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2017年03月30日
米国実態指標「PCE(個人消費)・個人所得」・物価指標「PCEコアデフレータ」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年3月31日21:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年3月31日21:30に米国実態指標「PCE(個人消費)・個人所得」と物価指標「PCEコアデフレータ」が発表されます。今回発表はいずれも2017年2月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
注目度・重要度が高い割には反応が小さい指標です。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
個人消費(PCE)と個人所得は消費者の経済活動を表した実態指標ですが、PCEコアデフレータはエネルギー・食料を除いた個人消費で物価動向を算出した物価指標です。
同時発表される個人消費(PCE)・個人所得・PCEコアデフレータにおいて、PCEコアデフレータが重視されています。これは、FRBが重視する物価指標がCPIでなくPCEコアデフレータと言われているためです。
物価指標にはCPIも有名ですが、CPIには上方バイアスが生じるため、PCEコアデフレータが重視されている、という解説があります。また、CPIは消費者が直接支払った費用に基づきますが、PCEは医療保険のように消費者が間接的に支払った費用も含めて算出されています。
PCEコアデフレータは前月比・前年比が発表されますが、反応に結び付きやすいのは前月比です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
先に、PCEコアデフレータについてです。
市場予想は、前月比が前回結果より0.1ポイント低下、前年比が前回同値、となっています。この市場予想は、同じ2月のCPIコア前月比の発表結果が0.1ポイント低下していたため、と考えられます。
次に、PCEと個人所得についてです。
市場予想は、ともに前月結果と同値予想となっています。がしかし、個人消費を逆に小売売上高の方から見た場合、2月は前月比が前回結果よりも0.3ポイント低下しています。では、過去12回の小売売上高前月比が前月結果に対し、どうなっていたかを調べてみましょう。
結果、小売売上高前月比が今月と同様に前回結果よりも低下していたことは7回ありました。そして、7回のうち6回は、同じ月のPCE前月比が前月比より低下しています(方向一致率86%)。唯一の例外もPCEはプラスでなく前月と同値でした。
よって、今回のPCEの市場予想は高い(=発表結果は下振れする)と考えられます。
※ 過去12回の小売売上高前月比が前回より低下した月(その月のPCEが前月PCEとの差)
2017年1月△0.3、2016年11月△0.1、2016年8月△0.3、2016年7月△0.1、2016年5月△0.6、2016年3月同値
2016年2月△0.4、2015年6月△0.7。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足が陽線で5pips動いたときは4回あります。そしてそのとき、全て直後1分足は陽線となっています。また、直前1分足が陰線で5pips動いたときは5回あります。そしてそのとき、5回のうち4回は直後1分足が陰線となっています。つまり、直前1分足値幅が5pipsあるときには、直後1分足との方向一致率が89%(9回のうち8回)にもなっています。
もちろん、値幅は直後1分足が完成してから確定するので、予兆として活用するのは難しいでしょう。ですから、直前1分足の値幅が5pipsに達しそうなら、追撃ポジションを取って指標発表を迎える、が助言の限界です。発表直前にはポンポンとチャートが動きがちなので、ちょっと難しいことを言ってますけど。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が79%となっています。そして、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも同方向に伸びていたことが74%あります。この数字なら、反応方向を確認してから追撃しても良いでしょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
ポジションを取るに足る偏りは、直後1分足と直後11分足の方向一致率以外に見出せません。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
ポジションを取るに足る偏りは見出せません。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年4月1日09:30頃に追記しています。
PCEコアデフレータは前月比が0.2%上昇で市場予想通り、前年比が1.8%上昇で市場予想を0.1%上回りました。FRBが物価上昇率の目安として注目しているPCEコアデフレータ前年比は、目標の2%を下回り続けています。
2月PCE前月比は0.1%増と、小幅増加となりました。市場予想0.2%増を下回った原因は、政府が不正対策の一環で税還付を遅らせたことが影響した、とロイター記事が解説していました。ロイターでは、1-3月期のPCEが鈍化した可能性があるものの、消費者信頼感が16年ぶりの高い水準にあることに加えて、労働市場の引き締まりを背景に賃金の上昇率が加速していることから、個人消費の弱含みが一時的で今後数四半期でPCEは持ち直す、と予想しています。
PCEコアデフレータ上昇は物価上昇圧力の高まりと見なせます。これが個人消費を抑える原因と考えると、すっきりします。
あと注目すべき点は、2月個人所得の内訳で、賃金・給与が0.5%増と5カ月ぶりの大幅な伸びとなっています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
やはり、PCEよりもPCEコアデフレータの方が強いのですね。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
結果は、PCEが分析通り市場予想を下回ったものの、まだ分析ができないPCEコアデフレータが市場予想を上回りました。
反応を見る限り、やはりPCEコアデフレータ>PCEの関係が成り立っています。
事前に準備していたシナリオは次の通りです。
シナリオ1は、実施前提となる直前1分足が5pipsの値幅を持ちそうもなかったので、指標発表直前のポジション取得を断念しました。
シナリオ2は、直後1分足と直後11分足の方向が一致したものの、直後11分足値幅は直後1分足値幅よりも小さくなりました。分析通りにはならなかったものの、確率的な問題のため、方法論を見直す必要はありません。
本ブログ開始以降の本指標でのシナリオ取引の成績を下表に示しておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年3月31日21:30に米国実態指標「PCE(個人消費)・個人所得」と物価指標「PCEコアデフレータ」が発表されます。今回発表はいずれも2017年2月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
注目度・重要度が高い割には反応が小さい指標です。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 指標は、PCEが市場予想を下回ると予想しています。他はわかりません。
PCE(個人消費)を小売売上高の方から見た場合、2月小売売上高前月比は前回結果よりも0.3ポイント低下しています。小売売上高前月比が今月と同様に前回結果よりも低下していたことは、過去12回の発表で7回ありました。そして、7回のうち6回は、同じ月のPCE前月比が前月よりも低下しています(方向一致率86%)。唯一の例外もPCEはプラスでなく前月と同値でした。よって、同月の小売売上高前月比は、PCEの前回結果との増減を先行示唆している可能性が高いのです。
今回のPCEの市場予想は、前月結果と同値となっていますが、市場予想を下回ると考えています。 - シナリオは以下の通りです。
直後1分足の方向には、予兆が現れることがあります。ローソク足検証の結果、直前1分足値幅が5pipsあるときには、直後1分足と直後1分足の方向一致率が89%(9回のうち8回)になっています。もちろん、値幅は直後1分足が完成してから確定するので、予兆として活用するのは難しいでしょう。ですから、直前1分足の値幅が5pipsに達しそうなら、追撃ポジションを取って指標発表を迎える、が助言の限界です。発表直前にはポンポンとチャートが動きがちなので、ちょっと難しいことを言ってますけど。 - また、直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が79%となっています。そして、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも同方向に伸びていたことが74%あります。
この数字なら、反応方向を確認してから追撃しても良いでしょう。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
T.調査:指標の特徴・過去の傾向・関連指標の結果などから、今回の発表値や反応方向・程度を調べています。
【1. 指標概要】
個人消費(PCE)と個人所得は消費者の経済活動を表した実態指標ですが、PCEコアデフレータはエネルギー・食料を除いた個人消費で物価動向を算出した物価指標です。
同時発表される個人消費(PCE)・個人所得・PCEコアデフレータにおいて、PCEコアデフレータが重視されています。これは、FRBが重視する物価指標がCPIでなくPCEコアデフレータと言われているためです。
物価指標にはCPIも有名ですが、CPIには上方バイアスが生じるため、PCEコアデフレータが重視されている、という解説があります。また、CPIは消費者が直接支払った費用に基づきますが、PCEは医療保険のように消費者が間接的に支払った費用も含めて算出されています。
PCEコアデフレータは前月比・前年比が発表されますが、反応に結び付きやすいのは前月比です。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
先に、PCEコアデフレータについてです。
市場予想は、前月比が前回結果より0.1ポイント低下、前年比が前回同値、となっています。この市場予想は、同じ2月のCPIコア前月比の発表結果が0.1ポイント低下していたため、と考えられます。
次に、PCEと個人所得についてです。
市場予想は、ともに前月結果と同値予想となっています。がしかし、個人消費を逆に小売売上高の方から見た場合、2月は前月比が前回結果よりも0.3ポイント低下しています。では、過去12回の小売売上高前月比が前月結果に対し、どうなっていたかを調べてみましょう。
結果、小売売上高前月比が今月と同様に前回結果よりも低下していたことは7回ありました。そして、7回のうち6回は、同じ月のPCE前月比が前月比より低下しています(方向一致率86%)。唯一の例外もPCEはプラスでなく前月と同値でした。
よって、今回のPCEの市場予想は高い(=発表結果は下振れする)と考えられます。
※ 過去12回の小売売上高前月比が前回より低下した月(その月のPCEが前月PCEとの差)
2017年1月△0.3、2016年11月△0.1、2016年8月△0.3、2016年7月△0.1、2016年5月△0.6、2016年3月同値
2016年2月△0.4、2015年6月△0.7。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足が陽線で5pips動いたときは4回あります。そしてそのとき、全て直後1分足は陽線となっています。また、直前1分足が陰線で5pips動いたときは5回あります。そしてそのとき、5回のうち4回は直後1分足が陰線となっています。つまり、直前1分足値幅が5pipsあるときには、直後1分足との方向一致率が89%(9回のうち8回)にもなっています。
もちろん、値幅は直後1分足が完成してから確定するので、予兆として活用するのは難しいでしょう。ですから、直前1分足の値幅が5pipsに達しそうなら、追撃ポジションを取って指標発表を迎える、が助言の限界です。発表直前にはポンポンとチャートが動きがちなので、ちょっと難しいことを言ってますけど。
U. 分析:過去の指標発表・市場予想・反応方向・反応程度とそれらの同士の関係に偏りがないかを分析しています。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が79%となっています。そして、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも同方向に伸びていたことが74%あります。この数字なら、反応方向を確認してから追撃しても良いでしょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
ポジションを取るに足る偏りは、直後1分足と直後11分足の方向一致率以外に見出せません。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
ポジションを取るに足る偏りは見出せません。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
2017年3月31日21:30発表
以下は2017年4月1日09:30頃に追記しています。
V. 結果:指標発表結果とその前後の反応について記録しています。
【7. 発表結果】
PCEコアデフレータは前月比が0.2%上昇で市場予想通り、前年比が1.8%上昇で市場予想を0.1%上回りました。FRBが物価上昇率の目安として注目しているPCEコアデフレータ前年比は、目標の2%を下回り続けています。
2月PCE前月比は0.1%増と、小幅増加となりました。市場予想0.2%増を下回った原因は、政府が不正対策の一環で税還付を遅らせたことが影響した、とロイター記事が解説していました。ロイターでは、1-3月期のPCEが鈍化した可能性があるものの、消費者信頼感が16年ぶりの高い水準にあることに加えて、労働市場の引き締まりを背景に賃金の上昇率が加速していることから、個人消費の弱含みが一時的で今後数四半期でPCEは持ち直す、と予想しています。
PCEコアデフレータ上昇は物価上昇圧力の高まりと見なせます。これが個人消費を抑える原因と考えると、すっきりします。
あと注目すべき点は、2月個人所得の内訳で、賃金・給与が0.5%増と5カ月ぶりの大幅な伸びとなっています。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
やはり、PCEよりもPCEコアデフレータの方が強いのですね。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
W. 検証:調査・分析と結果を対比し、次回以降の調査・分析に反映すべき点がないかを検証しています。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 指標は、PCEが市場予想を下回ると予想しています。他はわかりません。
PCE(個人消費)を小売売上高の方から見た場合、2月小売売上高前月比は前回結果よりも0.3ポイント低下しています。小売売上高前月比が今月と同様に前回結果よりも低下していたことは、過去12回の発表で7回ありました。そして、7回のうち6回は、同じ月のPCE前月比が前月よりも低下しています(方向一致率86%)。唯一の例外もPCEはプラスでなく前月と同値でした。よって、同月の小売売上高前月比は、PCEの前回結果との増減を先行示唆している可能性が高いのです。
今回のPCEの市場予想は、前月結果と同値となっていますが、市場予想を下回ると考えています。
結果は、PCEが分析通り市場予想を下回ったものの、まだ分析ができないPCEコアデフレータが市場予想を上回りました。
反応を見る限り、やはりPCEコアデフレータ>PCEの関係が成り立っています。
【9. シナリオ検証】
事前に準備していたシナリオは次の通りです。
- シナリオは以下の通りです。
直後1分足の方向には、予兆が現れることがあります。ローソク足検証の結果、直前1分足値幅が5pipsあるときには、直後1分足と直後1分足の方向一致率が89%(9回のうち8回)になっています。もちろん、値幅は直後1分足が完成してから確定するので、予兆として活用するのは難しいでしょう。ですから、直前1分足の値幅が5pipsに達しそうなら、追撃ポジションを取って指標発表を迎える、が助言の限界です。発表直前にはポンポンとチャートが動きがちなので、ちょっと難しいことを言ってますけど。 - また、直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が79%となっています。そして、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも同方向に伸びていたことが74%あります。
この数字なら、反応方向を確認してから追撃しても良いでしょう。
シナリオ1は、実施前提となる直前1分足が5pipsの値幅を持ちそうもなかったので、指標発表直前のポジション取得を断念しました。
シナリオ2は、直後1分足と直後11分足の方向が一致したものの、直後11分足値幅は直後1分足値幅よりも小さくなりました。分析通りにはならなかったものの、確率的な問題のため、方法論を見直す必要はありません。
本ブログ開始以降の本指標でのシナリオ取引の成績を下表に示しておきます。
以上
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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2017年03月29日
英国経済指標「四半期GDP確報値」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年3月31日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年3月31日17:30に英国経済指標「四半期GDP確報値」が発表されます。今回発表は2016年10-12月期分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
GDP(Gross Domestic Product)は「個人消費支出」「住宅投資」「設備投資」「在庫投資」「政府支出」など広範囲で総合的な国の成長率を表す指標です。
英国GDPは、「速報値(1・4・7・10月)」「改定値(2・5・8・11月)」「確定値(3・6・9・12月)」が順番に発表されます。ざっくり言えば、指標結果に最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均は、速報値30pips強・改定値15pips強・確報値15pips強、といったところです。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの15回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
グラフは、確報値の市場予想と発表結果を示しています。GDP確報値の場合、前回結果は改定値を参考にすべきです。グラフの前回結果との差は、改定値で既に現在のレートに反映されています。
今回市場予想は、改定値に対し前期比が同じで、前年比が0.2低下となっています。本記事巻頭に挙げた表をご参照願います。
IMFが1月に発表した世界経済見通しでは、英国の2016年成長率(2016年10-12月期前年比)が2.0%となっています。これは、今回の市場予想と一致しています。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が80%、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも伸びていたことが75%となっています。この数字なら追いかけてポジションを持つべきでしょう。
過去のローソク足を詳細に見てみると、指標発表後に反転するときには1-2分後が多いようです。そして、直後1分足と直後11分足が同方向の場合にも、4-5分後にひとまずヒゲを残して戻ろうとする動きが見受けられます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直後1分足と直後11分足の方向一致率については、反応性分析の項で述べました。
他に、各ローソク足間で予兆のような動きはありません。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事前差異や事後差異がどうあれ、反応方向との関係は見出せません。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年3月31日21:10頃に追記しています。
英国立統計局が発表したGDP確報値は、前期比0.7%増(改定値まま)・前年比1.9%増(改定値2.0%)でした。
英経済はブリグジット騒ぎの割に低迷しなかったものの、インフレ率の大幅上昇によって今後は個人消費が冷え込む見通しのようです。今回は家計可処分所得が前期比0.4%減で、約3年ぶりの大幅な落ち込みとなっています。貯蓄率も3.3%に低下し、1963年の統計開始以降最も低い水準となっています。企業設備投資にも不安が残り、前期比・前年比ともに0.9%の減少となっていました。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します。事前の調査分析結果は以下の通りです。
結果は、前年比が改定値より0.1ポイント低下し、内容も決して良くなかったようです(インフレ・消費低迷・貯蓄率低下)。初期反応は陰線となったものの、発表後も含めて上下にばたばた動いて方向感が掴みにくい動きだったと思います。
15:00からのGBPJPYの動きを見ていても、今回は発表後に上に動きそうか下に動きそうかがわからなかったと思います。
事前に準備していたシナリオは下記の通りです。
うまく戻りからの再反転を捉えることができました。
発表1分後に一旦反転、4-6分後に戻りで139.45付近、その後は17:50頃に139.15付近まで下降。
1分・4-5分後の傾向は、今回もほぼ踏襲されました。そう知っていたものの、追撃のポジション取得が少し早かった(あと2分待つべきだった)かも知れません。まぁ、実際のチャートを見ていると、「そろそろ」というのを焦ることもあります。
本ブログ開始後の本指標取引は初めてでした。成績表を下表に記録しておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
ーーー事前投稿分ーーー
2017年3月31日17:30に英国経済指標「四半期GDP確報値」が発表されます。今回発表は2016年10-12月期分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- ます取引上の注意です。
本指標は、指標一致性分析の結果、市場予想や発表結果が大きかろうが小さかろうが、ほぼ反応方向と関係がありません。こういう指標では、発表前に15:00頃からのGBPJPYのトレンド方向を確認しておくことが大切です。 - 今回のシナリオはひとつです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が80%、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも伸びていたことが75%となっています。この数字なら追いかけてポジションを持つべきでしょう。
過去のローソク足を詳細に見てみると、指標発表後に反転するときには1-2分後が多いようです。そして、直後1分足と直後11分足が同方向の場合にも、4-5分後にひとまずヒゲを残して戻ろうとする動きが見受けられます。気を付けましょう。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
T.調査
【1. 指標概要】
GDP(Gross Domestic Product)は「個人消費支出」「住宅投資」「設備投資」「在庫投資」「政府支出」など広範囲で総合的な国の成長率を表す指標です。
英国GDPは、「速報値(1・4・7・10月)」「改定値(2・5・8・11月)」「確定値(3・6・9・12月)」が順番に発表されます。ざっくり言えば、指標結果に最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均は、速報値30pips強・改定値15pips強・確報値15pips強、といったところです。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの15回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
グラフは、確報値の市場予想と発表結果を示しています。GDP確報値の場合、前回結果は改定値を参考にすべきです。グラフの前回結果との差は、改定値で既に現在のレートに反映されています。
今回市場予想は、改定値に対し前期比が同じで、前年比が0.2低下となっています。本記事巻頭に挙げた表をご参照願います。
IMFが1月に発表した世界経済見通しでは、英国の2016年成長率(2016年10-12月期前年比)が2.0%となっています。これは、今回の市場予想と一致しています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が80%、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも伸びていたことが75%となっています。この数字なら追いかけてポジションを持つべきでしょう。
過去のローソク足を詳細に見てみると、指標発表後に反転するときには1-2分後が多いようです。そして、直後1分足と直後11分足が同方向の場合にも、4-5分後にひとまずヒゲを残して戻ろうとする動きが見受けられます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直後1分足と直後11分足の方向一致率については、反応性分析の項で述べました。
他に、各ローソク足間で予兆のような動きはありません。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事前差異や事後差異がどうあれ、反応方向との関係は見出せません。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
2017年3月31日17:30発表
以下は2017年3月31日21:10頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
英国立統計局が発表したGDP確報値は、前期比0.7%増(改定値まま)・前年比1.9%増(改定値2.0%)でした。
英経済はブリグジット騒ぎの割に低迷しなかったものの、インフレ率の大幅上昇によって今後は個人消費が冷え込む見通しのようです。今回は家計可処分所得が前期比0.4%減で、約3年ぶりの大幅な落ち込みとなっています。貯蓄率も3.3%に低下し、1963年の統計開始以降最も低い水準となっています。企業設備投資にも不安が残り、前期比・前年比ともに0.9%の減少となっていました。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します。事前の調査分析結果は以下の通りです。
- 本指標は、指標一致性分析の結果、市場予想や発表結果が大きかろうが小さかろうが、ほぼ反応方向と関係がありません。こういう指標では、発表前に15:00頃からのGBPJPYのトレンド方向を確認しておくことが大切です。
結果は、前年比が改定値より0.1ポイント低下し、内容も決して良くなかったようです(インフレ・消費低迷・貯蓄率低下)。初期反応は陰線となったものの、発表後も含めて上下にばたばた動いて方向感が掴みにくい動きだったと思います。
15:00からのGBPJPYの動きを見ていても、今回は発表後に上に動きそうか下に動きそうかがわからなかったと思います。
【9. シナリオ検証】
事前に準備していたシナリオは下記の通りです。
- 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が80%、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも伸びていたことが75%となっています。この数字なら追いかけてポジションを持つべきでしょう。
過去のローソク足を詳細に見てみると、指標発表後に反転するときには1-2分後が多いようです。そして、直後1分足と直後11分足が同方向の場合にも、4-5分後にひとまずヒゲを残して戻ろうとする動きが見受けられます。気を付けましょう。
うまく戻りからの再反転を捉えることができました。
発表1分後に一旦反転、4-6分後に戻りで139.45付近、その後は17:50頃に139.15付近まで下降。
1分・4-5分後の傾向は、今回もほぼ踏襲されました。そう知っていたものの、追撃のポジション取得が少し早かった(あと2分待つべきだった)かも知れません。まぁ、実際のチャートを見ていると、「そろそろ」というのを焦ることもあります。
本ブログ開始後の本指標取引は初めてでした。成績表を下表に記録しておきます。
以上
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年03月28日
米国経済指標「四半期GDP確報値」・実態指標「四半期PCE確報値」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年3月30日21:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年3月30日21:30に米国経済指標「四半期GDP確報値」・実態指標「四半期PCE確報値」が発表されます。今回発表は2016年10-12月期分の集計結果です。
本指標と同時に、週次新規失業保険申請件数が発表されます。がしかし、以下の分析にその点は考慮していません。以下は、あくまで米国経済指標「四半期GDP確報値」・実態指標「四半期PCE確報値」の過去反応傾向の分析となります。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
確報値ということもあり、大して反応する指標ではありません。
なお、GDP確報値の場合、市場予想と対比すべき前回結果は改定値となります。つまり、今回の市場予想は、GDPだけが変化すると予想されている訳です。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
GDP(Gross Domestic Product)は「個人消費支出」「住宅投資」「設備投資」「在庫投資」「政府支出」など広範囲で総合的な国の成長率を表す指標です。 米国の場合、個人消費支出が約70%を占めていることが知られています。
GDPと同時に、四半期PCE(個人消費支出)が発表されます。PCEは、CPIと同じくインフレ率を計る指標です。
同じインフレ率を表すものの、PCE<CPIという関係が一般に成り立ちます。これはデータ処理上の方法論の違いから、CPIに上方バイアスが加わるためです。また、CPIが消費者自身の支出だけに基づくのに対し、PCEには間接的に消費者が支払う費用も含まれています(例えば、保険による支払い)。
商務省が毎月25日前後の21:30(冬時間22:30)に「速報値(1・4・7・10月)」「改定値(2・5・8・11月)」「確定値(3・6・9・12月)」を順番に発表します。
ざっくり言えば、指標結果に最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均は、速報値20pips強・改定値15pips強・確報値10pips強、といったところです。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの15回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
定性分析は、今回省略します。
グラフは、確報値の市場予想と発表結果を示しています。GDP確報値の場合、前回結果は改定値を参考にすべきです。グラフの前回結果との差は、改定値で既にUSDJPYレートに反映されています。
今回市場予想は、GDPだけが改定値より0.1改善、PCE・コアPCEは改定値のままとなっています。本記事巻頭に挙げた表をご参照願います。
今回の事前差異は、GDPがマイナス、PCEがプラス、コアPCEがマイナスです。直近で今回と同じ関係になったことは、2014年10-12月期があります。このとき、直前10-1分足は陽線、直前1分足も陽線となっています。
以下に、過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
過去の直後1分足にはヒゲがほとんどありません。そして、直後11分足のヒゲも長くありません。このことは、指標発表結果による反応が1分強しか保たないことが多かった、ということでしょう。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が64%、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びていたことは56%です。反応方向を確認してから追撃ポジションを取るには、信頼性に欠ける数字だと言えるでしょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が75%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
表中、事前差異とは(市場予想ー前回結果)、事後差異とは(発表結果ー市場予想)、を指しています。事前差異は、GDPとPCEとコアPCEのそれぞれの(市場予想ー前回結果)を単純に合計しています。事後差異は、GDP事後差異✕0.5+PCE事後差異✕0.1+コアPCE事後差異✕0.4、で求めています。
直前10-1分足と事後差異との方向一致率が77%となっています。この数値は、本指標発表前に市場がほぼ正しく発表結果が市場予想より大きいか小さいかを把握している(4回に3回は)、ということです。そして、直後1分足と事後差異との方向一致率が80%となっています。発表結果が市場予想より良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直な反応が期待できます。
よって、直後1分足は直前10-1分足と同方向に反応する可能性が高い、と言えます。
直後11分足と事後差異との方向一致率も71%と高くなっています。がしかし、反応性分析の項で述べたように、直後11分足終値は直後1分足終値を超えて反応する可能性が50%台しかありません。よって、これは取引に有益な利用法がない情報です。
巻頭箇条書きの3項目をご参照ください。
以下は2017年3月30日23:10頃に追記しています。
全項上振れとなりました。特に四半期PCEは、確報値では久しぶりに大きな上振れでした。
23:03現在、ブルームバーグ日本語HPには結果が流れていません。ロイターは数値のみしか流していません。これも珍しいことです。
2016年第4Qの米GDP確報値は、年率換算で前期比2.1%増と、改定値1.9%増から上方改定されました。
上方改定は、個人消費が堅調で輸入も増えたため、のようです。個人消費は改定値3.0%増から3.5%増、輸入は改定値8.5%増から9.0%増へと上方改定されています。
米大統領は、減税・インフラ支出・規制緩和で経済成長を年率4%まで押し上げると公約しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
シナリオ2に関しては、完全に分析を外していました。
シナリオ3・4は、発表結果が全項上振れでPCEが大きく上振れしていたので、臨時で追撃を行いました。これらは、事前に準備していたシナリオではないので、週次成績には含めますが、下部の指標成績には含めません。
ちなみに、今回の直後1分足の初期反応は、1・2数秒ですが遅れて生じたような感じがありました。気のせいでしょうか。
指標に関する調査分析は、今回行っていません。
事前に準備していたシナリオは次の通りです。
結果は、直後1分足と直後11分足は同方向に反応し、直後11分足終値は直後1分足終値よりも伸びました。
確報値で、これほど市場予想より上振れすることは珍しいと思います。
直前1分足は陰線でした。
一方、直後1分足は、直前10-1分足が陰線にも関わらず陽線となりました。
本ブログ開始以降の本指標確報値の成績表を下表に示します。
なお、先述の通り、シナリオ3・4は事前準備したものでなく、指標結果を見て事後の追撃のため下表には含めません。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
ーーー事前投稿分ーーー
2017年3月30日21:30に米国経済指標「四半期GDP確報値」・実態指標「四半期PCE確報値」が発表されます。今回発表は2016年10-12月期分の集計結果です。
本指標と同時に、週次新規失業保険申請件数が発表されます。がしかし、以下の分析にその点は考慮していません。以下は、あくまで米国経済指標「四半期GDP確報値」・実態指標「四半期PCE確報値」の過去反応傾向の分析となります。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
確報値ということもあり、大して反応する指標ではありません。
なお、GDP確報値の場合、市場予想と対比すべき前回結果は改定値となります。つまり、今回の市場予想は、GDPだけが変化すると予想されている訳です。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 先にご注意です。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が64%、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びていたことは56%です。反応方向を確認してから追撃ポジションを取るには、信頼性に欠ける数字だと言えるでしょう。
過去の直後1分足にはヒゲがほとんどありません。そして、直後11分足のヒゲも長くありません。このことは、指標発表結果による反応が1分強しか保たないことが多かった、ということでしょう。 - 今回は指標定性分析を省略します。
- シナリオは2つです。
直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が75%となっています。但し、過去の反応平均は跳幅3pipsしかありません。
直後1分足は、指標一致性分析の結果、直前10-1分足と同じ方向に反応する可能性が高いようです。これは、直前10-1分足と事後差異との方向一致率が77%で、事後差異と直後1分足の方向一致率が80%という分析結果で繋がっています。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
T.調査
【1. 指標概要】
GDP(Gross Domestic Product)は「個人消費支出」「住宅投資」「設備投資」「在庫投資」「政府支出」など広範囲で総合的な国の成長率を表す指標です。 米国の場合、個人消費支出が約70%を占めていることが知られています。
GDPと同時に、四半期PCE(個人消費支出)が発表されます。PCEは、CPIと同じくインフレ率を計る指標です。
同じインフレ率を表すものの、PCE<CPIという関係が一般に成り立ちます。これはデータ処理上の方法論の違いから、CPIに上方バイアスが加わるためです。また、CPIが消費者自身の支出だけに基づくのに対し、PCEには間接的に消費者が支払う費用も含まれています(例えば、保険による支払い)。
商務省が毎月25日前後の21:30(冬時間22:30)に「速報値(1・4・7・10月)」「改定値(2・5・8・11月)」「確定値(3・6・9・12月)」を順番に発表します。
ざっくり言えば、指標結果に最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均は、速報値20pips強・改定値15pips強・確報値10pips強、といったところです。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの15回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
定性分析は、今回省略します。
グラフは、確報値の市場予想と発表結果を示しています。GDP確報値の場合、前回結果は改定値を参考にすべきです。グラフの前回結果との差は、改定値で既にUSDJPYレートに反映されています。
今回市場予想は、GDPだけが改定値より0.1改善、PCE・コアPCEは改定値のままとなっています。本記事巻頭に挙げた表をご参照願います。
(2-2. 過去反応)
今回の事前差異は、GDPがマイナス、PCEがプラス、コアPCEがマイナスです。直近で今回と同じ関係になったことは、2014年10-12月期があります。このとき、直前10-1分足は陽線、直前1分足も陽線となっています。
以下に、過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
過去の直後1分足にはヒゲがほとんどありません。そして、直後11分足のヒゲも長くありません。このことは、指標発表結果による反応が1分強しか保たないことが多かった、ということでしょう。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が64%、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びていたことは56%です。反応方向を確認してから追撃ポジションを取るには、信頼性に欠ける数字だと言えるでしょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が75%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
表中、事前差異とは(市場予想ー前回結果)、事後差異とは(発表結果ー市場予想)、を指しています。事前差異は、GDPとPCEとコアPCEのそれぞれの(市場予想ー前回結果)を単純に合計しています。事後差異は、GDP事後差異✕0.5+PCE事後差異✕0.1+コアPCE事後差異✕0.4、で求めています。
直前10-1分足と事後差異との方向一致率が77%となっています。この数値は、本指標発表前に市場がほぼ正しく発表結果が市場予想より大きいか小さいかを把握している(4回に3回は)、ということです。そして、直後1分足と事後差異との方向一致率が80%となっています。発表結果が市場予想より良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直な反応が期待できます。
よって、直後1分足は直前10-1分足と同方向に反応する可能性が高い、と言えます。
直後11分足と事後差異との方向一致率も71%と高くなっています。がしかし、反応性分析の項で述べたように、直後11分足終値は直後1分足終値を超えて反応する可能性が50%台しかありません。よって、これは取引に有益な利用法がない情報です。
【6. シナリオ作成】
巻頭箇条書きの3項目をご参照ください。
以上
2017年3月30日21:30発表
以下は2017年3月30日23:10頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
全項上振れとなりました。特に四半期PCEは、確報値では久しぶりに大きな上振れでした。
23:03現在、ブルームバーグ日本語HPには結果が流れていません。ロイターは数値のみしか流していません。これも珍しいことです。
2016年第4Qの米GDP確報値は、年率換算で前期比2.1%増と、改定値1.9%増から上方改定されました。
上方改定は、個人消費が堅調で輸入も増えたため、のようです。個人消費は改定値3.0%増から3.5%増、輸入は改定値8.5%増から9.0%増へと上方改定されています。
米大統領は、減税・インフラ支出・規制緩和で経済成長を年率4%まで押し上げると公約しています。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
シナリオ2に関しては、完全に分析を外していました。
シナリオ3・4は、発表結果が全項上振れでPCEが大きく上振れしていたので、臨時で追撃を行いました。これらは、事前に準備していたシナリオではないので、週次成績には含めますが、下部の指標成績には含めません。
ちなみに、今回の直後1分足の初期反応は、1・2数秒ですが遅れて生じたような感じがありました。気のせいでしょうか。
【8. 調査分析検証】
指標に関する調査分析は、今回行っていません。
【9. シナリオ検証】
事前に準備していたシナリオは次の通りです。
- 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が64%、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びていたことは56%です。反応方向を確認してから追撃ポジションを取るには、信頼性に欠ける数字だと言えるでしょう。
過去の直後1分足にはヒゲがほとんどありません。そして、直後11分足のヒゲも長くありません。このことは、指標発表結果による反応が1分強しか保たないことが多かった、ということでしょう。
結果は、直後1分足と直後11分足は同方向に反応し、直後11分足終値は直後1分足終値よりも伸びました。
確報値で、これほど市場予想より上振れすることは珍しいと思います。
- 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が75%となっています。但し、過去の反応平均は跳幅3pipsしかありません。
直後1分足は、指標一致性分析の結果、直前10-1分足と同じ方向に反応する可能性が高いようです。これは、直前10-1分足と事後差異との方向一致率が77%で、事後差異と直後1分足の方向一致率が80%という分析結果で繋がっています。
直前1分足は陰線でした。
一方、直後1分足は、直前10-1分足が陰線にも関わらず陽線となりました。
本ブログ開始以降の本指標確報値の成績表を下表に示します。
なお、先述の通り、シナリオ3・4は事前準備したものでなく、指標結果を見て事後の追撃のため下表には含めません。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
米国景気指標「CB消費者信頼感指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年3月28日23:00発表結果検証済)
2017年3月28日23:00に米国景気指標「CB消費者信頼感指数」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
大して反応する指標ではありません。もし取引するなら、それだけに指標発表前のトレンドを事前に確認しておきましょう。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
本指標は、現在と将来に対する消費者の景況感と消費動向を示しています。
調査方法は約5000世帯の消費者アンケート調査です。内容は、現在の景況感と雇用状況と、半年後の景況感と雇用状況と世帯所得と購入計画について回答します。購入計画は、自動車・住宅に関して、となっています。
指数は、アンケート結果を1985年と対比して指数化し、現在40%・半年後60%が割り当てられています。
消費者景況感の指標には、他にUM(ミシガン大学)のものが有名です。CBとUMの違いは、基準年(CBは1985年、UMは1964年)と、サンプル数(CBは5000人、UMは500人)です。見比べるとわかるように、UMよりCBの方が信頼度は高いと見なされます。
ではこの信頼度とは何に対する信頼でしょうか。直接的には個人消費(PCE)に対してであり、個人消費は米国GDPの70%を占めるため、GDPに対する先行指標という位置づけになります。
でも、本音を言えばあまり信頼できませんけど。
最後に、CBはConference Boardの略で、全米産業審査委員会を指します。委員会と言っても民間経済調査機関であり、消費者信頼感指数の他には景気先行指数が比較的有名です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2016年1月分以降前回までの14回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
前回結果が114.8、市場予想が114.0と、やや前回より低く予想されています。
但し、注意が必要なことに、ここ最近の指数値(12月113.7・1月111.8・2月114.8)は極めて高く、この水準はほぼ15年ぶりです。仮に下がっても114ならば、そういう水準だということです。
次に、上表自体の市場予想と発表結果を見比べてみてください。多くの指標と同様に、グラフが右上がりのときは市場予想が低めになっています。
関係ないけど、プロのエコノミストさえ多くは「上がればそろそろ下がる」「下がればそろそろ上がる」と予想するものなのです。FXに置き換えれば、トレンドフォローが難しいのは全く当然のことですよね。
関連指標については、3月の産業関連景況感がNY連銀・Phil連銀が2月より低下、ISMは製造業・非製造業のいずれも2月より上昇、同じ消費者景況感を調査したUM(ミシガン大学)速報値は2月より上昇、です。
最後に株価を見てみましょう。ダウは1月末に少し下げたものの2月末まで右上がり、3月20日までは高値横這いです。
個人の景況感ですから、直近の報道が頭に残ります。まだ耳に馴染んでいない最新のTV解説か、先月からの繰り返し聞いていた話か、その時間尺度が曖昧です。だから、個人景況感はPMIや連銀調査のように、購買担当役員からの景況感より一歩遅れがちになります。この指摘は以前からあって「消費者景況感は遅行指標ではないか」という話さえあるぐらいです。
以上の結果を纏めると、現在の水準からは市場予想を下回っても不思議でないものの、グラフ傾向からは市場予想より上、関連指標からも市場予想を上回る可能性があり、株価は中立です。
よって、今回は市場予想を上回る可能性があります。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直後1分足をご覧ください。ヒゲが目立っています。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が64%(3回に2回)となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びたことは89%となっています。やや方向一致率に不安がありますが、慎重になら追いかけてポジションを取っても良さそうです。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直後1分足の陽線率が79%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足の方向一致率が86%となっています。指標結果に対しては素直に反応する指標のようです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年3月28日23:45頃に追記しています。
結果は、市場予想(114.0)を大幅に上回り125.6となりました。この数値は2000年12月以来の高水準とのことで、雇用に楽観的な見方が広がったことと業況感改善が寄与しました。
ただもし、この結果が昨年末頃からのトランプラリーによる株価好調の印象を引きずったものならば、来月以降は利上げの影響や株価不安や米政権政策遂行力への疑念によって、消費者景況感は低下し始めるかも知れませんね。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容は以下の通りでした。
結果は、市場予想を上回りました。
市場でも多くの人が同じ見通しだったのでしょう。市場予想は前回結果を下回っていたにも関わらず、22:53頃から不自然にUSDJPYは上昇しました。
事前に準備していたシナリオは次の通りです。
直後1分足は、指標結果に対し素直に陽線で反応。市場予想をかなり大きく上回ったものの、長い上ヒゲを残しました。
直後11分足は、直後1分足と同じく陽線で反応。直後11分足終値は直後1分足終値を超えて反応を伸ばしました。
シナリオ2のポジション解消は、取得から3分強で行いました。そのまま、直後11分足終値まで持っていたら、あと数pipsは稼げたようです。がしかし、これは結果論で、方向一致率に不安があった以上、この取引はこれで良かったと考えています。負けなきゃいいのです。
本指標での取引は、本ブログを始めてから初回となります。後日参照のため、指標成績を下表に残しておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
大して反応する指標ではありません。もし取引するなら、それだけに指標発表前のトレンドを事前に確認しておきましょう。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 今回は市場予想を上回ると考えます。
これは、現在の高い指数水準を見ると市場予想を下回っても不思議ではないものの、過去のグラフ傾向からは市場予想よりも上、関連指標からも市場予想より上、株価が中立、という状況を踏まえてです。 - シナリオに先立ち、指標一致性分析から、事後差異と直後1分足の方向一致率が86%となっています。過去の傾向から言えば、指標結果に対しては素直に反応する、ということがわかっています。
そしてシナリオです。
まず、直後1分足は、反応一致性分析の結果、陽線率が79%となっています。この結果は、上記指標定性分析の結論とも一致しています。但し、ローソク足検証では、直後1分足はヒゲが目立っています。ヒゲは発表直後が多いので、ヒゲで利確できるならひとまず利確すべきです。
次に、直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が64%(3回に2回)で、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びたことが89%となっています。やや方向一致率に不安があるものの、慎重になら追いかけてポジションを取っても良さそうです(例えば、指標発表以前のトレンドと同方向なら追撃する)。
追撃にあたっては、直後1分足にヒゲが多かったことを思い出してください。直後11分足が直後1分足と同じ方向に反応する場合でも、早すぎる追撃ポジションは、含損となる可能性があります。一呼吸おいてから、追撃ポジションを取りましょう。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
本指標は、現在と将来に対する消費者の景況感と消費動向を示しています。
調査方法は約5000世帯の消費者アンケート調査です。内容は、現在の景況感と雇用状況と、半年後の景況感と雇用状況と世帯所得と購入計画について回答します。購入計画は、自動車・住宅に関して、となっています。
指数は、アンケート結果を1985年と対比して指数化し、現在40%・半年後60%が割り当てられています。
消費者景況感の指標には、他にUM(ミシガン大学)のものが有名です。CBとUMの違いは、基準年(CBは1985年、UMは1964年)と、サンプル数(CBは5000人、UMは500人)です。見比べるとわかるように、UMよりCBの方が信頼度は高いと見なされます。
ではこの信頼度とは何に対する信頼でしょうか。直接的には個人消費(PCE)に対してであり、個人消費は米国GDPの70%を占めるため、GDPに対する先行指標という位置づけになります。
でも、本音を言えばあまり信頼できませんけど。
最後に、CBはConference Boardの略で、全米産業審査委員会を指します。委員会と言っても民間経済調査機関であり、消費者信頼感指数の他には景気先行指数が比較的有名です。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2016年1月分以降前回までの14回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
前回結果が114.8、市場予想が114.0と、やや前回より低く予想されています。
但し、注意が必要なことに、ここ最近の指数値(12月113.7・1月111.8・2月114.8)は極めて高く、この水準はほぼ15年ぶりです。仮に下がっても114ならば、そういう水準だということです。
次に、上表自体の市場予想と発表結果を見比べてみてください。多くの指標と同様に、グラフが右上がりのときは市場予想が低めになっています。
関係ないけど、プロのエコノミストさえ多くは「上がればそろそろ下がる」「下がればそろそろ上がる」と予想するものなのです。FXに置き換えれば、トレンドフォローが難しいのは全く当然のことですよね。
関連指標については、3月の産業関連景況感がNY連銀・Phil連銀が2月より低下、ISMは製造業・非製造業のいずれも2月より上昇、同じ消費者景況感を調査したUM(ミシガン大学)速報値は2月より上昇、です。
最後に株価を見てみましょう。ダウは1月末に少し下げたものの2月末まで右上がり、3月20日までは高値横這いです。
個人の景況感ですから、直近の報道が頭に残ります。まだ耳に馴染んでいない最新のTV解説か、先月からの繰り返し聞いていた話か、その時間尺度が曖昧です。だから、個人景況感はPMIや連銀調査のように、購買担当役員からの景況感より一歩遅れがちになります。この指摘は以前からあって「消費者景況感は遅行指標ではないか」という話さえあるぐらいです。
以上の結果を纏めると、現在の水準からは市場予想を下回っても不思議でないものの、グラフ傾向からは市場予想より上、関連指標からも市場予想を上回る可能性があり、株価は中立です。
よって、今回は市場予想を上回る可能性があります。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直後1分足をご覧ください。ヒゲが目立っています。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が64%(3回に2回)となっています。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びたことは89%となっています。やや方向一致率に不安がありますが、慎重になら追いかけてポジションを取っても良さそうです。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直後1分足の陽線率が79%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足の方向一致率が86%となっています。指標結果に対しては素直に反応する指標のようです。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
2017年3月28日23:00発表
以下は2017年3月28日23:45頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
結果は、市場予想(114.0)を大幅に上回り125.6となりました。この数値は2000年12月以来の高水準とのことで、雇用に楽観的な見方が広がったことと業況感改善が寄与しました。
ただもし、この結果が昨年末頃からのトランプラリーによる株価好調の印象を引きずったものならば、来月以降は利上げの影響や株価不安や米政権政策遂行力への疑念によって、消費者景況感は低下し始めるかも知れませんね。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容は以下の通りでした。
- 今回は市場予想を上回ると考えます。
これは、現在の高い指数水準を見ると市場予想を下回っても不思議ではないものの、過去のグラフ傾向からは市場予想よりも上、関連指標からも市場予想より上、株価が中立、という状況を踏まえてです。
結果は、市場予想を上回りました。
市場でも多くの人が同じ見通しだったのでしょう。市場予想は前回結果を下回っていたにも関わらず、22:53頃から不自然にUSDJPYは上昇しました。
【9. シナリオ検証】
事前に準備していたシナリオは次の通りです。
- まず、直後1分足は、反応一致性分析の結果、陽線率が79%となっています。この結果は、上記指標定性分析の結論とも一致しています。但し、ローソク足検証では、直後1分足はヒゲが目立っています。ヒゲは発表直後が多いので、ヒゲで利確できるならひとまず利確すべきです。
次に、直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が64%(3回に2回)で、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びたことが89%となっています。やや方向一致率に不安があるものの、慎重になら追いかけてポジションを取っても良さそうです(例えば、指標発表以前のトレンドと同方向なら追撃する)。
追撃にあたっては、直後1分足にヒゲが多かったことを思い出してください。直後11分足が直後1分足と同じ方向に反応する場合でも、早すぎる追撃ポジションは、含損となる可能性があります。一呼吸おいてから、追撃ポジションを取りましょう。
直後1分足は、指標結果に対し素直に陽線で反応。市場予想をかなり大きく上回ったものの、長い上ヒゲを残しました。
直後11分足は、直後1分足と同じく陽線で反応。直後11分足終値は直後1分足終値を超えて反応を伸ばしました。
シナリオ2のポジション解消は、取得から3分強で行いました。そのまま、直後11分足終値まで持っていたら、あと数pipsは稼げたようです。がしかし、これは結果論で、方向一致率に不安があった以上、この取引はこれで良かったと考えています。負けなきゃいいのです。
本指標での取引は、本ブログを始めてから初回となります。後日参照のため、指標成績を下表に残しておきます。
以上
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上