年末に向け、景気はどうなるのでしょうか?
円安、増税、物価高、とくれば、景気の回復は期待できそうにありません。
むしろ、景気は後退・・・・?
実質賃金は、今年もマイナス・・・・?
景気が悪くなると、経営コストのかかる問題は後回しになります。
たとえば、一時話題になった「働き方改革」もそうでは・・・?
経営側からみると、企業業績が厳しくなるのに
とても「働き方改革」は無理ということになりがちです。
なぜなら、「働き方改革」は、企業側の負担を大きくするからです。
「働き方改革」は、大きく2つのテーマがあります。
図解で早わかり 最新 働き方改革法と労働法のしくみ [ 木島康雄 ] 価格:1,980円 |
1つは、「労働時間を見直す」です。
「働き過ぎを防ぐ」ことで、働く方々の健康を守り、
多様な『ワーク・ライフ・バランス』を実現できるようにする
2つ目は、雇用形態に関係なく公正な待遇の確保をする。
同一企業内における正社員と非正規社員の間にある不合理な
待遇の 差をなくし、どのような雇用形態を選択しても
「納得」できるよう にする。
いずれも、経営トップの判断で実現性が大きく変わります。
2019年頃から政府が積極的に打ち出した「働き方改革」ですが
果たしてどの程度成果があがっているのでしょうか?
水面下ではいろいろ前向きな改善がおこなわれているのでしょうが
メディアで話題になるようなか改善事例というのをあまり聞きません。
そんなとき、実に参考になる本を見つけました。
ケーズデンキ創業者・加藤さんの生涯を書いた『正しく生きる』です。
正しく生きる ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯 [ 立石 泰則 ] 価格:2,530円 |
この本の中で、ケーズデンキは「働き方改革」
に通じる経営を行っています。
長時間労働の防止については
「頑張らない経営」という方針を打ち出しています。
「社員に無用な無理をさせない。
出来もしないことを無理してやろうとしても時間と労力の無駄遣いになる。
実行できることを着実に根気よく続ける方がはるかに効率的である。
「仕入れを安くする」とか「従業員に頑張らせる」のではなく
「無理しなくても利益がでる」「真面目にやれば誰でもできる」
仕組みを作ることである。
POSシステムおよび自動発注システムの導入で
従業員の負担を減らすとともに少ない人数での
店舗運営を可能にする。」などです。
実際、ケーズデンキの店長さんは、週休2日制で
「朝一番に出社して最後に退社」ということはないようです。
もう一つは、1980年ごろの話になりますが
ケーズデンキは優秀な社員に定年まで働いてもらうため
定年の時に「ひと財産」できる自社株の持ち株制を実施しています。
全社員(男性24名、女性14名)に退社していただき
支給した退職金(勤続年数×1か月分の給料)で
自社株を買ってもらうようにしました。
その後も、配当金(2割)と賞与の範囲で増資にともなう
株を買うように勧めています。
会社の勧めにしたがい株を買った人は、
もちろん定年時に「ひと財産」をえています。
ストックオプションという言葉が
知られていないときに画期的なことを行っています。
『正しく生きる』では、ヤマダ電機・小島電機との
「北関東家電戦争=YKK戦争(コジマ・ヤマダ・ケーズデンキ)
安売り合戦」においても、ケーズデンキがどのような経営姿勢を
貫いたかが記されています。
ヤマダ電機の暴走 「年商3兆円構想」の果て [ 立石泰則 ] 価格:1,100円 |
ヤマダ電機は「1円セールでパソコン」
小島電気は「ご縁(五円で販売)商法でカラーテレビ」
などを販売したみたいです。
それに対してケーズデンキは
「安売りはしない」の方針で戦っています。
今年読んだ本の中で、一番参考になった本です。
「働き方改革」に関係する人は
ぜひ読まれたらいかがでしょうか?
テレビ局で、ケーズデンキ創業者・加藤肇さんを取り上げた
ドラマを制作してほしくなります。
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