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2016年10月16日
仮設工をなめるな | 【恐怖】東京都港区六本木の鉄パイプ落下事故について
1.はじめに
先週の14日に恐ろしい事故が起きました。東京都港区六本木のマンション工事現場で仮設の鉄パイプが落下して、通行人の頭に直撃、貫通して死亡という痛ましい事故です。今回はこの事故について、記事でまとめたいと思います。
2.事故現場
事故現場は、東京都のど真ん中、港区六本木です。東京メトロ六本木駅から北東方向に向かって300m程度離れ場所です。以下に事故現場となった建物のストリートビューを掲載します。
3.事故に関する報道
以下に、事故発生時の記事とその後の記事を掲載します。事故発生時は謝って落としたと説明していますが、その後、「鉄パイプは金具で固定されていたが何らかの原因でロックが外れた可能性がある」ということに変更されています。
いずれにしろ、なぜ歩道の上を防護パネルで全て覆っていなかったのか?なぜ落ちた原因が変わったのか?非常に気になる事故です。仙台でも建物の解体、修繕工事で仮設に覆われた建物が多いです。上を見ながら歩く訳にはいきませんが、工事現場の傍を通る際は注意した方が良いと思います。
蛇足ですが、ブログを書いている間に、仙台で地震が起きました。久しぶりに携帯から緊急地震速報が流れました。あービックリしました。揺れは震度4より少し大きいぐらいです。
<鉄パイプ落下>作業員「誤って落とした」 歩行者死亡
14日午前9時50分ごろ、東京都港区六本木3のビルの外壁工事現場から鉄パイプ(長さ約1.8メートル、直径約3センチ)が1本落下し、歩道を歩いていた新宿区東五軒町、無職、飯村一彦さん(77)の頭に突き刺さった。飯村さんは搬送先の病院で死亡が確認された。警視庁麻布署は業務上過失致死容疑で事故原因を調べている。
同署によると、ビルは11階建てで、当時は10階部分で足場の解体作業が行われていた。3階部分に落下物が地上に落ちるのを防ぐためのパネルが設置されていたが、解体した資材を地上に下ろすための数メートルの隙間(すきま)があった。鉄パイプはこの隙間を通って落ちたという。飯村さんの死因は脳挫傷とみられる。一緒にいた70代の妻にけがはなかった。
工事はマンションやビルの改修工事を行う「アール・エヌ・ゴトー」(川崎市中原区)が請け負っており、この日は午前9時から数人が作業をしていた。同署の調べに作業員は「作業している時に誤って落とした」と説明しているという。毎日新聞の取材に同社は「起こしてはいけない事故で、大変申し訳ない」とコメントした。
鉄パイプ落下 金具のロック外れ?歩道通行帯で直撃
東京都港区六本木のマンション工事現場から落下した鉄パイプの直撃を受け、新宿区の無職、飯村一彦さん(77)が死亡した事故で、飯村さんは工事業者が落下物が当たらないように設定した通行帯を歩いていたことが15日、警視庁麻布署への取材で分かった。業者は現場の歩道に誘導員2人を配置しており、麻布署は誘導や通行帯の設定に問題がなかったか調べている。警視庁は同日、業務上過失致死容疑で現場検証した。
同署によると、工事現場では落下物を止める防護パネルが歩行者の頭上に設置されていたが、事故当時はビル10階付近の足場の最上段から解体した床板を下ろすため、約3・6メートルにわたり外されていた。落下した鉄パイプは9〜10階部分の足場を支える部品とみられ、金具で固定されていたが何らかの原因でロックが外れた可能性がある。
工事現場下の歩道は、安全のため車道寄りに約1メートルの通行帯を設定。飯村さんは誘導員の指示に従って通行帯を歩いていたところ、頭上から落下してきた鉄パイプが直撃した。荷降ろし作業中は本来は通行禁止にしていたといい、同署は作業員の連携ミスがなかったかなど、事故当時の状況を詳しく調べている。
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残り3年しかないのに競技場移転? | 2020年東京五輪 海の森水上競技場 の移転について
1.はじめに
今回は、ドロドロ状態になっている2020年の東京五輪の競技場移転・見直しについて投稿します。
2.見直しの概要
私は東京都民ではないので、直接的な関係はありませんが、いつの間にか2020年東京五輪・パラリンピックの開催費用が総工費3兆円になっていることに憤りを感じます。
3兆円は高すぎます。建設資材の高騰の域を超えています。それについては、都は縮減を図るようですが、五輪まで残り3年ちょっとです。間に合うのでしょうか。それとも端から開催する気がないのではと思ってしまいます。
しかも、今更になって会場計画の変更と来ました。元々の整備費の積算が甘すぎたのかどうか判りませんが、現在3施設について、再検討を行うとのことです。
見直しを行う施設は以下のとおりです。
まずは、水泳会場「オリンピック・アクアティクスセンター」です。客席が2万席用意し、終了後に5千席に減築する予定となっていたようです。アホのような理由ですが、今更「座席数が過大」、近くに「東京辰巳国際水泳場」があるとの理由で再検討するようです。
出典:東京五輪・パラリンピック公式HP
次に、バレーボール会場「有明アリーナ」は不要な設備を省き、競技に特化すること等の検討を行うとのこと。これはそのとおりだと思います。仮設チックな施設でもよいと思います。
出典:東京五輪・パラリンピック公式HP
一番、腑に落ちないのは、ボート・カヌー会場「海の森水上競技場」です。この見直しの理由がアホ過ぎます。海風や波の対策が不十分。整備費用が69億円から491億円に膨らんだから、会場変更も視野に入れるとのこと。設計の前に計画をきちんと行ったのかが疑問です。
出典:東京五輪・パラリンピック公式HP
で、この移転先ですが、突然出てきたのか、裏の代替案があったのか知りませんが、「宮城県登米市」にある「長沼ボート場」が最有力候補とのことです。
このニュースをみて、私は「ん?東京五輪ではなかったのでは?」と思ってしまいました。サッカー場等、1競技で施設数が複数必要な競技での地方開催は理解できますが、カヌーとボートを宮城県に開催というのは納得できないです。当初の69億円の枠には収まらず、施設の改修工事、選手村の分村の整備、その他インフラ整備等で300億円以上になるという試算のようです。もっと近場に良さげな場所があると思いますが・・・。
3.長沼ボート場の場所
では、長沼ボート場とは宮城県のどこにあるのか、地図等を用いて説明したいと思います。
場所は宮城県の登米市というところです。東京から約360km離れた場所に位置しています。長沼のお隣には、ラムサール条約の登録湿地である「伊豆沼・内沼」があります。水鳥が沢山集まる場所です。
地図:GoogleMAPを二次利用
最寄りの新幹線駅は東北新幹線の「くりこま高原駅」です。東北新幹線屈指の秘境駅です。駅前は「農業振興地域」に指定されているため、一面田んぼが広がっています。最近、駅の南側にマックスバリュができました。要するにド田舎です。
会場の近くの街場は、栗原市の「築館」と登米市の「佐沼」です。一番近い都市は仙台市です。ただし、50km以上離れています。仙台から長沼までは高速を使って、車で1時間ちょっとかかります。
基本地元民は車で移動するので、鉄道以外のインフラは充実しています。近くに東北道の築館IC、東西を横断する幹線道路として、「みやぎ県北高速幹線道路」という怪しげな自動車専用道路があります。
地図:GoogleMAPを二次利用
また、「復興五輪」という位置付けも気になります。まさか五輪のために、復興庁の「復興交付金」を流用して整備する訳ではないですよね。この金を使うために、宮城県での開催を目論んでいるのであれば、本末転倒です。
4.地元民の反応
平成28年10月3日の河北新報に地元民の反応についての記事が掲載されていました。
お題は、「<五輪会場変更>ボート長沼案 棚ぼた大歓迎」です。
会場はまだ宮城県の長沼に決まったわけではありませんが、地元の登米市では、会場変更の話題で持ちきりのようです。主なご意見は以下のとおりです。何とも楽観的です。「五輪会場変更=道路が整備される」というご意見が多いようです。道路は今のネットワークでも十分かと私は思いますが・・・。
- 登米市にとって降って湧いたような知らせ。
- 経済効果の面で大歓迎。道路網の整備促進も見込まれる
- 五輪開催地というネームバリューは貴重。
- 都会から地方へ人の流れを生み、外国人呼び込みのきっかけとなるよう、『東北のおもてなし』を展開したい。
- 子どもたちの刺激になる。
- 長沼の水質浄化の必要性や、予想される交通渋滞対策などクリアすべき課題は多い。
5.五輪組織委員会がいう「長沼ボート場」の9つの問題
五輪のボート場の変更のニュースで出てから、半月が経ちました。全く進展がないですね。五輪組織委員会は、長沼ボート場への変更は以下の9つの問題点があるとのことで、東京都知事と宮城県知事が掲げる変更に難色を示しているようです。一部、屁理屈のような課題もありますが、私はそのとおりだと思います。
- 選手村が分かれるため、オリンピックで1300人以上、パラリンピックで250人以上の宿泊施設を用意する必要があり、仮設住宅を転用するにしても、パラリンピックの選手に使ってもらうためには利便性に課題がある。
- バリアフリーの面でも、車いすの選手が利用できる間口の広いトイレや、すぐ横にシャワースペースも必要になるとし、会場についても高低差10メートルほどの斜面もあり、パラリンピックの開催に適さない。
- 輸送面では仙台から85キロあり、パラリンピックの選手に負担が大きく、最寄り駅の1つにはエレベーターやエスカレーターがない。
- 会場周辺は斜面が多く、放送設備を置くためのスペースの確保などが難しく、周辺道路も狭い。
- 国際映像を配信するための電力や通信関係のインフラが整備されていない。
- 観客や大会関係者の宿泊施設についても不足している。
- アスリートに対しても空港から遠く移動に負担がかかることや、カヌーはスラロームとスプリントが別の会場で実施されることになるためコーチなどスタッフの対応が難しくなる。
- コストについても調査チームが示した変更した場合の試算ではおよそ350億円とされているが、バリアフリー化や電力・通信、宿泊関係などにかかる費用が含まれていないとしたうえで、海の森水上競技場はコスト削減の余地があり結果的に低コストになるのではないか。
- 仮設としては巨額の300億円をかけるがレガシー遺産として残らない。
6.河北新報の日本ボート協会会長へのインタビュー
この問題について、河北新報に興味深い内容の記事が掲載されていました。そのまま記載します。日本ボート協会の会長がどの程度偉いか知りませんが、ちょっと意見が強いですね。これでは決まるもんも決まらない状態になります。その後も日本ボート協会の木村新・理事長は「長沼は遠く、(選手村が分村となり)世界選手権と変わらない。五輪とは言えない」と発言しています。
私的には、五輪も世界選手権の一部なので、場所の変更については問題ないのかと思います(サッカーは日本各地のスタジアムを利用しますし)。宮城県への変更に反対する考えは変わりませんが・・・。
<五輪会場変更>選手の思い無視 長沼に難色
日本ボート協会の大久保尚武会長が13日、河北新報社のインタビューに答え、2020年東京五輪・パラリンピックのボートとカヌー・スプリント会場を巡り、東京都が都内から宮城県長沼ボート場(宮城県登米市)への変更を検討していることについて「選手たちの五輪への思いが無視されている」と批判した。長沼開催には会場を五輪用に仕上げる作業の難しさを指摘し、「工事が五輪に間に合うだろうか」と懸念を示した。(聞き手は東京支社・剣持雄治)
以下、記事の詳細な内容です。
◎日本ボート協会 大久保尚武会長に聞く
−東京都の調査チームによる五輪会場見直し作業をどう受け止めているか。
「一言の相談もなかった。(小池百合子)知事はアスリートファースト(選手第一)と言っているが、まともに選手の意見を聞いていない。経費削減が優先され、アスリートの五輪への思いを無視している」
−都内の海の森水上競技場の代替地に長沼が浮上した。
「国際ボート連盟の施設責任者が20回ほど来日して長沼を含む国内9コースを視察し、海の森を最適と判断した。風や波の影響を緻密に計算し、レースに影響が出ないように会場を設計した。プロ中のプロが3年をかけて調べた。(変更案は)長沼を直接見たことない人たちが書類上でやっているように感じる」
−村井嘉浩宮城県知事が「復興五輪」の意義を強調し長沼開催を要望した。
「復興五輪には事前合宿の誘致などで協力したい。選手村が分村となって他競技と切り離されれば世界選手権などと変わらなくなってしまう。選手村は他競技の選手から学ぶ貴重な場だ。私は射撃の選手が早朝から伏射の姿勢で練習を積んでいた姿が忘れられない。重量挙げの三宅義信さん(宮城県村田町出身)とも話し、競技に懸ける意気込みを知った」
−仮設住宅を宿泊施設に再利用する案が出ている。
「世界中の選手がどう受け止めるか心配だ。海外の選手は身長2メートルほどがほとんど。普通のベッドでは過ごせない」
−長沼開催には、観客席や伴走路など五輪専用設備が必要になる。
「コースの中央部に風の吹き抜ける部分があり、横風の影響を抑えるための対策なども必要になる。準備工事が五輪に間に合わないのではないかと懸念する」
−海の森開催の意義は。
「五輪後にも国際大会を誘致しやすくなる。国際連盟は日本で(恒久的に)五輪レベルの大会が開催できることを望んでいる。人気が高い欧州だけでなく、アジアでもボートを普及させようとしている」
7.宮城県村井知事の「何でもいちゃもんをつける」発言
どっちも「何でもいちゃもんをつけている」気がします。大会組織委員会の言い分も理解できます。傍からみていると、宮城県の「村井知事」と東京都の「小池都知事」の2人が独断で決めているように感じます。9月中旬には既に長沼への移転を考えていたという情報もあります。
大人同士なので、もう少し建設的な話し合いをしてほしいですね。「復興五輪」とか前面に出して、復興庁の復興交付金を流用することだけは止めてほしいです。
いずれ、10月18日にIOCとバッハ会長と小池都知事との会談があるようです。この日には長沼になるのか、東京になるのかが決まると思います。
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2020年 東京五輪 パラリンピック , 海の森水上競技場 会場変更 , 長沼ボート場 宮城県 , 宮城県 登米市 , 長沼ボート場 場所 , ボート・カヌー会場 会場変更 ,
電通 新入社員の自殺 | 過労死白書に関して
1.はじめに
平成28年10月7日時点、電通の新入社員の自殺について、労働基準監督署が長時間労働が原因として労災認定していたことがわかったというニュースが出ていました。今回はこの長時間労働の自殺に関することと、同日に報道された「過労死白書」についてまとめたいと思います。
2.電通の新入社員の自殺について
報道によると、労災認定されたのは大手広告代理店、電通の社員で昨年12月25日に社宅から投身自殺したとのことです。
自殺した高橋まつりさんは、東京大学卒業後の昨年4月、電通に入社しし、同6月からダイレクトマーケティング・ビジネス局デジタル・アカウント部(当時)に配属され、インターネット広告を担当していたようです。
自動車火災保険やFX証券を担当し、本採用となった同10月以降、労使協定で定めた上限の70時間を大幅に超える残業が続いていたようです。
ここまでは、私も含めて、普通の正社員であれば、極普通のことです。
自殺のきっかけは以下のことなのかな?と私は考えています。
上司から言われた内容が新入社員1年目に対してちょっとひどいですね。内容は以下のとおりです。
・君の残業時間の20時間は会社にとって無駄
・目が充血したまま出勤するな
と叱責されていたようです。この上司が東京大学を出た優秀な人材を殺したようなもんです。
そして、同10月以降、自身のTwitterに「本気で死んでしまいたい」「朝起きたくない」等、頻繁に書き込みするようになり、同11月上旬にはうつ病を発症していました。母親にも「(娘から)「仕事も人生もとてもつらいです。今までありがとう」というメールがあり、(電話で)「死んではダメよ」と言ったら「うんうん」という感じで返事をしていたようです。折角、娘を東京大学まで進学させたのに、会社に殺されては残された親御さんは堪らないだろうと思います。
さらに、高橋さんは残業時間を実際より少なく記録するよう指示されているなど、労務管理が不十分だったとのことです。発症前1カ月の残業時間は入退館記録などから約105時間と認定されたとのことです。新入社員で100時間以上は正直仕事のしすぎです。これでは私でも鬱になります。
電通といえば、日本でも超大手広告代理店です。実態は私の会社と大して変わらんな〜というのが正直な意見です。ニュースで大きな話題になっているのは「電通」だからだと思います。9月には「電通のデジタルメディア不正請求」という事件を起こしている会社ですので。身内(報道側)が身内(広告代理店)を大々的に取り上げているだけですね。
普通の会社でも過労死やパワハラが原因による自殺はあります。
(参考)高橋まつりさんが投稿したSNSの内容
・「休日返上で作った資料をボロくそに言われた もう体も心もズタズタだ」(10月13日)
・「眠りたい以外の感情を失った」(10月14日)
・「生きているために働いているのか、働くために生きているのか分からなくなってからが人生」(11月3日)
以下から記載する内容が死を意識するようになっています。
・「土日も出勤しなければならないことがまた決定し、本気で死んでしまいたい」(11月5日)
・「毎日次の日が来るのが怖くてねられない」(11月10日)
・「道歩いている時に死ぬのにてきしてそうな歩道橋を探しがちになっているのに気づいて今こういう形になってます…」(11月12日)
・「死にたいと思いながらこんなストレスフルな毎日を乗り越えた先に何が残るんだろうか」(12月16日)
・「なんらな死んだほうがよっぽど幸福なんじゃないかとさえ思って。死ぬ前に送る遺書メールのCC(あて先)に誰を入れるのがベストな布陣を考えてた」(12月17日)
・12月25日投身自殺
3.過労死白書に関して
また、タイミングが良く厚生労働省は7日、過労死の実態や防止対策の実施状況などを報告する「過労死等防止対策白書」を初めてまとめたとのことです。
細かい内容は厚生労働省の平成28年版過労死等防止対策白書(本文)をみてください。
統計的な内容になりますが、2015年度に過労死で労災認定された人は96人、過労自殺(未遂を含む)による労災認定は93人。過労死による労災認定は2002年度に160人にのぼったが、14年ぶりに100人を割った。ただ、過労死・過労自殺(同)をあわせた認定件数は近年、200件前後で高止まりしています。
さらに、企業約1万社を対象に15年12月〜16年1月に実施(回答は1743社→1割かよ!)し、5月に公表した調査結果も白書に盛り込んでいます。それによると、1カ月の残業が最も長かった正社員の残業時間が「過労死ライン」の80時間を超えた企業は22.7%。「情報通信業」「学術研究、専門・技術サービス業」(→私の職種です)では4割を超えたとの内容です。
4.過労死ライン80時間と電通の新入社員の自殺についての私の私見
残業が80時間ということは概ね21時半〜22時まで勤務していることになります。この程度の時間では自殺することはないと思います。100〜120時間勤務すると何も考えることができなくなります。
問題なのは、なぜ80時間、100時間以上も残業をしなければならないかです。電通の場合は、サービス残業で仕事をさせていたこと、上司が馬鹿で1年目の新人に絶対に発言すべき内容ではないことについて、叱責したことが、過労自殺に繋がったと私は思います。毎日100時間以上叱責されれば、廃人になります。
1951年につくられた電通社員、通称「電通マン」の行動規範とも言える「鬼十則」と呼ばれる非常に有名な言葉があります。以下に「鬼十則」を記載します。仕事の姿勢としては、この言葉どおりに行動すれば会社は成長しますね。しかし、私は電通マンではないので、実務ではこの規範と逆のことを行っています。だから私の会社は成長しないかも知れません。
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
私も一生懸命仕事しているのに、上司から心ない言葉、メールがきたら、心が折れてしまいます。
上司の方は恐らく私と同年代の方だと思います。私も含めて、他人を踏み台にして生きてきた世代です。今の若い世代にはそのような叱責は逆効果であることを、私と同年代の世代に解って欲しいです。時期的に1〜3年目の若手社員が会社を辞めることを考えたり、仕事が嫌になって精神的に参る季節です。なぜか判りませんが、秋の季節に会社を辞めることを決断し、春先にいなくなります。この時期にちょっと若手の悩みを聞いたり、くだらない世間話をしたり、優しく仕事についてアドバイスするだけでも相手に取って効果はあります。
若い人へのアドバイスですが、余りにも叱責や職場いじめが酷い場合は、会社から逃亡した方が良いです。然るべき相談窓口はありますので、そこに相談した方が良いです。自殺して自ら命を絶つ必要はありません。
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