2017年10月15日
アガサ・クリスティから (154) (ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【20】)
(ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【20】)
弁護士が言うには、それから一か月ほどしてから、フィリップ・ギャロッドと一緒によそで食事をしたらしい。
食後、あれこれと雑談している時に彼が最近聞いた面白い事件なんだが・・・と次のような話をしてくれたらしい。
「この事件について申し上げたいことがあるんですよ。ペザリックさん。もちろん、ごく、内々で。」
「ええ、内々でね。」とペザリックは答えたという。
その時はまだ彼が何を伝えようとしているのか、ペザリックには分からなかった。
**********
「僕の友達のことですがね。その男は親類から遺産を譲られることをあてにしていたのですが、その親族が全く別の値打ちのない人物に遺産を残すつもりだと知ったのです。その男は全くのこと、憂鬱になりました。彼はいささか目的の為には手段を選ばないタイプの男でしてね・・・。」
フィリップ・ギャロッドの話は続いた。
その親類の家には、正当な遺産相続人であるその友達に非常に忠実な女中がいたという。
彼はこの女中に簡単な指示を与えた・・・。
つまり、こうである。
インキをいっぱいに入れた万年筆を女中に渡して、主人の書き物机のいつもペンが入っている引き出しとは違う方にその万年筆を入れさせた。
そしてこうしろとだけ言った。
どんな書類にでも主人が署名する際に、証人になってほしいと言われたら、彼が渡した万年筆・・・いつものペンと全く同じ形のペンを持って行くようにいいつけた。
彼女は最初のペンが入っている方ではなく、彼が渡したペンが入っている方の引き出しを開け、主人に渡したのです。
女中はそれだけしか言われていませんでした。
そして忠実な女中は彼の指図を正直にそのまま実行しました・・・。
(次号に続く)
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