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2020年05月07日

10年前のネットブックを活用する(Windows-Linux速度比較)

またまた10年前のネットブック活用検証シリーズの続きです。
今回はWindows10とLinuxのデュアルブート環境を構築したネットブックで、それぞれのOSのパフォーマンス比較を行ってみようと思います。
↓今(ここだけで)話題のネットブック FRNU507
FRNU507.png

スペックは以下のような感じです

CPU:Intel AtomN450(1.66GHz) 2コア
メモリー:2GB(元々は1GBだったが、途中で増設)
ストレージ:HDD250GB
画面解像度:1366×768ピクセル
光学ドライブ:DVDマルチドライブ
インターフェース類:SDカードリーダー、有線LAN、USB2.0ポート×3、ディスプレイポート、マイク
OS:Windows7 Starter → Windows10/VineLinux6.5デュアルブート

なお、検証時間の都合上今回の比較項目は下記3点とします
・PCの起動速度(時間計測)
・ブラウザの起動速度(時間計測)
・待機状態のメモリー使用量(システムモニター、タスクマネージャーで確認)

PCの起動速度は電源を投入し、BIOS画面が消えた時点から計測を開始し、OSが起動し、ユーザーの操作を受け付ける状態になった時点で計測終了としました。
なお、計測終了のタイミングについては以下としました
Windows10:ログイン後にWindowsキーを押し、スタートメニューが表示されるまで
VineLinux:ログイン後にメニューバーをクリックし、アプリケーションのプルダウンメニューが表示されるまで

という感じで計測したところ、下記のような結果となりました。
・Windwos10:約4分18秒
DSC_3407.JPG

・VineLinux6.5:約1分10秒
DSC_3411.JPG

という感じでVineLinuxの圧勝となりました。
ただし、Windows10については、高速起動モードを有効にすると、VineLinuxと同等レベルまで起動時間を短縮することが出来るようです。
・WIndows10(高速起動モードを有効にして再計測):約1分12秒
DSC_3410.JPG
高速起動モードとは、Windows10の起動時間を短縮するための機能です。
何をやっているかというと、シャットダウン時にパソコンのメモリー上のデバイスドライバーの常駐状態をイメージ化してディスクに格納し、次回起動にそれをイメージとして読み込むことにより、各デバイスドライバーのロード時間を短縮するという技術のようです。
メリットはデバイスドライバーの呼び出し処理が簡略化され、起動時間を短縮することが可能な事です。
逆に、デメリットは、前回シャットダウン時からデバイス構成が微妙に変化したりする場合、次回起動時にPCの動きが不安定になってしまう事がある所です。
ちなみに、この高速起動モードの不具合でWindows10のログイン画面でタッチ入力機能が有効にならない不具合を経験したことがあります。正直高速ストレージを搭載したハードではそこまで顕著に差が出ないし、SSD自体が高速なので、起動時間にそれほど不満を持つユーザーは少ないので、結構な割合のユーザーがこのモードを無効化しているという噂もあります。
今回の計測ではアクセス速度の遅いHDDドライブと速度の遅いCPUの組み合わせだったので、この高速起動モードの効果が顕著に表れたものと思われます。
ちなみにこの高速起動モードが有効になるのは、あくまでもPCをシャットダウンし、次に電源投入をする場合のみであり、再起動時はこのモードは無効化されるとの事です。
おそらくデバイスドライバーの不整合で動きがおかしくなった時、再起動で復旧することを考慮しての設計であると思われます。

という事で、次はブラウザの起動時間を計測してみました。
表示するページは世間でおなじみのYahooのトップページにしました。
デスクトップにショートカットを設け、ダブルクリックの時点で計測開始、ページの表示が完了した時点で計測終了としました。
使用ブラウザについては、Windows10はMicrosoftEdge、VineLinux6.5はfxブラウザとしました。

結果は
Windwos10:約1分8秒
DSC_3416.JPG

VineLinux6.5:約51秒
DSC_3417.JPG

という事で、VineLinuxが微妙に勝ちましたが、パソコン操作は秒単位でストレスを感じたり感じなかったりするので、10秒以上の開きはそれなりに大きいのかなと・・・

両方ともテキストベースの表示は速いのですが、そこからフラッシュのプラグインを使った広告を表示するところで手こずっているようでした。この辺りはやはりCPUパワーの不足が効いているように感じました。

最後はメモリーの占有量です。
両方とも、OSが起動完了し、常駐プログラムの起動が一通り終わってCPUが落ち着いた段階で、Windwos10はタスクマネージャー、Linuxはシステムモニターで計測してみました。

結果はというと・・・
Windwos10:1.2GB
Taskman3.png

VineLinux6.5:154MB・・・
linux_task1.png

この結果より、VineLinuxはWindowsの1/8程度しかメモリーを使用しない事が分かります。
この辺りがLinuxが軽量OSと呼ばれる所以なのでしょう。

ただし、両方ともひとたびアプリケーションを起動すると、一気にCPUが100%付近に張り付きになってしまいました。。。
Taskman2.png

linux_task2.png

特にWindowsのタスクマネージャーで注目すべき点として、CPU使用率が100%貼りつきの状態となっても、ハードディスクのアクセス負荷は非常に低いというところです。
これはこのパソコンの速度のネックがCPUであり、HDDはあまり速度に寄与していないという事を表しています。
このネットブックの場合、たとえOSが軽量でメモリーの使用率が低くてもやはりCPUのパワー不足が深刻なようです。
という事で、ここまでの結果を見る限りでは、バックグラウンドでの処理の軽さとメモリー占有の少なさからして、やはりLinuxの方に軍配が上がりそうです。
が、Linuxはプリンター他周辺機器を使う際に互換性が問題となる確率がWindowsよりも高めであることが懸念されますので、その辺をクリアするのであれば、やはりこのクラスのネットブックを使うにはLinuxの方が有利なのかもしれません。
次回は、このネットブックを少しでも速くするにはどうしたらいいのかを考えてみようと思います。

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