疫力は、

白血球などの免疫細胞が、外部から侵入するウイルスや病原菌や有害物質、

内部で発生する活性酸素やガン細胞などと戦いながら支えられています。

免疫力が低下してしまうと、

さまざまな病気やアレルギーに罹りやすくなり、健康が損なわれてしまいます。

今回は、【免疫力の基礎知識①】として、

自然治癒力としての自己防衛機能の役割や免疫力を支える免疫細胞の種類や役割

などについてお伝えします。




免疫力とは自然治癒力の自己防衛機能のこと

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「自然治癒力」とは、私たち人間が生まれながらに持っている、

「ケガや病気を自分で治す力や機能」のこと。


薬物を服用したり、手術をしたりしなくても自力で治癒できる能力を指します。

自然治癒力とは、まさに「生命維持能力」のこと。


自然治癒力は、自分の意識とは関係なく常に待機・作動しており、

心身に何らかの損傷が発生すると、自動的に修復プロセスが発動されるシステムです。


自然治癒力は「自己再生機能」と「自己防衛機能」の2つ


自然然治癒力は、

大きく「自己再生機能」と「自己防衛機能」の2つの機能に分けられます。


〇自己再生機能は遺伝子に記憶された能力


「自己再生機能能」とは、

身体が損傷を受けた時や手術後などに、その傷を自力で修復・治癒させる機能のこと。

この自己再生機能は、私たち人間が生れた時から遺伝子に記憶された能力です。


〇自己防衛機能の主役は免疫力


「自己防衛機能」とは、

外部から浸入する病原菌や内部に発生するガン細胞などと戦い防御する機能のこと。

つまり「自己防衛機能」とは、「免疫システム」のことであり「免疫力が主役」なのです。


自己防衛機能を強化し「自然治癒力を高める」ためには、

免疫システムを強化し「免疫力を高める」ことが必須となります。



自己防衛機能の主役である「免疫力」とは?

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「免疫」とは、字のごとく「疫病から免れる」ことを意味しています。

この“疫病から免れる働きや能力”のことを「免疫力」と呼んでいます。


つまり「免疫力」とは、

外部から侵入したウイルスや病原菌、体内で生じる有害物質やガン細胞などから、

自分の体を守る「自己防衛機能」のことです。


免疫力の主な3つの役割


1.「自己」と「非自己」を認識して区別する役割

「自己」とは、

体内の自分自身の健康な細胞のことで、

「非自己」とは、

体外から侵入するウイルス・病原菌・物などの抗原(敵)を指します。


2.「非自己」を攻撃・排除する役割


3.自己の細胞が変質した「異物=ガン細胞など」を攻撃・排除する役割

このように「免疫力」は、

体内に侵入してくる病原菌(抗原)を「自己ではない異物」として認識し、

またガン細胞を「自己が変質した異物」として認識して、攻撃・排除していきます。



免疫力には「自然免疫」と「獲得免疫」の2つがある


「免疫」には「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があります。


〇自然免疫は“先天的”な「自己防衛機能」のこと


「自然免疫」とは、生まれながらに”先天的”に備わっている「自己防衛機能」のこと。

体外から侵入した病原菌や体内で発生したガン細胞などと戦いながら、

24時間休まずに私たちの健康を守り続けてくれます。


〇獲得免疫は“後天的”な「抗体免疫」のこと


「獲得免疫」とは、特定の病原菌に感染した後で、”後天的”に獲得する「抗体免疫」のこと。

ある特定の病原菌に感染すると、

その病原菌は記憶されて抵抗力のある「抗体」を獲得して、

2度と同じ病気にかかりにくくしてくれます。


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免疫システムを支える免疫細胞の種類と働き

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私たちの体内では、毎日のように数百個~数千個のガン細胞が発生しています。

しかし、白血球を主役とした免疫細胞がガン細胞を攻撃・排除してくれるので、

ガン細胞の増殖を防止してガン化を免れているのです。


免疫システムを司る免疫細胞の主役は「白血球(免疫細胞群)」です。


白血球は大きく

①単球(マクロファージ、樹状細胞)
②顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)
③リンパ球(T細胞、B細胞、N K細胞 )


の3つに分類されます。


白血球の割合は単球が10%、顆粒球が60%、リンパ球が30%とされています。

なお、単球は血管外の組織では「マクロファージ」や「樹状細胞」に分化します。


マクロファージ


「マクロファージ」は、アメーバ状の免疫細胞です。

体の中に侵入してきた異物はもちろん、体内の自己であるガン細胞でも、

積極的に食べ尽くすことから「貪食(どんしょく)細胞」

とも呼ばれています。


マクロファージは、外部から侵入した異物や内部で発生したガン細胞などを発見すると、

それを食べ尽くしてしまいます。


また食べて確認した後で、抗原(敵)としての特性を他の免疫細胞にも伝える、

情報伝達のアンテナ司令塔の役割も担っています。


また、他の免疫細胞群と共同して、

免疫細胞の働きを活性化してくれる「サイトカイン」という物質の産生にも

関与しています。


樹状細胞


「樹状細胞」は、枝のような突起を伸ばすような形状の免疫細胞で、

外気に触れやすい鼻腔、肺、胃、腸管、皮膚などに存在しています。


樹状細胞は、異物を自分の中に取り込み、

その抗原としての特性(目印)を他の免疫細胞に伝える「抗原提示細胞」として、

高い能力を発揮します。


抗原としての異物を取り込んだ樹状胞細は、

リンパ球のT細胞やB細胞などに抗原情報を伝えることで、

活性化されたT細胞やB細胞が、抗原の異物を攻撃・排除します。



顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)


白血球の好中球、好酸球、好塩基球の3つを総称して「顆粒球」と分類しています。


「好中球」は、強い貪食作用や殺菌能力を持ち、主に細菌やカビを抗原として攻撃します。


「好酸球」は、主に寄生虫の感染に対する免疫機能を担当しています。

また、アレルギー物質への免疫対応にも関与します。


「好塩基球」は、細胞内にヒスタミンなどの生理活性物質を含有していて、

主にアレルギー物質への炎症反応などに関与しています。



リンパ球(T細胞、B細胞、N K細胞 )


白血球の「リンパ球」は、さらにT細胞、B細胞、NK細胞などの免疫細胞群に分けられます。



〇T細胞


「T細胞」は、マクロファージや樹状胞細からの情報に基づいて、

ウィルスなどに感染した細胞を見つけて攻撃・排除します。


T細胞には「ヘルパーT細胞」「キラーT細胞」「制御性T細胞」の3つがあり、

それぞれが「司令塔」「殺し屋」「ストッパー&クローザー」の役割を担っています。


「ヘルパーT細胞(司令塔)」は、

マクロファージや樹状細胞から抗原としての異物の情報を受け取り、

サイトカインなどの免疫活性化物質などを産生して、攻撃の指令を出します。


「キラーT細胞(殺し屋)」は、樹状細胞からの抗原情報に基づいて、

ウィルスに感染した細胞やガン細胞を攻撃して殺傷する働きをします。


「制御性T細胞」は、

キラーT細胞などによる正常細胞への誤認攻撃や必要以上の過剰攻撃を、

抑制・コントロールするストッパー&クローザーの役割を担っています。



〇B細胞


「B細胞」は、主に骨髄に存在する「抗体」を産生する役割を担います。

樹状細胞の指令を受けて、異物を攻撃する「抗体」を作ることで異物の排除を促進します。



〇NK(ナチュラルキラー)細胞


「NK細胞」は、「ナチュラル(生まれつきの)・キラー(殺し屋)細胞」を意味しています。


常にからだの中をパトロールしており、ウィルスに感染した細胞などを発見すると、

他の免疫細胞からの指示を受けずに、単独で攻撃を仕掛ける免役戦士です。


ガン化した異常細胞へのすばやい攻撃は、NK細胞が特に優れています。

初期の数少ないガン細胞であれば、そのほとんどがNK細胞単独によって排除されます。


さらにガン細胞の増殖が増大している場合には、

好中球などの他の免疫細胞群も動員されて、最終的にガン細胞は攻撃・排除されます。



【コチラの記事もご参照!】
『【免疫力の基礎知識②】「自然免疫」と「獲得免疫」の役割と連携による免疫のしくみとは?』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/123/0#more

『【免疫力の基礎知識③】免疫異常によるアレルギー疾患と自己免疫疾患とは?』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/133/0#more



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まとめ


免疫力は、白血球内のさまざまな免疫細胞群の働きによって支えられています。

その免疫細胞の中の「マクロファージ」は、

自ら率先してウイルスや病原菌を食べ尽くして戦う働きや、

他の免疫細胞にも抗原(外敵)の情報を知らせるアンテナ司令塔の役割も担っています。

posted by 美センス at 23:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 免疫力
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