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2020年08月05日

今年も夏眠したい

今年は、7月下旬になっても雨の日が続きました。
大雨が心配だった半面、気温に関しては例年より低く、暑さが苦手な私は、体調が比較的落ち着いていました。

8月に入ってすぐ梅雨明けしましたが、一気に35℃前後の猛暑となり体が付いていきません。2〜3日して自律神経も乱れて体調が芳しくなく、毎年憂鬱な季節。

昔は暑い日といっても30℃少し超える程度で、35℃以上の日は少なかったですし、朝夕は涼しくなったものですが‥。

早く涼しくなることを期待しつつ、先を考えて不安にならないよう、今日一日に感謝し過ごしていかなければ‥と自分に言い聞かせています。


【このカテゴリーの最新記事】

2020年07月07日

大雨お見舞い申し上げます。

九州で豪雨被害が出てしまいました。

最近は、毎年どこかで大雨被害が起こっている印象です。
地球的な温暖化、海水温も上昇し、大雨が降りやすくなっています。
まだ今後も、九州のみならず東海や甲信など広範囲で大雨予報。

今日は七夕。この時期は梅雨の只中で、天の川見えないことも多いですが、
早く大雨が収まり、被害地域の一日も早い復旧と、これ以上被害が出ないことを祈るばかりです。
タグ:大雨
posted by やたーと at 15:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 梅雨

2020年06月26日

大井川・天正の瀬替えから平成の大改修に思う‥ もう一本橋架けて!

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「天正の瀬替え」で、大井川の河道の付け替えが行われた牛尾山付近は、元々この山と相賀の間約260mを掘削して、直進の新河道としたため、前後の川幅より狭くなっています。

そのため、洪水対策として川幅を広げるべく、天正18年(1590年)の「天正の瀬替え」から428年後の平成30年(2018年)、着工から約6年の歳月をかけ「平成の大改修」と銘打った大井川牛尾山狭窄部対策事業(牛尾山の開削)が竣工しました(用地調査等の事業開始は平成9年(1997年))。

牛尾山の狭窄部の川幅は、約300mから約450mへと150m広くはなりましたが、前後の川幅より狭いことに変わりありません(前後の川幅は約600m)。

橋の長さで比べると、牛尾山上流側、神座と横岡間の大井川水路橋で732.3m、下流側、向谷と島間の国道1号線の新大井川橋で890m。

国土交通省静岡河川事務所も、この川幅で洪水対策には十分との判断だと思うのですが、私的には、逆にこの狭い川幅は、利点もあると思うのです。

新東名島田金谷インター経由で川根本町や静岡市井川方面に向かう場合、大井川西岸の国道473号線を北上するのですが、しばらく走ると山が迫り、上り下りの勾配やカーブも多く、一部狭いところもあります。

一方、対岸を走る県道64号線は平坦な2車線がずっと確保され、直線区間が多く、カーブはあっても緩やかで走りやすい道となっています。

ところが、同インターから北上して対岸の県道64号線に行こうとしても、島田市川根町まで約15q、約20分も走らなければ橋がありません(県道63号線の駿遠橋)。

インターから南進して国道1号経由で県道64号に向かうのは遠回りで、時間もかかります。

インターから北進してすぐに、大井川水路橋がありますが、道も狭く時間帯での交互通行。県外の人は知るべくもなく、使いづらい橋。水路橋ですから拡幅は難しいでしょう。

それならば、インター出口から牛尾山方向に東に向かう市道横岡新田牛尾線は約380mで突き当り、右折して南下しますが、そのまま東に約600mの新道を伸ばし※、その先県道64号線の相賀橋付近に向けて橋を架けられないかと思うのです。ここなら500m程度の橋でいいわけですから、川幅の狭さが利点になります。

※島田金谷インター東側の新東名以北、牛尾・横岡新田地区に計画されている、島田市内陸フロンティア推進整備事業の中で計画されている市道のアクセス道路2号線(約400m)は、まさに「そのまま東に約600mの新道」の一部とすることができます。残念ながら、市には対岸の相賀橋に向けての架橋計画はないようです。

折角、新東名の開通で、島田金谷インターを利用して千頭、接阻峡、井川方面のアクセスが良くなったわけですから、地元のみならず、観光客にも喜ばれると思います。

参考に、インター出口交差点から川根町川根中入口交差点まで、国道473号線経由で16.2q・約22分、インター出口交差点から東に新道を延伸、大井川東岸の相賀橋付近へ架橋した場合の県道64号線経由で推定14.9q・約18分と、1.3q・4分の短縮(地図上での目算)。

大した短縮になってないと思われるかもしれませんが、例えば、島田金谷インターから島田市街方面に行く場合、国道1号線を通らなくても行けますので、国道1号線の渋滞緩和にも役立ちます。

また、国道473号線は神尾山の山際を通る居林〜福用間6.5qが連続雨量150mmを超えると通行止め、対岸の県道64号線経由は神座〜川口間3.5qが連続雨量160mmを超えると通行止め。規制区間も県道64号線の方が短いです。

もし、このブログお読みの関係自治体や静岡県島田土木事務所、国交省静岡河川事務所の方いらっしゃいましたら、御一考をお願いいたします。


タグ:大井川

大井川・天正の瀬替えによる駿遠国境の変更

久しぶりの投稿です。

天正18年(1590年)以前の大井川は、新東名の新大井川橋付近から東海道新幹線大井川橋梁付近にかけて、現在の島田市金谷の牛尾地区から国道473号線沿いに南下し(現在の大井川よりすぐ西)、金谷小付近から流れを東に変え、現在の島田市街地(現在の大井川よりすぐ北)を流れていました。

この流れは、たびたび大洪水を引き起こしていたため、当時、駿府城主の中村一氏により、大井川東岸の相賀から続く牛尾山(駿河山、相賀山とも呼ばれた)のくぼみを掘削し、当時、遠州掛川城主の山内一豊により堤防が築かれるなど、「天正の瀬替え」と呼ばれる河川の大規模改修がおこなわれたのです。

天正の瀬替え前の牛尾山は大井川の東側にあり、駿河側・相賀地区の山と一続きでしたが、この瀬替えにより牛尾山は川の西側となり、旧河道は開墾されて五和村ができ、遠州掛川領となりました。

ですからこの付近、天正の瀬替え以降、現在大井川西側にある五和地区の東側、牛尾や島などは駿河から遠州に移ったわけです。


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タグ:大井川

2019年10月05日

滋賀の窪地

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今でも、思い出すと笑ってしまう言葉があります。

「滋賀の窪地」です。

何のこと?と思われるかもしれませんが、NHKの生活笑百科で、以前レギュラー解答者だった上沼恵美子さんが、琵琶湖について話していた時の言葉だと記憶しています。

出演されていた当時、この番組をよく見ていて、解答で話が脱線し自慢話、これがとても面白く、爆笑してました。「淡路島に橋を架けた」、「大阪城や金閣寺は自身が所有し公開している」等々、サラッと言い切ってしまうのはすごいの一言。

そんな数あるホラ話の中でも、地理好きの私が、秀逸な表現‥と感心したのが、「滋賀の窪地」。水がない琵琶湖はあまり想像しませんが、まさに「窪地」という表現がツボにはまりました。

随分前のことですので、細部は違っているかもしれませんが、「自分が買った、或いは所有していた滋賀の広大な土地に、とても広い窪地があり、殺風景だったので水を張って、それが今の琵琶湖となった‥」というような内容だったかと思います。

狭くて浅い琵琶湖の南の方でさえ、上沼さんの財力をもってしても水を張るのは大変そうですが、こうした壮大なホラ話は、話術の上手さがあってこそ面白さが成立すると‥。他の人には、なかなかまねできないでしょう。


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posted by やたーと at 09:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 滋賀

2019年09月16日

「ツドノサカ」の「ツドノ」勘違い

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前回のブログの終わりに、【「ツドノサカトンネル」の「ツドノサカ」は、海久保へ向かう梅地地区中心部の最後の民家の屋号が「津戸」で、そこから始まる坂道の意味で「津戸の坂」が由来とのこと。】と書きました。

全国には、京都府木津川町にある「奈良坂」、岐阜県多治見市にある「尾張坂」のように向かう先の地名に由来した「〜坂」という名称が存在します。

この例に倣い、由来を知る前は、「ツドノ」という地名がないか探して、川根本町梅地から直線で約20q南東にある、安倍川中流の「津渡野」(静岡市葵区美和地区)を見つけました。ここは戦国時代に築城された津渡野城があり、安倍川を利用した駿府への舟運基地だった牛妻も対岸だったことから、もしかしてここへ向かう道の梅地側の入り口の坂の意味で使っているのでは‥と勝手に想像していました。

戦国時代から江戸初期にかけて、接阻峡付近の梅地や犬間では金が取れ、駿府方面に運搬。その道筋は大井川沿いを下らず、安倍川水系藁科川との境にある山地尾根沿いの「梅地街道」や「川根街道」を通っていました。梅地から長島経由で山を登り、天狗石山ー智者山ー馬込ー富士城ー洗沢ー蛇塚ー八伏といった尾根や尾根沿いの集落を通りながら昼居渡(葵区清沢地区)に降り、藁科川沿いに駿府へ下るものだったそうです。

「ツドノ」を「津渡野」と考えたとき、この金など物資の運搬ルートについて、梅地から山を登り、三ツ峰ー富士見峠から口坂本に降り中河内川沿いに下って、或いは三ツ峰ー富士見峠ー笠張峠ー大岳の北の尾根から大沢に降り西河内川沿いに下って、桂山(葵区玉川地区)から細木峠を越えて津渡野経由で駿府に行く北回りルートがあったのでは?‥と。そして、梅地から津渡野へ向かう道の入り口の坂で「ツドノサカ」なのでは?‥と。

しかし、「ツドノ」の由来を地元の資料館の方に調べていただいて、私の仮説は違っていたことがわかりました。「奈良坂」や「尾張坂」のある所から奈良や尾張国境までの距離と比べ、先の仮説の梅地ー津渡野間の距離はかなり離れており、交通手段が徒歩の時代に、仮説はちょっと無理があったかもしれません。

ちなみに、「ツドノサカ」の「津戸」は屋号由来でしたが、津戸や津渡野の「津」は海や川などの港、船着場の意味。「戸」は門や出入り口、両側から迫っている狭い通路の意味。「渡」は川の合流地点の意味。

明治になり大井川の舟運ができても、難所・接阻峡のために井川へは舟が行けず、梅地で舟は止まっていたそうです。梅地の「ツドノサカ」の由来の屋号「津戸」も、両側から山が迫り、接阻峡の川幅が狭くなる大井川の舟を降り、陸路にて海久保経由で井川へ向かうための船着場に起源があるのでは‥とまた想像が膨らみます。


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2019年09月15日

遠江(遠州)と駿河の境もおもしろい!

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遠州と駿河の境は概ね大井川なのですが、河口部と上流部は違います。

まず、河口部では大井川東側の旧大井川町は駿河でなく遠州。明治12年に旧遠州側の榛原郡から旧駿河側の志太郡に移管されたので、旧国名を使用していた明治より前は遠州だったわけです。

詳細には、旧大井川町域の15村と藤枝市域の3村は、江戸時代、大井川の東でありながら「向榛原(むこうはいばら)または「東榛原」と呼ばれ、遠州側と大井川を挟んで同じ榛原郡だったそうです。

大井川が山間部から志太平野に出るあたりから、本流は有史以前の黒石川付近から有史前期の栃山川付近、8世紀以降は現在の大井川付近(一時期吉田町の湯日川付近だったこともあり)と、東から西へ動いています。また、奈良時代は大井川最下流部で幾筋か支流が分かれ、河口部でいくつもの中洲があったらしい‥。

しかし、旧大井川町付近が現在の大井川本流より西側だったのは8世紀より前のことですから、江戸時代、河口付近で大井川以東も遠州榛原郡だったことは不思議。奈良時代の大井川河口部の中洲まで榛原郡だった名残なのでしょうか。

一方、上流部の川根本町最奥、大井川左岸の梅地地区の海久保、栗尾は駿河、右岸の犬間地区の大井川鉄道尾盛駅付近までは遠州と国が分かれますが、その先、右岸も静岡市葵区井川の閑蔵地区からは駿河。(栗尾は現在、住んでいない。)

つまり、右岸は犬間地区と閑蔵地区の間、大井川に合流する間の沢川〜大無間山〜光岳(川根本町・静岡市葵区境)が遠州と駿河の国境となります。一方、大井川左岸は旧志太郡(川根本町梅地)と旧安倍郡(静岡市葵区井川)で異なっていても、どちらも駿河ですから、大井川本流が駿遠国境から外れるのはまさにこの付近で、井川に入ると大井川左岸も右岸も駿河国になるわけです。

大井川上流のこのあたりは接阻峡(せっそきょう)と呼ばれ、「井川から下流三里は地獄谷」といわれるほど急峻、井川から現在の川根本町方面への行き来が困難だったようです。ですから井川は、大井川左岸(東側)の旧志太郡(駿河)でも、右岸(西側)の旧榛原郡(遠州)でもなく、静岡市街地方面と山越えで同じ旧安倍郡(駿河)でした。そして、昭和44年に静岡市に編入、平成17年静岡市の政令市移行により葵区となりました。

大井川の国土交通省長島ダム(平成14年完成)の建設に伴い、接阻峡付近では接阻トンネル(平成10年完成)や新接阻大橋(平成12年完成)によって、県道388号線起点の接阻峡温泉会館先から海久保、閑蔵への道(川根本町道閑蔵線全線・静岡市道閑蔵線のごく一部)が格段に良くなりましたが、その先の閑蔵から県道60号線合流まで市道閑蔵線の大部分は狭い道のままです。

接阻トンネルの直上に、国土地理院の地図では昔の道らしき細い道路があり、短いトンネルも確認できます。梅地地区中心部から海久保へ行く梅地林道で、延長100m程の通称「ツドノサカトンネル」※を越え、農道海久保線を降りると海久保集落です。現在道は荒れていますが、以前はこのような道を通っていたかと思うと、いかに山間部の生活を守るために道路が大切か思い知らされます。

※「ツドノサカトンネル」の「ツドノサカ」は、海久保へ向かう梅地地区中心部の最後の民家の屋号が「津戸」で、そこから始まる坂道の意味で「津戸の坂」が由来とのこと。


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posted by やたーと at 17:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 静岡

2019年09月05日

遠江より遠州

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静岡県の旧国名は、東から「伊豆」「駿河」「遠江」です。このうち、概ね大井川以西は「遠江」。

地図を開くと、「伊豆半島」「駿河湾」とありますが、「遠江灘」ではなく「遠州灘」とあります。ここだけ「遠江」の別称「遠州」が使われています。

静岡県内の人や、県外でも近くの人であれば、「遠江」を「とおとうみ」と正しく読むことができると思いますが、県外では、間違って「とうみ」や「とおみ」と読んでいる人が意外と多いのです。実は、私もその一人でした。

滋賀県の旧国名「近江」は「おうみ」と読み、こちらは苗字でも見ますし、間違えて読む人は殆どないと思いますが、「遠江」のことを、この「近江(おうみ)」に引きずられて「とうみ」や、「遠い江(海)」でそのまま「とおみ」と呼んでしまうのではと想像しています。

昔の都から近い湖「琵琶湖」を「淡海(あはうみ)」「近淡海(ちかつあはうみ)」、遠い湖「浜名湖」を「遠淡海(とほつあはうみ)」と呼び、これが旧国名の由来だと言われています(浜名湖ではなく古代の磐田湖(大之浦)が由来との説もあり)。

駅名の頭に「遠江」を使っているところがありますが、ごく一部。例えば「遠州灘」の他にも、「遠州弁」「遠州鉄道」「遠州木綿」「遠州凧」「遠州森の石松」(ここは駅名も遠州森駅)など、全国的には「遠州」の方が有名です。読みも「えんしゅう」と明快で、「遠江(とおとうみ)」よりも言いやすい。

旧国名の正式名より、別称である「〜州」の方が有名な例は多くあります。群馬県の「上野(こうずけ)」より「上州(じょうしゅう)」の方が有名なのは、ここ「遠江」と「遠州」の関係と同じ。別称の方が有名な例は、ここまで差がないとは思いますが、山梨県の「甲斐(かい)」より「甲州(こうしゅう)」、長野県の「信濃(しなの)」より「信州(しんしゅう)」。

私も、ブログの中では別称の「遠州」を主に使っています。同じ静岡県でも「駿河」や「伊豆」は正式名、「遠江」だけ別称「遠州」を使用するのはおかしいと思われるかもしれませんが、ご了承ください。


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タグ:遠江 遠州
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2019年08月23日

静岡県東部(駿河)と伊豆の境は複雑

遠州と駿河の境は、概ね大井川。静岡県西部と中部の境は、大井川に沿って少し西側の遠州の中にあり(大井川以西では榛原地域までが中部)、県の総合計画、天気予報など同じ区分ですから境は明快ですが、東部と伊豆の境は様々です。

特に複雑なのは、三島市、函南町。駿河国と伊豆国で分ければ、沼津市は一部を除き駿河(内浦重寺以南は伊豆)、三島市や函南町は伊豆ですし、天気予報では沼津市全域から三島市までは東部、函南町は伊豆。

県の出先機関は、東部(沼津市)管轄に三島市、函南町、伊豆の国市、伊豆市が入っていることが多く、県の総合計画では、三島市と函南町は東部と伊豆半島地域の両方に入っています。

車のナンバーは、旧国名に合わせ、三島市、函南町、熱海市以南は「伊豆」で、沼津市、長泉町及び清水町は「沼津」(沼津ナンバーエリア以外の東部は、「富士山」)。

なお、沼津市と三島市の間にある長泉町や清水町は駿河国で、全て東部の区域に入っています。

静岡県外の人間からすると、三島や函南が伊豆に含まれることに少し違和感はあります。個人的感覚だと、旧韮山町(現伊豆の国市)以南が伊豆の感覚、三島や函南は伊豆の玄関口ですが、もう少し南から伊豆かなという感じです。(函南町には、伊豆の名を冠する病院や道の駅などもありますが‥。)

ただし、伊豆半島東海岸においては、旧国名のエリアどおり熱海から、西海岸においては旧戸田村から伊豆のイメージはあります。(先に述べたように、実際は戸田村合併前の旧沼津市域でも内浦重寺以南は伊豆です。)

そもそも、清水町・長泉町と三島市の境は小さな境川、市街地は繋がって一つの街のようです。ここが駿河と伊豆の境と言われるとなぜ‥と思ってしまいます。

ましてや、静岡県が一級河川と指定するこの境川の起点は、三島駅南口から西に伊豆箱根鉄道駿豆線の踏切を超えてすぐのところで、本当に細く小さな川。ここから北の上流部分は溝のような細い水路。そして暗渠部分も多く、かつては大場川の青木橋(三島駅の北約1.7q)付近から流れていたらしき跡はわからず‥。

実はこの大場川、上流部では境川とも呼ばれ、駿豆国境の三島市・裾野市境の神奈川県境の山中から、両市の境、そして三島市・長泉町の境を流れていますが、17世紀中ごろの洪水で、境川から現在の青木橋付近で分流していた大場川の方に水が流れてしまい、青木橋から下流の先程既述した三島駅南口の西の境川起点付近までは涸れ川になってしまった経緯があります。

ですから、駿豆国境が設定されたときには、相模国境の山中の源流から狩野川に合流するまで、駿豆国境を設定できる程度の川の流れはあり、境川と名付けられたわけです。

また、狩野川や黄瀬川の下流部が駿豆国境の時もあり、清水町、長泉町の黄瀬川以東、裾野市の南端(伊豆島田という地名もあります)が伊豆国に属していた時代もありました。こちらの方が川幅が広いので、国境だとわかりやすいです。


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2019年08月21日

遠江(遠州)=静岡県西部ではない?

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静岡県外に住んでいますが、同じ東海地方ですので、NHKや一部民放でも静岡県の天気予報は流れています。西部、中部、東部、伊豆と4つの地域で予報が出され、行政でもこの区分は使われています(東部と伊豆は、天気予報と行政区分で地域が異なる)。

ところで、「三遠南信」の「遠」部分の範囲を調べているときに、遠州全域が入っていると思っていたところ、榛原地域の一部は入っていなかったのですが、そのことより意外だったのが、遠州全域が静岡県西部ではなかったことです。

下流部で東側の旧大井川町(平成20年焼津市に編入)と藤枝市南部の一部は遠州、上流部の静岡市井川は全て駿河といった例外はありますが、それ以外は大井川が境で遠州と駿河に分かれてますので、当然のように西部と中部の境も大井川と思っていました。

ところが遠州でも、吉田町、牧之原市、島田市や川根本町のうちの大井川以西は中部エリアであり(現在は市内全域が西部の御前崎市も、合併前の旧御前崎町部分は中部だった)、大井川が境でないのにびっくり!(静岡県民には当たり前かもしれませんが‥。)

遠州と駿河では、人の気質も違います。浜松や磐田などのようにどっぷりと遠州の中央にあるところとは違い、大井川に沿ってすぐ西岸の榛原地域は志太榛原で一つの括りであり、現在、静岡県中部の区域であることから、遠州の意識が薄いようです。特に川根本町のような上流部に行くほど、自分の家が遠州と駿河のどちらに属しているのか知らない人もいるくらいです。

川根本町は中川根町と本川根町の合併(平成17年)でできたましたが、それ以前の昭和31年に榛原郡中川根町が志太郡徳山村を編入、同年榛原郡上川根村と志太郡東川根村が合併して榛原郡本川根町ができ、このとき大井川の西岸・東岸ともに同じ自治体になってしまいました。島田市と榛原郡金谷町(平成17年)・川根町(平成20年)の合併でも同様です(昭和30年に榛原郡下川根村が志太郡伊久美村の一部・笹間村を編入して榛原郡川根町となっています)。遠州・駿河の境など意識しなくなるのは当然です。(大井川を挟み、西側が旧榛原郡、東側が旧志太郡。)

箱根馬子唄の唄い出し「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」のように、かつて大井川は大きな障壁でした。国境となるのも頷けます。現在は橋も多くかかり、大井川が障壁ではなくなりました。それより西の、概ね牧之原台地や旧東海道の小夜の中山の峠、国道1号線の日坂峠、そして八高山から続く山地の方が、境とするにふさわしいのでしょうか。この付近の自治体境で、西部と中部に分かれています。
posted by やたーと at 14:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 静岡
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