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2018年03月07日
4-3-1.(a) 欧州(ECB)金融政策発表前後のEURJPY反応分析(2018年版)
どの国の中銀であれ、金融政策発表前後の反応は、「市場予想通り現状維持」の場合とその他の場合とで、反応が全く異なります。ECB(欧中銀)政策発表時も同様です。
よって、この分析の調査範囲は、2015年1月発表結果〜2018年1月発表結果の25回うち、「市場予想通り現状維持」だった20回分に絞ります。そうでなかった場合の反応は、過去事例数の問題だけでなく、都度のプロの解釈次第でどちらに反応するか傾向が見出せないからです。
以前、黒田日銀総裁が言ったように金融政策の手段は多岐に亘ります。
まず「政策金利」とは、中銀が市中銀行に対して融資をする際の金利のことを指しており、日本の場合には「無担保コール翌日物金利」を指しています。
以前は金利政策のことを指して「公定歩合」と呼ばれていました。がしかし、現在は金利が自由化されているため、公定歩合による金利操作を行うことができません。それで、日銀が無担保コール翌日物市場という短期金融市場に直接介入して短期金利を操作しているのです。
公定歩合(「基準割引率および基準貸付利率」)というものは残っているものの、これは短期金融市場における金利上限として機能しているだけであり、政策金利ではありません。
そして、ECBの「預金ファシリティー金利」とは日銀における「付利」に相当します。
市中銀行の貸出金利は、付利の水準が貸出金利下限として機能するため、付利の上げ下げが中銀金融政策の手段たり得ます。
但し、日欧のように付利がマイナスになることを「マイナス金利」といい、これは自国資金が他国通貨での運用に流れるため、通貨安を招くと批判を受けています。
また、米日欧の中銀が相次いで実施した中銀による国債等の買い入れ施策は、買入にせよ売却にせよ、そのペース(規模)を制御することで金融政策たり得ています。
かつてのような金利操作だけでは政策効果が薄まってしまい、何だかこうした中銀金融政策の多様化が進んでいます。がしかし、その本質が緩和か引締のどちらかに過ぎない以上、多様化は弊害の少ない規模拡大を模索しているだけなのです。
さて、ECBの金融政策発表が「市場予想通り現状維持」でなかったことは、調査期間において5回ありました。すなわち、
の5回です。
例えば、2017年10月は2018年1月からの債券購入規模半減が発表されました。このとき政策変更が行われた、と解釈します。2018年1月はその実施が発表されたものの、これは「市場予想通り現状維持」と解釈します。
但し、資産購入規模の変更やその時期の変更は発表直後にわかりにくい、というのが実際です。
2016年12月には「市場予想通り債券購入プログラムを2017年3月末まで継続し、4月から12月まで月額600億EURの債券購入を継続」と発表されたのに、市場にはそれが「月額600億EURに減額」と伝わりました。それが間違った解釈だと市場に浸透するまで100pipsを超える上下動が生じました。
ECBの政策発表は、現地母国語においてすらわかりにくい、ということです。はっきり言えよ、と文句を言ったところで、起きてしまったことは仕方ありません。
分析には、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。
但し、金融政策に関する稿では、事後差異・実態差異がありません。最初に述べたように、市場予想通り現状維持のときだけを分析対象にしているからです。
過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。
市場予想通り現状維持だった場合の反応は意外に小さく、直後1分足跳幅の平均が14pipsしかありません。そして、そのうち70%が平均値以下の反応です。
次に、直近3年間の反応平均値の推移を下図に示します。
まだ1回しか結果反映していない2018年発表分を除くと、平均的な反応は安定します。注目すべきは、直後1分足・直後11分足ともに、跳幅に対し値幅がほぼ半減していることです。上下動が大きいためと思われるので、高値掴み・安値掴みには気を付けましょう。
政策金利と付利に関し、発表結果と市場予想を以下にプロットしておきます。これら下図は「市場予想通り現状維持」でなかったときも含めてプロットしています。
先に挙げたように、政策金利と付利以外にも資産購入プログラムの変更をどの程度いつから実施、という政策変更も行われていますが、それはまだ対応できていません。そうした政策変更は、2015年1月、2016年12月、2017年10月、に行われています。
直後1分足と直後11分足の相関分布を下図に示します。
直後1分足値幅(x)に対する直後11分足値幅(y)は、回帰式(赤線)の傾きが0.71で1を下回っています。平均的には反応が伸びていません。
がしかし、赤線(回帰式)・黒線(対角線)に対し、ドットがばらつき過ぎています。平均値を見て発表から1分後に逆張りするような取引を行ってはいけません。回帰式は数学的に正しくしても、こうした分布は回帰式との相関が低いことを示しているのです。
取引方針は、別の分析法に依って決めるべきです。
反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。
直前1分足の陰線率が94%、直後1分足の陽線率が79%、直後11分足の陽線率が68%と、異常な偏りが見受けられます。
直前1分足は、直後1分足との方向一致率が18%(不一致率82%)しかありません。
反応性分析では、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は79%です。そして、その79%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
けれども、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは37%しかありません。指標発表後は、直後1分足跳幅を超えて反応を伸ばしたら利確し、その後は追撃を諦めた方が良いでしょう。
以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。
直前10-1分足の過去平均跳幅が7pips、同値幅は4pipsです。陰線率は60%で、それほど極端な偏りはありません。
その跳幅が10pips以上だったことは過去3回(頻度15%)あります。
この3回の直後1分足跳幅平均は18pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均14pipsとほぼ同じです。また、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(33%)一致しています。
つまり、直前10-1分足が大きく跳ねても、そのとき直後1分足の反応程度や反応方向を示唆しているとは言えません。
次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。
直前1分足の過去平均跳幅は8pips、同値幅は5pipsです。過去の陰線率は94%と、かなり極端な偏りがあります。上ヒゲの発生頻度や大きさはそれほどでもなく、この期間はショートで良いでしょう。
直前1分足の跳幅が10pips以上だったことは過去3回(頻度15%)あります。
この3回の直後1分足跳幅平均は23pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均14pipsよりかなり大きいと言えます。また、この3回の直前1分足と直後1分足の方向は一度も一致していません(不一致率100%)。
つまり、まだ事例数こそ少ないものの、直前1分足が大きく跳ねたときは、直後1分足が大きく逆方向に反応することを示唆している可能性があります。
そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。
直後1分足は過去平均跳幅が14pips、同値幅が8pipsです。過去の陽線率は79%で、直前1分足との方向一致率は18%(不一致率82%)です。
よって、直前1分足が陰線だったときに指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切です。但し、直前1分足が10pips以上の陽線となったときは、ロングをオーダーします。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は79%です。そして、その79%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
最後に、直後11分足の始値基準ローソク足を下図に示します。
直後11分足の過去平均跳幅は16pips、同値幅は9pipsです。
指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは37%しかありません。追撃はあまり薦められません。
2017年は本発表前後に6回取引し6勝でした。シナリオ単位では、13勝7敗(勝率65%)なので、この結果は運が良かったとしか解釈できません。ただ、意外に反応が小さいことを予め知っておけば、色々と有利に働くということだと考えています。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
よって、この分析の調査範囲は、2015年1月発表結果〜2018年1月発表結果の25回うち、「市場予想通り現状維持」だった20回分に絞ります。そうでなかった場合の反応は、過去事例数の問題だけでなく、都度のプロの解釈次第でどちらに反応するか傾向が見出せないからです。
T.定性的傾向
【1. 指標概要】
以前、黒田日銀総裁が言ったように金融政策の手段は多岐に亘ります。
まず「政策金利」とは、中銀が市中銀行に対して融資をする際の金利のことを指しており、日本の場合には「無担保コール翌日物金利」を指しています。
以前は金利政策のことを指して「公定歩合」と呼ばれていました。がしかし、現在は金利が自由化されているため、公定歩合による金利操作を行うことができません。それで、日銀が無担保コール翌日物市場という短期金融市場に直接介入して短期金利を操作しているのです。
公定歩合(「基準割引率および基準貸付利率」)というものは残っているものの、これは短期金融市場における金利上限として機能しているだけであり、政策金利ではありません。
そして、ECBの「預金ファシリティー金利」とは日銀における「付利」に相当します。
市中銀行の貸出金利は、付利の水準が貸出金利下限として機能するため、付利の上げ下げが中銀金融政策の手段たり得ます。
但し、日欧のように付利がマイナスになることを「マイナス金利」といい、これは自国資金が他国通貨での運用に流れるため、通貨安を招くと批判を受けています。
また、米日欧の中銀が相次いで実施した中銀による国債等の買い入れ施策は、買入にせよ売却にせよ、そのペース(規模)を制御することで金融政策たり得ています。
かつてのような金利操作だけでは政策効果が薄まってしまい、何だかこうした中銀金融政策の多様化が進んでいます。がしかし、その本質が緩和か引締のどちらかに過ぎない以上、多様化は弊害の少ない規模拡大を模索しているだけなのです。
さて、ECBの金融政策発表が「市場予想通り現状維持」でなかったことは、調査期間において5回ありました。すなわち、
- 2015年1月、市場予想通り国際購入プログラムの実施発表
- 2015年12月、市場予想通り付利を△0.2%から△0.3%に変更
- 2016年3月 市場予想通り付利を△0.3%から△0.4%に変更し、社債購入プログラムを2016年6月から開始、市場予想に反して政策金利を0.05%から0%に変更、
- 2016年12月、市場予想通り債券購入プログラムを2017年3月末まで継続し、4月から12月まで月額600億EURの債券購入継続を発表
- 2017年10月、市場予想通り毎月の債券購入規模を、2018年1月から半減を発表
の5回です。
例えば、2017年10月は2018年1月からの債券購入規模半減が発表されました。このとき政策変更が行われた、と解釈します。2018年1月はその実施が発表されたものの、これは「市場予想通り現状維持」と解釈します。
但し、資産購入規模の変更やその時期の変更は発表直後にわかりにくい、というのが実際です。
2016年12月には「市場予想通り債券購入プログラムを2017年3月末まで継続し、4月から12月まで月額600億EURの債券購入を継続」と発表されたのに、市場にはそれが「月額600億EURに減額」と伝わりました。それが間違った解釈だと市場に浸透するまで100pipsを超える上下動が生じました。
ECBの政策発表は、現地母国語においてすらわかりにくい、ということです。はっきり言えよ、と文句を言ったところで、起きてしまったことは仕方ありません。
U.定量的傾向
分析には、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。
但し、金融政策に関する稿では、事後差異・実態差異がありません。最初に述べたように、市場予想通り現状維持のときだけを分析対象にしているからです。
【2. 反応概要】
過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。
市場予想通り現状維持だった場合の反応は意外に小さく、直後1分足跳幅の平均が14pipsしかありません。そして、そのうち70%が平均値以下の反応です。
次に、直近3年間の反応平均値の推移を下図に示します。
まだ1回しか結果反映していない2018年発表分を除くと、平均的な反応は安定します。注目すべきは、直後1分足・直後11分足ともに、跳幅に対し値幅がほぼ半減していることです。上下動が大きいためと思われるので、高値掴み・安値掴みには気を付けましょう。
【3. 定型分析】
政策金利と付利に関し、発表結果と市場予想を以下にプロットしておきます。これら下図は「市場予想通り現状維持」でなかったときも含めてプロットしています。
先に挙げたように、政策金利と付利以外にも資産購入プログラムの変更をどの程度いつから実施、という政策変更も行われていますが、それはまだ対応できていません。そうした政策変更は、2015年1月、2016年12月、2017年10月、に行われています。
ーーー$€¥ーーー
直後1分足と直後11分足の相関分布を下図に示します。
直後1分足値幅(x)に対する直後11分足値幅(y)は、回帰式(赤線)の傾きが0.71で1を下回っています。平均的には反応が伸びていません。
がしかし、赤線(回帰式)・黒線(対角線)に対し、ドットがばらつき過ぎています。平均値を見て発表から1分後に逆張りするような取引を行ってはいけません。回帰式は数学的に正しくしても、こうした分布は回帰式との相関が低いことを示しているのです。
取引方針は、別の分析法に依って決めるべきです。
(3.1 反応一致性分析)
反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。
直前1分足の陰線率が94%、直後1分足の陽線率が79%、直後11分足の陽線率が68%と、異常な偏りが見受けられます。
直前1分足は、直後1分足との方向一致率が18%(不一致率82%)しかありません。
(3.2 反応性分析)
反応性分析では、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は79%です。そして、その79%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
けれども、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは37%しかありません。指標発表後は、直後1分足跳幅を超えて反応を伸ばしたら利確し、その後は追撃を諦めた方が良いでしょう。
V.分析結論
以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。
直前10-1分足の過去平均跳幅が7pips、同値幅は4pipsです。陰線率は60%で、それほど極端な偏りはありません。
その跳幅が10pips以上だったことは過去3回(頻度15%)あります。
この3回の直後1分足跳幅平均は18pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均14pipsとほぼ同じです。また、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(33%)一致しています。
つまり、直前10-1分足が大きく跳ねても、そのとき直後1分足の反応程度や反応方向を示唆しているとは言えません。
次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。
直前1分足の過去平均跳幅は8pips、同値幅は5pipsです。過去の陰線率は94%と、かなり極端な偏りがあります。上ヒゲの発生頻度や大きさはそれほどでもなく、この期間はショートで良いでしょう。
直前1分足の跳幅が10pips以上だったことは過去3回(頻度15%)あります。
この3回の直後1分足跳幅平均は23pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均14pipsよりかなり大きいと言えます。また、この3回の直前1分足と直後1分足の方向は一度も一致していません(不一致率100%)。
つまり、まだ事例数こそ少ないものの、直前1分足が大きく跳ねたときは、直後1分足が大きく逆方向に反応することを示唆している可能性があります。
そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。
直後1分足は過去平均跳幅が14pips、同値幅が8pipsです。過去の陽線率は79%で、直前1分足との方向一致率は18%(不一致率82%)です。
よって、直前1分足が陰線だったときに指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切です。但し、直前1分足が10pips以上の陽線となったときは、ロングをオーダーします。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は79%です。そして、その79%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
最後に、直後11分足の始値基準ローソク足を下図に示します。
直後11分足の過去平均跳幅は16pips、同値幅は9pipsです。
指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは37%しかありません。追撃はあまり薦められません。
ーーー$€¥ーーー
2017年は本発表前後に6回取引し6勝でした。シナリオ単位では、13勝7敗(勝率65%)なので、この結果は運が良かったとしか解釈できません。ただ、意外に反応が小さいことを予め知っておけば、色々と有利に働くということだと考えています。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2018年3月7日22:15発表ー米国雇用指標「2018年2月集計分ADP雇用統計」(結果検証済)
T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析はこちらに詳述しています。以下に記す今回の取引方針は、この分析結果に基づきます。
そこで述べた通り、本指標には
- 実態差異の良し悪しは、直前直近の4週平均週次失業保険申請件数の実態差異方向との符号不一致率が90%程度
- 指標発表直後の反応程度は過去平均で15pips、市場予想と発表結果の乖離が大きいほど大きく反応しがち
- 指標発表直後の反応方向は素直で、直後1分足値幅が20pipsを超えると直後11分足跳幅が大きくなりがち
という特徴があります。
今回発表の要点は下表の通りです。
符号逆相関がある直近直前の4週平均新規失業保険申請件数は23.5万人でした。前月の本指標発表直前直近のそれは24.0万人だったので、今回の4週平均失業保険申請件数実態差異はマイナスとです。
今回の実態差異が4週平均失業保険申請件数の実態差異符号と逆になるなら、ADP結果は前回結果を上回ることになります。つまり、今回発表結果は市場予想を上回る、と考えられます。
さて、前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前1分足は、ショートをオーダーし、利確・損切の目安を2・3pipsとします。
今回の事前差異は現時点(3月5日22時頃)でマイナスです。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。 - 前述の理由に依って、直後1分足は陽線と見込み、指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。直前10-1分足が陽線だったときには、このポジションオーダーは中止します。
但し、直前1分足が10pips以上陰線側に跳ねたときは、ショートのオーダーを優先します。 - 指標発表後は、反応方向を確認次第、追撃を開始します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は79%です。そして、その79%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは91%です。 - 直後1分足値幅が20pipsを超えたことを確認次第、その方向に再追撃を開始します。がしかし、これは直後11分足が終値を付けるまでポジションを保持した方が良い、という話ではありません。指標発表から10分以内に10pips以上の利確の機会があるだろう、という話です。
以上
U.事後検証
以下は、2018年3月8日に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
指標結果は前回・予想を上回り、指標発表直後の反応は微かな陽線でした。
これで3か月連続、20万人を上回ったことになります。グラフ推移は、2016年末頃から市場予想を上回ることが明らかに多いようです。他の指標と違い、本指標の市場予想はほとんど一定で変化しないので、何のための市場予想か不思議です。
詳細分析記事や事前投稿に記したように、本指標実態差異の良し悪しは、直前直近の4週平均週次失業保険申請件数の実態差異方向との符号不一致率が90%程度です。失業保険申請件数と雇用者数が逆相関の関係になるのは当然の気がしますが、不一致率90%というのは他の指標の予兆に見られない高い確率です。
事前分析結果を検証しておきます。
- 直前1分足は、ショートをオーダーし、利確・損切の目安を2・3pipsとしていました。
結果は陰線でした。
がしかし、この期間のほとんどは陽線側に推移し、22:14:30〜22:14:40頃になって陰線側に向かい始めました。22:14になると同時にショートをオーダーしていたら、僅かですが含損を抱えた状態が30秒以上続いたのではないでしょうか。 - 直後1分足は陽線と見込み、指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切を行うことにしていました。
結果は、発表直後に陽線側に跳ねると10秒後にはほぼ始値まで戻しました。 - 指標発表後は、反応方向を確認次第、追撃を行うことにしていました。
結果は直後1分足形成後に反応を伸ばし始めたので、多少の利確はできたでしょう。
取引結果を下表に示します。
背景が黄色の最後の逆張りはシナリオ外取引なので、上表には記録していますが、指標取引成績を纏めた下表には含めていません。
それにしても反応が小さいですね。
次回発表は4月4日に予定されています。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2018年03月06日
2018年3月7日09:30発表ー豪州経済指標「四半期GDP」(結果検証済)
T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析はこちらに詳述しています。以下に記す今回の取引方針は、この分析結果に基づきます。
そこで述べた通り、本指標には
- RBAは、前日の金融政策発表時に、従来の成長率への楽観的見通しを下方修正
- 指標発表直後の反応程度は過去平均で37pips、かなり大きく反応することが多く注意が必要
- 指標発表直後の反応方向は素直で、直後11分足は直後1分足よりも反応を伸ばしがちで追撃に適した指標
という特徴があります。
今回発表の要点は下表の通りです。
前日の金融政策発表時に、RBAは従来の成長率への楽観的見通しを下方に修正表現しました。
10・11・12月の個人消費の好不調をほぼ示すはずの小売売上高前月比は、全体的に7・8・9月よりも僅かに改善したように見受けられます。一方、10-12月期民間設備投資は、7-9月期よりも下がっていました。10-12月期の貿易収支は前期よりも悪化しています。
個人消費悪化と企業投資の減少と貿易の成長への寄与低下は、今回の成長率があまり良くないことを示唆している、と考えられます。まぁこういう読みはあまりアテにできないのですが。
さて、前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 今回の事前差異はマイナスとなっています。事前差異と直前10-1分足の方向一致率は過去67%です。
あまり薦められませんが、ポジションを取るならショートで、利確/損切の目安は控えめに3・4pipsとした方が良いでしょう。 - 直前1分足は過去陰線率が94%にも達しており、この期間のロングは考えられません。過去の直前1分足ローソク足を見てみると、陽線側にヒゲを形成することが多く、陰線側に振れるのは指標発表時刻が迫ってからと推察されます。
よって、陽線側に跳ねたのを確認してから、逆張りでショートをオーダーし、すぐに利確/損切です。 - 指標発表後は、直後1分足と直後11分足との方向一致率が95%にも達しています。そして、その95%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは56%です。
0.95✕0.56=53%なので、追撃はやみくもに行っても勝てません。上下動をうまく捉えて、直後1分足跳幅や値幅を超えたところで追撃ポジションを取らないように気を付けましょう。
直後1分足と直後11分足の反転率は5%しかないので、この指標で逆張りは駄目です。
以上
U.事後検証
以下は、2018年3月7日20:00頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
指標結果は前回・予想を下回ったものの、反応は陰線で、その影響時間は短いものだったようです。
GDPを下げた原因は、輸出が前期比△1.8%だったことが大きいようです。意外なことに家計支出は+1.0%でした。
事前分析結果を検証しておきます。
- 今回の事前差異はマイナスとなっており、事前差異と直前10-1分足の方向一致率は過去67%でした。
結果は陽線で、損切はシナリオに従えば4pipsだったでしょう。 - 直前1分足は過去陰線率が94%にも達していました。また、陽線側にヒゲを形成することが多く、陰線側に振れるのは指標発表時刻が迫ってからと推察していました。
チャートの動きは見ることができなかったものの、陽線側に跳ねたのを確認してから、逆張りでショートをオーダーすれば、1〜4pipsの利確となったでしょう。 - 指標発表後は、直後1分足と直後11分足との方向一致率が95%にも達していました。そして、その95%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは56%でした。上下動をうまく捉えて、直後1分足跳幅や値幅を超えたところで追撃ポジションを取らないように気を付けることにしていました。
結果は、陰線側への追撃で最大10pips強の利確が期待できたものの、発表後数分後に一度陽線側に反転しています。再反転まで待てれば利確だったでしょうが、こうした場合、反転時点で損切する方が自然です。4〜7pips程度の損切だったというのが自然だと思います。
発表時刻が時刻なので、取引もその時間にチャートを見ることも出来ませんでした。
分析は外れです。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
4-2-1.(e1) 米国雇用指標「ADP雇用統計」発表前後のUSDJPY反応分析(2018年改訂版)
米国雇用指標「ADP雇用統計」の指標発表前後の反応分析には「民間雇用者数」のみを用います。
この分析の調査範囲は、2015年1月集計分〜2018年1月集計分(同年2月発表分)の37回分です。
本指標は、米国雇用統計を翌日(ないしは翌々日)に控え、NFP(非農業部門雇用者数)の直前先行指標としての重要度・注目度が高いものです。
本指標についてはおもしろい話があります。
確か「前月結果に対する増減を無視し、市場予想に対する増減だけに着目します。このとき、ADP発表結果に沿ってポジションを持つと、ほぼ3勝2敗で2日後のNFPの増減方向と一致する」と言われています。そして、「本指標発表後にポジションを取得し、雇用統計直前に解消するポジションの持ち方をADP手法という」のだそうです。ADP手法の勝率は60%付近だそうです。
これらについては、まことしやかに語られていたものの、調査期間や実際にポジションを持って継続的に取引を行ったという記録が見当たりませんでした。当会では真偽を調べたことがないので、責任を負いかねます。が、もし成立するのなら何となく納得できそうな話ですね。
但し、ポジションを持ち続ける期間が長すぎるため、このブログでは扱いません。ポジション保有時間が長くなるリスクの割に期待的中率が低すぎます。
このように、本指標は雇用統計のNFPの先行指標としてアテになります。がしかし、直近の雇用統計は、NFPよりも平均時給に反応しがちなので、今では更に勝率が下がっている可能性があります。
分析には、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。
過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。
直後1分足跳幅は過去平均で15pipsです。過去の反応分布を見ると、全体の半分以上59%が平均値以下の反応となっています。多くの経済指標解説で重要度・注目度が高く位置づけられている割に、反応は小さなことがわかります。
気を付けましょう。重要度や注目度が高く位置づけられている指標で、思ったほど反応が伸びないと、利確の機会を逃して、せっかくの含益が含損になってしまうことがあります。
本指標は反応程度が平均的で、大きく反応する指標ではありません。
次に、直近3年間の反応平均値の推移を下図に示します。
過去3年間は少しずつ反応が大きくなっていたものの、2018年発表分は反応が小さくなっています。この現象には説明がつきます。
本指標は、そもそも1・2日後に発表される米国雇用統計の先行指標という位置づけです。けれども、FRBは既に雇用者数や失業率に満足しており、最近の関心事は平均所得に移ってきています。実際、雇用統計の稿を参照頂ければ、その直近の反応は徐々に小さくなっていることがわかります。
現状、雇用者数や失業率によってFRBが利上げ方針を転換するとはあまり考えられません。よって、雇用統計や、その先行指標である本指標への関心が以前よりも薄まっているのでしょう。
直近の雇用統計への反応が毎年小さくなっているのに、本指標ではそうなっていません。それは、本指標の市場予想が「やる気あるのか」と言いたくなるぐらい凸凹がないことに起因します。2016年後半からは以前に比べて発表結果と市場予想が大きく乖離することが多くなっていました。その結果、本指標への2016年・2017年の反応は大きくなっていた、と解釈できます。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。本指標発表値は前月分の集計データです。
グラフ横軸は集計月基準となっています。データは集計月基準で整理しておかないと、他の同時期集計の指標と対比するのが不便になるからです。
また、市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
グラフは、市場予想の上下動が小さく、発表結果の上下動はかなり大きく見えます。特に2016年後半からその傾向が顕著です。
こうした指標では、前月が良ければ翌月が悪く、前月が悪ければ翌月は良くなる、という予想解説が多くなります。
こういうことは確認しておきましょう。
確認は、データを確認できる2015年2月以降前回までの36回で行いました。その結果、この期間に前月と翌月の予想と結果の大小関係が入れ替わったことが11回(入れ替わり率31%)しかありません。
つまり、本指標は「前月の反動」を起こすというより、「市場予想が指標トレンドを追いかける後追い型」である点に着目した方が良さそうです。その期待的中率が69%です。
次に、事後差異に対する直後1分足の反応分布を下図に示します。
分布は右上がりで、指標結果が市場予想と比べて良ければ良いほど(悪ければ悪いほど)、直後1分足は素直に大きく反応しています。
注意すべき点は、事後差異が小さくマイナスのときだけ、必ずしも陰線で反応していません。
そして、直後1分足と直後11分足の相関分布を下図に示します。
直後1分足値幅(x)に対する直後11分足値幅(y)は、回帰式(赤線)の傾きが1.05で1を僅かに上回っています。平均的には反応を伸ばすものの、その伸び幅はあまり期待できず、上下動にうまく乗ることが必要なようです。
週次失業保険申請件数は毎週木曜に発表されています。この指標内容のひとつに、4週平均失業保険受給申請というのがあります。4週平均失業保険受給申請数は、原理的にADP民間雇用者数と原理的に逆相関の関係があっても不思議ではありません。
このことを確認しておきます。
例えば、2017年10月集計分のADP民間雇用者数は、11月1日に発表されました。直前直近の4週平均失業保険受給申請数は、10月26日発表分となります。10月26日発表分の4週平均失業保険受給申請数は、9月25日〜10月20日までの集計分ということになります。
ADPの10月集計分とは誤差が生じますが、ここでは気にしないことにしましょう。
一方、その前月9月集計分のADP民間雇用者数は、10月4日に発表されました。直前直近の4週平均失業保険受給申請数は、9月28日発表分となります。9月28日発表分の4週平均失業保険受給申請数は、8月28日〜9月22日までの集計分ということになります。
さて、10月分ADPの発表結果は23.5万人、9月分ADPのそれは13.5万人でした。10月は9月よりも民間雇用者数が10万人増えました。
そして、10月26日発表の4週平均失業保険受給申請数は24.2万人、9月28日発表のそれは27.8万人でした。10月分を多く含む失業保険受給申請数は、9月分を多く含むそれよりも3.6万人減りました。
民間雇用者数と失業保険受給申請数とは逆相関になっています(定量逆相関でなく符号逆相関)。
同じことを、2015年1月集計分から2018年1月集計分について行うと、ほとんどの月で符号逆相関が成立しています。計37回のうち33回で成立しているのです(不一致率89%)。
つまり、少なくとも2015年以降に関しては、ADP民間雇用者数の実態差異(発表結果ー前回結果)と、その発表の直前直近の4週平均失業保険受給申請数の実態差異と、符号逆相関が成立しています。その期待的中率は89%にも達します。
ここで、この特徴はADPだから役立つことが多いのです。なぜなら、ADPの市場予想は、前述のように「やる気あるのか」というぐらい毎月の発表結果に対して一定です。
例えば、前月の市場予想と発表結果がほぼ一致しているのに、4週平均失業保険受給申請数の実態差異がプラスなら、当月発表結果は市場予想を下回る可能性が高い、ということになります。同様に、前月が市場予想よりも発表結果が大きいのに、当月の4週平均失業保険受給申請数の実態差異がマイナスなら、ADPの市場予想はほぼ一定のままなので、当月も発表結果が市場予想を上回る可能性が高い、ということになります。
応用可能な月は、かなり多い訳です。
指標一致性分析は、各差異と反応方向の一致率を調べています。
各差異の分布に特徴的な偏りはありません。ばらつきの範囲内です。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率は、それぞれ75%・81%です。発表結果の良し悪しには素直に反応する指標です。
事前差異や指標発表前のローソク足方向が、指標発表後のローソク足方向を示唆している兆しは見当たりません。
反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。
直前1分足の陰線率が83%、直後1分足の陽線率が78%と、異常な偏りが見受けられます。
直前10-1分足と直前1分足は、直後1分足と逆方向に動くことが多いようです。それぞれの方向一致率は31%・33%(不一致率69%・67%)。但し、過去の直前1分足の陰線率の高さと直後1分足の陽線率の高さを踏まえると、アテにできるのは直前10-1分足と直後1分足の方向不一致です。
また、直後1分足と直後11分足の方向一致率は78%と高く、反転リスクは小さそうです。
反応性分析では、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は79%です。そして、その79%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは91%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過しても、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは64%です。64%という数字は、直後11分足が直後1分足の値幅を削ったり(14%)、直後11分足が直後1分足と反転したり(21%)する確率と比べ、他の起こり得る事象より約3倍高い確率です。
追撃は徹底した方が良いでしょう。
以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。
まず、直前10-1分足の過去平均跳幅が5pips、同値幅は2pipsしかありません。
陰線率は53%、事前差異との方向一致率は50%です。予め方向を示唆する兆候は、過去のデータから窺えません。
その跳幅が10pips以上だったことは過去3回(頻度8%)あります。
この3回の直後1分足跳幅平均は18pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均15pipsとほぼ同じです。また、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(33%)一致しています。
つまり、直前10-1分足が大きく跳ねても、そのとき直後1分足の反応程度や反応方向を示唆しているとは言えません。
次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。
直前1分足の過去平均跳幅は5pips、同値幅は4pipsです。
過去の陰線率は83%と偏りがあり、事前差異との方向一致率は64%です。事前差異がマイナスのとき、ショートをオーダーし、利確・損切の目安を2・3pipsとしたら良いでしょう。
過去の直前1分足が陽線側に伸びたときは大きく、損切は確実に行いましょう。
直前1分足の跳幅が10pips以上だったことは過去5回(頻度14%)あります。
この5回の直後1分足跳幅平均は13pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均15pipsとほぼ同じです。また、この5回の直前1分足と直後1分足の方向は4回(80%)一致しています。更に、直前1分足が陽線で、且つ、10pips以上跳ねたことは3回で、この3回は直前1分足と直後1分足の方向一致率が100%です。
まだ事例数こそ少ないものの、直前1分足が10pips以上跳ねたときは、直前1分足と直後1分足の方向が一致する可能性が高いと見込めます。特に、直前1分足が陽線側に大きく伸びたときは、直後1分足も陽線で反応しています。
そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。
直後1分足は過去平均跳幅が15pips、同値幅が11pipsです。
過去の陽線率は78%で、直前10-1分足との方向一致率は31%(不一致率69%)、直前1分足との方向一致率は33%(不一致率67%)です。最優先すべき例外は、前述の通り、直前1分足が10pips以上跳ねたら、直後1分足は同方向になりがちです。
よって、直前10-1分足が陰線だったときに指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切です。但し、直前1分足が10pips以上の陰線となったときは、ショートをオーダーします。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は79%です。そして、その79%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは91%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過しても、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは64%です。64%という数字は、直後11分足が直後1分足の値幅を削ったり(14%)、直後11分足が直後1分足と反転したり(21%)する確率と比べ、他の起こり得る事象より約3倍高い確率です。
追撃は徹底した方が良いでしょう。
最後に、直後11分足の始値基準ローソク足を下図に示します。
直後11分足の過去平均跳幅と値幅の差は7pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率35%)です。
直後11分足値幅が30pips以上だったことは8回あります(頻度22%)。この8回のうち、直後1分足値幅が20pips未満だったことが1回しかありません。
つまり、直後1分足値幅が20pipsを超えたことを確認次第、その方向に追撃開始すべきです。がしかし、これは直後11分足が終値を付けるまでポジションを保持した方が良い、という話ではありません。指標発表から10分以内に10pips以上の利確の機会があるだろう、という話です。
以上の分析結果に基づき、本指標は、
という特徴があります。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
この分析の調査範囲は、2015年1月集計分〜2018年1月集計分(同年2月発表分)の37回分です。
T.定性的傾向
【1. 指標概要】
本指標は、米国雇用統計を翌日(ないしは翌々日)に控え、NFP(非農業部門雇用者数)の直前先行指標としての重要度・注目度が高いものです。
本指標についてはおもしろい話があります。
確か「前月結果に対する増減を無視し、市場予想に対する増減だけに着目します。このとき、ADP発表結果に沿ってポジションを持つと、ほぼ3勝2敗で2日後のNFPの増減方向と一致する」と言われています。そして、「本指標発表後にポジションを取得し、雇用統計直前に解消するポジションの持ち方をADP手法という」のだそうです。ADP手法の勝率は60%付近だそうです。
これらについては、まことしやかに語られていたものの、調査期間や実際にポジションを持って継続的に取引を行ったという記録が見当たりませんでした。当会では真偽を調べたことがないので、責任を負いかねます。が、もし成立するのなら何となく納得できそうな話ですね。
但し、ポジションを持ち続ける期間が長すぎるため、このブログでは扱いません。ポジション保有時間が長くなるリスクの割に期待的中率が低すぎます。
このように、本指標は雇用統計のNFPの先行指標としてアテになります。がしかし、直近の雇用統計は、NFPよりも平均時給に反応しがちなので、今では更に勝率が下がっている可能性があります。
U.定量的傾向
分析には、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。
【2. 反応概要】
過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。
直後1分足跳幅は過去平均で15pipsです。過去の反応分布を見ると、全体の半分以上59%が平均値以下の反応となっています。多くの経済指標解説で重要度・注目度が高く位置づけられている割に、反応は小さなことがわかります。
気を付けましょう。重要度や注目度が高く位置づけられている指標で、思ったほど反応が伸びないと、利確の機会を逃して、せっかくの含益が含損になってしまうことがあります。
本指標は反応程度が平均的で、大きく反応する指標ではありません。
次に、直近3年間の反応平均値の推移を下図に示します。
過去3年間は少しずつ反応が大きくなっていたものの、2018年発表分は反応が小さくなっています。この現象には説明がつきます。
本指標は、そもそも1・2日後に発表される米国雇用統計の先行指標という位置づけです。けれども、FRBは既に雇用者数や失業率に満足しており、最近の関心事は平均所得に移ってきています。実際、雇用統計の稿を参照頂ければ、その直近の反応は徐々に小さくなっていることがわかります。
現状、雇用者数や失業率によってFRBが利上げ方針を転換するとはあまり考えられません。よって、雇用統計や、その先行指標である本指標への関心が以前よりも薄まっているのでしょう。
直近の雇用統計への反応が毎年小さくなっているのに、本指標ではそうなっていません。それは、本指標の市場予想が「やる気あるのか」と言いたくなるぐらい凸凹がないことに起因します。2016年後半からは以前に比べて発表結果と市場予想が大きく乖離することが多くなっていました。その結果、本指標への2016年・2017年の反応は大きくなっていた、と解釈できます。
【3. 定型分析】
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。本指標発表値は前月分の集計データです。
グラフ横軸は集計月基準となっています。データは集計月基準で整理しておかないと、他の同時期集計の指標と対比するのが不便になるからです。
また、市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
グラフは、市場予想の上下動が小さく、発表結果の上下動はかなり大きく見えます。特に2016年後半からその傾向が顕著です。
こうした指標では、前月が良ければ翌月が悪く、前月が悪ければ翌月は良くなる、という予想解説が多くなります。
こういうことは確認しておきましょう。
確認は、データを確認できる2015年2月以降前回までの36回で行いました。その結果、この期間に前月と翌月の予想と結果の大小関係が入れ替わったことが11回(入れ替わり率31%)しかありません。
つまり、本指標は「前月の反動」を起こすというより、「市場予想が指標トレンドを追いかける後追い型」である点に着目した方が良さそうです。その期待的中率が69%です。
ーーー$€¥ーーー
次に、事後差異に対する直後1分足の反応分布を下図に示します。
分布は右上がりで、指標結果が市場予想と比べて良ければ良いほど(悪ければ悪いほど)、直後1分足は素直に大きく反応しています。
注意すべき点は、事後差異が小さくマイナスのときだけ、必ずしも陰線で反応していません。
そして、直後1分足と直後11分足の相関分布を下図に示します。
直後1分足値幅(x)に対する直後11分足値幅(y)は、回帰式(赤線)の傾きが1.05で1を僅かに上回っています。平均的には反応を伸ばすものの、その伸び幅はあまり期待できず、上下動にうまく乗ることが必要なようです。
(3.1 指標間一致性分析)
週次失業保険申請件数は毎週木曜に発表されています。この指標内容のひとつに、4週平均失業保険受給申請というのがあります。4週平均失業保険受給申請数は、原理的にADP民間雇用者数と原理的に逆相関の関係があっても不思議ではありません。
このことを確認しておきます。
例えば、2017年10月集計分のADP民間雇用者数は、11月1日に発表されました。直前直近の4週平均失業保険受給申請数は、10月26日発表分となります。10月26日発表分の4週平均失業保険受給申請数は、9月25日〜10月20日までの集計分ということになります。
ADPの10月集計分とは誤差が生じますが、ここでは気にしないことにしましょう。
一方、その前月9月集計分のADP民間雇用者数は、10月4日に発表されました。直前直近の4週平均失業保険受給申請数は、9月28日発表分となります。9月28日発表分の4週平均失業保険受給申請数は、8月28日〜9月22日までの集計分ということになります。
さて、10月分ADPの発表結果は23.5万人、9月分ADPのそれは13.5万人でした。10月は9月よりも民間雇用者数が10万人増えました。
そして、10月26日発表の4週平均失業保険受給申請数は24.2万人、9月28日発表のそれは27.8万人でした。10月分を多く含む失業保険受給申請数は、9月分を多く含むそれよりも3.6万人減りました。
民間雇用者数と失業保険受給申請数とは逆相関になっています(定量逆相関でなく符号逆相関)。
同じことを、2015年1月集計分から2018年1月集計分について行うと、ほとんどの月で符号逆相関が成立しています。計37回のうち33回で成立しているのです(不一致率89%)。
つまり、少なくとも2015年以降に関しては、ADP民間雇用者数の実態差異(発表結果ー前回結果)と、その発表の直前直近の4週平均失業保険受給申請数の実態差異と、符号逆相関が成立しています。その期待的中率は89%にも達します。
ここで、この特徴はADPだから役立つことが多いのです。なぜなら、ADPの市場予想は、前述のように「やる気あるのか」というぐらい毎月の発表結果に対して一定です。
例えば、前月の市場予想と発表結果がほぼ一致しているのに、4週平均失業保険受給申請数の実態差異がプラスなら、当月発表結果は市場予想を下回る可能性が高い、ということになります。同様に、前月が市場予想よりも発表結果が大きいのに、当月の4週平均失業保険受給申請数の実態差異がマイナスなら、ADPの市場予想はほぼ一定のままなので、当月も発表結果が市場予想を上回る可能性が高い、ということになります。
応用可能な月は、かなり多い訳です。
(3.2 指標一致性分析)
指標一致性分析は、各差異と反応方向の一致率を調べています。
各差異の分布に特徴的な偏りはありません。ばらつきの範囲内です。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率は、それぞれ75%・81%です。発表結果の良し悪しには素直に反応する指標です。
事前差異や指標発表前のローソク足方向が、指標発表後のローソク足方向を示唆している兆しは見当たりません。
(3.3 反応一致性分析)
反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。
直前1分足の陰線率が83%、直後1分足の陽線率が78%と、異常な偏りが見受けられます。
直前10-1分足と直前1分足は、直後1分足と逆方向に動くことが多いようです。それぞれの方向一致率は31%・33%(不一致率69%・67%)。但し、過去の直前1分足の陰線率の高さと直後1分足の陽線率の高さを踏まえると、アテにできるのは直前10-1分足と直後1分足の方向不一致です。
また、直後1分足と直後11分足の方向一致率は78%と高く、反転リスクは小さそうです。
(3.4 反応性分析)
反応性分析では、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は79%です。そして、その79%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは91%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過しても、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは64%です。64%という数字は、直後11分足が直後1分足の値幅を削ったり(14%)、直後11分足が直後1分足と反転したり(21%)する確率と比べ、他の起こり得る事象より約3倍高い確率です。
追撃は徹底した方が良いでしょう。
V.分析結論
以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。
まず、直前10-1分足の過去平均跳幅が5pips、同値幅は2pipsしかありません。
陰線率は53%、事前差異との方向一致率は50%です。予め方向を示唆する兆候は、過去のデータから窺えません。
その跳幅が10pips以上だったことは過去3回(頻度8%)あります。
この3回の直後1分足跳幅平均は18pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均15pipsとほぼ同じです。また、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(33%)一致しています。
つまり、直前10-1分足が大きく跳ねても、そのとき直後1分足の反応程度や反応方向を示唆しているとは言えません。
次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。
直前1分足の過去平均跳幅は5pips、同値幅は4pipsです。
過去の陰線率は83%と偏りがあり、事前差異との方向一致率は64%です。事前差異がマイナスのとき、ショートをオーダーし、利確・損切の目安を2・3pipsとしたら良いでしょう。
過去の直前1分足が陽線側に伸びたときは大きく、損切は確実に行いましょう。
直前1分足の跳幅が10pips以上だったことは過去5回(頻度14%)あります。
この5回の直後1分足跳幅平均は13pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均15pipsとほぼ同じです。また、この5回の直前1分足と直後1分足の方向は4回(80%)一致しています。更に、直前1分足が陽線で、且つ、10pips以上跳ねたことは3回で、この3回は直前1分足と直後1分足の方向一致率が100%です。
まだ事例数こそ少ないものの、直前1分足が10pips以上跳ねたときは、直前1分足と直後1分足の方向が一致する可能性が高いと見込めます。特に、直前1分足が陽線側に大きく伸びたときは、直後1分足も陽線で反応しています。
そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。
直後1分足は過去平均跳幅が15pips、同値幅が11pipsです。
過去の陽線率は78%で、直前10-1分足との方向一致率は31%(不一致率69%)、直前1分足との方向一致率は33%(不一致率67%)です。最優先すべき例外は、前述の通り、直前1分足が10pips以上跳ねたら、直後1分足は同方向になりがちです。
よって、直前10-1分足が陰線だったときに指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切です。但し、直前1分足が10pips以上の陰線となったときは、ショートをオーダーします。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は79%です。そして、その79%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは91%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過しても、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは64%です。64%という数字は、直後11分足が直後1分足の値幅を削ったり(14%)、直後11分足が直後1分足と反転したり(21%)する確率と比べ、他の起こり得る事象より約3倍高い確率です。
追撃は徹底した方が良いでしょう。
最後に、直後11分足の始値基準ローソク足を下図に示します。
直後11分足の過去平均跳幅と値幅の差は7pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率35%)です。
直後11分足値幅が30pips以上だったことは8回あります(頻度22%)。この8回のうち、直後1分足値幅が20pips未満だったことが1回しかありません。
つまり、直後1分足値幅が20pipsを超えたことを確認次第、その方向に追撃開始すべきです。がしかし、これは直後11分足が終値を付けるまでポジションを保持した方が良い、という話ではありません。指標発表から10分以内に10pips以上の利確の機会があるだろう、という話です。
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以上の分析結果に基づき、本指標は、
- 本指標実態差異は、直前直近の4週平均失業保険受給申請数の実態差異と期待的中率89%の符号逆相関が成立
- 反応程度は、過去平均の直後1分足跳幅が15pipsと意外に小さいので注意が必要
- 反応方向は、指標発表前と逆方向に指標発表は反応しがちで、指標発表から数分間は反応を伸ばしがち
という特徴があります。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
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ーーー注記ーーー
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以上