2022年01月26日
漫画家漫画を描くことで気づくこと
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「Black Lily 黒百合短編集 その後」の
「交換」編は、漫画家が主人公です。
長年漫画家をやっていると、
「いつか描きたい」と思うのが、漫画家漫画。
私自身、いろんな漫画家漫画を読んできたし、
主人公が「漫画家」だと、ついつい読んでみたくなる。
そして、どんな方が描いた漫画家漫画でも、
必ず「わっかるぅううううーーーー」と共感するので…
私も「いつか」描いてみたいと思ってた。
でも、まだ早いかな?とか
どんな切り口がいいだろう、とか
いろいろ考えて、私が漫画家漫画を描くのは
まだまだ先だな…といつも思っていました。
でも、「Black Lily」を描き始めたとき
「今だ!」とピンをきたし、
描きたいことが溢れてきた。
だから、今回の、「交換2」の、すみれ先生のモノローグは
自分で書いたんだけど、胸がきゅううう~としめつけられてしまう。
私はすみれ先生のように、少女漫画界で成功したわけではなかったけど、
そういう世界を間近で見てきたこともあった。
大きなパーティーにも参加したことがあったし、
大物少女漫画家と直接お話した機会もあった。
そして、「これから私も、ここで漫画を描いていく!」と
いう夢しかなかった時に、
急に、ポキンと翼を(と、いう言い方はオオゲサだけど)
折られてしまった。
その後も、何度も立ち直ろうとして、
また飛ぼうとしたけど、
いつもいい調子になってきたところで、
またポキンと折られてしまう。
何を?というと、
今後漫画を描いていく場所とか自信とか。
もういい加減に、誰にも邪魔されずに飛んでいきたいと思う。
自由に描かせてくれ~!!!!
という願い。
まあ、その願いは実現したわけです。
こうやって、インディーズで描くことで。
あとは、インディーズで収入を得ること…が、課題です。
(これがまた、難しい!)
でも、頑張らなくては…
なぜ「Black Lily」で、漫画家漫画を「描こう!」と思ったか。
それは、このシリーズは、人と人との執着、関係性を描いているからです。
見かけは「恋」「愛」であっても、その裏には
相手を縛り付けようとしたり、支配しようとしたりという
心が働いています。
この漫画の世界は女だけで表現しているけど、
実際の関係性…恋人、家族、上司、部下、という
人と人との関係は、すごく危険もはらんでいるのでは?という
ことがテーマです。
そうして、このシリーズを描いていると、
漫画家というものは、編集者にだいぶ依存してしまうことがあるし、
やすやすと支配されてしまいがち、なんじゃないかということです。
誰もが、誰かを必要としている。
でも、ちょっとしたことで、支配と隷属の関係に
なってしまいがち、なんですよね、人というものは…
強く生きたいです!
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