アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2019年01月10日

義務教育

私がこれまで運営してきた教室は、「小中学生」のみを対象としてきました。
義務教育期間。私が一番こだわっているところでした。
私の教室には「高等部」は設置しませんでした(当初、検討をしたこともありましたが、一旦やめました)。
なぜなら私は、高等課程以上は「探究心を持って勉強に励みたい者だけが進むべき課程である」と考えたからです。中学卒業までに、いかにその探究心を呼び起こすかが、私の仕事だと思ったからです。

私は、縁あって地元の小学校で「学習支援指導員」として、皆さんが小学課程の履修内容を習得できるよう、お手伝いもさせて頂いてまいりました。
私の教室に来ていない、今どきの小学生の生の声が聞ける貴重な場でもありました。
その中で、私が小学生当時思っていたことと、今どきの小学生が思っていることとほぼ同じだなと思ったことがあります。それは・・・、
「なんで勉強しないといけないの?」
「めんどくさい」
「将来、3.14なんてどんな時に使うんだろう?」
などといったことでした。

私は、小学5年生だったあの頃から、約30年ちょっと経過しました。
高校、大学を卒業して就職し、会社勤務でいろいろな経験をして、学習塾を開きました。
そんな私が、改めて小中課程のカリキュラムを見て思いますのは、
「計算の順序や3.14、π、関数、相対度数、図形の証明・・・なんてものは勉強するときぐらいにしか目にしなくても、『その問題を解くときに考える力』は実生活で非常に役に立つ」
ということでした。

例えば、使ったお皿を洗うとき、皿を使うごとに洗剤を付けて洗って水で流して、また別の皿を使ったら、また洗剤を付けて洗って水で流す・・・。非効率ですよね。
ある程度使うお皿の量が決まっていれば、ある程度使った皿を溜めたところで、一気にそれらに洗剤を付けて洗って水で流す。
これは、算数の「分配法則・結合法則」に似ていませんか?
6×6×3.14―2×2×3.14
=36×3.14−4×3.14
=(36−4)×3.14
3.14という、めんどくさい計算を2回やるよりも、1回で片づけましょ、というものです。
中学に至っては、もっと楽になりますね。32にπをくっつければいいだけですから。3.14をかけなくて済むのです。

もう少し良い例えが見つかれば良かったのですが、とりあえず私が申し上げたかったことは、算数でこういったことを鍛えておけば、実生活でも「こう考えたらいいんじゃない?」というヒラメキがたくさんあるのではないかと思うのです。
(これは、私説になりますが、おそらく円周率が中学ではπになるのは、考え方がわかっていればいいのではないか。だからいつまでも、3.14を使わなくてもいいのではないか。小学で3.14を使うのは、小数の計算を苦手に思っている子が多いから、訓練のためにさせているのではないか、と勝手ながら思っています。)

このように、実生活や仕事で活きるヒントの数々が、「義務教育期間」で学ぶことに含まれているのではないかと思ったのです。(とても奥が深いですねぇ。。。)
私は、これまでそんなに気にもしていなかった「義務教育期間」というものを、真剣に考えるようになりました。

調べてみますと、「義務教育」そのものには様々な考え方があり、きっちりと定義するのが難しいものであることを知りました。
しかし少なくとも、小中学計9年間が一般的に「義務教育期間」と言われている以上、中学を卒業したあとでも、一人の社会人として恥ずかしくない必要最低限度の知識と教養を持ち合わせ、自分の力で生き抜く気概を持った人格を作る大切な期間だと、私は考えています。
例えるならば、生まれたてのメダカは、おなかに養分を持っていて、それを摂取しながら社会性を身に付けて、おなかの養分が無くなる頃、成魚として一人前のメダカになる過程に似ていると思います。このおなかの養分こそが「義務教育期間」であり、子どもたちにとって、勉強をはじめ、社会性を身に付けて人格形成していくことが、一つの「務め」なのではないかと思うのです。

そこで、私は先ほどのような疑問を持つ小学生には、次のように答えてきました。
「今やっていることが、将来のいつどんな時に役に立つかはわからない。だからこそ、どんなことがあっても対応できるように、今、いろんな訓練をしているんだよ。人生の修行だよ。」
これを、どこまで彼らの心に届けることができたかはわかりません。
でも、こういった疑問をぶつけて、このように私が答えた男の子のうちの1人が、ある日、分数の計算を出来るようになりたいのに、なかなか出来なくて、涙を流している様子を見ました。私は「とにかく、もがき苦しめ!そしてガンバレ!」と強く思いました。「それが修行だ」と・・・。
その後もこの子は、
「先生、ここまでわかったんですけど、これがわかりません」
「ここは、どうやってやったらいいんですか?」
と言った具合に、しきりに「自分を変えたい」というアピールをしてきてくれました。
この子は、学校の中だけでのお付き合いでしたが、どんどん自分を成長させていってほしいと今でも強く願っています。

彼らは、学校生活を通じて人格形成をすることが「務め」、私はそれをお手伝いすることが「務め」でした。
同じ「義務教育期間」で、それぞれの「務め」を全うすることが、それぞれの目線に立った「仕事」なのかな・・・、と振り返っております。

長文にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。









posted by あんとん at 00:21| 育児・教育
プロフィール
あんとんさんの画像
あんとん
2018.12まで6年間、小中学生を対象にした個別学習塾を営んでおりました。 一身上の都合により、サラリーマン生活に戻ることになりましたが、6歳児の息子の育児はまだまだこれから。 この6年の器量な経験を振り返りつつ、これからを真剣に生きていきたいと思っているところです。
プロフィール
<< 2019年01月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
リンク集

人気ブログランキング" >人気ブログランキング
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
最新記事
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。