非常識な読書のすすめでも有名な篠崎の書店、「読書のすすめ」https://dokusume.shop-pro.jp/の清水店長におすすめいただいて出会った壮絶な記録です。
『流れる星は生きている』藤原てい・著
【中古】流れる星は生きている 新版/偕成社/藤原てい(単行本) 価格:567円 |
【中古】流れる星は生きている 改版/中央公論新社/藤原てい(文庫) 価格:393円 |
著者の藤原ていさんは、新田次郎さんの奥様。
つまり、藤原正彦さんのお母さんです。
終戦間際、気象台で働いていた夫に付き従い、家族で満洲で暮らしていた藤原一家。
しかし突然のソ連参戦で、妻と小さな子ども3人は、夫と別行動で言語に絶する逃避行をしながら、日本に帰り着くことを目指すのです。
逃避行の恐怖、飢え、疲労、寒さ、、、
疲れ果てた行程でふと後ろを振り返ると、仲良くしていたご近所の奥さんが、倒れて動かなくなっていたり、凍てつく満洲の道を逃げて日本をめざすなかで、精神がおかしくなっていく人や、いつも優しいあの奥さんが「まさか」というように、まわりを考えなくなる人……。
逆に自分が限界なのに自分の命を削ってまで人に優しくい続けられる人……。
ギリギリの限界まで追い詰められると、日常では現れない心の奥のほうにある人間の本性のようなものが、炙り出されていきます。
この本は戦後、空前の大ベストセラーになったそうです。
実家の母からも「絶対読め」と言われてこの本を勧められました。
藤原ていさんの本をもっと読みたくなり、エッセイ集を読みました。
そうしたらこれがまた、別の意味での衝撃がありました。
突然ベストセラー作家となった藤原ていさん。
『流れる星は生きている』発売は昭和24年ということなので、当時は家庭の奥様が外でお仕事されるのは珍しかったでしょう。
家のことをきちんとすることを条件に、夫から作家活動の了解を得ていたそうです。 やっとの思いで満洲から帰国して、家族一緒に暮らせるようになったというのに、妻の大活躍のそばで、家事をきちんとすれば仕事をしていいと言いながら、夫は不機嫌だったそうです。
口もきかず、食卓は暗くなり、次第に食事をすると自分の部屋に引き揚げてしまったようです。
そんな生活が一年も続いたある日、いつものように自室に引き揚げた夫が、階段をどんどんいわせてまた居間に戻ってきた。
そして卓袱台にバンッと雑誌をたたき置いたそうです。
そして、「俺だってやればできるんだ」と叫んだそうなんです。
その雑誌には夫の作品が掲載されていました。
作家・新田次郎の誕生です。
妻の活躍への嫉妬と悔しさが新田次郎を生んだのですね。
1年間、家族には何も言わずに自室にこもって作品を書いては投稿する生活をしてたんですね。
なんだか、大作家誕生のきっかけが、妻への競争心だったとは、クスっと笑ってしまいました。 ホントにもう、子どもだなー(笑)
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