2019年11月06日
キューバ代表 カナダに2安打完封負け 2番から5番が11三振 プレミア12初戦
Trabajadores、2019年11月6日、Joel García León記者
事前に問題を知って十分な時間をかけて準備していようとも合格するのが大変なその試験のように、プレミア12初戦のカナダ戦でのキューバの敗北(0対3)は、いまから5か月前にカンナムリーグでキューバに対しておこなったテスト(そこでもキューバ打線は沈黙した)をほとんど正確に真似る余裕を見せたフィリップ・アーモンの投球と比較することができる。
3回までは40分ほどで過ぎ、アーモンとカルロス・フアン・ビエラの投手戦はスコアボードで0点の期待に応えてきた。キューバは初回こそ制球の悪さがあったが、これを相手チームのリスクをかけた走塁(ダルトン・ポンペイが三盗を試みて失敗した)が大事に至るのを防いだ。
そうして4回がやってきた。エリック・ウッドが右翼へに二塁打、続くマイケル・サンダースが左翼へ安打し、カナダチームはこの試合最初の2安打で先制した。このあとロエル・サントスの正確な送球が三塁でトリスタン・ポンペイを刺し、この回カナダはさらなる追加点はならず。
以前話していたとおり、ミゲル・ボロート監督は手は振らず、まばたきだけでビエラを降板させ(6回あたまの4個目の四球のあと)、代わったヤリエル・ロドリゲスは4三振で打たれた安打は1本だけという素晴らしい投球をした。
パンアメリカン・リマ大会に向けた今年6月のオワタ・チャンピオンズとキューバ代表チームの試合であったように、右腕アーモンが好投する一方で、8回表に起きたことが皆に不安をなげかけた。
左腕リバン・モイネロは、日本プロリーグでの実績のとおり、試合の抑えとして比類なき経験を持っているが、ウェズリー・ダーヴィルへの死球、ウッドの遊撃への内野安打、そして3四球(このうちの一つはチャールズ・ルブランへの敬遠)でひじょうに苦しい状態になり2点を献上し、チームの勝利の可能性を消した。アンディ・ロドリゲスがその回を抑える役目を担った。
カナダに対して0対3というこの試合の結末によってキューバは、オーストラリア戦(今週水曜)と韓国戦(金曜)での2勝が必要になっている。
きょうの試合の教訓
- ソウルの高尺スカイドームでのフィリップ・アーモンの投球は、彼が投げなかったもう1イニングを加えても(彼は8回まで投げた)、ふたたび夢のような内容だった。9三振を奪った彼の主要武器は、コントロールと、さらには、公平に見れば、打席でのキューバチームの何らかの意気消沈だった。キューバ打撃陣は、次から次へと飽きずに1球目と2球目を打ちにいった。
- カルロス・フアン・ビエラとヤリエル・ロドリゲスは2人で10三振を奪う好投を見せた。8回にモイネロを起用したのはよいか。よい。接戦を維持するという哲学を持って、われらの投手陣のなかで最もすぐれた抑えを起用しなければならなかった。今回はその制球の悪さから2点を許し、よりいっそう頭の痛い状態になり失敗したが、戦略としてはしっかりなされたものである。
- キューバのラインナップは亀裂を見せ、変更が必要となっている。これほど短期の大会では再対応する時間が多くはないからである。アルエバルエナはミートとスピードの点からいって2番の打順であってはならない。セペダにとっては4打数4三振と決して思い出したくないであろう試合となった。グラシアル(2三振)とデスパイネ(2三振)も同様だった。
- ロエル・サントスとヨスバニ・アラルコンのすぐれた守備。非常に頭脳的なサントスは4回に本塁ではなく三塁に正確に送球し最大のピンチを切り抜けた。同じく8回にも本塁への正確な送球でこの試合唯一のダブルプレーを成立させ、点差を維持した。一方、アラルコン捕手は登板した5投手が投げたワンバウンド投球をすべて捕獲し、上述のサントスの送球時にもすぐれた守備を見せた。
- 8回に長打を狙って起用すべき代打はラウル・ゴンサーレスだったか、あるいはパベル・ケサダかサアベードラのほうが良かったか。カナダチームの投手陣(抑えのスコット・マシューソンを含む)がとてもすぐれているために12三振のうちキューバ打線2番〜5番の中核から11個を奪えるのか、それとも打席での何らかの意気消沈と集中力欠如が上回ったのか。
- 大きな注目をひくカナダのアーニー・ウィット監督による2つのプレー。ウィット監督は1999年のウィニペグでのパンアメリカン大会以来、キューバの野球をひじょうによく知っている。初回1死一二塁、4番打者の打席の場面での三盗指示と、8回の4番サンダースによる犠牲バント。前者は失敗し、後者は成功した。これが、つねにリスクを引き受ける、現代野球である。
- オーストラリア戦ではおそらく、アヤラは遊撃に移動し、パベル・ケサダが三塁を守ることになるだろう。グラシアルは左翼へ移動し、ヨエルキス・ギベルトが右翼を守る。打線を奮起させる必要がある。というのは投手陣は、9四球と2死球にもかかわらず、モイネロとブラディミール・ガルシアを除けば、許容できる働きを見せた。ただ野球で勝つためには打たなければならず、それがキューバチームはまたできなかった。
スターティングメンバー:
カナダ:ダルトン・ポンペイ(中堅)、ウェズリー・ダービル(遊撃)、エリック・ウッド(三塁)、マイケル・サンダース(右翼)、チャールズ・ルブラン(二塁)、ジョーダン・レナートン(一塁)、トリスタン・ポンペイ(左翼)、レネ・トソニ(指名打者)、ケリン・デグラン(捕手)、フィリップ・アーモン(投手)
キューバ:ロエル・サントス(中堅)、エリスベル・アルエバルエナ(遊撃)、ユリスベル・グラシアル(右翼)、アルフレド・デスパイネ(指名打者)、フレデリク・セペダ(左翼)、アレクサンデル・アヤラ(三塁)、ヨルダニス・サモン(一塁)、ヨスバニ・アラルコン(捕手)、セサル・プリエト(二塁)、カルロス・フアン・ビエラ(投手)
キューバ対カナダ プレミア12初戦 ハイライト(2019年11月6日)
キューバ対カナダ プレミア12初戦 7回〜9回(2019年11月6日)
Out 27: Cuba suspensa ante Aumont en el Premier (0-3)
http://www.trabajadores.cu/20191106/out-27-cuba-suspensa-ante-aumont-en-premier-0-3/
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試合経過をテキスト速報で何度か確認してたんですが、本当に淡々と試合が進んでいって打つ気配が全く感じられなかった。そして指揮官もそんな状況を変えるような策も打たずに漫然と凡退を見守って、最終回にも3三振のセペダへ代打も送らずに打席に立たせるなどベンチワークも含めて全てにおいて酷かった。
もう一つは、メンバー発表の頃からキューバメディアのSNSでも意見を述べてたことですが、アルエバルエナはアメリカ時代にメジャーの成績だけでなくメジャーデビュー前のマイナーの成績も打撃で能力を証明できてなかったし、マイナー落ちの後は試合にすら出ずに終わったという過去があり、守備を重視して彼を使うにしてもカンナムで首位打者を取るなど打撃力に大きな進歩を見せたマンドゥレイかベニテスのどちらかは連れていくべきでした。ましてや、強化試合で彼を2番で起用していたので、チャンスメイクは期待できなかったが今日はその通りの出来になってしまった。次戦以降はギベルトやプリエトの動ける若手とサントスの組み合わせでスピードを生かしてグラシアルたちに回して欲しいですね。
この記事の指摘にあるようにアヤラをSSに回す事態になるなら、やはりマンドゥレイを連れていって欲しかった。この面々ならマンドゥレイを3番にして5番グラシアルとかも興味ある打線になっていたかもしれない。