2020年01月07日
映画用「黒の放射線」解説
本作は、中尾明のSFジュブナイル小説「黒の放射線」を、いろいろと細部を直しながら、劇場映画用のシノプシスにと書き起こしてみたものです。私自身がこの小説をはじめて読んだのは小学生高学年の頃でして、当時、私が抱いた本作への印象(イメージ)をより優先して、話を組み立てさせていただきました。よって、最初に黒あざ病にかかるのは少女タレントの浅井恵子となり、クライマックスは東京のど真ん中での黒あざの大行進にと変わったのでした。
原作は、他の読者からも指摘されているように、せっかく面白い内容なのに、あちこちにアラが目立ち、私もそのへんをテコ入れしながら、各エピソードを再構築してみました。特に、描き切れてないと感じられるキャラが多かったので、そこらへんの掘り下げには力を入れています。
信一には「再会」という劇的シチュエーションを与え(会えなかった期間を6年にしたのは、あだち充の漫画「みゆき」を意識したからです)、ヤンチャな長田修二にも少し見せ場を作ってあげました。中でも、原作の小山治は、悪者にも徹し切れていない歯がゆい存在だったのですが、私のシノプシスでは、最後にちょっとナオミを助けるようなシーンを盛り込んでみました。アーベル博士は、原作では兄弟で登場しますが、わざわざ二人にする必要性がなかったので、私は一人のキャラにまとめてしまい、かなり大事なキャラに昇格させています。キンダー少年は、原作では黒人の細菌学者だったのですが、私の方では、学校内にいる黒人生徒役として使わせていただきました。原作では、他にも、世界各地での混乱の様子が多数、書き込まれていたのですが、私のシノプシスでは、それらは全部、省略しています。
キーキャラとなるSL教団と団長(教祖)は、原作では、そこまで悪質さは感じられず、一番重要なシーンも、たまたまケガをした団長を研究所に連れ込み、騙して、自白剤を飲ませてしまう、という、ご都合主義で、主人公側の行動の方が悪どく見える展開でしたので、私のシノプシスでは、かなり流れを作り変えさせていただきました。なお、SL教団の設定や悪辣さについては、実在したオウム真理教とも意図的に似せています。
途中で、ナオミと母の入浴シーンがありますが、これは原作通りです。どうせなら、本当に二人のヌードを撮影して、その健康的なエロスに観客をときめかせたかったのですが、現在の日本では、コンプライアンス的に絶対に無理なシーンかもしれません。それ以前に、メインの黒あざ病自体が差別的と判断されて、本作そのものが映画化不可能なのかもしれませんが。
「ルシーの明日とその他の物語」
原作は、他の読者からも指摘されているように、せっかく面白い内容なのに、あちこちにアラが目立ち、私もそのへんをテコ入れしながら、各エピソードを再構築してみました。特に、描き切れてないと感じられるキャラが多かったので、そこらへんの掘り下げには力を入れています。
信一には「再会」という劇的シチュエーションを与え(会えなかった期間を6年にしたのは、あだち充の漫画「みゆき」を意識したからです)、ヤンチャな長田修二にも少し見せ場を作ってあげました。中でも、原作の小山治は、悪者にも徹し切れていない歯がゆい存在だったのですが、私のシノプシスでは、最後にちょっとナオミを助けるようなシーンを盛り込んでみました。アーベル博士は、原作では兄弟で登場しますが、わざわざ二人にする必要性がなかったので、私は一人のキャラにまとめてしまい、かなり大事なキャラに昇格させています。キンダー少年は、原作では黒人の細菌学者だったのですが、私の方では、学校内にいる黒人生徒役として使わせていただきました。原作では、他にも、世界各地での混乱の様子が多数、書き込まれていたのですが、私のシノプシスでは、それらは全部、省略しています。
キーキャラとなるSL教団と団長(教祖)は、原作では、そこまで悪質さは感じられず、一番重要なシーンも、たまたまケガをした団長を研究所に連れ込み、騙して、自白剤を飲ませてしまう、という、ご都合主義で、主人公側の行動の方が悪どく見える展開でしたので、私のシノプシスでは、かなり流れを作り変えさせていただきました。なお、SL教団の設定や悪辣さについては、実在したオウム真理教とも意図的に似せています。
途中で、ナオミと母の入浴シーンがありますが、これは原作通りです。どうせなら、本当に二人のヌードを撮影して、その健康的なエロスに観客をときめかせたかったのですが、現在の日本では、コンプライアンス的に絶対に無理なシーンかもしれません。それ以前に、メインの黒あざ病自体が差別的と判断されて、本作そのものが映画化不可能なのかもしれませんが。
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