2016年02月29日
ガン・・・運動不足・肥満・糖尿病・高GI食
生活習慣病というのは、人間という生き物本来の姿を失ったときに発生する・・・ようです
この4つのテーマとガンの関係は個々に研究されています。しかしながら、どうも同じカテゴリーとして考えていいように思います。
それぞれのテーマに関する記事を取り上げてみます。
■癌(がん)克服後の生存者の多くが肥満かつ運動不足 2008年5月1日 nikkinet
癌(がん)を克服した生存者の肥満および運動不足の比率は、一般集団と同程度であることが明らかにされ、医学誌「Cancer」6月1日号に掲載された。
カナダ、アルバータ大学(エドモントン)教授のKerry Courneya氏は「癌の診断や治療は、行動を改めるきっかけとはならないようだ」と述べている。癌生存者にとっては、標準体重を維持し、定期的に運動をする健康的な生活習慣が一般の人以上に重要であるとされる。いくつかの研究では、運動と減量が癌の再発予防および生存率の向上に有効と示されているほか、運動が疲労感の軽減、身体機能の改善および生活の質(QOL)の向上に有効であることも示されている。
今回の研究では、11万4,000人強のカナダ人を対象として面接により情報を集めた「カナダ地域健康調査(Canadian Community Health Survey)」のデータを活用。カナダの一般集団の統計では、37%が過体重(overweight)、22%が肥満(obese)であるとされている。癌生存者では、運動をしていると回答したのは22%未満で、大腸癌(直腸結腸癌)、乳癌の生存者およびメラノーマ(黒色腫)の女性生存者は特に運動する人の比率が低かった。癌生存者の34%が過体重であり、約5人に1人が肥満であった。肥満の乳癌生存者で運動をする人は、癌の経験のない肥満女性の約半分であった。乳癌の予後の悪さは、肥満および座りがちな(sedentary)生活習慣に関連しており、この知見は非常に懸念すべき問題である。
Courneya氏は「どういう結果が出るかは、全く不明だった。癌の診断は生活を変える動機付けとなるのではとも考えたのだが、極めてストレスの大きい時期でもあり、その負担が逆の効果をもたらす可能性があると指摘する人もいる」と述べている。
米国癌協会(ACS)のKevin Stein氏は、癌生存者が健康に注意する必要があることを強調する重要な知見で、診断を受けたときが指導に適した時期であり、「誰にでも健康な食生活と運動が必要だが、癌生存者にとっては特に重要である」と伝える絶好の機会だと述べている。Courneya氏は、癌に関わる専門家の間(集団)で診断後の生活習慣改善の重要性についての認識が遅れており、彼らが癌患者の健康的な生活習慣の促進にもっと関与する必要があると指摘している。
■糖尿病 がんとの関連性 2008年9月2日 毎日新聞
一部のがんの発生には生活習慣が密接に関連していることが、最近のさまざまな調査や研究から明らかとなってきました。例えば、喫煙は肺がん、喉頭(こうとう)がんの危険因子とされていますし、飲酒は食道がん、肝臓がんなどの危険因子です。
また、内臓脂肪性肥満の方は大腸がんのリスクが高いとする研究もあります。こういったことから、最近ではある種のがんは一種の生活習慣病であるとも言われています。
一方で、糖尿病の方は、そうでない方よりもがんになるリスクが高いと言われています。糖尿病の男性のほうが女性よりもややリスクは高く、男性では大腸がん、すい臓がん、また、最近の研究では肺がん、肝臓がん、腎臓がんなど、女性では、胃がん、肝臓がんなどのリスクが高くなると言われています。
糖尿病の方では、インスリンの効きにくい状態(インスリン抵抗性)があって、血液中のインスリンの量が多くなる場合があります。インスリンには細胞の増殖を促す作用があるため、多くなったインスリンががんの発生、成長を促しているという可能性があります。
また、内臓脂肪蓄積などの因子ががんの発生、糖尿病の発病の共通した原因になっているとする考え方もあり、糖尿病とがんの合併が多い理由についてはまだ解明されていません。
喫煙、肥満、運動不足などの多くの生活習慣病に共通の危険因子を改善していくことががんの予防にも重要と考えられます。
糖尿病の患者さんも胸や胃のX線検査、腹部の超音波検査などの定期健康診断を受けて、がんの早期発見を心掛ける必要があります。(大阪府立成人病センター臨床検査科部長、山崎知行)
■GI値とガンの関連
・イタリアの研究グループが、既存の39本の論文をメタアナリシス(統計処理)をかけた結果、GI値とガンの関連性があるという結果が出た。(『American Journal of Clinical Nutrition』2008年6月号)
運動不足・肥満・糖尿病・高GI食は、最近健康管理のキーワードになっているメタボリックシンドロームの温床でもありますが、ガンにも影響するようです。
運動不足で筋肉を使うことが少なければ、血流の悪化・代謝の低下を起こし低体温・低酸素を招きます。
GIは「グリセミック・インデックス」といい、ブドウ糖を100としたとき、食べ物の血糖の上がりやすさを数値で表します。70以上が高GI、70〜60が中GI、60以下が低GI。ガン細胞が活発に増えるためのエネルギー源はブドウ糖です。正常細胞より30〜50%も多くブドウ糖を必要とします。PET検査も、このガンがブドウ糖を好む性質を利用しています。食後に血糖がグンと上昇する食品(高GI食)は要注意です。
【参考 食べ物のGI値】
■米穀類
もち:85 精白米:84 赤飯:77 胚芽精米:70 玄米フレーク:65 玄米(五分つき):58 玄米:56 玄米粥:47
■パン
あんぱん:95 フランスパン:93 食パン:91 ライ麦パン:58 全粒粉パン:50
■麺類・パスタ
ビーフン:88 うどん(生):80 インスタントラーメン:73 マカロニ:71
スパゲッティ:65中華麺:61 そば(生):59
■根菜類
じゃがいも:90 にんじん:80 やまいも:75 とうもろこし:70 さといも:64
かぼちゃ:53 ごぼう:45 れんこん:38 玉ねぎ:30 えのき:29 しいたけ:28 おくら:28 長ネギ:28 しめじ:27 キャベツ:26 大根:26 ピーマン:26
こんにゃく:24 白菜:23 ほうれん草:15
■海藻類
ひじき:19 こんぶ:17 ワカメ:16 もずく:12
■果物
いちごジャム:82 パイナップル:65 すいか:60 バナナ:55 巨峰:50
メロン:41 柿:37 りんご:36 みかん:33 なし:32 オレンジ:31
■お菓子
キャンディー:108 どら焼き:95 チョコレート:91 せんべい:89 大福:88
ドーナツ:86 かりんとう:84 ショートケーキ:82 クッキー:77
■糖類
グラニュー糖:110 氷砂糖:110 上白糖:109 三温糖:108 黒砂糖:99
はちみつ:88
*但し、低GI食でも食べ過ぎは禁物。また、食後血糖の上がり方は個人差があります。GI値はあくまで目安です。
*食物繊維の摂取でGI値は下げられる。
結局、運動不足・肥満・糖尿病・高GI食は、ガン細胞が生きやすい体内環境にしてしまうということでしょう。
この4つのテーマとガンの関係は個々に研究されています。しかしながら、どうも同じカテゴリーとして考えていいように思います。
それぞれのテーマに関する記事を取り上げてみます。
■癌(がん)克服後の生存者の多くが肥満かつ運動不足 2008年5月1日 nikkinet
癌(がん)を克服した生存者の肥満および運動不足の比率は、一般集団と同程度であることが明らかにされ、医学誌「Cancer」6月1日号に掲載された。
カナダ、アルバータ大学(エドモントン)教授のKerry Courneya氏は「癌の診断や治療は、行動を改めるきっかけとはならないようだ」と述べている。癌生存者にとっては、標準体重を維持し、定期的に運動をする健康的な生活習慣が一般の人以上に重要であるとされる。いくつかの研究では、運動と減量が癌の再発予防および生存率の向上に有効と示されているほか、運動が疲労感の軽減、身体機能の改善および生活の質(QOL)の向上に有効であることも示されている。
今回の研究では、11万4,000人強のカナダ人を対象として面接により情報を集めた「カナダ地域健康調査(Canadian Community Health Survey)」のデータを活用。カナダの一般集団の統計では、37%が過体重(overweight)、22%が肥満(obese)であるとされている。癌生存者では、運動をしていると回答したのは22%未満で、大腸癌(直腸結腸癌)、乳癌の生存者およびメラノーマ(黒色腫)の女性生存者は特に運動する人の比率が低かった。癌生存者の34%が過体重であり、約5人に1人が肥満であった。肥満の乳癌生存者で運動をする人は、癌の経験のない肥満女性の約半分であった。乳癌の予後の悪さは、肥満および座りがちな(sedentary)生活習慣に関連しており、この知見は非常に懸念すべき問題である。
Courneya氏は「どういう結果が出るかは、全く不明だった。癌の診断は生活を変える動機付けとなるのではとも考えたのだが、極めてストレスの大きい時期でもあり、その負担が逆の効果をもたらす可能性があると指摘する人もいる」と述べている。
米国癌協会(ACS)のKevin Stein氏は、癌生存者が健康に注意する必要があることを強調する重要な知見で、診断を受けたときが指導に適した時期であり、「誰にでも健康な食生活と運動が必要だが、癌生存者にとっては特に重要である」と伝える絶好の機会だと述べている。Courneya氏は、癌に関わる専門家の間(集団)で診断後の生活習慣改善の重要性についての認識が遅れており、彼らが癌患者の健康的な生活習慣の促進にもっと関与する必要があると指摘している。
■糖尿病 がんとの関連性 2008年9月2日 毎日新聞
一部のがんの発生には生活習慣が密接に関連していることが、最近のさまざまな調査や研究から明らかとなってきました。例えば、喫煙は肺がん、喉頭(こうとう)がんの危険因子とされていますし、飲酒は食道がん、肝臓がんなどの危険因子です。
また、内臓脂肪性肥満の方は大腸がんのリスクが高いとする研究もあります。こういったことから、最近ではある種のがんは一種の生活習慣病であるとも言われています。
一方で、糖尿病の方は、そうでない方よりもがんになるリスクが高いと言われています。糖尿病の男性のほうが女性よりもややリスクは高く、男性では大腸がん、すい臓がん、また、最近の研究では肺がん、肝臓がん、腎臓がんなど、女性では、胃がん、肝臓がんなどのリスクが高くなると言われています。
糖尿病の方では、インスリンの効きにくい状態(インスリン抵抗性)があって、血液中のインスリンの量が多くなる場合があります。インスリンには細胞の増殖を促す作用があるため、多くなったインスリンががんの発生、成長を促しているという可能性があります。
また、内臓脂肪蓄積などの因子ががんの発生、糖尿病の発病の共通した原因になっているとする考え方もあり、糖尿病とがんの合併が多い理由についてはまだ解明されていません。
喫煙、肥満、運動不足などの多くの生活習慣病に共通の危険因子を改善していくことががんの予防にも重要と考えられます。
糖尿病の患者さんも胸や胃のX線検査、腹部の超音波検査などの定期健康診断を受けて、がんの早期発見を心掛ける必要があります。(大阪府立成人病センター臨床検査科部長、山崎知行)
■GI値とガンの関連
・イタリアの研究グループが、既存の39本の論文をメタアナリシス(統計処理)をかけた結果、GI値とガンの関連性があるという結果が出た。(『American Journal of Clinical Nutrition』2008年6月号)
運動不足・肥満・糖尿病・高GI食は、最近健康管理のキーワードになっているメタボリックシンドロームの温床でもありますが、ガンにも影響するようです。
運動不足で筋肉を使うことが少なければ、血流の悪化・代謝の低下を起こし低体温・低酸素を招きます。
GIは「グリセミック・インデックス」といい、ブドウ糖を100としたとき、食べ物の血糖の上がりやすさを数値で表します。70以上が高GI、70〜60が中GI、60以下が低GI。ガン細胞が活発に増えるためのエネルギー源はブドウ糖です。正常細胞より30〜50%も多くブドウ糖を必要とします。PET検査も、このガンがブドウ糖を好む性質を利用しています。食後に血糖がグンと上昇する食品(高GI食)は要注意です。
【参考 食べ物のGI値】
■米穀類
もち:85 精白米:84 赤飯:77 胚芽精米:70 玄米フレーク:65 玄米(五分つき):58 玄米:56 玄米粥:47
■パン
あんぱん:95 フランスパン:93 食パン:91 ライ麦パン:58 全粒粉パン:50
■麺類・パスタ
ビーフン:88 うどん(生):80 インスタントラーメン:73 マカロニ:71
スパゲッティ:65中華麺:61 そば(生):59
■根菜類
じゃがいも:90 にんじん:80 やまいも:75 とうもろこし:70 さといも:64
かぼちゃ:53 ごぼう:45 れんこん:38 玉ねぎ:30 えのき:29 しいたけ:28 おくら:28 長ネギ:28 しめじ:27 キャベツ:26 大根:26 ピーマン:26
こんにゃく:24 白菜:23 ほうれん草:15
■海藻類
ひじき:19 こんぶ:17 ワカメ:16 もずく:12
■果物
いちごジャム:82 パイナップル:65 すいか:60 バナナ:55 巨峰:50
メロン:41 柿:37 りんご:36 みかん:33 なし:32 オレンジ:31
■お菓子
キャンディー:108 どら焼き:95 チョコレート:91 せんべい:89 大福:88
ドーナツ:86 かりんとう:84 ショートケーキ:82 クッキー:77
■糖類
グラニュー糖:110 氷砂糖:110 上白糖:109 三温糖:108 黒砂糖:99
はちみつ:88
*但し、低GI食でも食べ過ぎは禁物。また、食後血糖の上がり方は個人差があります。GI値はあくまで目安です。
*食物繊維の摂取でGI値は下げられる。
結局、運動不足・肥満・糖尿病・高GI食は、ガン細胞が生きやすい体内環境にしてしまうということでしょう。
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