アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2016年04月04日

私的怪談シリーズ1 祠

ゴリラの母親の姉、つまりゴリラの叔母の話である。
ゴリラの母親の実家の地元には岩石山(がんじゃくざん)という山があり
戦国時代にはそこに山城があったという。
しかし、戦国時代である。
その山城、岩石山城はどこぞの軍勢に攻め滅ぼされた。
山城である為、大軍に包囲され兵糧攻めにあった挙句、地元の住民が敵方に
場内への抜け道を密告した為、その抜け道から敵方が場内になだれ込み落城したのだという。
そこから生まれたのが埋蔵金伝説・・・つまり、城にあった財宝が岩石山のどこかに隠されて
いるという都市伝説である。
叔母が小学生の時に、お使いに行くことになったが、岩石山の中を通った方が早いので山道を歩いた。
慣れた道なので迷う事はない。
無事目的地に辿り着き、お使いを済ませた後、行きと同じ道で帰る。
しかし、気が付くと見慣れない景色の中に居た。
あれ?
と思い、周りを見渡すと白い霧が立ち込めた幻想的な風景。
わけもわからず見慣れない山道を歩いていると傍らの茂みからガサガサと音が舌かと思うと
何かが飛びついてきて、叔母にぶつかると山の斜面をゴロゴロと転がり、それは見えなくなった。
今思えば、それはツチノコに似ていたという。
そこからまたしばらく歩くと、祠のようなものを発見した。
恐る恐るその中を覗くと、見たこともない財宝が納められている。
叔母はこれが噂の岩石山の財宝だと確信し、みんなにこの事を伝えぬばならないと思い、
何がなんでも帰らぬばと思い、とにかくその辺の草やらを倒したり等目印をつけながら歩いた。
無我夢中でそうやっていると見慣れた風景の中にいた。
急いで帰り、大人を連れて山に入ったが、どんなに探しても自分の付けた目印が見つからない。
皆でくまなく探したが、結局見つからずじまいで、夢を見ていたのだろうと、皆に笑われ
悔しい思いをしたと叔母は笑っていた。
しかし、あれは絶対に夢ではなかったと付け加える事は忘れなかった。
岩石山の財宝・・・
それは、今でも現実の世界のその向こうで静かな眠りについているのかも知れない・・・
終わり



posted by kaidann at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月06日

私的怪談シリーズ3 存在しないはずの契約書 木林博喜

これは私がまだ教育産業で教材の販売や家庭教師の派遣をする企業に勤務していた頃のお話しです。
当時私は直接お客様の自宅に訪問し販売するという営業の第一線から退き、内勤で営業の販売管理を
していました。
そして私が直接営業を教えていた部下も数名居て、その中の1人の女性が、仮にSさんとします。
そのSさんが奈良県某所でアポイントが取れ、私に現地へ行くと報告に来てアポイントを取ると
電話で話した内容やお子様の成績や現在の勉強方法などを記入したアポ用紙を見せ、
「父子家庭なんですよ〜凄く勉強熱心なお父様でして・・・私が行っても良いですか?」
と指示を仰ぎに来ました。
Sさんは凄く真面目で頑張る子だったのですが、この時は2か月程調子が悪く中々契約が取れていない時期が続いていただけに、私が行きSさんに売り上げをつけてあげて調子を戻すきっかけになればとも考えましたが、アポ用紙を見ながら検討し、
『父のみか・・・生徒は?と思い』
「Sさん、本人いないの?」
と聞くと
「はい、その時間塾みたいでして・・・・お父様が良いと思ったら塾辞めてウチでお願いしたいとおっしゃって頂けているのですよ〜」
との事。
『父親即決か・・・これは決まるな〜私が行くよりSさんの方が直接話しているし父親なら女の子の方が良いかな?調子は崩しているけど・・・これはSさんで取れる』
と思い
「OKじゃぁ19時やね・・・・Sさんお願いするわ〜安全運転で気をつけて行ってきてね」
と伝え
「ありがとうございます!頑張ってきます!」
と半分自分が行けないと思っていたのかSさんの表情もパッと明るくなり
そしてその日の19時にSさんは奈良県の現地へ訪問に行きました。
会社の電話が徐々に鳴り、夜の現場に入っている営業の人たちからの報告が次々と届きます。
そして21時18分にSさんから電話がありました。
「お疲れさまですSです!木林さんお願いします!」
「Sさんお疲れさま〜木林です。」
「あっ木林さん!お疲れ様です!9教科家庭教師付きコースで契約です。凄く良いお父様でした!」
良かった〜本当に良かったと思い、スランプ中だったSさんの声もかなり明るく
「うお〜!!!おめでとう!!やったな〜!!さすがや〜!」
私は契約を取れた人からの連絡にはいつも本当に大げさに賛辞を贈っていましたがこの日はまた格別でした。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
とSさんも嬉しそうに応え
「気をつけて帰ってな〜もう直帰してくれて良いから〜契約書はまた明日頂戴〜無くさんようにね」
と言いながら電話を切り、そして翌日にSさんから契約書を受け取りました。
昨日契約が取れ直帰した面々の契約書はまとめて翌日審判会社へFAXします。
3年物の教材なので3年間の分割払いになる為です。
そして審判会社の担当者から連絡が来てSさんが契約してくれたお客様が審査が出来なかったと連絡を受けました。
『出来なかった?通らなかったなら話は解るが出来なかったとはいかに?』
と思い審判会社の大阪支社は私の勤務先から徒歩でも7〜8分くらいの所にあったので審判会社の担当の方も
「ちょっと私もこのようなケース初めてなので・・・伺います」
と言って来てくれる事になり、私の事務所に審判会社の担当の方が来られました。
仮に契約してくださったお客様をO様とします。
私の事務所の部屋に向かい合い私と担当者の方が座り、いつものように私の好きなコーラを持ってきてくれていますがいつも明るい担当者の方の表情も若干曇り気味で言葉を発します。
「木林さん…午前中に頂いたO様の件お電話でお伝えした通りローン審査事態ができなくてですね・・」
「はい・・・それは伺いましたが・・・そのブラック(多重債務によりローン不可の意)とかじゃなくてですよね?」
事務の人が入れてくれて私と担当の方の前に並ぶコーヒーカップに口をつけながら私が不思議そうに聞く。
「はいそうなのですよ・・・え〜とこの契約取って来たSさん・・・どんな方ですか?」
と何かを言いたそうで言いにくそうな感じで少し言葉に詰まりながら
「えっ?Sになんか問題ありますか?気立ての良いべっぴんさんですよ」
と私が笑いながら応え
「・・・・そうですか・・・あの〜このO様というお客様事態が存在しない方なのですよ・・」
と真剣なしかし少しトーンを落としたような小声で両手を合わせ指を組み合わせ視線はテーブルを見ながら
「はい?・・・・存在しないというのは?・・・」
と私も驚くよりはっきりと意味が掴めずに
すると担当者の方が少し思い切ったようにはっきりと
「言いたくはないのですが、そのO様というお客様・・・存在しない人間なのです。
ですのでSさんが捏造したとしか・・・・印鑑も全て・・・筆跡はごまかせないのでどなたかに代筆されたのかも知れませんが・・・過去にも別業界になりますが・・契約欲しさにそんな事する人居ましたので・・」
私は無言で何も言えませんでした。
審判会社の担当の方が審査して存在しないというのは正直そうなのでしょう・・・
しかしSさんがいくら調子を落としているからと言ってそんなすぐにバレる様な事をするほど浅はかな女性ではない事は私よく解っていました。
どういう事だろう?
この事はSさんには伝えずに少し私単独で調べてみる事にしました。
まずお客様のO様の自宅に電話してみます。
すると・・・昨日Sさんがアポイントを取り訪問したはずの自宅の電話番号がただいま使われておりませんとのアナウンスが流れるのです。
私も
「はぁ?」
と混乱してきて契約書に書かれている、昨日のアポ用紙にも書かれている住所に単独で車で向かいました。
すると何度確認してもその住所は一軒家が建っていますが表札も無くそれどころか杭を四方に打たれ紐で囲われていて売り家の看板が掲げられているのです。
「はぁ?」
また混乱しましたがちょっと近所を通りかかった50代くらいの女性に私は聞いてみようと思い
「あの・・・すみません・・・」
と名刺を渡しその女性に社名を名乗り昨日弊社の人間がお子様の勉強の事でお伺いしたOさんという方の家を探している旨を伝えました。
そして住所は確かにここになっている旨も伝えるとその女性が一瞬顔をひきつらせ
「Oさん・・・Oさんねぇ・・・知っていますよ・・・でもお宅の会社の人・・・本当にOさんのご主人と・・話したの?・・・」
私は
「はい・・・そのように伺っておりまして・・お子様のお勉強を見させて頂く契約まで頂きそれでご挨拶にこちらの住所と伺っていたので私が本日ご訪問させて頂きまして・・・」
女性は少しの間黙っていましたがゆっくり口を開き
「・・・本当みたいやねぇ・・・あのね・・・どうしてそんな事が起こったかわからんけど・・あぁっ寒気してきた!・・・あのねぇ・・・Oさん所の息子さん昨年親戚の人に引き取られ、滋賀に引っ越したらしいよ・・・父親がねOさんのご主人が事故で亡くなられたから・・・去年息子さん6年生あったから今頃中1やわもう・・・」
そう言って女性は頭を下げ立ち去って行きました。
少しの間放心状態だった私が女性にありがとうございます!と頭を下げた時には女性はもう既にかなり私から離れた場所に居て、振り返り会釈をして下さいました。
大阪の事務所に戻る道中、私は色々な事を考えながら運転していました。
まずはSさんの審判会社にかけられた濡れ衣が晴れた事。
しかしSさん自身は今でもOさんのご主人と会話し、昨日はご自宅に上げて頂きコーヒーまで頂いたと言っていたがあの1年以上使われていない自宅の中に入りコーヒーまで頂いたのか・・・
一体昨日あの家で何が起こっていたのか・・・
考えても解るはずもなく、しかし確かにO様の契約書は存在するし今ここに車内の私のバッグにしっかりとお様の名前、お子様の名前まで記入されたものがあるのです。
しかしご本人は1年前に亡くなられている。
想像している最中に背筋が何度もゾクッとしました。
そしてある結論にいきついた時、私の目から自然に涙が出て来ました。
お父さん・・(O様)・・お子さんが心配で・・出て来られたんやぁ・・亡くなられても・・
去年6年て事は今中1で丁度ウチの会社がアプローチかけてる生徒さんの年代やもんなぁ・・
そしてO様は確かに存在していた。
生徒さんも今滋賀の中学校で1年生として親戚の方に引き取られ元気でいるはず。
しかし私はこの事をどうあってSさんに伝えれば良いのか・・・・
ありのまま伝えるしかない・・・
と思いSさんにありのまま伝えました。
彼女は涙を流し私の話を聞いていましたが、最後に私を信じて調べてくれてありがとうございますと言ってくれました。
しかし契約を取れたことには変わりなかったので歩合給の歩合は私の給与から差し引く形で付けさせて頂きました。
こんな亡くなってもお子様を心配で出て来て誰かにすがろうとする、そのすがられるスパイラルに入ったSさんはきっと本当に心の清らかな女性であったからこそ、O様に惹き付けられた私は勝手にそう思いました。
その後契約書はシュレッダーしこの事は社内では誰にも話さないままにしております。
終話




posted by kaidann at 17:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

私的怪談シリーズ4 見下す者達 冨田武市

その日、ゴリラはイライラしていた。
朝、職場に行くまではよかった。
しかし、職場についてから、どうにもイライラするのである。
原因はあった。
見えはしないのだが、ゴリラの背後に男性なのか女性なのか判然としない三体の黒い影がピタリと張り付き、ゴリラを馬鹿にしてヒソヒソ話している感じがするのだ。
ゴリラが歩いてはヒソヒソ。
ゴリラがしゃがんで作業をしていればヒソヒソ。
こいつらは一体なんなのだ!と更にイライライライラしてくる。
視界の端に揺らめく影が見え隠れするのだが、ハッキリ見えはしない。
ゴリラはイライラを沈める為に自販機で缶コーヒーを購入し、一服いれていた。
すると、あの「地下へ…」の話を教えてくれたSさんが、ゴリラに歩み寄ってくる。
Sさんは年下だが、職場の先輩である。
このSさん、相当に霊感が鋭い。
そのSさんがゴリラにこう尋ねてきた。
「冨田君、今日何かイライラしてへん?」
ゴリラは自分が感じている事は語らず、ただ、
「うん。何かイライラするのよね〜」
と答えた。
するとSさん、
「そうやろなあ…何か今日、冨田君の右後ろに黒い影三人ついて回ってるからなあ…」
という。
ゴリラは驚いて、
「何でわかるん?いや、ホンマ、オレもそれ感じてたんですわ!男か女かわからんけど、何かオレの事馬鹿にしてるんですわ、こいつ等!」
と後ろを指差しながらSさんの言葉に応えた。
「そうやな…男か女かわからんなあ…でも、そいつら冨田君に何もできんから無視しといたらええよ。」
とSさん。
「ありがとう。何か話したらちょっと気分楽になったっすわ!」
ゴリラはそう答えて仕事に戻った。
無視していたら、昼過ぎにはそいつ等を感じなくなった。
あいつ等が何だったのか、それを知る術はないが何も言っていないのに、Sさんがゴリラの感じているものに言及した時は本当にビックリした。
Sさんとは他にもこういう話があるので、また紹介したいと思う。
終わり





オンラインストアの開設は、お試し無料の カラーミーショップ で!
posted by kaidann at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月07日

私的怪談シリーズ5 水着の女性 木林博喜

これは私がまだ小学5年生だった頃の話です。
私の地元は漁師町でして、そのせいか海釣りが好きな方が多く
当時はまだ、関西国際空港もなく今よりもっと釣りが盛んでした。
私の父も根っからの地元民で釣りが好きで私も良く幼い頃から釣りに連れて行って
もらっていました。
その日も父に同じく釣り好きの叔父、そして私と3人で大阪でももう和歌山に近い淡輪
の海に釣りに行きました。
叔父の車で父と私と3人で出かけその日は縞鯛の小型の三番叟が大量に釣れ皆、上機嫌でした。
そして夕方暗くなるまで釣りをして、帰りは淡輪から泉佐野に抜けていく1本道の防波堤沿いを
叔父の車を叔父が運転し、父が助手席、小学生の私が叔父が運転する運転席の真後ろに座り
来週は、船で一文字に出ようかとまた釣りの話をしながら帰路についていました。
所々に街灯はあるものの当時の海沿いは夜は遠くからの灯台の灯りが少しあるくらいで
本当に暗く、車のヘッドライトが照らす道も1本道なので同じ景色が続きます。
そしてワイワイと父や叔父が釣り談義をし私がそれを聞いているという車内でしたが、
急に2人供無口になったのです。
車内には何か異様な空気が流れていて、普通なら私もお父さん、叔父さんなんで急に黙るんよ
とか言って理由を聞いたと思いますが、その時は何故か喋れる空気ではなく、その理由は後部座席
の私の隣に明らかに何者かが『居る』気配というか空気感というか感覚的なものですが、そこには
確かに存在感を感じました。
私は直視する事はせずに視野の言限界を駆使し見ました。今でこそ速読や能力開発の訓練を
受けたので周辺視野を使えますが当時小学生の私にはそんな眼力は無く精一杯、そこになにが
『在る』のかに神経を集中しました。
暗闇を走る車内ではありますが街灯から差し込む光に照らされそこに、それは『居た』のです。
最初に私の視野に入ったのは黒い長い髪、そして白か肌色かわかりにくい肌、下半身も肌だけの
ように感じ後から色が視野に入り、黒っぽい水着を着た女性だと認識しました。
『えっ?なにこれ?』
当時霊体験やオカルトに全く興味の無いただの小学5年生の私には何が起こっているか理解できず
ただ体に感じる硬直感というか緊張感と正面を向く私の視野の外側に映り込む水着の女性だけが
今起こっている事の全てで、父や叔父にも『それ』が見えていたかどうかは解りませんが、急に口数が
減った事自体、『それ』の存在に何らかの感覚で気づいてはいたのでしょう。
そして少しの間、叔父も無言で車を走らせていると、『それ』はいつ消えたか解らないうちに
存在を感じなくなっていました。
私は無意識に息を止めていたみたいで、その存在を感じなくなった後大きく息を吸い込んでいました。
『なにあったんやあれ?』
と思い確かにここに居たよなと・・・・
車の後部座席のシートに手を置くと手がビショリと濡れ、そのシートの下の足を置く部分にも水びたしに
なっていました。
『やっぱりおったんや・・・あの女の人・・』
と思いその時に生まれて初めて、生きている者以外の存在を信じました。
父も叔父もされっきり自宅に着くまで無言で、私も何となく言えずにいて結局あの日の事は父にも
叔父にも話せずに居ます。
叔父はその車をそれから間もなく売ってしまい、次に釣りに連れて行ってもらった時は別の車に
変わっていました。
叔父さん・・・やっぱり気づいていたんやなぁとその時思いましたが、車を変えた理由は私も父も聞かず終いでした。





ネットショップの開業ならカラーミーショップ

posted by kaidann at 21:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月09日

私的怪談シリーズ6 金縛り 冨田武市 私的怪談シリーズ6 金縛り 冨田武市

ゴリラが生まれて初めて体験した金縛りの話である。
ゴリラが二十代半ばの頃で、季節は夏…
ゴリラはその日、熱帯雨林のような職場での仕事で疲れていて、その日は布団に入るとすぐに気を失ったようだった。
夜中、パチッと目が覚めたのだが、自室に自分以外の気配がする。
布団の周りを何かが歩いているような気がする。
嫌な予感がしたので、寝たフリをしていると、左手の指先に感電したような刺激が走った。
すると、それはみるみる全身に広がり、ゴリラは全身が硬直してしまった。
全身にビリビリと弱い電気を流されているような感覚の中、ゴリラは、これは外的要因による金縛りであると確信した。
よく、金縛りは脳だけが覚醒している状態であると言われるが、明らかにそうではない。
硬直してはいるが、若干筋肉が痙攣しているし、動こうと思えば動けそうである。
しかし、布団の周りを徘徊する何者かの存在がゴリラにそれをさせなかった。
すると、その何者かが
「ケタケタケタ」
と、どうやら笑っているようである。
ゴリラには子供の声に聞こえた。
その笑い声は耳障りな、人をイライラさせる嫌な響きだった。
今の状況、明らかにコイツの仕業である。
ついにゴリラはキレた。
『おうコラ!何者か知らんけど、鬱陶しい事しやがって!正体見せろ!勝負したるぞボケ!』
と心の中で怒鳴った。
すると…
一瞬の沈黙の後、ゴリラは胸にズシリと重い感覚をおぼえた。
続いて、『霊圧』と言うのだろうか、漫画ブリーチで表現されていれあの感じに陥った。
全く身動きがとれない。
しかも、呼吸もできない。
しかし、それでも腹が立つ事には変わりない。
ゴリラはこのような理不尽に負けてなるものかとの怒りのパワーにより、
『フン!』
と気合いを入れると身をよじる!
動いた!
金縛りは確固たる意思を持って気合いをいれると解除できる事をこれで学んだ。
それと同時に何者かの気配も消え失せていた。
奴が何者なのかはわからないが、こいつはまた別の現れ方もした。
その話はまた改めて語りたいと思う。
初体験だと言うのに、かなりへビーな金縛りであった。
終わり








posted by kaidann at 10:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

私的怪談シリーズ6 父の夢 木林博喜

これは一昨年2014年の12月29日の話です。
木林家では私、博喜が幼少の頃から、もっと言えば父が幼少の頃から
木林家の母屋で毎年12月30日に餅つきをするという習慣があります。
それは私が結婚して子供ができた今でも変わらず、私の妻や妻の母までも今では参加
してくれて年末の定例行事となっております。
そして一昨年の12月の末が近づいてくると今や餅つきの中心人物となった私の母が
もち米や塩などの材料などを買いそろえ用意を少しづつして行きます。
そしてそんな餅つきに欠かせない私の母が一昨年の12月29日、餅つきの前夜に私の下の娘の
面倒を見てくれていた時に急に異常な腹痛を訴え、まだ当時トイレも上手く1人で出来ない私の娘を
トイレから出してくれた時にそのまま倒れてしまいました。
私の母は年齢の割に異常な健康体で今まで大きな病気にかかったことなどなく風邪すら60歳を過ぎるまで
弾いているのを私は見たことがありません。
自分でも入院したことはあんたら(私と弟)を産んだ時だけやと豪語するほどの健康体でした。
そんな母が腹痛を訴えそのまま倒れてしまうなど想像もしていなかったので非常に驚きました。
私は案外、どんな時でも冷静でおれるタイプなので落ち着きまず救急車を呼びましたが、当時脳梗塞で
入院していて退院したばかりの父は弱気になっていたのか非常に狼狽していたのを覚えています。
若い頃の怖い父からは想像もつかないくらいでした。
そして母はそのまま入院で病院でも餅つきに行かれへんと残念がっていましたが、弟にそれどころやないやろ!と言われていました。
病院でも先生がとりあえず色々検査してみないと解らないのでとその日は母は入院、私達3人は帰る事にして
明日の餅つきは私と父、弟、私の妻妻の母で木林家の母屋に行くこととなりました。
皆一様に心配そうにしていましたが、私は朝、父が何気に私に呟いていたことがここで非常に気になっていました。
私の父は根っからの唯物主義で、信仰心もゼロのタイプの人間です。まず目に映るもの以外は理解しないし信じない、そして超常現象や不思議な事などは全く信じないタイプの超頑固者でした。
そんな父だからかは解らないですが、昔1度口にしていたのが自分は夢なんか殆ど見た事がないと言っていました。その時私もそれは親父が覚えてへんだけちゃうん?と言葉を交わしたのですが、そんな父が母が倒れた12月29日の朝に
「博喜〜お父さんな〜昨日変な夢見たんや〜」
と私に言って来て私が
「親父夢見れへん言うてたのにな〜変な夢でも夢は夢、やっと人並みやな〜」
と笑いながら応えると
「アホッ!普段見れへんから余計気になるんや〜」
私が
「どんな夢あったんよ?」
と聞くと
「お母さんがな、リュックしょって山に登って行ってるんやけどな」
と父が話始め

「変か?それ?いや・・おかんにリュックに登山は変やな、どちらかというと田んぼに長靴の方が似合ってるし」
と笑いながら言うと
「黙って聞け!」
と三十路も超えてるのに父に怒られながら
「それがな、後姿しか見えのやが、なんぼ呼んでも聞こえてないみたいでな、振り向きもせんとどんどん離れていくんや〜」

「へ〜・・・それで」
父が
「それで最後は見えへんようになって目覚めたんやしゃ〜」
私はその話を聞きまさかの熟年離婚の予知夢かとも思いましたが私の両親に限りそんな事ないしな〜と大して気にもしていませんでしたが、あの健康な母が急にこうなり入院してしまうと今まで夢すら見た事のない(実際は人は夢は見ているが記憶していないだけ、父にそのことを説明しても理解に困るので説明はしていない)父が夢を見てそれを鮮明に覚えていた。そしてそれは母が離れていくことを暗示するような夢だった事が気になり、母がこのまま亡くなってしまうのではないかと一抹の不安に駆られました。
翌日、私だけが父の夢の内容を内心気にしたまま、餅つきを無事終了しましたが、皆母屋の叔母さんや叔父さんたちも毎年彩智前のようにテキパキと仕切っていた母が居ない事に違和感を感じながら母の入院した話で場の空気も重く、餅つきが終わり私と妻で母の病院に行くと個室だったのですが入ると既に私服に着替え帰る用意をしていました。
父の夢の事で心配していた私も少し安心して
「あれ?おかん、もう退院できるん?」
と聞くと
「こんなところで年越すのも嫌やしな〜お腹ももう痛ないし退院するわ〜」
との事。
「どっこも悪くなかったん?先生なんて言うてんよ?」
「わかれへんよ。でももう治ったからあんたら来てくれたら帰ろうと思ってたんよ」
「アホッ!!!!」
渾身の力を込め100万ドルのアホを叫んでしまいました。
「退院は先生の許可がいるやろ!」
「えっ?そうなんか?お母さん入院した事ないからわかれへんよ〜」
「アホッ!!」
天然過ぎて腹が立つ母に怒りなくりの私を妻がなだめて
私が先生に聞いて来ると妻が先生の所に聞きに行ってくれて結局今日1日様子を見て何もなければ明日
退院という事で話がつき翌日無事に退院でき今でも母は元気にしていますが、父の見た夢はこの完全な
健康体の母のまさかの突発的な入院を暗示していたのではないかと私は今でもそう思っております。







posted by kaidann at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月13日

私的怪談シリーズ9 東京出張 木林博喜

私、木林がまだ教育産業で教材の販売の仕事をしていた時のお話しです。
当時私は、大阪本部に所属していましたが東京支店のある池袋に3日間
応援としてかけつける事となりました。
そして大阪には無いのですが、東京支店には社員寮があり私もその時は
空いている社員寮の部屋で3日間過ごす事とし、寝るのは二泊ですがたった3日間の事なので
深くは考えていませんでした。
当時大阪で居ても毎晩、綺麗なお姉さまの居るお店に飲みに行っていた私は
どうせ夜は仕事を終えたら東京のおなごはどないなもんやろ?と飲みに行く事
ばかり考えていたのでその後の事などはどうでも良かったのです。
そして1日目の仕事を終え、当時の東京支店の支店長は私の1期後輩で表彰式などで
顔を合わせては飲みに行く仲間でもあったので私も仕事を終えた後
「さあ城戸さん!東京のべっぴんさんのお店に案内するべし!」
と勇んで飲みに行きました。
それはそれは楽しい夜を過ごし2件ハシゴした後、東京の美味しいという評判のラーメンも
堪能し、後は寝るだけなのでなじみのない寮に行きました。
寮といえど2階建ての全10室のハイツを会社が買い取り、管理人を設置しており
十分1人暮らしなら生活に困らない設備の整った住居スペースなので3日過ごすには全く
問題ないという感じでした、そしてその日寮に来たのは2回目で午前中に東京に到着し
着替えなどのバッグを置いて、管理人さんに挨拶してから東京支店へ向かったので本日2回目です。
管理人さんの天野さんという60歳くらいの男性が私が3日間空き室の205を使う事を申し出た時に
「本部長、本当にあの部屋使われるのですか?私はあまりおすすめできませんが・・・」
と言われ私は気にすることもなく
「なんでですか?天野さん」
と聞くと
「いやね・・本部長がかまわないなら良いのですが・・・いえ・・本部長なら
ホテルとか泊まられた方が良い思いましたので」
と部屋の待遇面を気にして下さってるのだと思い
「いえいえ・・・旅行じゃないんですから、それに本当に風呂があって寝れるだけで十分ですので」
と笑いながら気遣って下さった天野さんに礼を言うと荷物だけ部屋に運んで頂けるようお願いして預けました。その時に受け取っていた鍵で今、夜の繁華街で同志の城戸支店長と豪遊してきて心地良い気分で初めて
寮に入りました。
部屋は2室とキッチン浴室トイレがあり、当時はまだ実家住まいだった私よりもよほど良い暮らしをしてるなぁ東京の独身男性社員は・・・
と思いながら風呂に入り酔いも醒め、テレビをつけたが東京のチャンネルもわからないうえに深夜2時
こんな時間に見ても仕方ないなと思いそのまますぐに寝る事にしました。
そして程よい疲れと飲酒の為すぐに眠りにつきましたが、尿意を感じすぐに目覚めてしまいました。
時計を見るとまだ深夜3時、1時間しか寝ていないのかと思いまたベッドに入ると寝ようと目を閉じた
時に何か圧力?プレッシャーのようなものを感じるのです。
私はそもそも霊感など全くなく、子供の頃に1度水着の女性を見ましたがそれは子供故の感性によるもの
かとも思いますし、そもそも成人してからは心霊スポットに行ったり、ここ出るでと噂されているような
場所に行ったり、周りの人が何かを感じているのに私は全く何も感じず
「仲間外れのニオイがプンプンするぜ」
状態でした。
しかし、この時に感じた圧力は間違いなく【その類】のものだと直感しました。
霊感の無い私でもビンビン【何か】を感じるのです。
その時私は、ここで怪談話や霊体験話し通りだと金縛りが来るんやろうなぁ
と思いながら来るなら来いと身構えていました。
来い!来い!来なさい〜来たまえ〜と念じていますが金縛りは来ず、しかしベッドに横たわる
私へ対する圧力は依然無くなりません。
なんやこれ・・・と思うと音は聞こえないのですが確かにベッドの上を歩かれている気?
感触ははっきりと無いのですが何故か私を踏みつけ私を横断する人たちが居る気がするのです
確かに腹の上を歩かれている・・・しかも1人や2人じゃないなこれはと思いながら
しばらくそのままにし様子を見ていました。
苦しくも無く金縛りに合うわけでもないのですが寝ている私を横断するかのように人が次から
次へと歩いているのが【解る】のです。
感じると言った方が表現が適切でしょうか・・・
そうすると何も見えないし、何も聞こえないのにただ腹を踏まれて歩かれている感覚だけが
強くまだ何かが見えれば怖かったりするのでしょうが、ただ寝ている私の腹の上を運動会の
行進のように歩かれているだけではただの安眠妨害で、心霊話のネタにもなりません。
しばらくそのまま寝ようと試みましたが、その時に
ああ、天野さんが言っていたのはこの事か・・・しかも205に入る新入社員はすぐに気が病んで
辞めるって城戸さんも言うてたな、これが原因ね。なるほど・・感じる奴にはもっと何かが見えたり
怖かったりするのかも・・・と考えていました。
しかし寝れません・・・こいつらええ加減にせえよ!
とだんだんこの腹の上をドタバタ(実際に音は聞こえませんが感じるのでそういうイメージは湧きます)歩き続ける輩達に腹がたってきて
「お前ら〜!そんなに入場行進が大事か〜!!昼にせい!昼に!」
と深夜にもかかわらず叫んでしまいました。
するとピタッと腹に感じるふまれる感触は無くなり、私はその後も中々寝付けませんでしたが
その日はもう何もなくそのまま朝を迎えました。
そんなに怖い目に合ったという自覚はないものの安眠妨害の腹を踏まれまくるのは心地よいもの
でもなく管理人の天野さんに事情を説明し翌日はやはりホテルに泊まる事にしました。
天野さんは
「いや〜私も話しておくべきだったのですが・・・」
と言いながら説明してくれた内容が、この寮が出来て3年経つが寮の前は末期患者の診療所で
その診療所も閉鎖して10年以上経ち、放置されていた建物を今の寮に立て直したとの事で、
205号室に住むウチの社員は理由を言わずに辞めて行くものもおれば大勢の人が寝室に群がってきて
寝ているその子を毎夜囲むと天野さんに相談しそのまま病んで辞めて行った子も居るみたいで、人により
感じる感じないはあるのだろうがあまりにも酷いので天野さんは天野さんの知り合いのお坊さんに相談し
お祓いをしてもらった時に、あの205号室は霊道になっているので人によっては災いを及ぼす聞いてから
あまり社員を入れないようにしていたらしいのです。
ただそういう事は感じない人もいるし信じない人もいるので住んでいる他の部屋の社員には話さないように
していたとの事でした。
私も先言えよ!と思いましたがお坊さんの説明と205号室に過去入居した数名の社員の証言だけで
何も確信的な事はなく自分から進んで人に話すのは避けていたとの事でした。
しかしあの真夜中の行進は確かに見えたり音が聞えたりしたら病む人も居るのは仕方ないと思います。
私にもっと感じる力があれば凄く貴重な体験になったのでしょうが・・・・
終わり






posted by kaidann at 20:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月16日

私的怪談シリーズ10 新聞配達のオバサン 冨田武市

ゴリラが小6の際、担任の先生から聞いた話である。
先生が大学生の時の事である。
先生は友人宅で仲間内の飲み会兼麻雀大会に参加していた。
ゲラゲラと大笑いしながら、飲み、食い、タバコも部屋が真っ白になるくらい吸いながら麻雀を楽しんでいた。
すると、家主である友人がこんな事を話始めた。
「仲良くしてた新聞配達のオバチャンがおったんやけどな、最近急に来んようになってなあ。辞めたんかなあ?」
辞めたにしても、挨拶くらいしてくれにゃあ寂しいじゃないか。
とか何とかクドクドと寂しいという思いを口にしていた。
田舎から出てきて独り暮らしをしている友人には田舎の母親と重なるものがあったのかもしれない。
夜も更けて、みな一人一人と力尽き始めた。
先生は比較的早くに力尽きたようで、空が白んだ頃に目を覚ました。
すると、窓を開けて外を見ながら一服している家主の友人。
先生もタバコに火をつけ、とりとめなく家主の友人と言葉を交わしていた。
すると、チリンチリンと自転車のベルの音がする。
友人は
「あれ?」
と言って窓から体を乗り出した。
「おばちゃん!」
友人は嬉しそうに声をあげた。
先生はああ、おばちゃん辞めてなかったのか、よかったなあ、と思ったそうだ。
しかし、先生はみてしまった。
窓を外に自転車が止まっており、友人に新聞を渡すと走り去っていく。
友人の部屋はアパートの二階である。
凍りつく先生。
しかし友人は先生の方を振り向くと涙をポロポロ流していた。
「おばちゃん、何も言わへんかったけど、たぶん亡くなったんやなあ。でも、オレがクドクド言うてたから、最後に新聞持って挨拶に来てくれたんやなあ」
と大事そうに新聞を握りしめながら泣いたそうだ。
これは先生と家主の友人二人だけの秘密にしたらしい。
ちなみに新聞はちゃんとその日の朝刊だったらしい。
終わり




posted by kaidann at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月17日

私的怪談シリーズ12 弟の卒業アルバム 木林博喜

私には5歳年の離れた弟が居ます。
今日お話しさせて頂くのは、その弟が
中学を卒業した時の卒業アルバムに心霊写真が写っているという
お話しです。
弟も私と同じ中学出身なのですが私達の中学は修学旅行には
私は長崎に弟は広島にと被爆した都市への修学旅行で、修学旅行で
スキーとかへ行っていた中学の子が羨ましかったものです。
そして問題の弟の卒業アルバムなのですがその原爆記念館や教会やなどを
訪問した際の写真で教会の中を上半身が無く足だけが歩いている写真が
写されているのです。
私も弟に見せられ生まれて初めて生で心霊写真を見ました。

卒業アルバムをそのままスマホで写したものですが左右の参列席の間に足があるのが解るでしょうか?
少しアップにしてみます。
写真 (6).JPG


写真 (8).JPG中央を歩くような2本の足確認できましたでしょうか?
私もこれを見た時に本当に心霊写真て写るんや〜と思いました。
しかし弟や弟の学年の後輩たちには卒業写真に心霊写真が使われる気持ちよ〜といじってしまいたくなる爆笑したい気持ちを抑えつつも珍しい物見せてくれてありがとうと言いました。
posted by kaidann at 18:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

私的怪談シリーズ13 子供 冨田武市

また同じ会社のSさんとの話である。
お昼前、ゴリラが職場の工場内を歩いているとベテランのHさんが
「またSが気持ち悪い事言うとるぞ。話聞いたれや。」
という。
ゴリラはすぐさまSさんのもとへ急いだ。
Sさんの持ち場にいくと、Sさんが青い顔をしている。
「Sさんどうしたん?何かあったん?」
とゴリラが尋ねると、Sさんは機械の側に置いてある一斗缶を指差して答える。
「今も見えるんやけどよ、その一斗缶の上に四、五歳くらいの男の頭浮かんでるねん…もうキモくて仕事にならんわ!」
と指差しながらも、そちらを見ようとしない。
しかし、ゴリラには見えない。
これは困ったな。
この機械は早く稼動させないと納期に間に合わないかも知れぬ。
ゴリラはその一斗缶に近づいた。
その時、ゾッという悪寒がゴリラの全身を貫き、鳥肌が立つ。
ゴリラは
「Sさん?もしかして、オレ今重なってる?」
と感じたまま尋ねた。
すると、無言で頷くSさん。
見えはしないが、明らかに感じる。
そこに立つとやはり悪寒と鳥肌だ。
何とかせねば…
何とか…
ゴリラはふっと閃いた。
「Sさん、ちょっと待っといてな!」
ゴリラは自販機まで行き、子供の好みそうなリンゴジュースを購入し、Sさんの持ち場に戻った。
「お待たせSさん!とりあえずコレ、供えて手合わせてみよ!」
ゴリラはそう言ってジュースを一斗缶の上に供えて、二人で手を合わせた。
『君がそこにおったらSさん仕事できんから、取りあえず違う場所に行ってもらえる?悪いけど頼むわ。』
と心に念じた。
「とりあえず、どっか行ってくれるよう祈って、昼まで様子見よ。Sさん、他の機械やっとこ!」
とゴリラはその場を後にした。
昼休み後、いなくなってくれている事を祈ってSさんの持ち場に行くと、Sさんが件の機械を触っている。
「Sさん、どっかにいってくれた?」
と尋ねてみた。
するとSさん、
「昼休みに見にきたらおらんようになってたわ。ははは、アレ効いたんかな?」
と笑った。
さっき悪寒を感じた場所に経ってみたが何も感じない。
「何であいつら人がおらんようになったり、見てない時に消えるんやろなあ?」
と二人で笑った。
ゴリラはHさんに事件解決を報告にいった。
するとHさん、
「お前等なあ、あんま気持ち悪い事言うたりすんなよ。怖いやんけよ。」
と笑った。
会社では、時々こんな事が起こる。
終わり





posted by kaidann at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談
ファン
検索
最新コメント
<< 2016年12月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
タグクラウド
ホラー小説
プロフィール
さんの画像

私木林と冨田武市で当ブログを運営していきます。 2人とも大のホラー好きですのでホラー好きの方々仲良くして下さい。記事に関するコメントも遠慮なく頂ければ幸いです。
ブログ
プロフィール
写真ギャラリー

オカルト・ホラー小説 ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ ホラー・怪奇小説へ
にほんブログ村
カテゴリーアーカイブ
関連サイト
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。