アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2021年01月18日

休筆からの再開メッセージハート

2021年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

永らく休筆していましたが、また再開したいと存じます。
どうか宜しくお願い致します。

ひょんなことから休筆、ひょんなことから再開になりました。
このブログを思い出させてくれた友人に感謝。

またおいおい、続きを書いて行きたいと思います。

(次号に続く)








にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
にほんブログ村




***

http://r.goope.jp/ne-casa-ruoka

***















































2018年02月12日

ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【8】


ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【8】





「なんてまあ、わがままな不人情な人なんだろうねえ。そんなことをするから誰もおまえの肩をもってくださらないのよ。おまえもわかるでしょう。料理女はそのことをいろいろなところで繰り返し繰り返ししゃべったんだわ。おやおや、これはまた厄介なことになった。」





・・・・・・・



ミス・マープルは料理人の女性や女中に話しかけた。
料理人の女性はきのこにこだわっていたが、ミス・マープルはそれをかわして、当日の様子をなんとか聞き出そうとしていた。



二人からなんとか聞き出せたことは・・・あの晩、旦那様は相当な苦しみようだった・・・何も飲み込むこともできず、締め付けられたような声だった・・・とりとめのないうわごとを叫んでいた・・・。



「とりとめないことって?」ミス・マープルは聞いた。




二人は顔を見合わせながら、言った。



「何か魚のことじゃなかったかしら?ねえ?」
もう一人の顔を見た。


「魚の山(ヒープ)がどうのこうの・・・とかなんか訳の分からないことをおっしゃっていて、私は旦那様が気が変になられたと思いましたわ、お気の毒にと。」



二人から聞き出すことはもうなかったミス・マープルは老いた叔父の面倒をみている看護婦に声を掛けた。
中年の女性だった。



彼女はあの晩、不在だったことを残念に感じてた。
またプトマイン中毒の兆候かどうかも時と場合により結局はよく分からなかった。


ミス・マープルは彼女の患者(デンマンの叔父)について聞いてみた。



彼女は首を横に振った。

「あまりよくありませんね。」



「衰弱なさってるのですか?」




「いいえ、体は至って丈夫でもしかしたら私たちより長生きされるかもしれません。視力だけは衰えがはげしいですが・・・。それよりもお頭がどんどん悪くなってきていて、私はデンマン夫妻に病院のような施設にお入れになるよう申し上げましたが、奥様はどんな犠牲を払ってもといって、それだけは承知なさいませんでした。」



本来のメイベルはとても心優しい人間だったのだ。




しかしこの状況を打破するにはどうしたらよいのか、ミス・マープルはあらゆる角度から考えた。




死体発掘を申請し、検視解剖をしてもらい、根も葉もないうわさ話を払しょくしなければならないとメイベルに告げた。



メイベルは大騒ぎして大反対した・・・お墓の中で平和に眠っているあの人を掘り起こすなんて考えられない、罰当たりだと・・・。




しかしミス・マープルは決意を変えなかった。
やがて死体発掘の許可が出て、正式な検視解剖が行われた。




砒素の痕跡はなかったのだ。



しかしながら、困ったことがあった・・・それは報告書の文句に現れていた。
死に至らしめた原因となるべきはなんら発見しえず、というものだった。




これはなんの解決にもならないばかりか、却って、発見が困難な毒物が盛られたのだ・・・といった憶測が流れる原因にもなってしまった。
既に疑惑を払しょくする機会を失ってしまっていた。




ミス・マープルは悩んでいた。






(次号に続く)








にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
にほんブログ村




***

http://r.goope.jp/ne-casa-ruoka

***












































2017年12月18日

ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【6】

ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【6】





夫が不審死する前に大喧嘩をし、毒薬の砒素を手に入れていたメイベル・・・。




街中の不穏な噂は致し方ない状況だった。





「お医者さんはどなたなの?」
ミス・マープルは聞いた。



**********




「ローリンソン先生ですわ。」




ミス・マープルはそのお医者さんを知っていた。前にメイベルが街中で指さして、医者の名を教えてくれたからだった。
とても印象的で・・・つまり、よぼよぼのおじいさんだった。



そして彼女は経験から、医者も人の子で時にはその診断を間違うこともあるのだと思った。



すぐにミス・マープルは帽子をかぶって、ローリンソン医師を訪ねた。



ローリンソン医師はミス・マープルが考えていた通りの人だった・・・いいおじいさんで、親切でぼんやりした、かわいそうなほど近眼で、耳が遠く、ちょっとのことで気を悪くするような人だった。




ミス・マープルはメイベルの亡くなった夫の様子を医師に聞いた。
彼は毒キノコや食用キノコや、ともかくきのこについて長々ともったいぶって、話し始めた。
料理女にも訪ねたらしい。その夜の料理に使ったきのこに一つ二つ(ちょっとおかしい)のがあったらしい。しかし店から届けられたものだから大丈夫と思い、料理したらしい。
それから料理女はあのきのこはおかしいきのこに思われてくるとの事だった。





ミス・マープルは言った。

「そう思うでしょうね、人間の記憶はマッシュルームそっくりだったと言っておきながら、状況に応じて、後になって紫色のオレンジの斑点があったなんて言い出しかねない、その気になれば根も葉もないことを思い出したりするのですわ。」




ともかく、ミス・マープルからすれば、医師もその場に居たお手伝いも料理女も不確定な要素ばかりにしか思えなかったのである。




確かに人間の記憶は誰であっても完璧はなく、不確実なところも多々あった。





(次号に続く)






にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
にほんブログ村




















最大60,000円キャッシュバック!【ソフトバンク光】


保険を見直して家計を節約!ほけんのFP



コチラ


















2017年12月03日

(ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【5】)









(ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【5】)





誰がどんなことをしても助からない・・・私が死ねばいいんだわ・・・とメイベルは取り乱して言った。





「ねえ、時には神の手におすがりすることを、もっと考えるのよ。さあ、メイベルや、おまえまだ何か隠し立てしてるのね。ちゃんとわかってますよ。」





子供の頃でもメイベルがすっかり白状しない時には、それが手に取るようにミス・マープルには分かったものだった。




この時もかなり手間取ったが、なんとかメイベルから彼女が隠している話を聞き出した。




やっと全てが明らかになった・・・メイベルはその朝、薬局に行って少し砒素を買って来ていたのだった・・・。





**********





もちろん、毒薬なので、メイベルはしっかり自分の署名をしていた。

そして薬局の者が喋ったのは当たり前だった。




夫が不審死する前に大喧嘩をし、毒薬の砒素を手に入れていたメイベル・・・。




街中の不穏な噂は致し方ない状況だった。





「お医者さんはどなたなの?」
ミス・マープルは聞いた。





(次号に続く)






にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
にほんブログ村




















最大60,000円キャッシュバック!【ソフトバンク光】


保険を見直して家計を節約!ほけんのFP



コチラ



















2017年11月25日

アガサ・クリスティから (159) (ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【4】)





(ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【4】)





ミス・マープルは何が原因で喧嘩したのかをメイベルに問いただした・・・。





結局、この夫婦は、しょっちゅう喧嘩の絶え間ない状況だったと分かったのだった。





ミス・マープルはため息をついた・・・。





**********





「何がもとで喧嘩をしたの?」とミス・マープルは聞いた。





それに対してのメイベルの答えはこうだった・・・。

いわく・・・ああ、いつものことなのよ。同じことを繰り返し繰り返しやった・・・つまらないことで、ジェオフレイは手を付けられない程になり、そしてひどいことを言った・・・だから、自分も思っていることをぶちまけてやったのだと。




確かに、メイベルの親族が結婚を反対したのには、理由があった。
ジェオフレイの性格は尋常を異している位に激しく、またその血縁者には本当に常軌を異した精神的な疾患がある人がいるということもあった。
しかし昔ながらの偏見に過ぎないとメイベルは、反対を押し切って結婚したのだった。




「じゃあ、しょっちゅう、喧嘩の絶え間なしだったのね?」





私のせいではないとメイベルは言い張った。




ミス・マープルは姪に言い聞かせた。

どちらかのせいとか言うことではないのは、よく分かるが、こんな狭い土地でしょちゅう喧嘩をしていた夫婦がその朝、大げんかをし、その夜、不思議なことに夫が突然、亡くなったら・・・多かれ少なかれ世間の関心ごとになるのは仕方がないと。

「それだけなの?それともほかに何かまだあって?」




メイベルは言っている意味が分からないと、むっとした。




「それだけのことよ、ねえおまえ、何かバカなことをしたのなら、隠さずに言っておしまい。私はなんとかしてお前を助けてあげたいとばっかり思ってるんだから。」





誰がどんなことをしても助からない・・・私が死ねばいいんだわ・・・とメイベルは取り乱して言った。





「ねえ、時には神の手におすがりすることを、もっと考えるのよ。さあ、メイベルや、おまえまだ何か隠し立てしてるのね。ちゃんとわかってますよ。」





子供の頃でもメイベルがすっかり白状しない時には、それが手に取るようにミス・マープルには分かったものだった。




この時もかなり手間取ったが、なんとかメイベルから彼女が隠している話を聞き出した。




やっと全てが明らかになった・・・メイベルはその朝、薬局に行って少し砒素を買って来ていたのだった・・・。






(次号に続く)






にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
にほんブログ村




















最大60,000円キャッシュバック!【ソフトバンク光】


保険を見直して家計を節約!ほけんのFP



コチラ




















2017年11月18日

アガサ・クリスティから (158) (ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【3】)

(ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【3】)






「火のないところに煙は立たないっていうでしょう、ねえ、メイベル、どういうことから皆がそう言いだしたか、言ってくれなきゃあね、何かあったんでしょう、ねえ?」





**********





ミス・マープルは頑張って聞きだそうとしたが、メイベルはなかなか口を開いてくれなかった・・・。
 




やっとのことでメイベルはポツリポツリと話し出した。
なにもない・・・全然、なにもない・・・ただジェオフレイ(夫)の死が突然だったというだけ。





夫はその晩の食事の時はとても元気だった。
ところが夜中には重体になって、医者を呼びにやったが、医者が来て、二〜三分後に急死した。
死因は毒キノコだという。






ミス・マープルは姪の顔見て言った。
「そうね、そうした変死は口がうるさいのよ。だけど、それだけではなくて、もっと何かあったに違いないわ。メイベル、ジェオフレイと喧嘩したとか?!なかったの?」





メイベルはしぶしぶ首を縦に振った。




前日の朝食の時に喧嘩をしたという。





「メイド達がそれを聞いたんじゃなくて?」




「部屋の中にはいなかったわ。」




「でもね、おまえ、入り口のすぐ外側にいたかも知れないでしょう?」




ミス・マープルはメイベルの甲高いヒステリックな声がよく通るのを知っていた。
また夫のジェオフレイ・デンマンも怒ったら大声を出す癖のある男だった。




ミス・マープルは何が原因で喧嘩したのかをメイベルに問いただした・・・。




結局、この夫婦は、しょっちゅう喧嘩の絶え間ない状況だったと分かったのだった。






ミス・マープルはため息をついた・・・。






(次号に続く)






にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
にほんブログ村




















最大60,000円キャッシュバック!【ソフトバンク光】


保険を見直して家計を節約!ほけんのFP



コチラ



















2017年11月05日

アガサ・クリスティから (157) (ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【2】)






(ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【2】)






姪はひどく悩んでいた・・・彼女が夫を毒殺したのだと、うわさが街中にひろがっていて、もともと仲良くしていた友人や知人でさえ、彼女を避けて通るのだった・・・。




日に日に、噂はひどくなり、広まっていった・・・。





**********






ミス・マープルは、子供の頃から手の掛かった姪のメイベルから詳しいことを聞き出すのに苦労していた・・・。





メイベルはただぼんやりとしか言ってくれなかった。




悪意あるうわさ話。
うわさをするしか用事もないなまけもののことや、こそこそと他人の耳になにかをふれまわるおっせかいのこと等・・・。





ミス・マープルは姪のメイベルにはっきりと内容を言うように諭した。





そして聞き出せたのが、彼女が夫を毒殺したのだといううわさ話だった。





うわさ話ほど残酷なものはないのだった。
そしてそれと闘うことも非常に困難であった。
一方的に陰でこそこそ言われているだけで、反対することも反駁することも出来ないのだから。

なすすべもないまま・・・その間にうわさはどんどん広まるばかりで、もう止めようがなくなってしまっていた。





ただメイベルが人を毒殺するような女ではないということだけは、ミス・マープルには確信があった。





ミス・マープルの勘では何か?メイベルがばかげたことをしでかしただけだろうと。





それだけのことで、彼女の一生をめちゃくちゃにし、家庭の生活を耐えられないようにさせるなんて、全くひどい話に思えた。





「火のないところに煙は立たないっていうでしょう、ねえ、メイベル、どういうことから皆がそう言いだしたか、言ってくれなきゃあね、何かあったんでしょう、ねえ?」







(次号に続く)






にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
にほんブログ村




















最大60,000円キャッシュバック!【ソフトバンク光】


保険を見直して家計を節約!ほけんのFP



コチラ




















2017年10月28日

アガサ・クリスティから (156) (ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【1】)







(ミス・マープルと十三の謎*聖ペテロの指の跡【1】)





毎週、順番に本人しか知らない謎を出して、メンバーで推理をし合い、謎を解いていく(火曜ナイトクラブ)。

メンバーは、ほとんど村から出たこともないような白髪で高齢のミス・マープル、その甥で作家のレイモンド、女流画家のジョイス、元ロンドン警視庁の警視総監・ヘンリー卿、教区の牧師でもあるペンダー博士、弁護士であるペザリック氏。

この六人で毎週、謎を解いてきたのだった・・・意外にも、どの謎も、ひざの上で編み物をしながら、ずばりと真相を言い当てるのは詮索好きな老嬢ミス・マープルだった。


今回はいよいよミス・マープルに謎提案の順番が回って来た・・・。

彼女の話とは・・・。






・・・・・・・・・





「さて、ジェーン伯母さん、いよいよあなたの番が来ましたよ。」レイモンド・ウエストが言った。





「そうですわ、ジェーン伯母さま、皆、何かピリッとした味のある話を楽しみにしていますのよ。」ジョイス・ラムプリェールが調子を合わせた。





ミス・マープルは、穏やかながらも、二人が彼女を笑いものにしているとやんわりと言った。





「私なんか、ずっとこんな辺鄙な村に住みついていますからね、面白いことに出会ったことなんかないと思ってらっしゃるんでしょうねえ。」





レイモンドは、村の生活が平和で平穏無事だなんて、もう思えないし、伯母さんからあんなに恐ろしい事実を聞かされた後では、セント・メリー・ミードに比べたら広い世間の方がまだ穏やかで平和に思える。と言った。





「それはねえ、おまえ。」とミス・マープル。

「人間というものはね、どこにいたって同じですよ。それに、こうして村に住んでいると事実をずっと近くで観察する機会にめぐまれますからね。」






彼女が知り得た村の小さな出来事は、皆さんがつまらなく思えるであろうこと。
まあ、例えば、誰がジョーンさんの網かばんの編み目を切ったか?・・・人間の色々なことを探求しようとする人にはとても面白い材料だが、面白く思われないであろうということ。






そんなことをミス・マープルは考えたらしく、しばらく、話題を迷っていたが・・・たった一つだけ、皆が面白く思えるような話題を思い出したらしかった。





それは今から、10〜15年位前の話であるらしい。




ミス・マープルの姪であるメイベルの話だった・・・。




彼女はいい子だったが、すこし足りない感じでメロドラマ的なことが好きだった。

22歳の時に激しい気性のデンマンという男と反対を押し切って結婚した。

結婚してから、幾度となく、ミス・マープルは夫妻の家にも招待されていたが、村を離れることを好まないミス・マープルは一度も訪ねたことはなかった。




二人が結婚して10年経った時、夫であるデンマンは急死した。
子どもがいなかったので、姪のメイベルが財産を全て相続したのだった。




ミス・マープルは何か手伝うことや相談があるのなら、訪ねていくことを伝えたが、姪からは(大丈夫)というしっかりした調子の手紙を受け取った。




しかし3か月もすると、こんどはヒステリックな調子で(事態がますます悪化している、もうしんぼうしきれなくなった、どうかすぐ来てもらいたい。)という手紙をミス・マープルは受け取った。



取るものも取り合えず、ミス・マープルは駆け付けた・・・。




姪はひどく悩んでいた・・・彼女が夫を毒殺したのだと、うわさが街中にひろがっていて、もともと仲良くしていた友人や知人でさえ、彼女を避けて通るのだった・・・。




日に日に、噂はひどくなり、広まっていった・・・。







(次号に続く)






にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
にほんブログ村




















最大60,000円キャッシュバック!【ソフトバンク光】


保険を見直して家計を節約!ほけんのFP



コチラ






















2017年10月15日

アガサ・クリスティから (154) (ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【20】)





(ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【20】)






弁護士が言うには、それから一か月ほどしてから、フィリップ・ギャロッドと一緒によそで食事をしたらしい。
食後、あれこれと雑談している時に彼が最近聞いた面白い事件なんだが・・・と次のような話をしてくれたらしい。

「この事件について申し上げたいことがあるんですよ。ペザリックさん。もちろん、ごく、内々で。」





「ええ、内々でね。」とペザリックは答えたという。





その時はまだ彼が何を伝えようとしているのか、ペザリックには分からなかった。






**********





「僕の友達のことですがね。その男は親類から遺産を譲られることをあてにしていたのですが、その親族が全く別の値打ちのない人物に遺産を残すつもりだと知ったのです。その男は全くのこと、憂鬱になりました。彼はいささか目的の為には手段を選ばないタイプの男でしてね・・・。」

フィリップ・ギャロッドの話は続いた。

その親類の家には、正当な遺産相続人であるその友達に非常に忠実な女中がいたという。
彼はこの女中に簡単な指示を与えた・・・。
つまり、こうである。
インキをいっぱいに入れた万年筆を女中に渡して、主人の書き物机のいつもペンが入っている引き出しとは違う方にその万年筆を入れさせた。

そしてこうしろとだけ言った。

どんな書類にでも主人が署名する際に、証人になってほしいと言われたら、彼が渡した万年筆・・・いつものペンと全く同じ形のペンを持って行くようにいいつけた。
彼女は最初のペンが入っている方ではなく、彼が渡したペンが入っている方の引き出しを開け、主人に渡したのです。
女中はそれだけしか言われていませんでした。
そして忠実な女中は彼の指図を正直にそのまま実行しました・・・。






(次号に続く)






にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
にほんブログ村




















最大60,000円キャッシュバック!【ソフトバンク光】


保険を見直して家計を節約!ほけんのFP



コチラ





















2017年10月09日

アガサ・クリスティから (153) (ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【19】)






(ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【19】)






「ええっと、まさかだと思うけど・・・ペザリックさんは自分で神の御手に成り代わって。それをやったんじゃないでしょうしね。」






これはほんのジョークのつもりだったのだが、小柄な弁護士は威厳をそこなわれたとばかり、むっとして身を乗り出した。





「何をくだらんことをおっしゃる。」彼はきっとして言った。




慌てて、ヘンリー卿は言葉をついだ。

「ペンダー博士はどう思われますか?」
老牧師に質問が回って来た。





**********





ペンダー博士は(私にもよく分からない)と前置きしたうえで、こう言った。

「スプラッグ夫人か、その亭主のうち、どちらかがすり替えたんじゃないですか?
今ヘンリー卿が言われたことが動機になってね。
例えば、ペザリックさんが帰った後で、スプラッグ夫人がその抜き取った手紙を読んだ。
これはちょっとした板挟みですな。
自分のやった行動を白状するわけにもゆかず、遺言状はみんなに見せたし・・・で。
それで抜き取ったが、(自分に有利に書いてあった)遺言状をクロード氏の書類の中にでも入れておいた。
クロード氏の死後に発見されるようにと願って。
それが何故、発見されなかったのかは、私にはわかりませんがね。
あのエマ・ゴーントがそれをひょっと見つけて・・・主人たちへの忠誠心で・・・こっそり破るか、燃やしたのではないだろうか?と思います。」





「私、ペンダー博士の推理が一番当たっているような気がするわ。」

ジョイスが弁護士に聞いた。
「それが正しくって?ペザリックさん。」





弁護士は首を振った。

「では、その後を続けるとしましょう。わたしもその時は皆さんと同じく、あっけにとられ、何がなんだか分からないままでした。この真相を解くことが出来ない・・・おそらく駄目だと思っていましたね。・・・ところが、それを教えられたんですよ。しかもなかなか如才ない教え方でね。」






弁護士が言うには、それから一か月ほどしてから、フィリップ・ギャロッドと一緒によそで食事をしたらしい。
食後、あれこれと雑談している時に彼が最近聞いた面白い事件なんだが・・・と次のような話をしてくれたらしい。

「この事件について申し上げたいことがあるんですよ。ペザリックさん。もちろん、ごく、内々で。」





「ええ、内々でね。」とペザリックは答えたという。





その時はまだ彼が何を伝えようとしているのか、ペザリックには分からなかった。






(次号に続く)






にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
にほんブログ村




















最大60,000円キャッシュバック!【ソフトバンク光】


保険を見直して家計を節約!ほけんのFP



コチラ





















検索
ファン
写真ギャラリー
最新コメント
最新記事
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
アガサ・クリスティ編さんの画像
アガサ・クリスティ編
プロフィール
日別アーカイブ
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。