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頭のうちどころが悪かった熊の話

発行日2007年12月
作者 安東みきえ
画家 下和田サチヨ

この本に出会ったのは、ちょうど半年くらい前に新聞の書籍紹介欄にあったのを目に留めました。
有名な女優さんの紹介欄だったので気になり、早速購入して読みました。
最初は子供にも聞かせてあげるのにちょうどいいかな程度でしたが、なかなかどうして親が読んでも面白い作品でした。

7つの短編からなる作品集。
人生について考える7つの動物寓話と書いてある通りそれぞれ、熊、トラ、ヘビ、カラス、おたまじゃくし、牡鹿…といった具合に、動物たちを主人公にしている。
最初はとっつきにくいなと正直思いました。小さな子供さんには少し難しいかなと思います。

しかし読んでいるうちに、フレーズの一言一言が奥が深いというか辛くて悲しい時に読むと何もそんなに悩まなくてもと思わされる。時間の流れが妙にゆっくりになるような感覚。

「どうせまた寝ることになるっていうのに、なぜ起きなくちゃいけないんだろう?」
「トラの目には涙があふれ、そして口にはヨダレがあふれていた。」
「きみにだったら食われてやっても いいさ」…
等、ドキッとする言葉がいろいろあります。すんなり心の中に入り何か不思議な昔の懐かしさを思い起こす本。
   
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