2009年08月16日
口縄坂(大阪・坂巡り)
「口縄坂」は坂の下から見ると、道が蛇のように細く長いから名付けられたそうです。
口縄とは蛇のことです。
この坂を“蛇坂”と呼ばずに“口縄坂”と呼んだところが昔のひとのセンスのよさですね。
石畳の道が階段になっていきます。
子猫の兄弟が佇んでいました。
坂を登りきった右手には 作家・織田作之助の文学碑があります。
『木の都』という作品の一節が刻まれています。
口縄坂は寒々と木が枯れて白い風が走っていた
私は石段を降りて行きながら もうこの坂を登り降りすることも当分あるまいと思った
青春の回想の甘さは終わり 新しい現実が私に向き直って来たように思われた
風は木の梢に激しく突っ掛かっていた
5月にふれあいウオークで訪れたとき、年配の女性が
「織田作さん、好きなの〜」とおっしゃっていました。
私はというと、彼の作品を理解するには生まれるのが遅かった
とでも言っておきましょう。
でも、織田作之助さんが好きだというこの口縄坂は
私も一番好きな坂です。
夫婦善哉
『夫婦善哉』ほか、『木の都』など6編。
早世が惜しまれる織田作之助の代表短編小説集。
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