アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2018年08月28日

漫画家として生きることと死ぬこと

aono_sample5.jpg

さくらももこ先生が亡くなりました。

53歳。乳がん。

びっくり、ショック。

悲しいです。ちびまる子ちゃんは、みんな好き。

もちろん、私も大好きでした。

アニメとして国民的漫画になる前から、

まるちゃんの細かすぎるツッコミやギャクが

まるで自分のことを描いているようで親しみがわいていました。


有名人ではなくても、53歳での死去は悲しい。

早すぎるからです。


しかし…

どこかで「うらやましい」とも感じてしまうのは

さくらももこ先生が偉大な漫画家であるから、

手塚治虫、藤子不二雄と名を連ねるほどの漫画家となってしまったから。

漫画家として考えると、作者は亡くなったとしても

まるちゃんは永遠に生き続けることができるのです。

まるちゃんは絶対に死なないし、ずっとたくさんの人の中にいます。



それくらい人の心に残る作品を描きたい。


(死んでもいいから)


私は無名の、世間的にいえば売れてない部類のしがない漫画家です。

単行本も3冊しか出せていません。

でも、こんな私でも、とてもとても忙しい時期がありました。

今からおよそ10年前から、去年あたりまで。

約8年ほどの間のことでしたが、私には休みがありませんでした。

朝9時から夜10時まで机に向かって漫画を描きました。

そう言うと誰もが「忙しいのはいいことですよ」と言うのです。

その通りです。

仕事がまったくなかった時期も、もちろん長くありました。

そして、今ある仕事もいつなくなるかわからないのです。

スケジュール的に無理であったとしても、

仕事が入ったら無理矢理詰め込みます。


漫画が描きたくて漫画家になったからです。


仕事がなくなれば漫画家ではなくなります。


それが怖い。とても怖かった。


さくら先生の死去とは関係のない内容になってしまって申し訳ありません。

ここ、何年か自分のこの気持ちがとてもモヤモヤとしていたのです。


私はどうしてあんなにも必死で仕事をしていたのか。


締め切り前に耳が聞こえなくなったことがあるのです。


(二週間ほどで治りましたが)

何度もベッドに横になりながらも、締め切りに間に合うように

描き上げました。


どうしても今のこの作品だけは書き上げないといけない、

そのあとなら死んでもいいから

と、本当に思っていました。


編集者さんも、もちろん冗談ですが、

「倒れるなら原稿が仕上がってからにして」と言いました。

「血を吐くなら、原稿にかからないように」とも言われました。

もちろん冗談でしょうが…。


でも、こういう日常は

「漫画家なら当たり前」

なのです。

世の中の人が「よくイメージするように」

漫画家は徹夜で作品を仕上げます。

(私は夜は寝たかったので、早起きして描いていました)

冷静に考えると、なぜ、漫画家は徹夜するのでしょう。

なぜ、締め切りに間に合わせるためにいつも必死なのでしょう。

なぜ、「死んでもいい」と思うのでしょう。


やっぱり…

死んではだめです。


死んでもいい、なんて思ってはだめです。


やっぱり、悲しいです。

早くに亡くなることは、とても悲しいことです。



漫画家は長生きする方ももちろん多くいますが、

短命です。

もしかしたら、私のように

「仕事を失ったら終わりだ」という恐怖の中に生きていることも

理由の一つかもしれません。


今は

長生きしたいです。

独身ですし子どももいません。

多分、私が今死んでも、

悲しむのは親だけだと思います。


それでも


自分のために、生きたいです。


仕事がなくなったとしても、

生きたいです。


あのとき死ななくてよかった、と思います。


今私が思うことは


もっと自由に、漫画を描きたいと思うこと。


「仕事がなくなる」という恐怖におびえることなく


たくさん漫画を


描きたいのです。
























posted by 蒼乃シュウ at 13:06| 日記
ファン
検索
<< 2024年01月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
蒼乃シュウさんの画像
蒼乃シュウ
ティーンズラブを主に描いておりました。以前は本名でミステリーや普通の少女漫画も描いていました。 Twitterは @pinokodoaonoshu ぴのこ堂
プロフィール
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。