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2021年01月10日

企業経営理論 〜組織構造〜




組織構造

企業組織を取り巻く環境の不確実性と多角化の程度という2つの軸で分類すると以下のとおり
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機能別組織(functionally departmentalized organization)

機能別組織は、取り扱う製品が少なく事業構造が単純な場合に採用され、専門別に部門化されるので、各機能部門長はそれぞれの機能の範囲で管理責任を負い、トップマネジメントが部門間の調整の役割を果たす。命令系統が明確で集権的な管理が可能であり専門化に基づく知識や経験の蓄積が容易で部門内における規模の経済性を得やすい。一方で、機能別に組織が分かれているため、各部門長は各機能を部分的に担うため、会社全体をマネジメントすることはない。そのためトップマネジメントを養成することは、事業部制組織に比べ困難となる。環境変化への機動的な対応は困難であり、営業部門と製造部門でコンフリクトが発生する等の可能性は高くなる。

・メリット
@生産や購買の集約により共通の費用に抑えることが可能
A同じ機能のメンバーが一つの部門に集まるため専門性を高めやすい
B各機能の調整に必要な意思決定がトップまで上がるため中央集権的な管理が可能
Cトップと現場との距離が近ければ迅速な意思決定が可能

・デメリット
@組織規模の拡大によりトップと現場の距離が長くなると迅速な意思決定が困難になる
A機能部門ごと評価が異なり部門間のコンフリクトが発生しやすい
Bトップが機能別部門間で発生したコンフリクトの調整に忙殺される

・留意点
@規模の拡大につれて多重階層を形成し、組織の情報処理能力が低下する
Aトップマネジメントの機能低下や部門間対立が起こりやすい
B分化した部門の統合には公式の統合担当者が必要になる
事業部制組織(divisional organization)

事業部制組織は、製品別・地域別・顧客別等に分割された事業部によって構成され、それぞれの事業部が独立採算のプロフィットセンターとして利益責任を負い、あたかも一つの企業のように各事業部が構成される。すべての事業部を統括する本社は、企業全体の方針や戦略を決定し、各事業部門に経営資源を配分する役割と事業部間の調整の役割を担う。本社は企業全体の方針戦略決定に注力でき、資源配分と事業部間調整を行うことに専念できるため、業務的意思決定、管理的意思決定から解放されオーバーヘッドコストは抑えることができる。事業部ごとの独立性を高めることで、利益責任を明確化することができる反面、利益配分や優先的な投資権利を勝ち取る方向で作用するため、複数の事業部にまたがる統合的な製品の開発を行うことは困難である。

・メリット
@事業ごとに事業部が編成されるため、利益責任が明確化される
A事業ごとに事業部が編成されるため、事業部間の調整コストが軽減される
B限定された事業環境に特化しているため、当該環境下において的確で迅速な意思決定、対応ができる
C事業部の業績評価に基づいた資源配分とコントロールが容易になる
D事業部長に大幅な権限が委譲されるため、経営者としての訓練、育成ができる

・デメリット
@本社が各事業部の状況把握ができず、事業部の逸脱した行動をコントロールしづらい
A利益責任の遂行に必要な職能、機能を事業部内に組織するため、設備や人員に無駄となる重複が生じやすい。
B短期業績志向が強まり、長期的視点での戦略や取り組みが抑制されやすい
C事業部間で壁が生じてしまい、事業部間のコミュニケーション不足や事業間の調整が困難になる
D事業部間の人材や技術交流が滞ってしまい、情報共有が不十分になる
マトリックス組織(matrix organization)

マトリックス組織には、通常の事業部制を採用している企業が、事業横断的なプロジェクトチームを結成する一時的なマトリックス組織と、各事業部における営業・生産・購買といった各機能を横断的に恒常的な機能部門として纏め上げるマトリックス組織がある。マトリックス構造の長所は、組織が相互に依存した複数の複雑な活動を行っている場合、コーディネーションが促進される点にある。マトリックス組織のデメリットは、複数の命令系統(ツー・ボス・システム)となり、命令一元化の原則に抵触することである。言い換えれば、複数の命令系統に柔軟に対応し、複数の命令系統があることにより発生するコンフリクトを創造的に解決することができれば、柔軟で機動的なマトリックス組織のメリットを活かせることになる。複数の命令系統に柔軟に対応するためには、組織文化の裏づけが必要である。マトリックス組織を採用するためには、組織間のコミュニケーションが闊達で、共通目的に対する強いコミットがあるといった組織文化の裏づけが必要である。一般的にマトリックス組織を採用している企業では、機能マネジャーか事業マネジャーのどちらかの権限を高めておくことで2人の上司間の調整を行いやすいようにしている。

・メリット
@顧客からの2通りの要求に応えるために必要な調整ができる
A経営環境の頻繁な変化や複雑な意思決定に対応できる
B規模の経済性の追求や高い業績目標を達成するために経営資源が共有化される
・デメリット
@機能マネジャーと事業マネジャーの間にコンフリクトが生じやすい
A頻繁なすり合わせや葛藤処理の煩雑さに各マネジャーの時間がとられる
プロジェクト組織(project organization)

プロジェクト組織は、複数の部門にまたがる特定の問題解決のため、臨時横断的に各部門から職能別の専門家を集めて組織される。両者ともに不確実性が高い場合に採用される。マトリックス組織が恒常的組織であるのに対し、プロジェクト組織は臨時発生的組織であり、課題を解決すると解散する。それゆえ、プロジェクト組織は多角化の程度が低い場合に適する。プロジェクト組織では、機能マネージャーではなくプロジェクトマネージャーに大きな権限が付与される。
カンパニー制

カンパニー制は現在の事業部を再編していくつかのグループに分け、人事や予算の決定権、経営責任など事業に必要な機能を全て委譲した、独立性の強い社内組織形態である。社内分社制とか擬似会社制ともいわれる。カンパニー制においては、ROE(自己資本利益率、株主資本利益率)、ROI(投下資本利益率)、キャッ シュフローなどの収益管理を特に重視する。そのため、社内資本金制度によるストック管理や設備投資・人材などの資源までをも管理するという投資・運用責任がある。このことからカンパニー制をインベストメントセンターという。アメリカ型の事業部制組織はインベストメントセンターであり、出資者としての本社と権限委譲された経営者としての事業部長という擬似的な資本市場が存在することから、アメリカ型の事業部制組織はカンパニー制と捉えることができる。カンパニー制のデメリットとして、シナジーが発揮できなくなることが 挙げられ、各カンパニーが部分最適を求めると全社最適のビジネスモデルが組めなくなる。その結果、同一業界でカンパニーに個別最適を許容すれば重複した経営戦 略を策定してカニバリゼーションを起こす可能性がある。
純粋持株会社

製造や販売といった事業は行わず、 株式を所有することで、他の会社の事業活動を支配することを事業目的としており、子会社からの配当が売上げとなる。純粋持株会社の設立は、迅速な意思決定、責任・権限の明確化、 個別事業の競争力の強化などが主な目的である。また、純粋持株会社のリーダーシップが高くなりすぎると、実質的に従来の事業部制やカンパニー制と変わらない経営となり、他方、事業会社の自立性を伸ばすことに注力しすぎるとグループとしての一貫性に欠けた事業展開が進められる危険性がある。純粋持株会社の成功には、自立性の促進と求心力維持という高度なバランス感覚が求められることになる。株式の所有を通して子会社からの配当を得ることを事業目的としており、傘下の企業の経営戦略の標準化や、雇用形態や労働条件の設定を標準化する機能は持たない。
チームとグループ

チームとグループ

チームとは個々のメンバーが集団的な業績を目標としてメンバー同士の協調を通じてプラスの相乗効果を生み出そうとする。グループはメンバーが個人の責任分野内で業務遂行の助け合いを目的としている
チーム活用の際の留意点

チームで業務を遂行する場合、個人で業務を遂行する場合に比べて一般的に多くの時間と資源を必要とし、コンフリクトが顕在化する傾向にある。チームで業務を遂行することによるメリットがこのような代償を上回る必要がある。
チーム活用の判断基準

@業務の複雑性と異なる視点の必要性:その業務を遂行する上で複数メンバーでの対応や多様なスキル経験が必要とするかどうか
A価値のある目標への到達の必要性:その業務目標が単なる個別目標の合計ではなく、それ以上に価値のあるメンバーの共通目標につながるかどうか
B相互依存関係の必要性:その業務において、チームメンバー同士が相互依存関係にあるかどうか
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