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2019年11月08日

小説「スターの秘密」

 「半日天下の半公開エロ小説集」の方に収録し直した、エロ小説の一本です。
 でも、前半部分に関して言えば、オタクとアイドルの甘ったるい妄想ラブストーリーに過ぎず、後半から急激にエロい話に変化してゆきます。

 実は、私は、アイドルの子と付き合っていた。注目の若手女優として、最近、テレビや映画でもやたらともてはやされていた蛙里いずみが、そのお相手だ。
 私たちは、けっこう大胆に、二人っきりのデートとかも強行していたのだが、マスコミや世間に騒がれる事もなかった。
 理由の一つとして、いずみは没個性的な美人だったので、彼女のファンの少女たちが髪型や化粧などを真似すると、皆がいずみそっくりに化ける事ができて、本物のいずみまでもが紛れ込んでしまった事があげられた。おかげで、いずみは、堂々と街の中を歩いてみても、実物であるにも関わらず、そっくりさんに勘違いされて、周囲には、ほぼ気付かれずに済んだのだ。
 そして、もう一つのより大きな理由として、私といずみではかなり歳が離れていた。私は、すでに40歳を超えた中年だったのだ。その為、いずみと並んで立っていても、その組み合わせは仲のいい父娘にしか見えず、誰も恋人同士などとは疑わなかったのである。
 いずみの事務所のスタッフや芸能記者ですら、私の事をいずみの父親か親類みたいなものだと勝手に誤解していたようだ。でも、いずみの本当の父親は、実際には、いずみが小さな頃に失踪していたのである。
 さらに、いずみが大変に社交的だった事も、私たちの交際には有利に働いていた。彼女には沢山の友達や仕事仲間がいて、彼女はその一人一人との交流を大切にしていたのである。それこそ、彼女の関係者は、学生時代の友達から一度だけ共演した芸能人に至るまで、多岐に渡っていた。その中の一人に、地味な私なぞは完全に埋没していたのである。若く美しいいずみには、私なんかよりも、他の彼女と同世代の男たちの方が、ずっと交際相手にふさわしく見えた。その為、彼女の本命は私であったにも関わらず、周囲の予想としては、私は全くのノーマークだったみたいなのである。
 私といずみが交流するようになった出会いからして、彼女の並外れた人懐っこさがキッカケとなっていた。
 私は、あるシリーズ・アニメの大ファンだったのだが、飲食店にて、そのアニメのムック本を熱心に読んでいたところ、一人の若い女性にいきなり明るく話しかけられたのである。それが、蛙里いずみだった。
 普通だったら、見ず知らずの人間に急に話しかける女なんて、かなりアヤシイ奴じゃないかと警戒するところだろう。しかし、いずみは、あまりにも美しすぎた。しかも、彼女の表情や態度には、全く邪気が感じられなかったのだ。それで、私も、その時、つい彼女にと心を許してしまったのである。
 本当の事を言うと、この段階では、私は、彼女が有名アイドルの蛙里いずみであった事に、全然気付いていなかった。それ以前に、私は、芸能界には全く興味がなかったので、蛙里いずみの顔もよく知らなかったのである。彼女の事をただの変わった女の子だと思ったからこそ、話しかけられても気兼ねなく受け入れたとも言え、今考えると、まさにラッキーな話だったのかもしれない。
 いずみは、この時、私の好きなアニメの劇場版に声優出演する事が決まったばかりであった。それで、仕事には常に真摯な姿勢だった彼女は、今度自分が参加するアニメの事が気になり、その詳しい内容を知りたくて、たまたま、そのアニメのムック本を読んでいた一般人の私に声をかけたと言う次第なのだった。
 つまり、私に、そのアニメの内容(ストーリー)を分かりやすくレクチャーしてほしかったようなのだ。そんな事を、いきなり知らない他人へと持ちかけちゃうあたりが、彼女の社交ぶりもよく表していたのだった。
 で、彼女は、そのまま私と相席しちゃったのだが、私も自分の大好きなアニメの話をたっぷり説明できる訳なのだから、こんな楽しい事はない。しかも、講釈する相手が可愛らしい女の子なのだ。
 私は、すっかり熱が入って、アニメの事を語りまくってしまったのだった。それを、いずみは、最後まで、面白そうに聞き続けてくれた。彼女は、本当に良い子だったのである。
 私は、学生時代から、このアニメの大ファンであった。しかし、それが災いして、クラスの女子からはオタクと陰口を叩かれて、ついには彼女たちとの距離を縮められないまま、学校生活を終えてしまった。その事は、社会に出てからも尾を引き、私は自分の趣味を笑われるのが怖くて、なかなか女性と交際する事もできず、とうとう、この歳になるまで独身を通してしまったのである。
 いずみの出現は、私に大いなるライフショックを与えた。世の中には、こんな素敵な女性もいたのである。
 いずみは、私がいくらオタクっぷりを発揮しても、少しも呆れたりはしなかった。それどころか、私の事をすっかり尊敬してくれて、「アニメの先生」とまで呼んで、心から慕ってくれたのである。
 こうして、私といずみの関係は始まったのだった。
 一度っきりでは、例のアニメの全ては語り尽くせなかったし、いずみも、もっともっと、私の話を聞きたがったのである。それから、私たちは、その飲食店で、週一度ぐらいのペースで会うようになった。その度に、私たちは、例のアニメを肴にして、時間を忘れるようなお喋りを楽しんだ。
 私も、早いうちに、彼女が本物の蛙里いずみであった事を理解したのだが、その事で物怖じするような事態にもならなかった。私はアイドルにも芸能界にもまるで関心がなかったからである。私にしてみれば、彼女は、ただの私を慕ってくれる可愛い女の子に過ぎなかった。そして、私がそのような特別扱いしない態度を取れたからこそ、ますます二人の仲は深まっていったのだと思われるのである。
 やがて、彼女は、いつもアニメの講義をしてくれるお礼として、私に何かプレゼントしたい、と言い出した。私の方は謝礼など全然期待していなかったのだが、彼女の優しい気持ちを素直に受け取る事にした。
 こんな感じで、私といずみは、アニメの話以外の事でも、親しく接するようになりだしたのである。
 とにかく、いずみは、私がはじめて出会ったようなタイプの女性だった。最初は、今どきの若い女性(こ)全体の傾向なのかとも思ったのだが、どうやら、いずみ個人が特別だったらしい。
 彼女は、あらゆる点で、真っ直ぐで、純情であり、ストイックだったのだ。
 私のようなアニメおたくのおっさんにも、まるで偏見を持っていなかった。むしろ、好意的な興味すら抱いてくれた。私の方も、そんな彼女と一緒にいると、たいへん心が和まされたのであった。
 例えば、二人で路上を歩いていたとしよう。途中で犬を見つけたりすると、彼女は「可愛い」と言って、無邪気にはしゃぎ出す。その彼女の様子が愛らしくて、私も微笑ましい気分になれるのだった。一方で、私は、犬なんて見かけると、可愛がるよりも、つい犬のウンチクなどを喋りたくなってしまう。しかし、いずみは、私のそんな知識自慢をうざがったりはせず、心から感心しながら、聞き入ってくれたのだった。二人は、実にうまく互いを認め合える関係だったのである。
 そんな交流が何ヶ月も続き、私たちはますます親密にとなっていった。
 さすがに、彼女の仕事場へ一般人の私が出向く訳には行かなかったので、もっぱら彼女の方が私のアパートへとこっそりと訪れるようなパターンの方が多くなった。
 気が利く彼女は、私のアパートへ遊びに来ると、独り身の私のために、食事を作ってくれたり、家事を手伝ってくれるようにもなったのである。彼女は、ひどく家庭的な一面もあったのだった。彼女自身も、私の役に立つ事を楽しんでいたようだ。
 こんな関係が続いていくうちに、私も、少し迷いが生じてきたのであった。
 いかんせん、私と彼女とでは親子ほどの年齢差があるのだ。しかも、彼女の本来の姿は、私などは足元にも及ばないはずのスター女優なのである。それなのに、こんな恋人みたいな付き合いを続けていて、本当に良いのだろうか。
 いや、もしかすると、いずみの方は、私の事を交際相手などとは少しも考えていなかったのかもしれない。思えば、今の彼女には父親がいないのだ。私に対して父親のイメージをダブらせていたから、優しく接していた、という事もありうるのである。そして、そんな風に判断させてもらった方が、私も軽い気持ちになれたのであった。
 私の方も、どうやら、若い頃にまともな恋愛ができなかったものだから、いずみの事を、必要以上に意識し過ぎてしまったのかもしれない。そもそも、冴えない私にとって、善良ないずみは勿体ないぐらいの存在だったのだ。
 このように考えを落ち着かせる事で、私も、なんとか、自分を見失わないようにして、いずみと良好な関係を保つ事ができるようになったのだった。
 相変わらず、いずみは、暇を見つけては、お忍びで、私のアパートにと遊びに来ていた。そんな時は、完全に二人っきりになってしまった。彼女は、家族のように、我が家の家事を引き受けてくれて、私の世話を焼いてくれたのだった。
 長らく、二人の間には、それ以上の進展はなかった。やはり、私はいずみにとっては父親代わりだったのだろう。ただ、そうだったとしても、愛らしいいずみがそばに居てくれるだけでも、私には幸せな日々なのであった。
 ある日も、彼女は私のアパートへと訪れていた。いつものように、家事をしたり、戯れたりして、楽しんだ二人は、いつしか、ベッドの上に並んで腰掛けていた。
 この時は、二人とも、一緒に居られる時間が嬉しくて、少し気持ちもハイになっていたようだ。
 明るい笑顔を浮かべていたいずみが、徐ろに、私の方へ顔を近づけてきた。そして、本当にさりげなく、私の口に自分の唇を重ね合わせたのである。
 なんとなくムードに流されてしまったのかもしれないが、とうとう、彼女は私相手に一線を超えてしまったのだ。
 私も驚きが強くて、すぐには彼女を引き離す事ができなかった。のみならず、内心ではずっと、密かに、いずみと接吻してみたいと言う願望も持っていたものだから、積極的にあらがおうとする事もできなかったのだった。

posted by anu at 13:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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