2020年09月24日
有名人が誹謗中傷を我慢するのは、当たり前なのか
誹謗中傷
SNSでの誹謗中傷により亡くなった木村花さん。
昨日、花さんのお母さまが、「リアリティー番組とSNS」が奪ったもの。
いま、伝えたいことのビデオメッセージが
公開されていました。
花のお母さまのビデオメッセージ(Twitter)
なぜ今
これほどまでに「誹謗中傷」が起きているのか。
そもそも、なぜ今、誹謗中傷が問題になってるのか?
あなたも「誹謗中傷」を「しない」「させない」ように。
そのために、誹謗中傷が起きてしまう原因と、どうしたら防げるのかを見ていきます。
なぜ誹謗中傷をしてしまうのか(心理的観点もふまえて)
そもそも誹謗中傷とはどう意味か説明できますか。
誹謗中傷とは、根拠のない悪口を言いふらして他人の名誉を損なう行いのことである。「誹謗」は「人の悪口を言う」ことであり、「中傷」は「根拠のない内容で人を貶める」ことである。注目してもらいたいのは「誹謗」と「中傷」の意味
「誹謗中傷」の意味を聞くと「悪いこと」「してはいけないこと」と認識できます。
しかし「誹謗」「中傷」それぞれの意味をみると、投稿した本人は悪いことをしているという認識がない行動が見てとれます。
さらに、「極端な意見を持つ人ほどSNSで書き込む回数が多い」です。
SNSは「発信ツール」です。
例えば、自分が「賛成でも反対でもない意見」と「絶対に反対」という
2つの意見を持っていたとします。
どちらをより「発信したい!」と思いますか?
「絶対に反対」の方だと思います。
インターネットの普及、さらにSNSの普及により
「言論の空間」が生まれました。
そのなか生まれたのが、「匿名」と「集団」。
この2つによって誹謗中傷が加速しています。
もしあなたが、なにかをインターネットで意見を述べたとき
「匿名」と「実名」、どちらが述べやすいでしょうか。
「匿名」ですね。SNSでは特に個人が特定されることがないため、
極端かつ攻撃的な主張ができてしまいます。
普段、まったくできないこともSNSでは
出来てしまうです。
「没個性化」
心理学用語です。
個人が集団の中に埋没することで、
このようなことができてしまいます。
「集団極性化」
心理学用語ですが知っていますか?
集団で議論すると、極端な意見になりやすくなるのです。
それはなぜでしょうか。
原因は、多数派の意見を先鋭化してしまうことです。
「自分の意見は、これに加えてもっとすごい案をもっている」
「自分はこんなことも知っている」
と自己顕示欲が働いてしまうからである。
「人前に出る仕事なんだから耐えて当たり前」
芸能人やタレントさんなど、「人前に出る仕事」をされている方は
誹謗中傷されて当たり前なのでしょうか。
いつから「攻撃してもいい」という風潮になってしまったのでしょうか。
「自分たちより大金をもらっているんだから、誹謗中傷されてもいいだろ」
相手が有名人なら「誹謗中傷」しても罪悪感を覚えていない人は多い。
しかし、誹謗中傷をする前によく考えてほしい。
そういった有名人にも「法の下の平等の権利」があるということを。
当然、誹謗中傷された有名人は「権利侵害」されたことになる。
具体的には、
名誉棄損(名誉毀損罪(刑法230条)は、事実を摘示し、公然と、人の社会的評価を低下させた場合に成立)
侮辱罪(事実を摘示することなく,公然と他人を侮辱した場合に成立(刑法 231) 。)
などがあげられる。
どんな罪に問われるか
「民事」と「刑事」の両面で法的責任が発生
投稿の内容によりますが、
社会評価を下げた場合「名誉棄損罪」「侮辱罪」、
仕事に支障をきたした場合「業務妨害罪」「脅迫罪」さらに「強要罪」
などの刑事処罰の対象になることも。
「受任限度」を超えれば違法になる。
「受忍限度」とは嘘の事実関係を書いたり、
人格を否定するような発言です。
これらの発言で
人の社会的評価を下げた場合、表現の自由で保護する必要性も低く、
受忍限度を超えると判断されます。
「受忍限度を超えてないから自分のコメントは『セーフ』しかも訴えられないでしょ」
憲法13条は「すべての国民は、個人として尊重される」としています。
たとえ有名人であろうとなかろうと、
まっとうな意見や批判という域を超えて、
その人の人格を否定するような発言は許されません。
したがって、有名人だからといって何を書いても許される訳ではなく、
一人の人間として、その人の人間性や生き方など人格を否定するような投稿をすれば、
法的責任が生じます。
「知らなかった」「軽い気持ちで」ではもう遅い。SNSとの付き合い方
もし誹謗中傷にあたるコメントを書き込んでしまった場合、
どんな問題があるのでしょうか?
その投稿が名誉毀損罪に当たる場合、
3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が
課せられます。
民事訴訟は内容や状況によってさまざまですが、
とあるSNSでの誹謗中傷に対して起きた訴訟では、
書き込みをした被告が300万円以上の示談金を支払うことで
示談が成立しています。
このように、ネット上であっても誰かに攻撃を仕掛けるということは、
それだけのリスクがあるということです。
過去の投稿はいつまでも証拠として残ります
ネット上での「匿名」は、言葉通りの意味での「匿名」ではありません。
匿名で投稿したコメントであっても、不適切だと感じたユーザーがサービスの運営者にIPアドレスの開示請求をし、プロバイダに個人情報の請求をすれば、特定されることがあります。また過去の投稿であっても、ログが残っていれば証拠になり得ます。仮に自分の投稿が削除されたり、運営者から注意を受けたりした場合は、それを警告と捉え、少し冷静になって自分の発言を見直した方がいいかもしれません。
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