2014年07月15日
マルバネ・クワガタの仲間 その2
1：N.castanopterus Fujita,2010より
2：N.c.elongatulus
3：N.c.flavipennis Fujita,2010より
4：N.c.kinrami Fujita,2010より
5：N.c.tibetanus Holotype Schenk,2003より
6：N.c.ssp. N.Laos
Neolucanus castanopterus (Hope,1831):22 [Lucanus castanopterus]
[Type Locality] Nepaul
[sny] Anoplocnemus bicolor Burmeister,1847:360-361 [-].
Neolucanus parvus Nagel,1941:54-55,fig.4 [Assam,(Shillong) India prientalis].
ネパール～アルナチャルに分布。
N.nitidusを小型にして細くしたような種類。
顎は短くて細く、上翅上部は黒くなる。
Neolucanus castanopterus elongatulus Möllenkamp,1907:109-110 [Neolucanus elongatulus]
[Type Locality] China,Yünnan
[sny] Neolucanus pallidus Boileau,1914:73-75,fig.1 [Yunnan Sen].
雲南省で得られ、湖南省からの記録もある。
複眼縁は角ばり、前胸側面は丸く、光沢はやや強い。
Neolucanus castanopterus flavipennis Boileau,1914:105-107,fig.1 [Neolucanus flavipennis]
[Type Locality] Birmanie
ミャンマー西部～タイ北部に分布。
頭部はやや大きく、複眼縁は角ばり、前胸は大きくて前方の幅は狭い。
Neolucanus castanopterus kinrami Nagai,2000:95-96,figs.45-46
[Type Locality] N.Katctin,Karadap
ミャンマー北部に分布。
ssp.flavipennnisに非常によく似るが、最大サイズは1㎝近く大きい。
そのほかに、頭部・前胸の光沢はやや弱く、前胸はやや丸みを帯び、
前ケイ節はやや直線的で棘の発達は弱く、胴体はやや長め。
Neolucanus castanopterus tibetanus Schenk,2003:13-14,figs.5(a-b)
[Type Locality] Südost-Tibet(China,Prov. Xizang),Umgebung Moto
チベットに分布。
N.castanoputerusの亜種で記載され、今回もそこに含めましたが別種のように思います。
顎は短く、複眼縁はやや丸く、頭頂部はU字に凹む。
前胸は丸く、前ケイ節は短い。
Neolucanus castanopterus ssp.
[Distribution] NE.Laos
北ラオスで得られる個体群です。
顎は太く、前胸はやや丸みを帯び、体型はややぼってりしている。
全体的に光沢が強い。
1：N.kirsteni Holotype Schenk,2013より
2：N.hagiangensis
3：N.lanwanorum
4：N.l.rudolphi Holotype Schenk,2008より
5：N.melas Fujita,2010より
6：N.pentaphyllus Fujita,2010より
7：N.pseudovicinus Holotype Fujita,2010より
8：N.svenjae Holotype Schenk,2003より
Neolucanus kirsteni Schenk,2013: 4-5,figs.2
[Type Locality] central Vietnam, Da Nang, Ba Na
中部ベトナムから記載された。
N.castanopterusに似るが、複眼縁は張り出し、顎は太く、前ケイ節は細い。
新大図鑑のN.c.elongatulus（N.sp.)は本種によく似ていて、
やや幅広で寸詰まりの体型、複眼縁の張り出しは弱く、前ケイ節はやや太い。
本種の亜種？
Neolucanus hagiangensis Fujita,2010:13,115-116,figs.324(1-3)
[Type Locality] Ha Giang,Ha Tuyen,N.Vietnam
今のところ北ベトナムのハザンでのみ得られる。
N.lanwanorumに似るが、頭部は小さく胴体は大きい。
ケイ節は太い。
Neolucanus lanwanorum Nagai,2000:96-97,figs.48-50
[Type Locality] N.Katctin
ミャンマー北部に分布。
かなりぼってりとした体型と強い光沢が特徴的。
Neolucanus lanwanorum rudolphi Schenk,2008: 10,figs.9
[Type Locality] Nord-Indien,Arnachal Pradesh,Distrikt Bomdila
アルナチャル～チベットに分布。
原名亜種に比べ、顎は長く側面はくびれる。
頭部は幅広。
Neolucanus melas Didier,1930:146-147 [Neolucanus castanopterus var. melas]
[Type Locality] India Or. Manipur
アッサム～ミャンマー北部に分布。
N.castanopterusの黒色型として記載されたようによく似ているが、
体型はやや幅広で体に厚みがあり、前胸は丸みを帯び、胴体は短い。
赤色個体はやや色が濃い。
Neolucanus pentaphyllus Baba,2002:5
[Type Locality] Doi Phu Kha,Pua district,Nan,Thailand
タイ北部に分布。
N.castanopterusに似るが、頭部は小さく、複眼縁上部はやや張り出す。
触角は5節。
Neolucanus pseudovicinus Fujita,2010:13,113-114,figs.314(1-2)
[Type Locality] Ha Giang,Ha Tuyen,N.Vietnam
ベトナム北部に分布。
顎は太短く、前胸は小さくて丸く、胴体は短い。
Neolucanus svenjae Schenk,2003:12,fig.4
[Type Locality] Süd-Tibet(China,Orov. Xizang),Umgebung Moto
チベットに分布。
N.c.tibetanusに似るが、前胸側面はやや直線的で、前ケイ節は長く、符節も長い。
1：N.sinicus 記載文の絵 Saunders,1854より
2：N.s.bisignatus Type Houlbert,1914より
2-a：N.s.campioni?
2-b:N.s.campioni? Fujiota,2010より
3：N.s.fuliginatus Paratype Fujita,2010より
4-a:N.s.nosei Holotype Mizunuma&Nagai,1994より
4-b:N.s.nosei 小型 Websiteより
4-c:N.s.nosei? Fujita,2010より
5：N.s.oberthueri
6：N.s.opacus
7：N.s.pseudopacus Type Houlbert,1914より
8：N.s.taiwanus Holotype Fujita,2010より
9：N.s.sp. Sikkim Mizunuma&Nagai,1994より
10：N.s.sp. N.Myanmar Fujita,2010より
Neolucanus sinicus (Saunders,1854):48-49,figs.2-3 [Odntolabis sinicus]
[Type Locality] China
貴州省,江西省,四川省,雲南省,黒龍江省?に分布。
N.nitidusをやや細くして小さくしたような種類。
体表は艶消しで、体色は明るい褐色～黒色。
唇には毛がない。
Neolucanus sinicus bisignatus Houlbert,1914:252-254,figs.1-2 [Neolucanus bisignatus]
[Type Locality] Haut-Tonkin,Bao-Lao
ベトナム北部のバオラク周辺でのみ得られると思われる。
ssp.oberthueriのシノニムともされるが違いがみられる。
複眼縁はやや張り出し、やや細身で胴体はやや小さい。
上翅の紋はV字状。
Neolucanus sinicus championi Parry,1864:20-21 [Neolucanus championi]
[Type Locality] China
福建省,広東省,浙江省,香港に分布。
同所でN.sinicus系統と新大図鑑で図示されている個体群が見られ、
記載文からはどちらが正しいかわかりません。
N.sinicus系統はN.s.pseudopacusに似るが、
顎は太く、複眼縁はやや大きく、体型はぼってりしている。
新大図鑑で独立種として図示されている個体群は、
小型でずんぐりした体形で光沢が強く、ケイ節はやや細い。
N.s.taiwanusと新大図鑑のN.s.noseiの小さい方（fig.303-4)はこちらの個体群と亜種関係と思われる。
Neolucanus sinicus fuliginatus Mizunuma,1994:8-9,218,figs.11,124(32)
[Type Locality] Jinghong,Yunnan Prov.
雲南省に分布。
複眼縁は張り出し、前胸は直線的で、胴体は細い。
Neolucanus sinicus nosei Mizunuma,1994:8-9,218,figs.8(a-d),124(19-23)
[Type Locality] Mt.Wuzhi Shan,Hainan I.
海南島に分布。
頭部は大きく、符節はやや太く、若干光沢が強い。
N.s.championiの項で触れた個体群は、
体型はずんぐりした体形で、複眼縁の形状、前ケイ節が細いことで区別できる。
Neolucanus sinicus oberthueri Leuthner,1885:429-430,figs.A-B [Neolucanus oberthueri]
[Type Locality] China(keuey Cheou)
雲南省,四川省,広西壮族自治区で得られる。
上翅に紋が出るのが特徴的。場所によって紋の形状は異なる。
全体的に強壮で、前胸は直線的。
Neolucanus sinensis opacus Boileau,1899:176 [Neolucanus opacus]
[Type Locality] Kiu-Kiang
北～南ベトナムから得られる。
前胸は丸みを帯び、胴体はやや長く、やや光沢がある。
Neolucanus sinicus pseudopacus Houlbert, 1914:254-257,figs.4-5 [Neolucanus pseudopacus]
[Type Locality] Kouy-Tchéou
[sny] Neolucanus intermedius Houlbert,1914:257-260 [Kouy-Tchéou].
貴州省,江西省,広西壮族自治区とベトナム・サパに分布。
新大図鑑では不明亜種として紹介されている。
N.s.opacusに似るが、顎は太くて長く、複眼縁は大きく、体表はやや艶消し。
Neolucanus sinicus taiwanus Mizunuma,1994:8-9,218,figs.5(b-c),124(17-18)
[Type Locality] Hungye,near Juisui,Hualien Pref.,Taiwan
台湾に分布。
今回は従来どおりN.sinicusに含めましたが、新大図鑑と同様に分けるべきかもしれません。
新大図鑑でN.championiとされている個体群に似、
胴体は短く、前ケイ節は直線的で、体表は艶消し。
Neolucanus sinicus ssp.:in Mizunuma et Nagai,1994:218,fig.124-33
[Distribution] Sikkim
シッキムから得られた個体。
顎は短く、前胸は直線的で、前ケイ節は長い。
Neolucanus sinicus ssp.:in Fujita,2010:110,fig.330-19
[Distribution] E.Myanmar
ミャンマーのシャン高原のあたりで得られたようです。
複眼縁は張り出し、前胸は直線的で、光沢が強い。
1：N.extremus 記載文 Kriesche,1940より
2：N.iijimai
3：N.sarrauti Type Houlbert,1912より
Neolucanus extremus Kriesche,1940:40
[Type Locality] Schansi,Thai-Yüan-Fu
陝西省から記載された。
N.sinicus系統でN.s.opacusと比較されてます。
N.sinicusの黒色個体なのかもしれません。
サイズは24㎜。
Neolucanus iijimai Fujita,2010:12-13,110-111,figs.304(1-4)
[Type Locality] Ha Giang,N.Vietnam
北ベトナムのハザンで得られます。
N.s.opacusに似るが、顎はやや太く、体型は幅広で胴体が短く、光沢は強い。
大歯では顎先端の上側の内歯は尖ってて内側に湾入する。
Neolucanus sarrauti Houlbert,1912:183-188,figs.1-10
[Type Locality] Pnom-Penh(Cambodge)
ベトナム北部に分布。
N.s.taiwanus系統の小型種。
複眼縁は張り出し、前胸は直線的。
1：N.vicinus Type Pouillaude,1913より
2：N.oxyopus 記載文の絵 Delisle,1976より
3：N.insularis 記載文の絵 Miwa,1929より
4：N.marginatus Typeの模写 Leuthner,1885より
5：N.diffusus 記載文の冒頭 Bomans,1989より
6：N.tao 記載文 Kriesche,1935より
7：N.tao?
Neolucanus vicinus Pouillaude,1913:333-334,fig.2
[Type Locality] Tonkin
ベトナム・サパ周辺と雲南省に分布。
N.castanopterusに似るが、頭部は大きく、前胸の幅は狭く、上翅接合部は黒くなる。
基本的には短歯ですが、40㎜位で中歯になり、ギネスの42㎜は大歯型。
Neolucanus oxyops DeLisle,1976:273-274,fig.1
[Type Locality] Assam
アッサムから記載された。
サイズは42㎜。
顎側面はくびれ、複眼縁は尖る。
ぼってりした体形とやや湾曲する前ケイ節は
新大図鑑のニセウォーターハウス・マルバネ（N.sp.)の特徴と合います。
Neolucanus insularis Miwa,1929:73-74,fig.1
[Type Locality] Loo-Choo;Ishigaki Island
石垣島と西表島に分布する種類で、通称「チャマイロ・マルバネ」。
小型で、ずんぐりした体型と、光沢のある明るい体色が特徴的。
大歯も存在する。
Neolucanus marginatus Waterhouse,1872:53-54
[Type Locality] Northern India
北東インド～ミャンマー北部に分布。
体色は黒色～V字の紋が出る個体まで様々。
N.parryiに非常によく似ているが、頭部はやや小さく、やや細身で、符節は長い。
Neolucanus diffusus Bomans,1989:12-13
[Type Locality] Chine,Fukien,Kuatun
福建省、広東省に分布。
記載文を訳していないのですが、N.marginatusを引き合いに出してます。
サイズは41㎜。
N.parryiと同種か、N.palmatusはN.parryiと別種でN.palmatus＝N.diffususなのかもしれません。
Neolucanus tao Kriesche,1935:170-171
[Type Locality] Kwangsi:Toyen-chan-Gebirge
広西に分布。
N.nitidus系統で記載文からの同定は難しいです。
図示した個体はN.taoと同定されていたもを参照し、その黒色型。
N.nitidusと比較すると、顎は太短く、複眼縁は尖り、体型はぼってりしているが・・・？
【Neolucanusの最新記事】
この記事へのコメント