春は、必ずくる

私の住む地域では、昔ながらの町の日があります。

それぞれが簡易的な自分の店を開きます。
青空市場のようなものです。

農家の方はその日採れた野菜やを売り

魚屋、洋服や、お菓子屋、お惣菜屋、金物屋などなど・・・

たくさんの店が並びます。

町の日がたつのは、２，５，９のつく日だったり、３，７，１０のつく日だったり

町々で違います。


たまたま今日は爺さんが引きにしている町の日だったので

連れて行ってほしいと頼まれました。


９４歳にして、
まだまだ購買意欲が満々のようです。

爺さんお金はあるのかな〜？
ちょっぴり不安でしたが

何のことはない、万札をちらつかせて買いだしました。

どこから出しのそのお金。
打ち出の小づちでも持っているかのような。

まずは庖丁を買うと金物屋へ。

値段を見てびっくりしたのは私だけ。
５８００円もする包丁を、いとも簡単に買い求めました。

私的には家にある切れ味の悪い包丁で十分なのに
爺さんがなんで包丁を買うのか。しかも５８００円。

あー爺さんの考えは分からない。

次は魚屋。

あゆ、たらこ、筋子、刺身
これで４千円。

わたしにも何か買えと１万円を手に握らせました。

湯水のごとくお金を使って
もったいないとは思わないのでしょうか。

その後も菓子屋で水羊羹
農家のおばちゃんからオクラやナスやその他諸々買い込んで

まだまだ何かを買いたげに物色する爺さん。

たまりかねて
買うのを止めさせました。

爺さんが渡した１万も、何も買わなくていいからと返しました。

わたしの胸の内は不安で膨れ上がっていました。

爺さんのお金は年金しかないはず。
もしや年金を降ろして大盤振る舞い？

介護施設に、年金から今月５万、来月５万の支払いがあるのに
みんな使ってしまったのだろうかーーー。

１５日に５万５千円降ろしてるし、
それ以外にまた降ろしたとすれば、残金なんてたかが知れてる。

残高不足で引き落としにならなかったら
わたしが代わりに支払うことになる。。。
そんな余裕ないのに、どうしてくれるの爺さん。

お金使いの粗さは昔からだったけど、９４歳にもなったら、もう大概なんじゃない？

死ぬまで私を苦しめる気なのでしょうか。
気が滅入ります。





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