素人目線　何でも自前

人間の欲求は低次の欲求から高次の欲求まで5段階のピラミッド階層(生理的欲求-安全欲求-社会的欲求-自尊欲求-自己実現欲求)になっており、下位の欲求を満たしながら順次上位の欲求を満たし、人間は成長していくというものである。この欲求の充足順序は不可逆的であると唱えた。この理論自体の実証性は批判の対象となるが、この理論の根底にある人間性重視の視点が後の組織論に大きな影響を与えた。

ERG理論とは、マズローの欲求段階説を発展させた理論であり、欲求は存在欲求、関係欲求、成長欲求の3段階に分類される。その特徴は次の2つである。�@3つの欲求が同時に存在することがある、�A高次の欲求が満たされない場合は、低次の欲求に戻ることもある (可逆性)。

D.マクレガーのX理論とY理論は、個人は肯定的側面と否定的側面の両面を併せ持つことを示す。

状況に応じてモチベーションを刺激する組み合わせを変えること。

マクレランドの三欲求理論において達成感を強く求める人は、自分の能力に見合った中程度のリスクを好み、仕事の達成に個人的な生きがいを感じ、成果に対するフィードバックを求めると唱えた。3つの欲求とは達成・権力・親和のことで、特に達成動機が他の動機より高次であるとしている。

ハーズバーグらによる、動機づけ・衛生理論(二要因理論)において、外発的動機づけは、賃金、作業条件、経営 方針、部内の人間関係は衛生要因とされる。従業員が不満足を知覚する衛生要因と、満足を知覚する動機づけ要因を独立した要因として捉え、必ずしも不満足を解消せずとも、モチベーションを高めることができることを提唱した。衛生要因は仕事そのものではなく、その外にあるので外発的要因でもある。これらは、なければ不満、しかしあったとしても全く満足するということはないとされる。それに対して、仕事の達成感、仕事に対するフィードバック(特に高い評価)、仕事にやりがいを感じることなどは、高次の欲求であり、働くという行為そのものの中にある内発的動機づけである。ハーズバーグはこれを動機づけ要因と呼び、なくても、特に不満ではないが、経験してしまうとさらに強い満足を得るような欲求であると説明した。

V.ブルームの期待理論によれば、モチベーションは将来に対する合理的な計算として捉えられ、特定の努力によって実現される目標の期待値(実現可能性)と、目標を実現することによって得られる報酬の誘意性(報酬の魅力)の積(掛け算)として把握できることを提唱した。モチベーションは、報酬を得られる可能性が高く、報酬の魅力が大 きい方が強くなる。

ホーソン実験とは、作業条件と従業員の作業能率の関係を分析する目的でウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行われた実験のことである。E.メイヨー、F.レスリスバーガーらが研究に加わり、「労働者の作業能率は、客観的な職場環境よりも職場における個人の人間関係や目標意識に左右されるのではないか」という仮説が提示された。また、集団内には非公式組織(インフォーマル・グループ)が存在すること、非公式組織における仲間意識や集団内の規範が作業能率に影響を与える(外発的動機づけ)ことをもとに、人間関係論を展開した。

チクセントミハイは、「目標が明確で、迅速なフィードバックがあり、そしてスキル(技能)とチャレンジ(挑戦)のバランスが取れたぎりぎりのところで活動している時、(中略)集中が焦点を結び、散漫さは消滅し、時の経過と自我の感覚を失う。その代わり、われわれは行動をコントロールできているという感覚を得、世界に一体化している感覚を持つ」ことをフローとした。


「職務拡大」では個人のタスクの数、及び種類を増やし職務の多様性を拡大することで個人のモチベーションを高める。方向としては職務の水平的拡大となり、能力発揮の機会を増やす動機づけをする。細分化された職務を仕事の遂行過程に沿って結合し、職務領域を拡大する。

「職務充実」は職務の計画、実施、評価を、自分自身で管理できるようにする。複数の職務を横断させることでスキルの拡張を図るなど、方向としては職務の垂直的拡大になる。職務に必要な計画、組織化、実行、調整、統制など判断の幅を広げる要素を拡大させて、組織メンバーの能力や人間的成長の機会を与える。

目標による管理で個人レベルの充実を図る。小集団活動を推進する。