2021年01月14日
二九歳の就職活動、もうすぐ三〇歳ゆっくりとあせる
二九歳の就職活動、もうすぐ三〇歳ゆっくりとあせる
就職活動とは縁の遠い生活をしていた。
単位の修得、生活費を稼ぐ、卒業論文など、とても就職活動をする余裕はなかった。
公立の採用試験を受けようと思い、願書は書いて提出したが、試験対策はまったく出来ていなかった。また、卒業論文の指導日とも重なり、試験を受ける事すら出来なかった。かろうじて、数県の公立と私立の講師登録を行っただけであった。就職活動もろくにしていないので、新卒で教員になれるとは思っていなかった。
当初思っていた事は、アルバイト先で、雇用保険をかけていたので、職業訓練学校に通って、雇用保険で生活をしようと思っていた。実際願書も書き提出寸前であった。
三月も中旬が過ぎた頃、講師登録をしている県の私立高校から、面接を受けないかと連絡が入った。
教師になれるかもしれない、夢のような出来事であった。
突然に面接が決まり、採用試験の日程がきまった。
面接は校長、両教頭、教務主任、教科主任の五人が面接監となって行われた。
その重々しい雰囲気に緊張はしたが、自分の思いは伝わったと思う。
面接で好印象を与えるポイントは自分のセールスポイントを一つに絞って伝える事である。
私の場所は、飲食業の経験者という事をアピールした。 最後に言われた事は、様々な生徒が在籍しているので、自分の様な人間が必要という事であった。
結果は合格で、常勤講師として、四月からの採用が決まった。
すんなりと教師になれた事が不思議で、信じられなかった。
夢が現実になる瞬間であった。これまで、失敗続きの人生だったので、夢が現実になる事もあるのだと思った。
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