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2021年07月22日

運営管理 〜インストアマーチャンダイジング(ISM)〜



インストア・マーチャンダイジングとは、マーチャンダイジングの計画と戦略を店頭において実現しようとする活動であって、具体的には計画された商品構成とそれに基づいて選定された商品を、店頭に陳列・演出することによって消費者に提示し、効率的で効果的な方法により、店内における販売促進施策のことであり、客単価の向上による売上と利益の最大化を目的とする諸活動である。
ISMにおける客単価の規定要因

ISMにおける来客店1人当たりの買上金額(客単価)を増やす要因は、以下の通りである。
@動線長:店内をどれだけ歩いてもらえるか
A立寄率:歩く過程で個々の売り場にどれだけ立ち寄ってもらえるか
B視認率:立ち寄った先でどれだけ多くの商品を視認してもらえるか
C買上率:視認した中でどれだけ買い上げてもらえるか
D買上個数:一つだけでなくより多くの商品を買ってもらえるか
E商品単価:商品単価のより高い商品を買ってもらえるか
スペースマネジメント

スペースマネジメントはフロアマネジメントとシェルフマネジメントに大別される。
フロアマネジメント

フロアマネジメントは売場カテゴリーの配置や通路設計を行うことで、顧客の回遊性を高める管理手法である。
シェルフマネジメント

シェルフマネジメントは商品の配置を工夫することで、買上率や買上 個数を高める管理手法である。ワンウェイコントロールはフロアマネジメントに該当する。
棚割(プラノグラム)

棚割は、定番売場における商品の割り当て、陳列を決定する販売計画であり、来店客に対する視認性を向上させ、買上率向上に結び付けるために、商品の配置に関して優位置、劣位置を考慮し、来店客からどのように見られるか、という顧客視点を重視する必要がある。商品群の適正な構成比率で分類(グルーピング)し、グルーピングされた商品群の陳列スペースでの区分け(ゾーニング)を考える。その上で、グループ内の各アイテムのフェイス数と陳列位置(フェイシング)を考えることで、商品や客層に合った効果的な陳列方法を設計する。商品回転率や粗利金額などの販売データに基づいて、棚の生産性(売上高や商品回転率)を上げることが目的となる。
ホリゾンタル陳列(横陳列)

人の視線は横に流れることが自然であるため、ホリゾンタル陳列(横陳列)を行うことで商品グループ内の比較検討がしやすくなる。例えば、ビールをメーカーごとにグルーピングし、グレードが横並びになるよう陳列することで、消費者はあるメーカーのビールについて、プレミアム、生ビール、発泡酒などの比較検討がしやすくなる。横方向に同じグループ内の商品群を並べる陳列方法で限られたグループとしか視線が交わらないため、棚における同じ商品グループ内の比較がしやすい売場を作ることができる。
バーティカル陳列(縦陳列)

縦方向に商品グループを並べる陳列方法で、大きな括りで商品が縦にまとまっているので、売場を左右に行き来することなく商品を探すことができ、棚におけるグループ間の商品比較がしやすい売場を作ることができる。バーティカル陳列(縦陳列)を採用した場合、商品グループが縦に配列されるため、各商品グループ(メーカー別)間の比較検討がしやすくなる。例えば、ビールをメーカーごとにブルーピングし縦に並べる。
フェイシング

ゾーニングによって各グループの配置スペースが決まり、次にグループ内のアイテムを割り付けるフェイシングを検討する。フェイシングは、実購買に結びつける工夫を行うことが目的である。フェイシングは、来店客が買いやすいよう、また商品をよく見てもらえるように、商品の小分類、商品個々の容量やサイズでの陳列位置と陳列数を決め、商品アイテムのフェイス数を計画する。フェイスとは、商品を正面から見た顔であり、商品陳列のポイントである。フェイス数の増加は店頭商品数量の増加であり、販売量の多い商品の発注量や在庫量が増えるため、発注や陳列などの作業や管理が効率的になる。
ワンウェイコントロール

ワンウェイコントロールを用いて顧客の回遊性を高めることによって、顧客と商品との接点が増え、店内の視認性が高まる。
CRM(Customer Relationship Management)

情報システムを活用して客の属性やコンタクト履歴を管理し、それぞれの客に応じた施策を実施することで長期的な関係を築き、顧客満足度を向上させる取り組みのことである。
インストアプロモーション(ISP)

各売場に割り付けられた商品を効果的に販売するために、店内で付加的な刺激を顧客に与える販売促進活動のことである。価格主導型と非価格主導型に分類され、それぞれにおける販売促進施策を行うことで、顧客の購買意欲や非計画購買を促すことを目的としている。ISPはバーゲンやポイント付与など価格主導型が主となっていて、非価格主導型は価格主導型に比べて採用が少なくなっている。
価格主導型ISP

@クーポン
Aチラシ
B特売、値引き
C増量パック
Dバンドル販売
Eポイント制度(ポイント還元)
非価格主導型ISP

@ノベルティ
Aサンプリング
Bクロスマーチャンダイジング
Cデモンストレーション販売
Dフリークエント・ショッパーズ・プログラム(FSP)
EPOP

内的参照価格

消費者の経験則から判断される価格である。内的参照価格が低下してしまうと、消費者が感じる値頃感が低下することになるため、店舗側としては顧客の内的参照価格の低下を防ぐように、ISPを行うことが重要なポイントとなる。例えば、3,000円の商品を2,000円で値引き販売する場合は消費者に2,000円という内的参照価格が形成されるが、1,000円引きクーポンを発行しレジで割り引いた場合、その商品に対する内的参照価格の低下を抑制できる。
外的参照価格

消費者が売り場などの環境において感じ取る価格である。広告やいろいろな店舗の店頭でみた価格と比較する際の基準価格となる。
クロスマーチャンダイジング

消費者のニーズに合わせ同時購買や追加購買を促進するために、関連性の高い商品を組み合わせて陳列することである。非計画購買を促進する販売手法である。例えば酒類の売場に、それに合うつまみやお菓子を併売することで、買上個数を高めることが期待できる。クロスMDは、消費者の使用状況(使用シーン)に合わせて、関連性の高いアイテムを組み合わせて陳列するISMの一手段であり、同時購買、追加購買によって客単価の増大を目指した手法である。スーパーマーケットなどにおいて、焼肉のたれを焼肉の近くに陳列して販売する手法は、最も定着したクロスMDの一種であるといえる。通常は、顧客の衝動購入を訴求するために、立寄客数の多いエンド(陳列棚の端)で展開するのが効果的とされる。クロスMDでは、関連性の高いアイテムを組み合わせて陳列する。従って顧客にとっては、必要な関連商品が近接して陳列されているので、探す、見つける、という手間を省くことができ、買い物時における情報負荷量を軽減することができる。クロスMDは、関連商品を含めた品揃えにより、ついで買い、衝動買いを促すことを目的としている。関連購買を通して非計画購買を促進させることで、消費者の購買点数を増加させることができる。リフト値とは、データマイニングの際の相関分析の指標のひとつで、関連購買傾向の比率を表す値である。ある商品において、他の商品の関連購買を促進させる割合を示す。リフト値が1.0以上であれば、普通に商品が買われる率(購買率)より関連購買率が高く、リフト値が1.0未満であれば、購買率より関連購買率が低いことを表す。リフト値1.0以上の場合、関連購買効果の高い商品を近くにおいて併売率を高める陳列が有効となる。POS分析、バスケット分析の一手段として用いられることが多い。通常の棚割では、同じ製品ラインの商品は同じ棚にまとめて陳列することが一般的である。そのため各商品部門は、まとまりのある一定のスペースを割当てられる。一方クロスMDは、製品ラインの枠を越えて関連性があると思われる商品を同じ棚に陳列・展開する手法であり、発想次第では様々な商品の組み合わせが考えられる。小売業の各商品部門の担当者は、自身が担当するカテゴリーの商品を出来る限り多くの場所に陳列したいと考えるため、結果的に限られた陳列スペースを複数の担当者で取り合う状態になると想起される。特に担当するカテゴリーが細分化された大企業において、この傾向は強くなると考えられる。つまり、クロスMDによって商品部門間のコンフリクトは増加する。クロスMDはカテゴリーにこだわらず、関連性の高いアイテムを組み合わせて陳列する手法である。同時購買や追加購買による客単価の増大を目的としているため、該当する売場全体の活性化によって、各社の売上増に寄与することが望ましい。よって、他社製品の売上増は、関連購買によって自社の売上増につながる可能性が高い。つまり、自社製品だけでなく、他社製品の売上増にも寄与する提案が望ましい。例えば花王は、花王以外の他社製品を含めた棚割りを提案し、小売店の売上・利益を最大化するアプローチを取る。他社製品を含めた関連購買を促進させることで、自社製品の売上向上を図るとともに、小売店との関係性を強化することで、棚割りの決定権を維持し、売上安定化を図る施策を取っている。
価格政策

EDLP(Every Day Low Price)

一定期間における特売ではなく、常に低価格販売を実現する価格政策である。よって、低価格販売を実現するために、仕入コストや人件費、チラシなどの広告宣伝費などを極力抑えたローコストオペレーションを構築することが不可欠となる。
ハイ・ロープライシング政策

ハイ・ロープライシング政策の一つとして来店促進のために利益が出ないほど安く販売する目玉商品をロスリーダーという。採算を度外視した目玉商品(ロスリーダー)を設定することで来店客数の向上を図り、他の商品の購買に結びつける手法である。目玉商品には価格弾力性の高い商品を選定することで、来店客を呼び込む効果を高めることができる。フォワード・バイイングとは、特売期間に特売として販売する以上の量を仕入れるなど、有利な時期にそのとき必要な量を超える商品を購入することである。仕入価格を抑えられる一方、保管スペースが必要になったり、商品の鮮度が低下するなどのデメリットが考えられる。
原価加算法(コストプラス法)

原価加算法はコストプラス法とも呼ばれ、製品の原価に一定の利益を付加することで価格を決定する方式である。コストプラス法は商品の製造原価に粗利を上乗せしたものを売価として設定する方法である。一定の粗利額や粗利率を確保することを目的とした価格設定方法である。近隣店舗が同様の商品を値引した場合や、デッドストックなどにより商品の市場性が失われた場合には、設定した売価が市場の実情に合わなくなる場合がある。
マークアップ法

商品の仕入原価に一定の利益を付加することで価格を決定する方式である。
競争志向的価格設定法

競争企業の価格を視野に入れて価格決定する方法である。競争企業の価格を模倣して設定する価格方法として模倣的価格決定法がある。
市場価格法

消費者のニーズに合わせて 価格を設定する方式である。
プライスリーダー戦略

プライスリーダー戦略では商圏内において主導権を確保する水準で価格を設定する。プライスリーダーとは、市場の支配力を持ち他社の価格設定に対しても影響力を有する企業である。プライスリーダーが価格を引き上げると、競合他社が追随してその製品価格が形成される。
心理的価格決定方式

例えば小売価格を500円とせず498円とするような、端数価格と呼ばれる価格決定方法である。端数価格のほか慣習価格、名声価格などがある。名声価格政策は、意識的に高価格を設定することで、高品質であることを連想させる手法である。名声価格政策は威光価格政策とも呼ばれ、高品質をアピールするだけでなく、ブランドイメージや高級感の維持向上のために設定される価格である。

慣習的小売価格

商品カテゴリー別に成立している慣習価格にならって価格を決定する方式である。飲料水などの値段は慣習となっており、多くの企業がその価格を採用している。追随企業がそのような慣習にならって自社製品の価格を設定した場合、模倣的価格決定法とも言えるが、その価格は単品別に成立しているものではなく、飲料水というカテゴリーに対して成立しているものである。街中の自動販売機で販売されている缶ジュースの価格は120円であると認識されているのも慣習価格政策の一例である。
マーケットプライス法

市場(マーケット)を意識して価格を設定する方法のことである。マーケットプライス法では、競合を意識して、他店より意図的に安く価格を設定することや、多少高くても売れると予想し、市場価格よりも高く設定する場合もある。
均一価格政策

同一商品に対して全国共通の価格を設定する政策である。日本郵政の切手やはがきなどが均一価格政策の例である。また、100円ショップなど、異なる商品に同一の価格を設定する政策も均一価格政策と呼ぶことがある。消費者に安さと利便性を提供し、購買意欲をかき立てる効果がある。
スペース収益

スペース収益性とは、店舗の生産性を評価するもので、粗利益額と単位スペース面積で構成され、売場の単位スペース当たりの収益性のこと。店舗や商品カテゴリーなどの各レベルで生産性を示すことができる。スペース収益性を指標化することによって、マーチャンダイジング、インストア・マーチャンダイジング、新商品導入管理の改善に役立てることができる。
相乗積

相乗積とは、店舗全体に対する当該カテゴリーの粗利益の貢献度を示す指標のこと。
相乗積=当該カテゴリーの売上構成比×粗利益率
すべてのカテゴリーの相乗積の和は店舗全体の粗利益率と等しくなる
売上の分解

売上の分解式

売上=客数×客単価
客数の分解式

客数=来店頻度×顧客数
客数=既存顧客+新規顧客
客単価の分解式

客単価=買上げ点数×平均商品単価
客数、客単価の向上策

来店頻度の向上策

@ダイレクトメール
Aクーポン
Bポイント制度
CFSP
D広告、宣伝(パブリシティ=情報をメディアに渡し取り上げてもらう)
Eチラシ
顧客数の向上策

@口コミ
A入店しやすい店構え、陳列
B広告、宣伝(パブリシティ=情報をメディアに渡し取り上げてもらう)
Cチラシ
買上げ点数の向上策

@特売、値引き
APOP
Bクロスマーチャンダイジング
Cデモンストレーション販売
Dサンプリング、試用
Eノベルティ
Fバンドル販売
G人的販売(コーディネート提案)
H動線長を伸ばす店舗レイアウト(マグネットポイントの配置、計画購買を店奥に陳列)
平均商品単価の向上策

@高単価商品の品揃え、ゴールデンゾーンへの陳列、ISP
A人的販売(コーディネート提案、ニーズに合わせた商品提案、詳細な商品説明など)
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