アフィリエイト広告を利用しています
ファン
<< 2017年09月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
写真ギャラリー
カテゴリーアーカイブ
月別アーカイブ

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2017年09月15日

5「ありふれた日常に怒りと悲しみそして」

5「ありふれた日常に怒りと悲しみそして」

何言ってんだって言われた。
冗談だろって。
さっさと食って帰ろうぜって。
俺は全ての言葉を無視して
気づいたら先輩の頭を引き寄せてキスをしていた。

先輩とのキスはステーキの味?

「ナツキより俺を見てくださいよ。」
「できますか?」
「まぁいいや、わかってたことですし。」
「アキラ先輩の大事なものは、俺も欲しいです。」

それはもう一方的だった。

先輩のことはとっくに知ってる。
ナツキを気に入ってるってことも。
だから俺はナツキを利用してあんたに近づいたんだ。
もう離してやるつもりもない。

豆鉄砲を食らったような先輩を見つめながら

「先、帰ります。」

俺は席を立った。

夜の商店街を歩いていると、
自転車がぶつかりそうになったが浮かれている俺には
そんなこと気にならない。

ついに時が動き出したようなーー。
そんな感覚だ。

生きている感じ。

ーーちがうな、

今を生きている感じだ。

明日から先輩はどんな風に接してくるのだろう?とか。
ナツキにばれたらどうなるんだろう?とか
そんなことしか考えられない。
でも衝動的に動いてしまった本能に
今更どうしようもない。

世の中不倫をする人間がこんな気持ちなのだろうか?

スリルと純愛。

障害があれば恋愛は燃え上がるとかなんとか。

でも不倫のあとに待っているものは絶望しかないか。

いいのは本人たちだけ。あ、どんな恋愛もそんなもんか。

俺がしようとしてることもきっと絶望だけかもしれないけど、
何もしないよりは、ちゃんと生きてる気がする。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー――

キーンコーンカーンコーン。
この音が鳴ってもがやがや周りはうるさく、先生がくるのを待っている人はいない。


「なんだか上機嫌じゃん。携帯見てにやにやしちゃって」


翌朝、教室の席に着くなり、冷めた声。隣の席の里中だ。
どうやら俺は先輩とのラインのやり取りを見つめてたらにやついてたらしい。

「別に。」

スマホをしまい、ダルそうに里中のほうに向きなおる。

「嘘だね、最近水樹と付き合い始めたらしーじゃん。上手くいってんの?」

少し笑みを浮かべながら里中は聞いてきた。

「んーまあね。」

「あんたのタイプじゃないと思ってたけどね、私は。」

「あはは、なんだそれ、嫉妬?」

「バカいうな。私はあんたみたいなのが一番タイプじゃないの知ってんでしょ?」

里中は口元は笑っているけど、目は笑っていない。
明らかにいらいらしてるのがわかる。

わかりやすい。
俺だって敵意むき出しのやつなんか好きじゃない。

「いうじゃん。」

「水樹より、聞きたいことあんだけど。」

「・・・なに。」

「なんでまたあんた曽根川先輩とつるんでるわけ?」

「・・・なんか悪いわけ?」

「先輩のライブになんでいくのよ!頭おかしいんじゃないの?」

「お前には関係ないでしょ。」

「あんたが中学の時したことわかってんの?!なんでまた、」

「あれは俺じゃないって何度言ったらわかるの?」

「・・・あれは事故なんかじゃない、絶対。」

「おまえさ、」

「じゃあなんで今更曽根川先輩にかかわろうとすんの?」

「それは別にお前に話すことじゃないでしょ。」

「塩川先輩が死んだのは事故だとは思ってないわ。」

「・・・・・お前本当にしつこいね。関係ないやつが。いちいち。」

「・・・私だって嫌だけど、あんた見てると気持ち悪くなんだよ。」

先生が入ってくる。
それ以上問い詰めることができない。
何事もなく業礼をする彼を睨みつけていた。

あの時からこのすました顔は変わっていない。
あの時から。






posted by れな。 at 03:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
検索
リンク集♪↓↓
タグクラウド
三代目  岩田剛典 小松奈菜 サスペンス 小説 映画化
プロフィール
れな。さんの画像
れな。
プロフィール
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。