2015年10月11日
Aegotypus属
Aegotypus属についてです。
前胸側面が3つ山状に突出するのが特徴的で、通称「ヒサゴネブトクワガタ」。
何種類かは比較的集めやすいですが、それ以外はやや〜超入手困難。
不明種も多いですが、似た種類が多く同定がやっかいでもあります。
知っている限り不明種を紹介しておきますが、変異個体も含まれるかもしれません。
Aegotypus Parry, 1874:371 (type: Aegotypus trilobatus Parry, 1862)
前胸側面が3つ山状に突出するのが特徴的で、通称「ヒサゴネブトクワガタ」。
何種類かは比較的集めやすいですが、それ以外はやや〜超入手困難。
不明種も多いですが、似た種類が多く同定がやっかいでもあります。
知っている限り不明種を紹介しておきますが、変異個体も含まれるかもしれません。
Aegotypus Parry, 1874:371 (type: Aegotypus trilobatus Parry, 1862)
Aegotypus acanthinus Didier,1928:63-64
N.Borneo,E.Kalimantan [probablement Sumatra; Marapok,Bornéo septentrionalis].
A.trilobatusに似るが、顎中央の内歯は発達する。
前胸側面の突出部は先端が丸い。
Aegotypus armatus Boileau,1897:288-290,figs.
N.Borneo [Kina-Balu(Bornéo)].
A.acanthinusの顎を長くしたような種類。
頭楯の両端の突出部は鈍角、前胸側面上部の突出部は大きい。
Aegotypus curvimaxillaris Lacroix,1978:286-288,fig.6
Malay Peninsula [Malaisie,Cameron Highlands].
マレーから得られた種類で、かなり特異で超珍品。
顎は細くて湾曲し先端が大きな二股状のような形状。
頭盾は突出した双山状、複眼縁は湾入し、複眼下は鋭く大きく突出する、前胸側面は突出しない。
新大図鑑では本種の♀ではないかとされる個体が図示されている。
Aegotypus igarashiae Fujita,2010,21,316,figs.957(1-2)
W.-N.Sumatra,Siberut I. [Padang,W.Sumatra,Indonesia].
過去の文献でスマトラ産のA.acanthinus・A.trilobatusとされるものは本種でしょう。
入手はAegotypes属の中では一番容易。
A.acanthinusによく似るが、顎はやや長くて顎中央〜先端にかけてはやや太い、顎中央の内歯はやや小さい。
頭楯は浅くて幅広、前胸側面の上部の突出部はより突出して鈍角。
Aegotypus lobicollis Jakowleff,1897:240-241
N.Borneo [Borneo].
A.armatusに似るが、中央の内歯は小さく、付け根の内歯は短くて2本。
頭楯は浅くて幅広、前胸側面の突出は鈍角で谷が浅い。
Aegotypus marginatus Arrow,1935:115-116
=Aegotypus trilobatus (nec Parry) Parry,1874:372, fig.5
E.Kalimantan [BORNEO].
♀のみで記載され、複眼縁が横に突出するのが特徴的。
図示した♂は本種の♂ではないかとされる種類で、多数のAegotypusの中の1頭だけ混ざっていたもの。ちなみに♀も数頭ありました。
♂の特徴は、顎はやや長く、顎中央の内歯は大きくて融合した双山状、複眼下の尖がりは鈍角で大きく、前胸側面上部の突出部は非常に大きい。
Aegotypus naomii Nagai,1994:42-43, 295, pl. 132, fig. 615(1-4)
N.Borneo,E.Kalimantan [Putssibau,SW Kalimantan].
顎が長くて顎中央の内歯を欠くので多種との区別は容易。(大型個体では中央の内歯の痕跡はみられる。)
前胸側面の突出部は鈍角。
Aegotypus oberthueri Nagai,1994:43, 295, pl. 132, fig. 616(1-2)
W.Kalimantan [Pontianak].
超珍品。
顎は短く、歯型は多種と比べて独特。
複眼下の尖がりは大きく、前胸側面の突出部は丸みを帯びる、ケイ節は太い。
タイプ標本を見る限りでは赤みが強いようにも感じます。
Aegotypus shimanei Nagai,1994:43, 295, pl. 132, fig. 616(1)
W.-N.Sumatra [Padang].
顎は細くて、顎中央の内歯は小さく、前胸側面の突出部は長さが均一で谷が浅い。
北スマトラ産はやや変異が見られます。
Aegotypus trilobatus (Parry,1862):113 [Aegus torilobatus]
N.Borneo [Borneo].
A.acanthinusによく似るが、顎中央の内歯は非常に小さく、前ケイ節は太い。
Aegotypus sp. -1
W.Sumatra
A.shimaneiに似るが、顎はさらに細く、顎中央の内歯は痕跡程度、
光沢は強く、前胸側面の突出部の谷が深い。
4♂1♀検品。
Aegotypus sp. -2
W.Sumatra
A.igarashiaeに似るが、顎中央の内歯は小さく、付け根に寄る。前胸上部の突出は弱い。
1♂1♀検品。A.igarashiaeの変異かも?
Aegotypus sp. -3
W.Sumatra
A.igarashiaeに似るが、顎は細く、前胸側面の突出部は均一。
10♂1♀検品。
Aegotypus sp. -4
W.Sumatra
1♀のみ検品。
その他の種類は対応するであろう♂♀がありましたが、本種のみわかりませんでした。
多種に比べて大型で、前胸・胴体は縦長。
形状はA.curvimaxillarisの♀とされる個体に似ているが…?
Aegotypus sp. -5
N.Borneo
A.trilobatusに似るが、顎は細長く、前胸側面上部の突出部の谷は浅い。
新大図鑑の1♂しか見たことがありません。
Aegotypus sp. -6
N.Borneo
A.trilobatusに似るが、顎付け根が内反りし、顎付け根の内歯は長く、頭楯の幅は狭く、頭頂は逆三角に凹む。
新大図鑑の1♂しか見たことがありません。
Aegotypus sp. -7
N.Borneo
A.acanthinusに似るが、顎はやや長く、顎中央の内歯はやや先端より、前胸側面の突出部は均一。
3♂検品。
Aegotypus sp. -8
N.Borneo
A.acanthinusに似るが、顎は長く、前胸側面の突出部は均一、ケイ節は太い。
1♂のみ検品。
Aegotypus sp. -9
N.Borneo
A.sp.-8に似るが、顎はとても細くて、顎中央の内歯は小さく、ケイ節は細い。
3♂1♀検品。
Aegotypus sp. -10
N.Borneo
A.trilobatusに非常によく似るが、顎はやや長く、頭楯はV字状。
1♂1♀検品。
Aegotypus sp. -11
N.Borneo
A.trilobatusに非常によく似るが、体型は幅広で、顎は細長い、光沢は強め。
27♂1♀検品。
Aegotypus sp. -12
N.Borneo
A.naomiiによく似るが、幅広い体型で、顎も太短い。
見たのは新大図鑑の1♂1♀のみ。
Aegotypus sp. -13
N.Borneo
A.trilobatusとA.naomiiを混ぜたような種類。ぱっとみた印象はA.trilobatusに近いでしょうか。
顎は細長く、顎中央の内歯は非常に小さく、前胸側面の突出部は均一。
9♂1♀検品。
Aegotypus sp. -14
W.Kalimantan
A.naomiiの小型に似るが、頭部が小さく、光沢が強め。
見たのはMizunuma,2000の1♂1♀のみ。
Aegotypus sp. -15
E.Kalimantan
A.naomiiに似るが、顎の付け根の内歯の上に小さな内歯を有し、前胸側面の突出は弱い。
1♂のみ検品。
Aegotypus sp. -16
E.Kalimantan
A.sp.-5に似た種類。亜種?
顎はより長く、前胸側面上部の突出部は大きく突出する。
2♂1♀検品。
Aegotypus sp. -17
E.Kalimantan
多数のAegotypusの中に1♀だけ混ざっていました。
多種と比較し、頭部が大きく、下膨れ体型。
複眼ヘリは発達せず、複眼下はとがる。前胸側面の突出は弱い。
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