2014年07月17日
マルバネ・クワガタの仲間 その3
中〜大型種についてです。
これで記載されているものはすべて載せたと思います。
ただ、調べていて気になることがあったので、
そのことはまた後で記事にしたいと思います。
[関連記事] Neolucanus(過去記事)
これで記載されているものはすべて載せたと思います。
ただ、調べていて気になることがあったので、
そのことはまた後で記事にしたいと思います。
[関連記事] Neolucanus(過去記事)
1:N.angulatus Fujita,2010より
2:N.baladeva
3:N.waterhousei
4:N.giganteus Type Pouillaude,1914より
5:N.giganteus Sapa 72o中歯
6:N.g.spicatus 広西 65o中歯
Neolucanus angulatus (Hope et Westwood,1845):17-18 [Lucanus angulatus]
[Type Locality] Kasyah Hills
北東インド、アッサム、チベットから得られている。
N.baladevaに似ていてシノニムにもされていた。
顎は太短く、複眼縁は小さく、前胸後角は尖らない。
腹部中央は菱形状に凹む。
Neolucanus baladeva (Hope,1842):127 [Odontolabis baladena]
[Type Locality] Silhet
[sny] Lucanus lama (nec Olivier) Hope et Westwood,1885:17 [nomen nudum]
Neolucanus lama (nec Olivier) Leuthner,1885:430-431,figs.11-12,14-15 [Silhet,Khasia Hills].
Neolucanus celebensis Möllenkamp,1901:46-47 [Ost Celebes].
Calcodes celebicus Arrow,1943:134 (new name for celebensis Möllenkamp)
Neolucanus ollenbachi Didier,1930:131-132,133,fis.92-94 [Naga Hills].
ネパール〜ミャンマー北部、アッサムまで分布。
よく似た種類が数種いるが、本種は顎が細長い。
Maeda,2014で大歯が見られ、Nagai,2000で中歯が見られる。
Neolucanus waterhousei Boileau,1899:178
[Type Locality] Northern India
ネパール〜ミャンマー北部まで分布。
N.marginatusから分けられ、それについて気になることがあるのですが、
今回は一般的にN.waterhouseiとされている種群について述べます。
N.baladevaよりはN.angulatusに似ていますが、
ぼってりした体型で、複眼縁はとがり、前胸は丸みがあり、前胸後角は尖る。
Neolucanus giganteus Pouillaude,1914:37-41,figs.1-7
[Type Locality] Dong-Van,Haut-Tonkin
北ベトナム(ホン川以南)〜北タイに分布。
大型種ですが歯型の発達が悪い種類。
同所の大型種とは前胸後角が尖らないことで容易に区別できる。
70oくらいからタテヅノが出てきて中歯気味になる。
Neolucanus giganteus spicatus Didier,1930:141,fig.104
[Type Locality] Foochou(Foutcheou,SE China)
広西壮族自治区,雲南省,貴州省、北ベトナム(ホン川以北)に分布。
体色は明るく、頭部は艶消し気味。
広西のものにかぎるのかもしれませんが、小さいサイズでも歯型の発達がいいです。
Neolucanus maximus Houlbert,1912:193-201,figs.1-11
[Type Locality] Lou-tse-Kiang
ベトナム〜ミャンマー北部、広西、雲南に分布。
同所で得られるN.giganteusとは前胸後角が尖ることで簡単に区別できますが、
N.perarmatusの小型とは判別が難しい場合があります。
顎の長さは産地によりまちまちなようです。
Neolucanus maximus confucius Lacroix,1972:114-116,figs.4-5 [Neolucanus confucius]
[Type Locality] Assam, région de Shillong
北東インド〜ミャンマー北部、アッサム、チベットから得られている。
複眼縁の発達は弱く、前胸後角はあまり尖らない。
Neolucanus maximus fujitai Mizunuma,1994:10-11,221,figs.15(a, c),139(7-10)
[Type Locality] Mts. Wuyi Shan,Fujian Prov.,China
福建省,江西省,広東省,浙江省に分布。
顎は長くて直線的、複眼縁は張り出し、前胸前方は幅広く、胴体は細くて、上翅の光沢は弱い。
Neolucanus maximus vendli Dudich,1923:17-18,fig.1 [Neolucanus vendli]
[Type Locality] Formosa
台湾に分布。
顎は太くて湾曲し、複眼縁はssp.fujitaiより強く張り出し、上翅の光沢は強い。
1:N.saundersii Fujita,2010より
2:N.tanakai Holotype Fujita,2010より
3:N.katsuraorum Paratype Tsukawaki,2011より
4:N.maedai Holotype Fujita,2010より
5:N.perarmatus Fujita,2010より
6:N.p.goral 広西
Neolucanus saundersii Parry,1864:20,fig.3
[Type Locality] Ind. Or.
北東インド〜ミャンマー北部、チベットに分布。
N.m.confuciusによく似ていてシノニムとされていた。
体色は赤みが強く、前胸の幅はやや狭く、前胸後角の形状でも区別できる。
Neolucanus tanakai Mizunuma,1994:10-11,120figs.18(a-e),144(1)
[Type Locality] Mt.Wuzhi-Shan,Hainan I.
海南島に分布。
N.maximusによく似ていて、亜種程度のものかもしれません。
顎や体型はやや細く、前胸後角はあまり尖らず湾入も弱い。
Neolucanus katsuraorumTsukawaki,2011:13-14,16-17,figs.1-5,13
[Type Locality] Quang Nam Province,central Vietnam
中部ベトナムに分布。
同所にN.maximusも分布するが、タテヅノの形状、前胸後角があまり尖らないことで区別できる。
N.maedaiに近縁と思われる。
Neolucanus maedai Nagai,2001:9-10,12,figs.1-6,15(a-c)
[Type Locality] near Om-Koi,south-western Chiang Mai,northwestern Thailand
北タイの限られた場所に分布。
台形状になる内歯が特徴的で、前胸後角は尖らない。
ミャンマー南部からよく似た個体群が得られていて、
ややぼってりした体型で、複眼縁の発達はやや弱く、前胸の寸詰まりで前胸後角の湾入は弱く、前ケイ節の棘の発達は弱い。
また、小型個体の頭楯の突出は弱い。
亜種?
Neolucanus perarmatus Didier,1925:262-266,figs.
[Type Locality] Laos, Fokien
ラオス、ベトナム、ミャンマー北部に分布。
独特の歯型と、前胸後角が鋭く尖るのが特徴。
ただ、前胸後角は擦れていることが結構あり、
小型個体だとN.maximusとの区別が困難な場合がある。
Neolucanus perarmatus goral Kriesche,1926:382-383
[Type Locality] Drachenkopf, Norden Kouantung
広東省,福建省,浙江省,江西省,貴州省,広西壮族自治区,海南島に分布。
顎が長く、頭部が艶消し。
中部ベトナムのゲアンからも同様の特徴の個体群が得られ、
その中間地点に原名亜種が分布していることになります。
亜種というよりは地域変異程度のように感じます。
1:N.insulicola Holotype Fujita,2010より
2:N.i.donan Holotype Fujita,2010より
3:N.okinawanus Paratype Fujita,2010より
4:N.protogenetives Mizunuma&Nagai,1994より
5:N.p.hamaii Paratype Mizunuma&Nagai,1994より
Neolucanus insulicola Kurosawa,1976:190
[Type Locality] Funaura,Iriomote-jima I.
西表島と石垣島に分布する。通称「ヤエヤマ・マルバネ」。
N.maximusの代置種で、
頭部が大きく、顎は長く、前胸の丈は長くて幅は狭くて後方の湾入部は弱い。
Neolucanus insulicola donan Mizunuma,1985:15-23
[Type Locality] Mt. Uabudake,Yonaguni I.
与那国島に分布する。通称「ヨナグニ・マルバネ」。
やや小型で寸詰まりで幅広な体型。
顎はやや短く、頭部はやや大きい。
Neolucanus okinawanus Sakaino,1984:10
[Type Locality] Mt.Yonahadake,Okinawa Is.
沖縄本島に分布する。通称「オキナワ・マルバネ」。
N.insulicoraに似るが、体色は黒みが強く、大歯型の大顎は細長い。
複眼縁は大きく、前胸後角前方の突出はやや弱い。
Neolucanus protogenetives Kurosawa,1976:190
[Type Locality] Nishikata-son(Setouchi-chô at present),Amami-Oshima I.
奄美大島と徳之島に分布する。通称「アマミ・マルバネ」。
歯型の発達の悪い種類。
複眼縁が大きくて丸くて他の大型種との区別は容易。
頭部は艶消しで、胴体は大きい。
Neolucanus protogenetives hamaii Mizunuma,1994:10,12,221-222,figs.20(a-e),141(4-6)
[Type Locality] Mt.Ôyama,Setouchi Chô,Ukejima I.,Amani Guntou Is.,Kagoshima Pref.,Japan
請島に分布。通称「ウケジマ・マルバネ」。
歯型の発達はやや良い。
頭部・前胸は艶消しで、前胸後角前方の突出はやや弱い。
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