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2016年02月29日

ガンと遺伝子

遺伝子は変えられる!
「ガンはどうしてできるのか?」で記したように、ガンは遺伝子が傷つき正常に機能しなくなることが発端です。遺伝子というと、「持って生まれた宿命」のようにイメージされる方も多いでしょう。しかしほとんどのガンの場合、生まれた後の毎日の生活を積み重ねる上で傷つくことが原因となります。加齢(老化)、過労、ストレス、化学物質、紫外線、ウイルス、タバコなどが遺伝子を異常にする悪者として知られています。
では、一度傷ついた遺伝子は異常になったままで変化しないのか?というと、そうでもないようです。後天的に悪くなった遺伝子・・・ということは、また別の後天的な要因で変化(良くなる)可能性があるのです。
以下は、2008年6月26日にNikkei Netいきいき健康に掲載された『生活習慣の改善が癌(がん)遺伝子を変える』というタイトルの記事からの抜粋です。(原文は2008年6月17日/HealthDay News)
「過去の疫学的研究から、植物性の低脂肪食を多く摂る地域では前立腺癌の発症率が有意に低いことがわかっていた。Ornish氏らはまず、食事と生活習慣を変えることによって、早期前立腺癌患者のPSA(前立腺特異抗原)が減少するかどうかを検討した。2005年9月、同氏らは生活習慣の改善により早期前立腺癌の男性のPSA値が4%低下したのに対して、対照群では6%増大したと報告した。
今回の研究は、この変化の背景にあるメカニズムを解明しようとデザインされたもの。被験者は早期前立腺癌と診断された男性30人で、大部分が白人であり(84%)、平均年齢は62.3歳、平均PSA値は4.8ng(ナノグラム)/ml(一般に、4.0ng/ml以下が正常とされる)、グリソン(Gleason)スコア(癌の重症度を示す別の指標)は平均6であった。いずれの被験者も外科手術、ホルモン療法ないし放射線療法を拒否しており、腫瘍は定期的に監視されていた。
生活改善はまず3日間の宿泊治療を行い、その後、毎週の電話相談および週1時間のグループサポート集会を実施。被験者には脂肪由来のカロリーを10%含む植物性食品主体の食事を摂るよう指導したほか、1日30分、週6日のウォーキング、1日60分のストレス管理を実施するよう指示。さらに、大豆製品、魚油3g、ビタミンE100単位、セレン200mg、ビタミンC 2gを毎日摂取させた。
3カ月後に採取した検体の遺伝子発現をベースライン(研究開始時)検体と比較した結果、500を超える遺伝子に好ましい変化がみられることが判明。「年齢が若く、疾患が軽度であるほど大きな改善がみられるようだが、遵守(adherence)状況による影響に比べれば年齢や重症度の影響は小さかった」とOrnish氏はいう。この知見から、健康のために生活習慣を改めるのに遅すぎることはないことが示されたといえる」
一部の専門家は、遺伝子の変化がガンのリスクの直結するかどうかは今後の検討課題であるとコメントしていますが、研究を率いた米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)予防医学研究所長のDean Ornish博士は「人はよく『遺伝子がすべて。自分にできることは何もない』などと言うが、実際にはできることがたくさんある」と述べています。
筑波大学名誉教授で遺伝子研究の第一人者 村上和夫さんは(著書はこちら)、人の遺伝子は97%眠っていて、スイッチのようにONにもOFFにもなると唱えています。遺伝子を変化させる要因としては、心の持ち方、食生活(栄養素)、ストレス(ストレスは悪作用ばかりではありません)、環境などを上げています。
つまり日常のシンプルなことで、人は変化できるのです!
◆生命科学の進歩によって、後天的に傷ついた遺伝子を検査できるようにもなりました。通常の検査では判らないレベル、段階でのガンのリスクが察知できます。このような検査を利用すれば、ガンの発生リスクだけでなく、現在受けている治療の効果、再発の危険性、生活習慣改善の効果などが遺伝子レベルで確認できます。


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ガン幹細胞




がんファミリーの親分!
通常の細胞一つ一つには寿命があり、一生を終えた細胞の替わりにまた新たな細胞が産声を上げます。髪の毛や皮膚や内臓などの人体の各部位は、同じ細胞を再生し、世代交代をしながら生命活動を営んでいきます。
この再生のための鍵となるのが「幹細胞(かんさいぼう)」です。それぞれの細胞の種類ごとに、細胞グループの親玉のような幹細胞があり、いわば同じ種類の子孫を作っていく。幹細胞からできた通常の細胞は、仲間を増やすため一定の分裂を繰り返すとそこで死滅します。
ところが、幹細胞は無限に自己をコピーし増やしていく能力(分化能力)を持っています。(さすがに幹細胞も年齢を重ねるに従って分化能力が衰えるらしい・・・老化?) ここまで読まれてお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、この性質はガン細胞に似ています。東京大学大学院医学系研究科によれば、ガンにも幹細胞の存在が確認されているものがあるそうです。やはり、遺伝子の異常などが原因のようです。
手術、抗ガン剤、放射線で一般的なガン細胞を殺しても、もし再生の中心となるガン幹細胞が残っていれば、治療の成果は一時的でしかない。しかも、分化能力の高いガン幹細胞は、抗ガン剤や放射線をうまくかわしてダメージを受けにくい性質があります。人体の中でも幹細胞は重要な細胞であるため、防御能力が高い構造になっていると考えられています。放射線への抵抗性、抗ガン剤への耐性が強いので、ガン幹細胞は堅固な要塞のようです。
遺伝子治療などで、ガン幹細胞を正常な幹細胞に戻すことができれば、ガン治療の福音となるでしょう。


【追記】
《人工ガン幹細胞を用いたガンの仕組みの解明》
骨肉腫、白血病、神経膠腫(グリオーマ)などの幹細胞を人工的に作製し、それらをマウスに移植してガンのメカニズムを探る研究が行われている。移植したガン幹細胞において活発に働いている遺伝子を特定、ガン幹細胞が生存するための仕組み、ガン幹細胞の変性などを観察することで、より効果的な治療薬の開発に活かそうとしている。(2010年12月)





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テロメア

細胞の一生を計る時計
テロメアは、「命のろうそく」という怪奇っぽい別称もあります。
細胞の核にある遺伝子情報が記されたDNA(デオキシリボ核酸)という鎖の端っこに付いています。一つの細胞が分裂して二つの細胞になる際、DNAをまったく同じようにコピーするわけですが、端っこのテロメアだけはコピーの度に短くなっていきます。この現象はDNAをコピーするための酵素がテロメア部分には取り付くことができないからだと考えられています。
テロメアは分裂するごとに短くなりますが、ある長さになると細胞分裂して増殖するという活動を中止します。あたかも一種の「生物時計」のようです。テロメアが短くなることで染色体が不安定なまま分裂を続けると、発がんなど生体に危険をもたらすので、それを回避しようとして細胞分裂を停止させます。いわばひとつの生体防御メカニズムであり、テロメアの短縮はアポトーシス(細胞の自然死)機能とも考えられます。
これに対し、ガン細胞の場合は、テロメラーゼという酵素がテロメアを修復伸長再生してしまう現象が起こります。正常細胞では、テロメラーゼは働かないのですが、ガン細胞の多くはテロメラーゼの活性がみられます。そのため、ガン細胞はアポトーシスせず分裂増殖を継続してしまうのです。
テロメラーゼには、ヒトテロメラーゼRNA(HTER)やヒトテロメラーゼ逆転写酵素(HTERT)があります。ガン細胞内では、おもにヒトテロメラーゼ逆転写酵素(HTERT)によってテロメアの複製が行われると考えられています。
ガン遺伝子治療の中には、ガン特有のHTERTを利用してガン細胞の細胞周期を遮断する技術があります。







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低体温・低酸素とガン

体内環境が悪化するなかで、生き延びるためにガンにならざるを得なかった!
「免疫革命」で免疫の第一人者と知られるようになった安保徹教授によれば、ガンは生活の仕方を間違えて20億年くらい前の体内環境になってしまったものだからしょうがなく発生している、ということらしい。また、「体を温めると病気は治る」の著者 石原結實先生も、東洋医学的な見地から、毎日の生活の積み重ねで汚れた血液を一ヶ所に集めたのがガンだ。ガンは体の中をきれいにしなきゃ、という生きるための反応だ、と言っています。
人間の細胞はエネルギーを生成して生命活動を営むのですが、それには2通りの方法があります。「解糖系(かいとうけい)」と「電子伝達系」です。エネルギーというのは、一般に酸素と栄養(糖)を素に代謝酵素などの助けを得て作られます。核にミトコンドリアを持つ人間の細胞は、通常、電子伝達系という酸素とグルコース(糖)を使い体温の高い環境で、ゆったりとエネルギーを作ります。
一方、分裂が活発な細胞は低体温で低酸素状態でエネルギーが作れる解糖系でも生命活動が行えます。解糖系は原始的な代謝経路と呼ばれています。解糖系の特徴は、低体温・低(無)酸素でグルコース(糖)をたくさん必要とします。

安保教授によれば、日常生活の積み重ねでできたこのような苦しい体内環境下で生き延びるために、細胞がガンに変異している・・・つまり一種の体内の劣悪な環境への適応だと。
長時間労働、持続した悩み・怒り、体を冷やすこと、目の酷使、夜勤、睡眠不足などで交感神経が緊張した状態が続くと血流が悪くなって、低体温・低酸素が起きる。そこに現代の飽食・・・食べ過ぎ(中にはストレス解消のため=副交感神経に切り替えるため:カロリーオーバー・糖分のたかいもの)が加われば、ガンが登場せざるを得ない、というわけです。








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夜間勤務・昼夜逆転生活とガン

人間は夜行性ではない!
世間にはやたら夜に強い!というい人もいますが、私は朝方人間で夜遅くまで
起きてるのはからっきしダメです。本来、人間は夜行性ではないので、
それはまあ理に適っていることなのでいいのでしょう。
昼間活動して、夜は休息をする。このリズムは、人体の生命活動の基本です。
自律神経、ホルモン、免疫など体の機能や防衛に関わるシステムは、
このリズムが乱れることで崩れてしまいます。
イタリアの研究では、スチワーデスはガン発症リスクが高いという発表が
ありました。全ガン種で11%の発症リスク増。とくに黒色腫(皮膚の悪性腫瘍)と乳ガンで高くそれぞれ115%、40%です。
また、発ガンリスクを評価する世界保健機関(WHO)所属組織である
国際癌研究機関(IARC)は、夜間勤務を「発癌性がおそらくある因子
(probable carcinogen)」として登録するとしています。
動物実験では、夜間の活動時間に光に曝露したラットでガンの発症率が
高いことが示されています。

また人の疫学調査では、夜勤のある看護師やスチュワーデスなどで
乳ガンの発症リスクが高くなっています。他にも、前立腺ガン、大腸ガン(結腸)でリスクが増大すると報告されています。
スチュワーデスという職種の場合は、DNAを傷つける宇宙放射線を多く浴びるという問題もありますが、夜間勤務によるガンのリスク増加にはメラトニンという
脳内ホルモンが影響しているようです。
メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンです。
昼夜のリズム(覚醒と睡眠)をコントロールするホルモンとして知られています。
近年の研究では、メラトニンはガン化の要因でもある活性酸素を消去したり、
免疫力を活性化する作用のあることがわかってきました。
研究者たちは、メラトニンが夜間に光を浴びることで産生量、分泌量が減り、
ガン発症を抑制する力が低下したのではないかと推測しています。
また、自律神経や免疫系のバランスが乱れることで、十分なガン抑制
としての免疫能が働かなくなることも考えられます。
伝統的な中国医学(漢方)の考え方でも、
昼は「陽」で活動(エネルギーを消費する)の時間帯、
夜は「陰」で休息(エネルギーを充電する)の時間帯,
としています。

同じ睡眠時間でも、昼に寝るのと夜に寝るのでは休息の質に差がでて、
十分にエネルギーを充電できません。この状態が続くと、体力の赤字状態に
なり、人体の働きが狂うと考えるのです。
便利な生活と、人体にとって自然である生活はちがうのですね。






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化学物質・農薬とガン

発ガン性物質と認められている化学物質は、ほんの一握り!
「元毒物屋」と自称される中山栄基(なかやまえいき)さんは、現在は化学物質の毒消しの研究者に転身し生物ミネラルなどを開発しています。
中山さんは、長年化学物質の毒性を試験する仕事に携わるうち、そのあまりの危険性に恐ろしくなったそうです。「いわば化学物質の毒でガンをつくるプロ」だった人が、「毒消し」に挑戦するようになったのです。
中山さんによれば、基本的に化学物質は毒物だと認識したほうがいいようです。世の中にある化学物質は、500万種類を下りません。とくにこの100年間で、化学物質の数は急速に増えました。便利な生活を追求した結果でしょう。
化学物質の代表は薬品です。医薬品だけでなく、工業薬品(工業製品の製造時に使われる)も含まれます。その他には、食品添加物、食品容器類、化粧品、消毒・殺菌剤、殺虫剤、合成の洗剤・洗浄剤、化学繊維、プラスチック類、染料、顔料、溶剤、接着剤など列挙したらキリがないほどです。毎日私たちが体内にいれる食べ物でいえば、農薬・除草剤、畜産や養殖に使われる肥料にも含まれています。
農薬で問題となるのは作物を栽培する段階での使用以上に、収穫後大量に
散布されることです。(ポストハーベスト問題) 出荷され消費者の手に届く間、
農産物が傷まないようにするために、害虫駆除やカビ防止の薬剤がたっぷり
使用されます。そう意味では、一般的に海外からの農作物ほど危険な処理が
施されています。
そしてこの500万種という膨大な化学物質の毒性検証が、ほとんど手つかず
という実態にも目を向けなければなりません。毒性検査が終わっているものは
ざっと2%程度10万種に過ぎません。さらに、人体への障害が顕著なため
使用禁止物質となっているのは、たった100種類程度です。
発ガン性物質の検証に関しても、対応の遅れは大きな問題です。
WHO(世界保健機構)の外部組織IARC(International Agency for Research on Cancer:国際がん研究機関)は、発ガンのメカニズム、疫学、予防を研究しています。IARCは、化学物質、放射線やウイルスなどの発ガン危険度を評価し
下記のような分類で公表しています。
グループ1:発ガン性がある
グループ2A:おそらく発ガン性がある
グループ2B:発ガン性があるかもしれない
グループ3:発ガン性を分類できない
グループ4:おそらく発ガン性はない

*IARCの発ガンリスト
発ガン物質(発ガン性がある)として登録されるには非常に厳しい審査があります。臨床データ(人間での実験)で発ガン性を認められないと、「発ガン物質」として登録されません。動物実験で発ガン性が確認されても、その段階ではまだ「疑わしい」であって認定扱いにはなりません。

また、実験数も年間100物質ほどしか手が回らない状況のようで、このペースでは10年経っても今より1,000件しか検証できない勘定になります。

細胞内に入り込み、遺伝子を傷つけることで発ガンさせてしまう化学物質は、まだまだたくさんあるということです。
化学物質漬けになっている私たちの体は、侵入してきた化学物質から必死に体を守ろうと日夜奮闘してくれています。それでも次から次へと化学物質が入ってくれば、処理能力が限界をこえてしまいます。

したがって、体内に入れない工夫もしなければなりません。毎日の食生活では残留農薬や食品添加物たっぷりの食べ物は減らしていきたいものです。
◆有害物質から身を守る「堀田式解毒野菜スープ(堀田医院 堀田忠弘先生考案)」の記事はこちら!









ガン・・・運動不足・肥満・糖尿病・高GI食

生活習慣病というのは、人間という生き物本来の姿を失ったときに発生する・・・ようです
この4つのテーマとガンの関係は個々に研究されています。しかしながら、どうも同じカテゴリーとして考えていいように思います。
それぞれのテーマに関する記事を取り上げてみます。
■癌(がん)克服後の生存者の多くが肥満かつ運動不足 2008年5月1日 nikkinet
癌(がん)を克服した生存者の肥満および運動不足の比率は、一般集団と同程度であることが明らかにされ、医学誌「Cancer」6月1日号に掲載された。
カナダ、アルバータ大学(エドモントン)教授のKerry Courneya氏は「癌の診断や治療は、行動を改めるきっかけとはならないようだ」と述べている。癌生存者にとっては、標準体重を維持し、定期的に運動をする健康的な生活習慣が一般の人以上に重要であるとされる。いくつかの研究では、運動と減量が癌の再発予防および生存率の向上に有効と示されているほか、運動が疲労感の軽減、身体機能の改善および生活の質(QOL)の向上に有効であることも示されている。
今回の研究では、11万4,000人強のカナダ人を対象として面接により情報を集めた「カナダ地域健康調査(Canadian Community Health Survey)」のデータを活用。カナダの一般集団の統計では、37%が過体重(overweight)、22%が肥満(obese)であるとされている。癌生存者では、運動をしていると回答したのは22%未満で、大腸癌(直腸結腸癌)、乳癌の生存者およびメラノーマ(黒色腫)の女性生存者は特に運動する人の比率が低かった。癌生存者の34%が過体重であり、約5人に1人が肥満であった。肥満の乳癌生存者で運動をする人は、癌の経験のない肥満女性の約半分であった。乳癌の予後の悪さは、肥満および座りがちな(sedentary)生活習慣に関連しており、この知見は非常に懸念すべき問題である。
Courneya氏は「どういう結果が出るかは、全く不明だった。癌の診断は生活を変える動機付けとなるのではとも考えたのだが、極めてストレスの大きい時期でもあり、その負担が逆の効果をもたらす可能性があると指摘する人もいる」と述べている。
米国癌協会(ACS)のKevin Stein氏は、癌生存者が健康に注意する必要があることを強調する重要な知見で、診断を受けたときが指導に適した時期であり、「誰にでも健康な食生活と運動が必要だが、癌生存者にとっては特に重要である」と伝える絶好の機会だと述べている。Courneya氏は、癌に関わる専門家の間(集団)で診断後の生活習慣改善の重要性についての認識が遅れており、彼らが癌患者の健康的な生活習慣の促進にもっと関与する必要があると指摘している。

■糖尿病 がんとの関連性 2008年9月2日 毎日新聞
一部のがんの発生には生活習慣が密接に関連していることが、最近のさまざまな調査や研究から明らかとなってきました。例えば、喫煙は肺がん、喉頭(こうとう)がんの危険因子とされていますし、飲酒は食道がん、肝臓がんなどの危険因子です。
また、内臓脂肪性肥満の方は大腸がんのリスクが高いとする研究もあります。こういったことから、最近ではある種のがんは一種の生活習慣病であるとも言われています。
一方で、糖尿病の方は、そうでない方よりもがんになるリスクが高いと言われています。糖尿病の男性のほうが女性よりもややリスクは高く、男性では大腸がん、すい臓がん、また、最近の研究では肺がん、肝臓がん、腎臓がんなど、女性では、胃がん、肝臓がんなどのリスクが高くなると言われています。
糖尿病の方では、インスリンの効きにくい状態(インスリン抵抗性)があって、血液中のインスリンの量が多くなる場合があります。インスリンには細胞の増殖を促す作用があるため、多くなったインスリンががんの発生、成長を促しているという可能性があります。
また、内臓脂肪蓄積などの因子ががんの発生、糖尿病の発病の共通した原因になっているとする考え方もあり、糖尿病とがんの合併が多い理由についてはまだ解明されていません。
喫煙、肥満、運動不足などの多くの生活習慣病に共通の危険因子を改善していくことががんの予防にも重要と考えられます。
糖尿病の患者さんも胸や胃のX線検査、腹部の超音波検査などの定期健康診断を受けて、がんの早期発見を心掛ける必要があります。(大阪府立成人病センター臨床検査科部長、山崎知行)

■GI値とガンの関連
・イタリアの研究グループが、既存の39本の論文をメタアナリシス(統計処理)をかけた結果、GI値とガンの関連性があるという結果が出た。(『American Journal of Clinical Nutrition』2008年6月号)

運動不足・肥満・糖尿病・高GI食は、最近健康管理のキーワードになっているメタボリックシンドロームの温床でもありますが、ガンにも影響するようです。
運動不足で筋肉を使うことが少なければ、血流の悪化・代謝の低下を起こし低体温・低酸素を招きます。
GIは「グリセミック・インデックス」といい、ブドウ糖を100としたとき、食べ物の血糖の上がりやすさを数値で表します。70以上が高GI、70〜60が中GI、60以下が低GI。ガン細胞が活発に増えるためのエネルギー源はブドウ糖です。正常細胞より30〜50%も多くブドウ糖を必要とします。PET検査も、このガンがブドウ糖を好む性質を利用しています。食後に血糖がグンと上昇する食品(高GI食)は要注意です。





【参考 食べ物のGI値】
■米穀類
もち:85 精白米:84 赤飯:77 胚芽精米:70 玄米フレーク:65 玄米(五分つき):58 玄米:56 玄米粥:47
■パン
あんぱん:95 フランスパン:93 食パン:91 ライ麦パン:58 全粒粉パン:50
■麺類・パスタ
ビーフン:88 うどん(生):80 インスタントラーメン:73 マカロニ:71 
スパゲッティ:65中華麺:61 そば(生):59
■根菜類
じゃがいも:90 にんじん:80 やまいも:75 とうもろこし:70 さといも:64 
かぼちゃ:53 ごぼう:45 れんこん:38 玉ねぎ:30 えのき:29 しいたけ:28 おくら:28 長ネギ:28 しめじ:27 キャベツ:26 大根:26 ピーマン:26 
こんにゃく:24 白菜:23 ほうれん草:15
■海藻類
ひじき:19 こんぶ:17 ワカメ:16 もずく:12
■果物
いちごジャム:82 パイナップル:65 すいか:60 バナナ:55 巨峰:50 
メロン:41 柿:37 りんご:36 みかん:33 なし:32 オレンジ:31 
■お菓子
キャンディー:108 どら焼き:95 チョコレート:91 せんべい:89 大福:88 
ドーナツ:86 かりんとう:84 ショートケーキ:82 クッキー:77
■糖類
グラニュー糖:110 氷砂糖:110 上白糖:109 三温糖:108 黒砂糖:99
はちみつ:88

*但し、低GI食でも食べ過ぎは禁物。また、食後血糖の上がり方は個人差があります。GI値はあくまで目安です。
*食物繊維の摂取でGI値は下げられる。

結局、運動不足・肥満・糖尿病・高GI食は、ガン細胞が生きやすい体内環境にしてしまうということでしょう。










ガン細胞 エスケープ現象

免疫細胞の攻撃から巧妙に逃れる
(2015年8月 記事更新)
細胞というのは、その中身の情報を細胞表面(細胞膜)に表すという特性を持っています。遺伝子情報(体をつくり機能させる設計図)によって細胞内にどのようなタンパクが生成されたかを、いわば看板を掲げて合図するのです。
これは原則、正常細胞もガン細胞も同じです。ガン細胞は遺伝子が変異しているので、正常細胞とは異なる看板(タンパク)が発現します。このタンパクを免疫細胞のセンサーは察知して、異物と認識し攻撃排除を仕掛けます。ガンの細胞膜に穴を開けて、殲滅します。CTL(細胞障害性T細胞)などは、直接ガン細胞の表面に触れて見分ける能力を持っています。
ところが敵もさる者・・・ガン細胞は免疫細胞の攻撃から逃れるための巧妙なめくらましの術を備えています。これは「ガン細胞の免疫エスケープ現象」と呼ばれています。どんな隠れ蓑を使うかというと・・・
▼めくらまし物質を出して、表面の看板をなくしツルツルにしちゃう
→免疫細胞のセンサーをかいくぐる。見分けがつかなかった免疫細胞は通り過ぎてしまう。
▼サプレッサーT細胞を呼び寄せる
→免疫細胞の一種であるサプレッサーT細胞は、免疫が暴走しないようにブレーキ役となって調整する。免疫が働きすぎても弊害を起こす(アレルギーなど)ので、制御する。ガンの場合はかなりの免疫活動を要求されるので制御する必要はないが、ガン細胞があたかも被害者のように振舞うのか、騙されて制御してしまう。

このようにガン細胞はエスケープ現象を使って、生き延びようとするのです。

【追記:2015年8月】
免疫が過度に働くと自己免疫疾患など自分自身を傷つけてしまう症状を惹き起こす。ゆえに私たち人間の免疫系は、過剰な免疫反応を抑制する機能を持っている。それが「免疫チェックポイント機能」である。ガン細胞はこの仕組みを使って、免疫から自分の身を守ることがわかってきた。

*免疫を抑制する代表的な免疫チェックポイント機能抗体「PD-1」、「CTLA4」

「PD-1」「CTLA4」と呼ばれるタンパク質は、免疫の攻撃が始まってしばらくすると攻撃を担う免疫細胞「T細胞」の表面に出現する。それがT細胞に指令を出す別の免疫細胞「抗原提示細胞」の表面にある特定のタンパク質と結合すると、攻撃中止の指令がT細胞に伝わる。また、ガン細胞自体も、PD-1と結合するタンパク質を表面に出していて、T細胞に攻撃を中止させてしまう。免疫が暴走しないように制御しているため、「免疫チェックポイント」とも呼ばれている。

免疫チェックポイント機能を阻害し免疫抑制を解除するのが「免疫チェックポイント阻害剤」である。投与によって一部のガンに有効な成績が報告されたことから、大きな注目を集めている。








ガン悪液質(癌性悪液質)

患者さんの体力・精神を消耗させる「悪液質(あくえきしつ)」とは?
「悪液質(あくえきしつ)」とは、ガンによる機能的障害が進行した病態を指します。ガン細胞からの分泌物質によって、慢性炎症、代謝異常、免疫異常、内分泌異常、脳神経異常などが生じます。これらの正常な生命活動をする機能が傷害されることで、体は衰弱し精神は消耗します。ガンが進行悪化して患者さんのQOL(生活の質)を低下させる体力的に非常に厳しい状態が「悪液質」です。
ガン患者さんが痩せて元気がなくなってくるのは、悪液質に向かっていることを示します。体重が減少するのは、《ガンの進行や抗ガン剤などのガン治療による慢性炎症》と《ガンによる栄養奪取》が考えられています。
慢性炎症は体内のどこかで常にボヤ程度の火事(癌研有明病院 比企先生談)が起こっている状態です。カゼのような軽度の病気でも、ノドやハナの炎症、発熱が続けば体力が消耗します。ガンの慢性炎症は内臓や組織でも発生する可能性があり、併せて食欲が不振になれば、ますます体力は低下します。ちょっとしたことで疲れやすくなり、気力も落ちます。
ガンによる栄養奪取は、ガンが筋肉を破壊しタン白質と糖を消費し自らのエネルギー源を補給する現象です。正常な組織のタン白質から窒素を代謝するため、患者さんはやせ衰え栄養欠損状態に陥ります。
患者さんの筋肉が減ることは、体力低下、QOL低下をもたらします。さらに抗ガン剤を分解解毒するための酵素の働きが弱まるので、副作用がひどくなることもあります。ガン患者さんの体重減少は、生存期間にも影響するという研究報告もあります。
悪液質状態を防ぐには、ガンの治療だけでなく、慢性炎症を抑制すること、筋肉減少を最小限にとどめる、などの措置が必要です。そのためには栄養素の補給(たとえば分子栄養療法)による病態の改善を、早い段階から行うことを専門医も指摘しています。
【重要!】
腸管粘膜を使わないでいると、粘膜がただれて腸内細菌や毒素が体内に侵入し炎症発生の誘因になります。(前出 比企先生談) 仮に栄養素補給を点滴だけで行い、口から飲食物を摂らずに腸管を働かせないと、慢性炎症の温床になってしまいます。
免疫面でも腸管には免疫機能が集中しています。(「腸管免疫」参照) また栄養素が体内で活性化するには正常な代謝をしなければなりません。腸管粘膜はその代謝の起点でもありますので、やはり「口から食べる飲む」という人間の基本的な栄養摂取が望まれます。ガンの進行や治療の副作用で食事が摂れなくなる状態は、患者さんの身体能力にとって危険であることが悪液質予防という面からも察せられます。








ガン細胞の足場非依存性増殖

ガン細胞は“足場”がなくても増殖できる!
ガン細胞と正常細胞の大きな違いの一つに「足場非依存性増殖(anchorage-independent growth) 」があります。私たち人間のほぼすべての細胞が、増殖する際には「足場」を必要とします。足場とは、専門用語では「細胞外マトリックス」「細胞間マトリックス」「細胞外基質」などを指します。細胞と細胞の間を埋める物質で、接着剤的役割を務めます。コラーゲン、プロテオグリカン、フィブロネクチンやラミニンといった糖タンパク質などが主な成分です。
正常な細胞は細胞同士や細胞外マトリックスとの「細胞接着」状態で安定して存在できます。そしてその接着した“足場”を文字通り足がかりにして細胞増殖(コピー)をすることが可能になります。足場の別の役割には細胞増殖に関わる物質が保持されていまあす。
ところが、ガン細胞は増殖に際して足場を必要としません。イメージとして浮いたような宙ぶらりん状態でも平気で増殖できます。「おいらには一人で増える能力があるから、あんたらの手助けは要らねえよ」といった感じです。この能力が「足場非依存性増殖」です。足場非依存性増殖のメカニズムは、ガンの浸潤や転移に関係するとみられ研究が重ねられています。
正常細胞は足場を除かれると、細胞周期のG1期に停止し自然死(アポトーシス)に至ります。従って、ガン細胞が持つ足場非依存性増殖能力を失わせてしまえば、正常細胞と同
じように増殖が止まりアポトーシスする可能性があるのです。すでにいくつかの足場非依存性増殖に関与する遺伝子が発見されています。これらの遺伝子に着目し、足場非依存性増殖に関与する遺伝子を操作する治療の開発が研究されています。(CDC6遺伝子治療など)












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