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2017年06月29日

7番打者ヨスバニ・アラルコンを検証する

yosvany-alarcon-3.png

Radio Rebelde、2017年6月29日、Yirsandy Rodríguez Hernández 記者

ラス・トゥナスのヨスバニ・アラルコン捕手を7番打者として起用したことが、カンナム・リーグでの21試合で5勝しかできなかった理由ではない、とは言い切れない。

そこで私は野球の学徒として、いくつかの統計データを用い、特に、出塁率.446、長打率.556の打者を7番打者に起用する正当性を主張する論理を分析する、という課題を自らに課してみた。

まずはロックランド・ボールダーズとの第二戦にロヘル・マチャド監督が起用したラインアップを分析することから始めてみよう。

ここに打撃陣の打順と出塁率と長打率を紹介する。

1. Víctor Mesa, .272/.284
2. Raúl González, .295/.373
3. Guillermo Avilés, .381/.462
4. Yordanis Samón, .326/.378
5. Denis Laza, .289/.400
6. Juan Carlos Torriente, .422/.405
7. Yosvany Alarcón, .446/.556
8. Jefferson Delgado, .317/.323
9. Yoelkis Céspedes, .363/.357

これを見ると次のような率直な疑問がわいてくるはずだ。一番打者がもっとも悪い出塁率というのは許されるのか?、と。そこでアラルコンが7番打者として起用された理由を探し始めると、いくつかのさらなる懸念が見つかった。

試合の数時間前にわれわれがロヘル・マチャド監督にラインアップを提案する役割を担っている、と仮定してみよう。出塁率が最悪のメサを1番打者に選ぶだろうか?その答えはイエスだ。なぜならメサはすぐれた足を持っており、真ん中から外角に来たボールの打撃には比較的強さを発揮する一方、三振する率は少ないからだ。今回のメンバーのなかで、メサよりスピードを持った打者はセスペデス以外には実際のところいない。

ラウル・ゴンサーレスは二番打者でよいだろう。36打数で打率.222だが、彼が打った本塁打は、チームの直近183打数のなかで唯一のものである。サモンが打ったもうひとつの本塁打は、チームの275打数のなかの1本である。打順下位にトリエンテ(出塁率.422)とジェフェルソン・デルガード(出塁率.317、長打率.323)がいるが、かれらは打順上位で起用したほうが、相手チームにプレッシャーを与え、その出塁率を有効に利用できるのではないか? それがロヘルが考えたことだったのではないかと私は思う。

ツイッターで私は同僚のロドルフォ・ドゥランに質問してみた。「ギジェルモ・アビレースが三番というのはどう思うか」、と。彼は次のように答えた。「よい選択だと思う。とりわけ左投手相手には」。これについては多少の議論がある。というのはアビレースの左投手相手の成績は昨季のキューバリーグでは減少しているのだ。

ギジェルモ・アビレース:打席数 / 長打率(左投手相手)

2013: 63/.608
2014: 89/.436
2015: 127/.411
2016: 117/.449
2017: 82/.271

このためマチャドは論理的にはアビレースを左投手相手の試合で起用することを選択しない。しかし実際にはアビレースのOPS.842という数字は、左投手相手の打率が.142のチームにおいて、彼を三番打者として起用する動機となった。

そこでわれわれに必要な残りの分析は、はじめの質問に戻る。OPS1.002のアラルコンをそんな打順下位に起用したのはなぜか。OPS10割台はアラルコン以外にいない。私はサモンが4番打者の責務を果たすのは問題ないと思う。彼は本塁打は少ないが長打力のある打者である。また第56期キューバリーグで5位のOPS1.012を記録したラソは今回、平均長打率.368のチームにあって、長打率.400を打っている。

すると問うべきいくつかの疑問が残る。アラルコンは何らかの負傷をしてプレーしていたのではないか? 私はそうは思わない。なぜならアラルコンは同リーグでの試合で幾度となく7番打者として出場しているし、最後の試合では3番打者としてスタメン起用されている。もし負傷していたのだとしたら、その負傷した選手をレギュラーとして起用し続けるのは賢明な選択だったのだろうか?

今週水曜日の試合開始時点で、アラルコンは2013年から2016年までの国際大会におけるISO(純長打率)の順位で第10位に位置していた。もうひとつのデータ。これまでキューバ代表チームで.400以上を打ちラインナップの下位打順で起用されたのは、2011年グアルダハラでのパンアメリカン大会におけるエリスベル・アルエバルエナしかいない。その大会でアルエバルエナ遊撃手は18打数で打率.444、出塁率.474、長打率.500を記録し、OPSは.974だった。彼がその打順に起用された理由は何だろうか?彼の長打は1本だけで、打点も1点のみ、四球率は5.56%、三振率は22.22%だった。

yosvany-alarcon-2.png

以上のようにあらゆる観点から、アラルコンを7番打者として起用する采配について確認してきたが、何を目指したものだったのかいまだに私は理解できない。最終試合でようやく意見や良識がカナダまで届いたらしく、首脳陣はアラルコンを3番打者に起用した。さてその結果はどうだったか?ナチュラルな攻撃型打者アラルコンは2打数2安打(1二塁打、1三塁打)2打点を放ち、2四球まで獲得した。

それでは、アラルコンを彼にふさわしい責任ある打順に起用してこなかったのはなぜなのだろうか。新しい時代の幕開けなのか? テレビ放送には映らないなにか重要な情報をわれわれは見失っているのだろうか?

この疑問に対する答えは、とても身近にあるかもしれない。たとえば次のような。18打数無安打のリードオフマン、ヨエルキス・セスペデスを見たのなら、なぜアラルコンを7番打者に移そうとするのか?

カンナム・リーグでのキューバ最終戦(ロックランド・ボールダーズに5対6で敗れる)のデータをここに紹介する。

yosvany-alarcon-1.png

¿Real o no?: Hubo razones para colocar a Yosvany Alarcón de séptimo bate
http://www.radiorebelde.cu/noticia/hubo-razones-para-colocar-yosvany-alarcon-septimo-bate-20170629/
posted by vivacuba at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | beisbol
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