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2018年04月19日

仲良きことは 親日 その4 命のビザの背景

日本・日本人とユダヤ人との関わりは、

共に長い歴史の記録を持つこの二つの民族のきわだつ対比をみると、

さまざまな感慨を持ってしまう。

私達は、この二つの民族が

陰に陽に関わりあってきたことを知っておくべきだと思う。

日ユ同祖論というのがあって、そこでは日本人は、

アフリカ・中東から東に逃れてきたユダヤの11支族の中の1支族

もしくは混血された人達ではないか、

という歴史上未解決の事があるのは承知している。

ナルホド、と思うようなこともあるし、このことは別途書いてみたい。


ユダヤ人が親日であることの根本が

このような民族の根源に関わるようなところにあるかもしれないが、

しかし、そんな昔のハッキリしないことはおいといて、

比較的に新しく、明確に記録に残っていることから確認しておきたい。



まずは、杉原千畝について。

『命のビザ』として多くを語りつがれ、映画化もされ、

日本人にとって一番ポピュラーな事実だ。


そこでここでは、

杉原がこのような行動をとらざるを得なかった背景について確認しておきたい。


外務省の役人としてヨーロッパ各国で勤務していた杉原は、

ポーランドの亡命政府や諜報網・武装闘争同盟(地下抵抗組織の一つ)と協力しながら、

ドイツとソ連との開戦とその後の予測を、

ドイツ・ソ連双方からマークされつつ諜報し、本国に送信していた。


杉原などの優秀なインテリジェンスは

かなり正確な情報を当時の劣悪な通信網にもかかわらず、

日本の中央に送り続けていた。


しかし、対米国対策に汲々としていた中央は、

彼らの情報を活用しきれず米国との戦争に突入してしまった。


そして、戦中のヨーロッパの中、

杉原は運命のリトアニアのカウナスにおかれた領事館に転勤してきた。


ナチスからいわれなき迫害を受けはじめた

ドイツや戦争初期に占領されたポーランドあたりのユダヤ人は、

西と北に逃げる道はなく南のイタリア・トルコ経由で脱出していたが、

それも難しくなり、後は東、つまりソ連を経由するしか道がなくなって来た。


ソ連の東は日本(満州)である。

杉原は、政府・軍から了承済の

「ポーランド軍人用」何名分かの日本を経由して第3国に行ける

日本通過ビザを発行する権限は持っていた。

自国を占領され、

さまざまな理由でビザを発行してもらうこともできない状況だったユダヤ人は

わずかな可能性を求めて、大挙して小さな領事館前に集まり始めた。

1940年7月18日の早朝の事であった。

杉原は本省にビザ発行の許可を申請したが解決はしない。


苦悩の末、

杉原は「領事の権限でビザを出すことにする。いいだろう?」と妻に問いかけ、

妻は「あとで、私たちはどうなるか分かりませんけど、

そうして上げて下さい」と答えた。

そこで杉原は、本省の訓命に反し、

「人道上、どうしても拒否できない」という理由で、

受給要件を満たしていない者、

「ホーランド軍人」ではない者に対しても独断で通過ビザを発給し始めた。


それは、自身の免職を覚悟し、

後に予期もしていなかっただろう大きな栄誉を得た瞬間でもあった。


杉原はカウナスを去る1940年8月31日まで、

全文手書きのビザを発給し続けたのであった。




時は流れ、71年後の話である


『窮状にある人々に手を差し伸べることは、

  主のいつくしみの業に倣うことである。

   1940年、杉原領事夫妻は身職を賭して通過ビザを発給し、

     6,000人のユダヤ人の命を助けて下さった。

       いまこそわれわれがその恩義に報いるときである。』


 東日本大震災への義援金を募る際の米国のユダヤ人組織オーソドックス・ユニオンによる公式声明













posted by smile at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治
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