大図鑑に載ってないクワガタたち（主に）

Prosopocoilus属のラストは不明種です。
思ったより数は少なかったです。
もっとも、当方の知らないやつや不明種を間違って同定しているものもあるかもしれません。

1:P.sp.-1 2:P.sp.-2a 3:P.sp.-2b　F氏所蔵 4:P.sp.-3　Fujita,2010より 5:P.sp.？-4　Fujita,2010より 6:P.sp.-5　Fujita,2010より 7:P.sp.-6a　Huang&Chen,2011より(P.yangi) 8:P.sp.-6b　Huang&Chen,2011より(P.yangi) 9:P.sp.-7 10:P.sp.-8

P.sp.-1
S.Andaman I.

1♀のみ得られていて、P.andamanusに似るが完全に別種。
やや小型で、光沢が強く、ケイ節は太く、前ケイ節は内側に湾曲する。
♂は不明。


P.sp.-2
N.Vietnam

P.mysticusに非常によく似る。
体型はやや細身で、頭部はやや長く、複眼下の膨らみは弱く、頭楯は1対の棒状でやや間隔が離れている。
もしかしたらちょっと変わった個体のラベル間違いかもしれませんが、
ジャワのP.tarsalisの近縁種のように北ベトナム辺りまで分布しているのかもしれません。
数が少なくて判断が難しいです。


P.sp.-3
広東省,重慶市

P.formosanusに似るが、顎は短くて湾曲し、頭部はやや寸詰まり、前胸は丸みを帯びる。
重慶産は顎が直線的で頭部がやや長い。


P.sp.?-4
N.Vietnam

P.tonkinensisに似るが複眼縁が横に突出する。
1♂しか得られていないようで単なる奇形個体かもしれません。


P.sp.-5
Malaysia

P.f.trichopezusに似るが、頭部は大きく、顎は太くて平たく、前胸後方に幅は狭く、前胸後角はやや斜め前方を向く。
平たい顎や前胸後角などはP.tarsalisの特徴に似ています。


P.sp.-6
重慶市,貴州省,湖北省

P.yangiとされている種類ですが別種と判断しました。
本種はKirchneriusに近縁なようです。
サイズは24〜44�o（22�o）、顎は直線的（顎中央部から湾曲する）、
顎付け根と中央の内歯は間隔が広い（中央の内歯はやや基部より）、頭楯はやや突出したかまぼこ状で中央部が切れ込む（頭楯の形状は写真からはわかりにくいですが突出はしていません）、
頭頂部はやや盛り上がっている印象（頭頂はややU字状に凹む）。
（ ）はP.yangiの特徴。複眼縁の形状も異なり、P.yangiは複眼横の部分がやや強く張り出します。


P.sp.-7
S.Laos

P.fulgensに似るが、体色は明るく、顎は短く、全体的に細身。


P.sp.-8
S.Laos

P.denticulatusなどに似るが、顎付け根の内歯は大きくて先端が双山状、端歯は無い。
図示したサイズは33，29�oで、近縁種はこのくらいのサイズならば端歯が出ます。
符節は長い。