2014年02月25日
Prosopocoilus astacoides 追記
以前にも記事にしましたが、Huang&Chen,2013(Stag Beetle of China 2)に原名亜種のホロタイプが図示されていて、
分類が少し変わりましたので追記します。
Huang&Chen,2013とは分類が少し違いますが見解の相違ですのでご了承ください。
[関連記事] Prosopocoilus astacoides その1
[関連記事] Prosopocoilus astacoides その2
[関連記事] Prosopocoilus astacoides その3
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左・左中:Holotypes Huang&Chen,2013より
右中:NE.India Fujita,2010より
右:N.Thailand Fujita,2010より
左から:M.poultoni 記載文の絵 Boileau,1911より
:Ssp.castaneus NE.India Fujita,2010より(Ssp.astacoides)
:Ssp.kachinensis N.Myanmar Fujita,2010より(Ssp.poultoni)
:Ssp. C.Vietnam,Kon Tum
:Ssp.astacoides 雲南省
:Ssp.karubei S.Vietnam
Prosopocoilus astacoides (Hope,1840):78 [Lucanus astacoides]
[Type Locality] Assam
[sny] Lucanus foveatus Hope, 1840:78 [Assam].
Lucanus omissus Hope, 1840:78 [Assam].
Lucanus fraternus Hope et Westwood, 1845:12 [-].
Metopodontus foveatus birmanicus Gravely, 1915:418,figs.f-j [Chin Hills-Haka, ?Rangoon].
Metopodontus formosus Lacroix et Bomans,1991:146 [ ]. (N.Thailand)
Ssp.castaneusと同定されていた亜種群です。
分布はアッサム〜北ベトナム・中国(雲南・広西)。
原名亜種のホロタイプを見た感じでは上の分布域の亜種群が当てはまりそうです。
Huang&Chen,2013ではアッサム地域をSsp.astacoides,
ミャンマーから東をSsp.fraternusを当ててますが、
大型個体の歯型にやや違いはあるものの分けるほどではないと感じます。
Prosopocoilus astacoides castaneus (Hope et Westwood,1845):12 [Lucanus castaneus]
[Type Locality] India
[sny] Metopodontus poultoni Boileau,1911:63-65,fig.1 [Boutan(Sakiou.Maria-Basti)].
Metopodontus croceus Didier,1929:121-123,figs.78-81 [Bouthan].
分布はシッキム周辺・ネパール・ブータン。
原名亜種と同定されている亜種群です。
ホロタイプは油でややくすんでいて体型もぼってりしてますが、
明るめの色合いの上翅・頭頂部の突起の形状・複眼下の張り出しが強い・複眼上がやや鋭角で先向き、
などから上記の亜種群に見えます。
Prosopocoilus astacoides kachinensis Bomans et Miyashita,1997:2, figs. 1, 2
[Type Locality] BURMA, Kachin Prov.
ミャンマー北部・雲南・チベットに分布。
顎付け根の2本の内歯と間隔の広い頭頂部の突起が特徴的。
Ssp.poultoniと同定されることもありますが、
Ssp.poultoniの基準産地はブータン西部で記載文の絵を見ても別の亜種群です。
Prosopocoilus astacoides karubei Nagai,2000:3-4,8,figs.7-8
[Type Locality] Dalat Highlands,Lam Dong Prov.,S.Vietnam
南ベトナムに分布。
明るい上翅で、形状はマレー〜ジャワの個体群に似る。
頭頂の突起は間隔が狭く大きい。
Prosopocoilus astacoides ssp.
[Distribution] C.Vietnam
中央ベトナム南部で得られる。南ラオスも?
原名亜種と比較して、顎はやや太くて、内歯は基部寄り。
頭頂の突起は内側に向き、頭楯も異なる。
区別は出来るので亜種わけも可能かと思います。
左から:Ssp.dubernardi Mizunuma&Nagai,1994より
:Ssp.blanchardi 福建・台湾 Mizunuma&Nagai,1994より
:Ssp.reni Holotype Huang&Chen,2011より
:Ssp.mizunumai Mizunuma&Nagai,1994より
:Ssp.elaphus Mizunuma&Nagai,1994より
:Ssp.pallidipennis
Prosopocoilus astacoides blanchardi (Parry,1873):337-338,fig.2 [Metopodontus blanchardi]
[Type Locality] Mongolia
[sny] Metopodontus blanchardi var. thibetanus Planet,1899:385-387,figs. [Mou-Pin,région Est du Thibet].
中国の広い地域と台湾と済州島に分布。
明るい体色で、台湾産の大型個体は長い内歯が中央部まで上がってくる。
大陸と済州島の個体群は長い内歯が付け根に位置するので、周辺地域の亜種との区別は簡単でしょう。
Prosopocoilus astacoides dubernardi (Planet,1899):35-36 [Metopodontus dubernardi]
[Type Locality] Tsakou(Thibet)
チベット・雲南・貴州に分布。
Ssp.blanchardiの台湾産に似てますが、赤みが強く、複眼下のふくらみは弱く、前胸は後方に行っても広くならない。
Prosopocoilus astacoides reni Huang et Chen,2011:47-54,figs.38,43-44,50-52,62-64,72 [Prosopocoilus reni]
[Type Locality] CHINA: Hainan: Baisha City, Miao-cun
海南島の特産。
Ssp.blanchardiに似るが、黒っぽい体色が特徴的で、頭部の点刻は荒く、頭楯の形状も異なる。
独立種で記載されましたが亜種程度と思います。
Prosopocoilus astacoides elaphus (Möllenkamp,1902):283 [Metopodontus elaphus]
[Type Locality] ←記載文を持ってないので正確な基準産地はわかりません。
[sny] Prosopocoelus diehli Weinreich,1971:230-232,237, pl.7-fig.1 [Sumatra,Tebingtinggi].
スマトラ・ニアスに分布。
以前にマレー・スマトラをSsp.elaphus・ジャワをSsp.cinnamomeusとされていた時、
それぞれの産地を大〜小まで計20頭ずつくらいで比較したことがあります。
小型個体であっても頭楯でマレー産・スマトラ産・ジャワ産の区別が可能です。
Prosopocoilus astacoides mizunumai Fujita,2010:17,213,figs.644(29-31)
[Type Locality] Cameron Highalands,W.Malaysia
マレーに分布。
スマトラ・ジャワの個体群にくらべ大型になり、90oを超えてきます。
サイズで分けられたような印象があり、大型化するから別亜種というのは個人的には納得しかねます。
マレー産・スマトラ産・ジャワ産を同サイズで比較すると頭楯で区別は出来ますが、
違いが軽度なためすべてを同亜種とするか、
軽度でも区別は出来るので3産地の個体群をそれぞれ別亜種とするか、
といった具合に分類するべきだと考えます。
最大サイズで分けるとP.girafaなどは島ごとにすべて別亜種になってしまうわけですし。
Prosopocoilus astacoides pallidipennis (Hope,1841):590 [Lucanus pallidipennis]
[Type Locality] island of Java
[sny] Lucanus cinnamomeus Guérin,1843:108, pl.27 [Java].
Lucanus fulvipes Hope et Weswood,1845:13 [?].
Lucanus rafflesii (nec Hope) Westwood,1844:106 [?].
Metopodontus javanus Didier et Sèguy,1953:40 [Java:Monts Tengger].
基準産地はジャワなのですが、記載を見るとミャンマー北部かインド北東部産っぽい印象です。
L.foveatusについての中にP.confciusと一緒に書かれてます。
L.foveatusについての中にL.foveatusとここそこが違うといった書かれ方をしているので、
記載としての有効性については素人にはよくわからないです。
P.javanus Oberthür et Houlbert,1913(=P.ijengensis)の記載が無効なら、
Ssp.pallidipennisも無効のような気もするのですが・・・
↓に記載文があります。
[関連記事] Prosopocoilus astacoides その3].
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