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2022年03月08日

2代目ボンド、ジョージ・レーゼンビーの007 と ボンド・ガール・トリビア

The 2nd Bond, George Lazenby's 007& Bond Girls trivia

たった1作で終わった2代目、モデル出身のオーストラリア人ジョージ・レーゼンビーの007。
今回は幻の名作とも言われる『女王陛下の007』と、007シリーズのもう一人の主役とも言えるボンド・ガールについてです。


『女王陛下の007 
 On Her Majesty's Secret Service』

 (1969年/英)ピーター・ハント監督

【Story】
スペクターの首領ブロフェルドを探していたボンドは、マフィア系組織のドン、ドラコの娘であるトレーシーに出会う。自暴自棄な生き方をしていた悲しい過去を持つ彼女に惹かれるボンド。ドラコの協力でブロフェルドがスイス・アルプスのスキークラブ兼研究所に居ることを突き止め、潜入する。イギリス諜報部にブロフェルドの陰謀を伝えるため脱出したが、激しい追跡に遭ったボンドを救ったのは、トレーシーだった。
Screenshot 2022-03-07 18.29.05.png

メインの舞台はスイス・アルプスの研究所。確かに内容はグレードが高い。身体能力を買われて起用されたジョージだけあって、アクションも良かったし、雪崩やボブスレーのシーンなどは手に汗握って見てしまった。
007シリーズを通してボンドが本気で愛した女性と結婚するのはこの作品だけ、といういろんな意味で特別な作品でもある。

不評だったワケ

が、一代で終わったのにはやはり理由があるのだなー、と実感する。ボンドが魅力的ではないのである(私個人の意見です)。まずハンサムとは言えず、一度見ただけでは記憶に残らないフツーのおっさんに見えてしまう。「コイツに近づいたら火傷する」という危険な匂いがしないとダメなのだ、ボンドは。

ダニエル・クレイグ最後のボンド『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、実はこの『女王陛下の007』のリメイクとされている。もちろんシチュエーションも舞台も大幅に変えているが、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』のエンディングではリスペクトとして、ルイ・アームストロングが歌う『女王陛下の007』の主題歌「愛はすべてを超えて」が流されていることからもそれがわかる。こちらのボンドは見るからに火傷しそう・・・

とはいえ007マニアの間では幻の名作と言われ、クリストファー・ノーランなど近年の有名監督らもリスペクトするこの作品、007ファンであればぜひ見ておきたい作品だ。


【ボンドガールあるある】注意:ネタバレあり

007シリーズの見どころのひとつがボンドガール。彼女たちは、大まかに4つのパターンに分けられる。
(あくまでも筆者個人による選別です)

1:ラッキー・ボンドガール・タイプ
行く先々でボンドと一緒になり、結局最後はラブラブで終わる。
ボンドの魅力にハマり、ラッキーにも愛されて最後まで生き残るタイプ。

Screenshot 2022-03-07 18.33.31.png
1作目『ドクター・ノオ』のハニー・ライダー、『私を愛したスパイ』のアーニャ、『リビング・デイライツ』のカーラ、『ゴールデンアイ』のナターリアなど、大抵1作に一人は登場する。

が、ダニエル版はストーリーが繋がっているので、このタイプが存在しない珍しいシリーズだ。唯一『スペクター』で、マドレーヌ(レア・セドゥ)とハッピーエンドを迎えているが、次作の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は悲劇で終わることに…
 ↑『リビング・デイライツ』のボンド、ティモシー・ダルトンとカーラ役のマリア・ダボ

またピアース版ボンドでは『トゥモロー・ネバー・ダイ』のミシェル・ヨー、『ワールド・イズ・ノット・イナフ』のデニス・リチャーズ、『ダイ・アナザー・デイ』のハル・ベリーなど、サバイバル能力を身につけた強いラッキー・ボンドガールが多い。


2:アンラッキー・ボンドガール・タイプ
早ければ30分以内に、遅くとも3分の2までに犠牲になって命を落とす悲運なタイプ。

『ゴールデンフィンガー』のジルは金粉を塗りたくられて窒息死、『慰めの報酬』のフィールズ(ジェマ・アータートン)は重油漬けという残酷な方法で殺された。

第2ボンドガールとも呼ばれる生き残れないボンドガールにはほかに『ムーンレイカー』のコリンヌ、『トゥモロー・ネバー・ダイ』のパリス、『スカイフォール』のセブリンなどがいる。日本が舞台である『007は2度死ぬ』の若林映子もこのタイプだ。
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『女王陛下の007』でボンド(ジョージ・レーゼンビー)と結婚式をあげた妻のトレイシー(ダイアナ・リグ)

『女王陛下の007』でボンドの妻となるトレイシーと『カジノ・ロワイヤル』のヴェスパー(エヴァ・グリーン)は、とことん本気で愛されながらも最後に死んでしまう稀有なボンドガール。


3:寝返りヴィラン・タイプ
悪役(ヴィラン)のボンドガールも2種類に分かれる。
ひとつは、当初は敵側でありながらボンドの魅力に参って心を入れ替え、彼に味方するタイプ。

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『ゴールドフィンガー』のプッシー・ガロア、『ロシアより愛を込めて』のタチアナ、『ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』のキム・ベイシンガーと、ショーン版ではこのタイプが多い。ショーン・コネリーの抗いがたい魅力ゆえか?

←『ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』ボンド、ショーン・コネリーとキム・ベイシンガー演じるドミノ
 
4:とことんヴィラン・タイプ
もうひとつは、ボンドに堕ちそうに見えながらも骨の髄まで悪に染まっていて、結局はボンドに殺されることになる悪女タイプ。

こちらは『ワールド・イズ・ノット・イナフ』のエレクトラ(ソフィー・マルソー)が最も印象的。
『ダイ・アナザー・デイ』のミランダ(ロザムンド・パイク)、『ゴールデンアイ』のゼリア(ファムケ・ヤンセン)もこのタイプで、ピアース版ボンドに多い気がする。『X-Men』シリーズのファムケ・ヤンセンは、最強、最凶のボンドガールかも

→『ワールド・イズ・ノット・イナフ』のボンド、ピアース・ブロスナンとソフィー・マルソー演じるエレクトラ
Screenshot 2022-03-07 18.50.45.png
 
◆◆◆◆◆

ショーン・コネリー版では、次々と敵側の女性まで味方に取り込んでしまうのに、ピアース・ブロスナン版では、最後までボンドガールたちの本性を見抜けないのは、彼に女性を落とすだけの魅力がないわけではなく、女性自体が強くなった時代を反映しているように思うのですが、どうでしょう?
歴代のボンドガールを見比べてみるのも、面白い007シリーズの鑑賞方法かも?

タグ:007
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